暗殺を教わっている先生を暗殺で葬れ!漫画「暗殺教室」レビュー
いままでいろいろな「教師もの」の作品が世に登場し、人気を博してきました。
そして天下の「少年ジャンプ」誌上で新たな教師ものがはじまりました。
今日は漫画「暗殺教室」をご紹介します。
![]() | 松井 優征 420円 powered by yasuikamo |
・・・まあ、すごいよね。タイトルもすごいけど、この1巻の表紙はもっとすごいよね。
まっ黄色な表紙に点の目と笑った歯があるだけ。
超手抜きに見えるところですが、書店では目を引きまくるので大成功と言えるのではないでしょうか。
中身が想像できないと思うので、早速紹介しましょう。
漫画は教室の朝のホームルームからはじまるのですが・・

生徒たちはどこか緊張し、心中穏やかではない様子。
教師はこんな感じです。

人間じゃありませんでした。
↓以下ちょっとだけネタバレ注意
号令はこんな感じ。<起立!(一斉に銃を構えながら)
<気をつけ!(狙いを定めながら)
<令!(発砲しながら)
なんだこの漫画。
そう、タイトルにある「暗殺」の相手とはこの先生のことであり、教室はそれを教える場なのです。
言っている意味がわからないかもしれませんが、読んでいみると一層その破天荒な設定に驚かされることでしょう。
先生は見てのとおり人間じゃありません。化物です。
それどころか、生徒たちの自己紹介の時に「来年の春に地球をぶっ壊す」とかほざいています。<見せしめに月を爆破した犯人です、よろしく!
<ツッコミどころありすぎだろ!
ツッコミどころ
・お前何者やねん
・どうやって月を壊したねん
・なんで地球壊そうとするねん
・なんでここに教師として来て、担任になるねん
・ていうかお前人間じゃねーだろ
・ただの中学生たちにお前の暗殺をまかせるってどういうこと?
さらにこいつはマッハ20のスピードを出し、すさまじい再生能力をも有しているので、殺すのはもはや無理ゲーなのです。
それでも中学生たちは地球の存亡(と成功報酬の100億円)をかけ、この通称「殺(ころ)せんせー」に教わりながら先生をぶっ殺そうとします。狂っているね。
そんな狂気が垣間見えるシーンをひとつ紹介しましょう。<生徒たちが心を開いてくれている!
ああ、金八先生にありそうな心あたたまるシーン・・・なわけがありません。<こんなにも殺気立って!!(ナイフを持った生徒たちを見ながら)
・・・そんなわけで全然普通の「教師もの」なんかじゃなかったのでした。
でも本当面白い。
これだけぶっ飛んでいる設定を見事に成立させているし、出落ちで終わらせず各エピソードがきちんと面白く仕上がっています。
「暗殺」と聞いて、インモラルな子どもに見せたくない漫画だと思われるかもしれませんが、実はそうでもありません。
「教育」ということにも、しっかり突っ込んでいます。
たとえば、この物語の生徒たちがいるのは「E組」という、成績が悪いものたちを隔離し、不当な扱いをされている場所なのです。
そのほかの生徒たちはE組のものを嘲笑し、蔑む。
それは、かつてはびこっていた差別を思い出させるものです。
そして、殺せんせーは、そんな中でも生徒に温かい目を注ぎ、教育しています。
これは国語が苦手な生徒に対して、自身へ毒を盛る方法を考えることこそが国語の理解につながると諭すシーン。
いろんな意味で間違っている気がしないでもないですが、実践を通して生徒にあるべきことを教えることは、理想の教え方ではないのでしょうか。
ほかにも殺せんせーはやたらと(暗殺以外でも)教え方が上手く、暗殺対象にもかかわらず生徒の信頼を得ているのです。
あとこの殺せんせー、ちょっと間が抜けていて可愛いんですよね。<生徒にお茶目な問題を出したつもりだけど、酷評される先生
読んだあとは殺せんせーを好きにならざるを得ないはず。
ちょっとE組の生徒が羨ましく思えるくらいです。
そんなわけで斬新すぎる教師像を描いた「暗殺教室」は大プッシュでおすすめの漫画です。
暗殺者となるものたちの個性も豊かで飽きさせませんし、ギャグも秀逸、続きが読みたくなって仕方がない面白さがあります。
作者の前作「魔人探偵脳噛ネウロ」は読む人を選ぶ作品でしたが、本作はより万人向けだと思います。
単行本にはキャラクターのプロフィールをはじめとしたおまけも充実している(カバーを外したところにもおまけあり)ので、雑誌で読んだ方も購入する価値がありますよ。
最後に、単行本のまえがきにある作者のことばを紹介しましょう。
『殺す』ということは、頻繁に口にされるも最も実際に実行されない意思表示・・・
確かにその通りでしょう。
実際に『殺す』ことを目標とする少年少女がどのように成長し、この物語がどんな顛末をたどるのか、楽しみに待とうと思います。
こちらで試し読みができます↓
【2話無料】ジャンプの暗殺教室・ネウロが読める!!‐ニコニコインフォ
ジャンプでしか読んでなかったのですが、このレビューを読み、単行本が欲しくなりました(笑)
(映画ネタで振ってみた)
というか、ジャンプなんですね。
同じ中学にマフィアファミリーが何人もいるマンガ(しかもあちらも「家庭教師もの」)と同じ掲載誌なので何の問題も無かった。
> 言っている意味がわからないかもしれませんが
[��篏�]…俺も何を言われたのかわからなかった。
頭がどうにかなりそうだった。
キン肉マンだとかテニスの王子様だとか
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
もっとトンデモなものの片鱗を味わったぜ…。[/��篏�]
単行本の殺せんせーのプロフィールは笑えますよ。
>シオンソルトさん
そういややってましたね、家庭教師なんたらという漫画が。
あれはほのぼのコメディだったころは好きでした・・・(過去形)
あとそのジョジョネタは使おうかどうか迷ってましたw