エロくて眠くてキツい「ノルウェイの森」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
個人的お気に入り度:3/10
一言感想:キザな台詞とエロティックさの応酬、そこに興味がないと睡魔召喚必死
あらすじ
直子とキズキは幼馴染の恋人同士。主人公のワタナベは2人と仲が良かった。
しかしある日キズキは自殺をしてしまう。
大学生になったワタナベは、東京で直子と再会する。
これは精神的にキツいしエロティック。本当にPG12指定でいいの?
自分は原作は未読ですが、もとの小説の魅力は「村上春樹の洗練された文体」にあるのだとおもいます。
この映画では登場人物のモノローグと台詞で、それを描きます。
この描写を登場人物の演技とともに楽しめるか、そうでないかで評価が分かれると思います。
自分は後者で、この映画は退屈に思えました。
原作小説も賛否両論ですが、この映画も評価は真っ二つにわれるでしょう。
良くも悪くも病的で、感情移入を阻む登場人物たちがどうにも苦手。話自体も決して面白いものとは思えない。
とにかく好き嫌いの分かれる映画で、自分は大嫌いという印象です。
美しいロケーション、音楽、役者たちの入魂な演技など見どころは十二分にあります。
しかし
普通の恋愛映画を期待している、
娯楽性を期待している、
登場人物に感情移入したい、
原作を知らない方には
変でつまらない映画としてしか感じないかもしれません。
以下ネタバレです
この映画はとにかく主人公の松山ケンイチがモテまくり、女性と寝まくる話です。
この時点で自分はこんな主人公には共感できませんが、まわりの女性も負けず劣らずエキセントリックで、病んでいます。
そして直子の自殺。不協和音の音楽が響く。
そのあと、海外でむせび泣く主人公。松山ケンイチは入魂の演技ですが、ひとつ疑問が。
何故かその海岸で寝泊まりしていたいた痕跡があります。
ここの「直子の自殺後、海岸の穴で暮らしていた」という描写は原作で描かれていたことなのか・・読んでみないと分かりませんが、重要な個所を省いたように感じられました。
ほかにも、意味深なカットがいくつもありますが(唐突に黒パンツ姿の松山ケンイチが水に飛び込む描写など)、あまり機能していなかったように思います。
一番の問題点は、展開そのものが主人公があっちこっち女性の間をさまよう話で、かつ描写が淡々としていること。
これは作品の味なので好意的な意見はあると思いますが、面白さを見出せなかったので、自分は何回もウトウトしかけました。
反対に面白かったのは、大学の先輩永沢とハツミの関係。
永沢はあちこちで女を作つくり、外交官の試験に軽くパスする男。そんな彼を愛するハツミ。
彼女のエピソードは少ないですが、ワタナベにスワッピングの件や女関係を非難するシーンは強烈な印象を残しました。
あとエロかったシーンはいろいろありますが、プールでの水の表現に一番エロスを感じたのは自分だけ?
撮影が抜群のうまさです。
役者たちの演技も格別。「緑」役の方は初演技ということですが、文句なしのうまさでした。
彼女の言う「イチゴのショートケーキ」の一節は、大好きです。
何時も楽しんで、拝見しています。
私は62歳で、「ハルキ」と云うと、どっちかと云うと、角川春樹を思い出すほうです。
原作を読んだ友人が、ヤハリ、評価が低かったです。
原作未読の、私には、懐かしい母校が出ていたので、学生時代を思い出しました。
「反帝学評」の青ヘル学生が、大量に登場してましたし、「反戦連合」の黒ヘルも登場してました。
懐かしかったです。
凛子さんは、障害者役者みたいですね。
彼女が、行き急ぐみたいに、歩き回るシーンは記憶に残りそうです。
緑色が多い背景。風が見えるようなシーンの連続。
デモ、なんだか、韓流映画のような気がしました。
そして62歳でらっしゃいますか!また初めての層の方が来てくれてうれしいです。
角川のほうのハルキは全く知らないですね・・・すみませんジェネレーションギャップです。
昔の「赤軍」の描写がありましたね。自分はそのあたりのこともほとんど知らなかったのですが、懐かしく思われているということは、上手く再現できていたのでしょうね。
菊池凛子さんは上手かったです。
映画の「バベル」でも病的な演技が上手い方でした。