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好きになること「鍵泥棒のメソッド」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は鍵泥棒のメソッドです。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:オチが素敵すぎてキュンキュンした


あらすじ


自殺に失敗した売れない貧乏役者の桜井(堺雅人)と殺し屋のコンドウ(香川照之)は、偶然銭湯に居合わせていた。
コンドウは石鹸で足をすべらせてしまい、記憶喪失になる。
追い詰められている桜井は、この男の持ち物を拝借しようとする。

同じ頃、雑誌の編集長の水嶋香苗(広末涼子)は婚活中だった。




「運命じゃない人」「アフタースクール」の内田けんじ監督最新作です。

中村靖日
3845円
powered by yasuikamo

自分はこの「運命じゃない人」が大好きです。
その巧みな構成と登場人物の魅力に、してやられました。

本作も存分に期待して観ましたが、それは全く裏切られることはありませんでした。
めちゃくちゃ面白い!

本作はトリッキーな時系列の組み換えなどはなく、メインの3人の物語がクロスオーバーし、やがてとんでもない喜劇に変わっていきます。

ちょっとした台詞にも、演技にもしっかり意味があり、三者三様の登場人物が織り成す物語はおかしくって仕方がありません。

そしてオチ!このラストが本当に素晴らしいです。
このためにいろんな伏線が張られているし、観たあとはニコニコが止まらなくなってしまう素敵さ。
これは是非、恋人や大切な人と・・・いや、むしろ一人で観たほうが面白いと感じるラストかもしれません。

役者も本当に素晴らしかったです。
堺雅人さんはいつものイメージと違い、本当に嫌な奴にしか見えないし、
香川照之さんはシーンによって違った顔を見せる名演だし、
荒川良々さんもちゃんとヤクザに見えるし、
広末涼子さんは超可愛い&『不思議ちゃん』が入った役柄にとてもあっています。
ファンは女房を質に入れてでも観るべきでしょう。

「鍵泥棒のメソッド」というタイトルにあまり意味がないように感じる方がいるかもしれませんが、これは公式ページにも書いてあるとおり、メソッド演技法が元ネタでしょう。
売れない芸人の桜井は、銭湯で「鍵」を盗んでいますし、その『演技』を観れば、タイトルの皮肉がわかるのではないかな、と思います。
*タイトルについてはこちらの意見が的を得ていると思います↓
<『鍵泥棒のメソッド』 失くしたのは銭湯の鍵じゃない :映画のブログ>

内田けんじ監督の作品はテクニカルなものが多かったですが、本作は氏の作品の中で一番わかりやすい作品だと思います。
子どもから大人まで楽しめる作品ですので、近くで上映していたら是非。かなりオススメです!
エンドロールがはじまってすぐは、席を立たないほうがいいですよ。

↓以下はネタバレです。結末に触れまくっているので、未見の方は絶対に読まないでください















~水嶋香苗(広末涼子)~

初登場シーンからすごかったですね。
いきなり「結婚することにしました、相手はまだ決まっていないけど」とエキセントリックぷりをみせつけます。
しかし同時に、彼女がいかに同僚に信頼され、敏腕であるかもわかります。

しかもこれは伏線でした。
なにせ、彼女の父親は、もうすぐ死ぬ運命にあったのですから・・・
香苗は、はじめは父親に結婚した姿を見せるため、結婚相手を探そうとしていたのです。

彼女の好みは、同僚に「アルバイトの告知はどうしますか?」と言われたときに答えた「健康で、努力家な人がいいです」のまま。
コンドウと出会い、「何も(頭には)異常がなく、健康そのものだそうです」「(記憶が戻るよう)努力してみます」とドンピシャ(死語)で好みだったため、彼に付き添おうとしたのでしょう。

彼女が合コンに参加し、「男はやっぱり経済力がなきゃな!」と言う男に対して、「思いません」と一刀両断するのも痛快でした。

彼女はコンドウに結婚してくれと頼み、亡くなった父のビデオレター(結婚式用)を観たあとは「私は根が臆病だから」「本当に好きになるのは『怖いこと』」「でも、あなたなら一緒にいたい」と口にします。

しかし、コンドウの記憶が戻ったあと、桜井に「あの男に惚れているのか?」と言われたときには「結婚はする予定ですけど・・・」とことばを濁しています。

まだ、このときは、本当の意味ではコンドウのことが好きではなかった。
だからでこそ、ラストの展開がより素晴らしく思います。

彼女がいたからでこそ、社長の愛人の部屋に価値のあるもの(パウル・クレーの絵など)があるとわかり、窮地を脱出できていたことも好きです。
死体の偽装用の学ランルックにも、笑わせていただきました。


~桜井武史(堺雅人)~

いやあ、ヘタレな上どうしようもない奴でしたね。

一応「乗りかかった船」で社長の愛人を助けようとしてはいましたが、そもそも他人(コンドウ)の物を盗んだ上になり代わろうとするわ、他人の金で借金を返そうとするわ、勝手に部屋を借りるわで・・・

あまつさえ、『演技』をするときに、コンドウに「お前は部屋の本をはじめの8ページしか読んでいなっかただろ、お前は一番ダメなタイプの人間だろうが!」となじられることになります。
記憶が無くなったときのコンドウは、本を借りて一生懸命勉強をしようとしていたのに・・・

まだ演技をはじめてから数日しかたっていないコンドウに説教されるのは、おかしいやら情けないなら。
演技がなっていないと指摘を受けたにもかかわらず、「てめ~!」とわざとらしく言いながら近寄ってくるのは変わんないし、モデルガンでパンパンと撃たれまくるのは笑うしかありませんでした。

そんな彼も、終盤にヤクザの「工藤」と対峙したときには、鬼気迫る演技をすることになります。
結局演技はバレてしまいますが、それは死体の偽装がバレたためで、演技とは関係のないことでしょう。

