ボンドin勘違い日本「007は二度死ぬ」完全ネタバレ感想
本日は007ファンから「裏ベスト」と呼ばれる問題作「007は二度死ぬ」(制作:1967年)をご紹介します。
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個人的お気に入り度:5/10
一言感想:ボンドが忍者としてもスパイとしても忍んでいないんですけど
あらすじ
米ソの宇宙ロケットが、次々と行方不明になるという事件が発生した。
英国情報部MI6は、真相究明のためジェームズ・ボンドを日本に派遣する。
その後ボンドは日本でチュッチュアハハしたり、忍者と一緒に戦ったりする。
えー本作が問題作である理由は
①本作が日本を舞台にしている
②ストーリーが大味
の2つがその大半です。
①はなかなか素敵なことになっていまして、スモウ、ゲイシャ、ニンジャなどなどジャパニーズなアイテムが次々に登場します。
その勘違いっぷりは、にわか知識のアメリカンな方が勝手に考えたんだろうな~と思わせるトンデモっぷりでなかなか笑わせます。
間違いなく日本人がもっとも楽しめる映画でしょう。
それでも本作は「リトルトウキョー殺人課」などのキテレツさに比べればだいぶマシです。
それは出演した浜美枝と丹波哲郎がだいぶ修正をほどこしたおかげでしょう。
②のストーリなのですが、これは超適当な内容になっています。
敵の描写が中途半端で煮え切らず、ヒロインの魅力はいろんな意味で薄く、とってつけたような展開はあんまり褒めれるものではありません。つーかグッダグダです。
特に最終決戦ではそれはないだろうと思わせる描写の連続で、脳みそとろけそうなほど脱力してしまいました。
そんなダニエル・クレイヴ時代の007しか知らない人が観たら気絶もののバカ映画ですが、独特のシリアスな笑いにはクセになる魅力があります。
下手なコメディ映画よりもよっぽど笑えるので、けっこうデートにもオススメですよ(いやマジで)
wikipediaにはトリビアが満載なので必見です↓
<007は二度死ぬ - Wikipedia>
そういえば丹波哲郎が声優として参加した「映画 クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦」では、「わしはジェームズ・ボンドと風呂に入ったことがあるんじゃぞ!」というセリフがあった。
本作のことなんだけど、子どもには絶対わからないネタだよなあ・・・
以下、画像付きで最初から最後までネタバレ↓ めっちゃ長いよ。
映画は地球上空に謎の宇宙船が現れるところからはじまります。<やあ
その宇宙船は、なんとNASAのロケットを飲み込もうとします。<かぱあ
<ぱっくり
命綱がプチっと切れるところが笑いどころ。
この宇宙船は日本の海域に着陸したらしいです。
いっぽう主人公ボンドは、あいかわらず女性とベッドインしていました。
「中国の女性は味が違うなあ」とか歯が浮きますね。
そんなとき、女性は謎のボタンを押します<ポチっとな
すると・・・<うわっ
ベッドが回転します(縦に)<バタン
しかもそこに現れる刺客!<マシンガン乱射
あっさり撃たれます。
さらにその後に現れた軍に・・・<死んでる
と、あっさりと死亡を確認されるボンド。ええー!
すでにお腹いっぱいですが、ここでオープニング。
ナンシー・シナトラの音楽に合わせて、和風な風景が流されます。
日本を表すものの代表・ゲイシャも登場。
思い切り乳〇が見えている気がするんだけど、大丈夫?
そしてボンドの葬儀が取り急ぎ行われます。
なんと水葬。
そこに潜水手が現れ、その死体を回収。
ボンドは酸素ボンベをつけており、しれっと生きていました。
というわけで「死んだふり」をして自分の存在を抹消し、スパイとして活動するための作戦でした。
大味にもほどがある作戦ですね。
そしてボンドは日本へ!<アサヒビール
<テレビはナショナル
<人力車
ほうほう懐かしい・・・実際に浅草で人力車は営業していますよね。
ちなみに作中には着物姿の女性がやたら登場し、後にはホテルニューオータニが出てきたりします。
そして横綱佐田の山が本人役で登場。
仲介役なだけで、特に必然性のない配役でした。
そしてボンドは相撲の試合の最前列に招待(目立ちすぎ)され、今回のボンドガールの一人、アキ(若林映子)と出会います。
アキは今回の相棒である「ヘンダーソン」のところへ連れて行くのですが、そいつは登場してから3分で殺されます。
ボンドは相棒に恵まれませんね。
ボンドは敵に変装し、本拠地に潜り込みます。
そこでボンドはソファで敵を攻撃。
ボンドは10回くらいこれで小突いていました。
部屋が和洋折衷にもほどがあるのも気になりますね。
ボンドはさらに観音様(?)を武器にしやがります。
案の定こうなります。<ポロッ
とれちゃった。ボンドはその後その像の取れた部分をナデナデする始末。ちゃんと直せ。
その後助けに来てくれたアキについて行くと、途中で床が抜けます。<またかよ。
今回のボンドはよく罠にひっかりますね。
いきついた先では、「田中」(丹波哲郎)がお出迎えをしてくれました。
そして交友を深めるため、銭湯に入るのですが・・・
?<すべて彼女にまかせて!
