究極鬼ごっこ「ボーン・アルティメイタム」ネタバレなし感想+お気に入りシーン
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個人的お気に入り度:7/10
一言感想:とにかく、逃げる、逃げる、逃げる!
あらすじ
新聞記者ロス(パディ・コンシダイン)、ジェイソン・ボーン(マット・デイモン)がその第一号となった「トレッドストーン計画」に関する取材を進めていた。
ボーンはロンドンで彼に接触しようとするが、CIAの現地要員に監視されていたために追われることになる。
さらにボーンは、新たに「ブラックブライアー計画」を知ることになる。
ジェイソン・ボーンの記憶探しの旅が完結する。
これは面白い!
三部作の中で一番評価がよいことにも納得です。
本作は落ち着いた雰囲気はまるでなく、最初から最後までアクションの連続です。
しかし、アクションがただ乱立しているだけではなく、主人公ボーンの知略や敏腕さが存分に現れているので、どれもが印象に残る戦いばかりです。
ここまで面白いアクションを作り出したのは、アイディアだけでなく、カット割りを多用した画面にもあるでしょう。
スピーディーで一瞬たりとも目を離せない緊張感はシリーズ随一です。
ボーンの能力もさることながら、それを追いかける敵側のCIAも負けてはいません。
繰り広げられるのは、監視カメラや盗聴などのハイテク手段を使いボーンを追い詰めようとするCIAと、頭脳でその上を行くボーンとの、超ハイレベルな「鬼ごっこ」勝負なのです。
とにかくアクション好きなら必見と言える内容ですが、はっきり言って一見さんお断りの内容です。
少なくとも、前作「スプレマシー」は観ておいたほうがいいと思います。
観ていないと、ストーリーの半分以上を楽しめないでしょう。
また、主人公の記憶の真相がいまひとつに感じたのも残念。
ストーリーだけなら、前作のほうがすっきりしていて好みでした。
でも、このシリーズは物語の結末ではなく、「追って、追われて」の過程とリアリティのあるアクションシーン(B級映画にありがちな「爆発」などはほとんどない)にこそ真髄があると思うので、これでよいのかもしれません。
自分は「アルティメイタム」の意味を「究極」と勘違いしていたのですが、実際は「最後通牒」なのだとか。
このタイトルも、意味深です。
作中に「エシュロン」の話題が出てくるのも興味深いですね。
「監視」されているようなシステムへ警鐘を鳴らしている映画なのかもしれません。
*ちなみにシリーズはロバート・ラドラムの小説を原作としていますが、映画とは内容がだいぶ異なっているようです。
「暗殺者」
「殺戮のオデッセイ」
「最後の暗殺者」
と、だいぶ映画とはかけ離れた邦題がつけられているのでわかりにくいですね。
以下、ちょっとだけ作中のシーンがネタバレです↓未見の方はご注意を。
冒頭のアクションが、最も「知略」ということばが似合います。
ボーンは、計画の秘密を知る新聞記者に指示を出し、敵の追跡を逃れようとします。<靴紐を結ぶふりをしろ!
<そのおかげで追跡者から見られない
<ボーンは監視カメラの位置も把握済み
<カメラのタイミングも計算!(しかもボーンは一瞬だけ新聞記者に接近)
こうしたボーンの能力のおかげで、追撃の手を免れるのですが・・・この後新聞記者がボーンの指示とは違う行動をしてしまい、見つかってしまいます。
それにもかかわらず、この後ボーンは見事新聞記者を安全なところへ連れて行きます。
その行動もスマートすぎて笑ってしまいました。
この映画の主人公の好きなところは、迷いが全くなく的確な行動をしていることです。
今回は肉弾戦も面白い!<手をひねる!
ボーンは刺客の手をひねっておさえつけるけど・・・<クルッ
<クルッ
なんと敵は一回転で逃れる。
このシーンは本気で一瞬なので、へたすりゃ見逃します。
もちろんボーンも負けてはいません。<布で応戦!
この布は、ボーンが屋根伝いで逃げている最中にパクッたもの(この主人公は酒やら車やらやたらとパクります)。
これを想定していたとするなら、すさまじい準備の良さです。
このシーンをレゴで再現した動画がある事に驚きました。驚きの完成度です。
ラストは「スプレマシー」を観た人なら、きっと感動できる素晴らしいカット。
今回公開される「レガシー」のようなスピンオフに近い作品よりも、物語の続きをさらに観たいと思ってしまいます。
オススメ↓
ジェイソン・ボーン - Wikipedia(シリーズ全てのネタバレ注意)
ボーン・アイデンティティーとは - ニコニコ大百科(「備考」の欄は必見!)