コンドウが後に「惜しかったな、でも俺は結構感動した、演技の才能も捨てたもんじゃないと思うぞ」と言ってくれるのが嬉しかったです。
「今回の仕事は美しくない」とかほざくあたりは完璧に演技に酔っている状態でしたけどね。


~コンドウ/山崎信一郎(香川照之)~

映画を観てみると、彼こそが真の主人公のように思えました。
いい加減な桜井に対し、彼は実直で、真面目な男性です。

さらにその正体は実は「殺し屋」ではなく、「便利屋」にすぎませんでした。
冒頭での「殺し」も実は偽装にしかすぎず(近くにいた工藤の部下のヤクザには、わざと目撃させたのでしょう)、彼は人の道に外れたような犯罪はしていなかったのです。

コンドウは自らの・・・ではなく桜井の今の暮らしを恥じ、桜井と香苗の目の前で「35にもなって定職がなく、こんなアパート暮らし、死にくなるのも当然だよ!」と口にします。
でも実は、桜井の自殺の理由は遺書の内容とも関係なく「愛していた女性と結婚できなくなったから」なんですよね。

終盤、桜井はそのことをコンドウに告げ、笑われます。
しかし、桜井にも「あんた『俺の人生をもらう』って言ったよな、それはあの人(香苗)のためだろ?俺のこと、笑えんのか」と言われます。
コンドウはその問いに答えません。
コンドウもまた、愛する女性のために人生を賭けようとしていたのです。

コンドウが「金はもういいよ」と言い、お金に執着しなくなったのもよかったです。
これも、香苗に出会ったがためなのでしょう。


~恋するマシーンは壊れない~

コンドウは序盤と同じように道路工事による渋滞につかまります。
そして、桜井が捨てようとしたけど、一枚だけ車の中に残されていた写真を見つめます。
そこには、好きな人と楽しそうに笑っている桜井がいました。

一方、香苗はコンドウが几帳面にとっていたノートを見ます。
そこには、「好きなもの」の項に「水嶋香苗」の文字があり、丸で囲ってありました。

香苗がそれを観た瞬間、『キューン』という音が響きます。
その音の正体は、コンドウが運転した車がぶつかった時の警報音でした。

コンドウと香苗は、わざとらしく手を振り上げ、抱き合います。

後ろの車の後部座席にいた「社長の愛人」は「誰があんなハゲ」と言っており、社長を愛してはいませんでした。
彼女がイラついたように、車の窓を殴るところで、映画は幕を閉じます。

このオチの素晴らしいところは、中盤にあった香苗の姉の「恋するマシーン」の理論を打ち負かしていることです。

香苗の姉はこう言っていました。
「あなた、恋をしてから結婚をするつもり?若い頃は、好きな人を思うだけで、心が『キューン』となったことがあったでしょう?でもこの『キューン』のマシーンって、30を過ぎるとたぶん壊れちゃうの。恋はしなくても、結婚はできるわよ」

それを覆すように、『キューン』としてしまった香苗。
恋の気持ちが無くならない、素敵なものであることを示す、痛快なラストでした。

さらに「そんなわけねーよ!」な人用に、『恋を信じない』社長の愛人の二段がまえのオチも用意してくれるのです。
いろんな人が共感できるこのラストは、もうこれ以上ないような完成度だと思います。


~さらなるオチ~

しかもオチは二段構えどころか三段構えでした。
エンドロールがはじまって少しして、さらにワンシーンあったのです。

同じアパートの住人の「この子(ネコ)がいないと死んじゃう」と言っていた女性が、ネコを追いかけ、桜井の部屋にたどり着きます。
桜井は、ネコを抱きかかえ、優しく笑う。
この女性もまた、心が『キューン』としちゃうのでした。



もうね、最高。
恋を信じる登場人物は幸せになり、これから幸せになりそうな人もいて、恋を信じない女性は不幸せそうでイラついている
こんな微笑ましいラストを考えたことは、賞賛するしかありません。


~ビデオレター~

この映画にはもうひとつ素晴らしい要素があります。
それは香苗の父が残していた「ビデオレター」です。

香苗の父は、こう宣います。
「一流の家具に囲まれることができましたが、そんなことには何の価値もありません」
「私にとって価値があるのは、愛する妻と、2人の娘です」
・・・と、そこでDVDが間違っていて、『結婚式用』のものだったことがわかります。

「誰か知らないけど、香苗を幸せにしてやってください」
「もし不幸せにしたら、呪い殺しますから
「とにかく、あなたはおめでとう」

その場に、婚約を宣言されたコンドウもいたのです。
父の、愛するものを思う気持ちが、みてとれました。

香苗の父がビデオレターで残したように、「人生とは思い通りにはいかないもの」です。
それでも、『恋するマシーン』のことは信じて行動してもいいんじゃないかな。
香苗の父は、愛するものといて、幸せだったのですから。
そう思える映画でした。

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2012-09-16 : 映画感想 : コメント : 0 : トラックバック : 2
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『鍵泥棒のメソッド』、う〜〜〜ん、物足りない。。。
 内田けんじ監督、堺雅人主演、『鍵泥棒のメソッド』、9/15、Tジョイ久留米にて鑑賞。2012年36本目。  自分は現在、七十枚以上のDVDを所有していますが、その中で...
2012-09-17 01:20 : この世界の憂鬱と気紛れ
『鍵泥棒のメソッド』お薦め映画
★★★★★ 人生を取り換えた男たちの大騒動は一筋縄ではいかない。先の読めない展開にワクワクしてくる。こういうちゃんと真面目に笑わせてくれる作品を観客は待っている。本作で
2012-09-22 09:28 : 作曲♪心をこめて作曲します♪
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