いや、あの、そのお風呂は意味が違う気が・・・ていうか女性陣がみんなエキゾチックなのは何故?(ここは日本です)。<男が先だ!
しかも「常に男が先だ!」という田嶋陽子さんにぶっ殺されそうな発言をする丹波哲郎。
当時はまだ男尊女卑な風潮でしたからね。
その後は敵に追われてカーチェイスをするボンド。
敵は銃刀法違反おかまないしに撃ってくるので、味方はとんでもない方法で敵を排除します。
その方法は、ヘリから磁石を垂らして車ごと捕まえるというものでした。<後ろには東京タワー
<海へぼちゃん
って、海に落とすのかよ!容赦ねえな。
さらに刺客には追われ続けます。
「日本」とだけ書かれた積荷がとっても気になりますね。中身は何さ。
その後も何とか敵の罠から脱出し、その場で組みたてられたヘリに乗り込むボンド。
頼りねえ。しかし攻撃は超強力でした。<こんなパラシュートが当たると
<大爆発。
今回のボンドはぽんぽんと敵を殺しますね。
一方敵側の女性はピラニアの餌食にされます。<可哀想・・・
床が抜ける仕掛け多すぎだろ。
ボンドは、姫路城に趣き、田中に「忍者道場」を紹介されます。<空手?
い、いや、忍者っていうか、それは空手かなんかじゃないの?
道場って言ってるわりには、ここは屋外だし。忍者なのに忍んでないし。<ブシドー
それは剣道やないか!
忍者=空手=忍者とは恐れ入りました。
それにしても姫路城が忍者の修行場とは知りませんでしたねー(棒読み)
ちなみに手裏剣の練習もしているので一応忍者らしさはあります。
ボンドは任務のために日本人に変装します。<下まで?
アキとはジャパニーズスタイルベッドインします。
FUTONは全世界共通語だよね。
しかしその後、敵の忍者が誤ってアキに毒を盛ってしまい、アキ死亡。可哀想すぎます。
ボンドはアキとの死別後すぐ、偽装のためにキッシー鈴木という女性(浜美枝)とジャパニーズスタイル結婚式をします。<似合わない
全く日本人に見えないんですけど。
敵の本拠地の捜査のために、海女さんたちと海に躍り出るのですが・・・<合成?
このシーンは光の具合が全くもって不自然でした。
あとそんな格好の海女さんはいないと思います。
ヒロインはこの格好のまま最後まで活躍します。
ボンドはついに敵の本拠地を発見し、潜入を開始します。
ニンジャ・スタイルで。そのへっぴり腰はなんだ。
つーか忍者というか、ただの全身タイツにしか見えないんだけど?<見えすぎ
積荷に乗り込むボンド。全然忍べていない。
その後はなんと宇宙飛行士に変装するボンド。<バレるだろ
さすがに「普通の宇宙飛行士は空気調節器を持って乗らない」ために気づかれてしまいます。
結局ボンドが乗らないままロケットは打ち上げられてしまうのですが・・・
そこに忍者の援軍が登場!
多!<全身タイツがたくさん
しかもこいつら、忍術とか全く使わずに銃で応戦します。<似合わねえ・・・
手裏剣の修行をしていたのはなんだったんだ。
ちなみに後では手榴弾を使います。まきびしとかないんですか。
さらに大量に投下。
つーかてめえらいいかげん忍べ!
あとは田中が手裏剣を投げてボンドを助けてくれたり、ボンドがボスキャラををピラニアのいる池に突き落としたり、ボンドが発射されたロケットを遠隔操作で爆破させて危機一髪。
ラスボスは秘密基地を自爆させます。
ボンドと忍者部隊は泳いで脱出します。
最後はボンドがキッシー鈴木とチュッチュして終了。
完
結論:アメリカ人は忍者を勘違いしている。
現代にいませんからね、忍者。全身タイツ集団も。
おすすめレビュー↓
「ボンド、姫路城で忍者に特訓される」 - Yahoo!映画
誤解映画:007は2度死ぬ(You Only Live Twice)
007は二度死ぬ (1967) You Only Live Twice
その5「007は二度死ぬ(後編)」
思い出すままに。
①タイガーこと丹波さんと会うのは、東京の地下鉄が発達していたとかの表現が、原作にあったようです。
②姫路城の、手裏剣の訓練シーンでは、国宝の壁を傷めて、大騒ぎに。
③ホテルニューオータニの前で、ボンドが颯爽と乗る車はトヨタの2000GT(と云う車?)
④あの自動車つり上げは、実際日本の技術陣の能力で作ったとか、撮影エピソードを目にした覚えが。
⑤今にして思えば、シリーズの4作目だったか5作目に、日本を取り上げた作品を作ったのは、凄かったことなんです!
MIでも、勃興している中国を舞台にした作品がありましたね。
⑥あの冒頭のヌードのシルエットは、いつもギリギリでイライラさせられますね。
⑦タイトルソングは、ナンシーシナトラが歌ってます。
⑧最近You only live twiceはYou only live once
(最近はyolo、人生は一度だけ)と云う言葉への捻り言葉
だそうです。
昔々、英語の好きな同級生が、「あのな、あのonlyは,youにかかっているんだ副詞(?)だぜ」とか教えてくれました。
⑦この後、原作者のイアン・フレミングが死亡。
どなたかだったかが、ボンドの後のシリーズを捜索。
⑧新宿のスカラ座で見たのを、思い出しました。
⑨この後の作品が、ゴールドフィンガーであったか。で、ドンドン.、娯楽性が高まりましたね。
(この作品では。ハロルド・坂田なる日系プロレスラーがやはり、面白い役で出演してます)
*初めのエピソードで凄いのは、サンダーボールですね
本作は5作目なのに日本がまるごと舞台というのがすごいですね。しかも007でひとつの国だけが舞台なのはこれと「ドクターノオ」だけだったりします。
リアルタイムで観らているのがうらやましいです。
テレビでこの映画放映したとき
個人的には興奮したものです。
第一作目のドクターノオから東西を手玉に取る組織スペクターとの
戦いがここで完結か?というわけで…
この流れを知って観るべきです。
ちなみにイアン・フレミングの原作最終話も日本で終わるようですが
この時代からもしっかり日本に注目してくれていた事は
すごくうれしい事だし
確かに時代錯誤はありますが
ある意味今の日本人より日本の良さを魅せる映画です。
確かに日系人や忍者は可笑しく見えるでしょう
でも当時そこまでこの日本の役者や技術が
欧米ほど発達してなかったのあったのでしょう。
でも侍映画や時代劇の忍者が当時の作品では多かったはずです。
それだけ日本の娯楽の歴史が世界に通じた一つの答えが
この映画です。
sakuraさん
ゴールドフィンガーは二度死ぬの前の作品です。
ドクターノオ
ロシアより愛をこめて
ゴールドフィンガー
サンダーボール作戦
二度死ぬ の順です。
そしてその後一作越えてコネリー復活の
ダイヤモンドは永遠に で
スペクターのブロフェルドは顔形も変わり
まだ生きていた。 というわけです。
ロシアより愛をこめてのスーツケース。
ゴールドフィンガーのアストンマーチンDB5
そしてこの作品のトヨタ2000GT
トヨタ初の大型スポーツカー。
日本は高度経済成長期のこの時代の車です。
「3丁目の夕日」毛の生えたようなこの時代です。
映画中の背景を見ればわかります。
日本人の思い描いていた夢が
このオーバーな演出ではっきりわかるわけです。
DVDなどで最近知った方々にはその観方だけでは残念ですね。
私はDVDで改めてこの映画の良さと魅力を感じました。
ロジャームーア以降は芝居やアクションが酷くて
まともに観る気はありませんね。
007は娯楽アクション映画であればこそだと思いますから。
順序が相当滅茶苦茶になりましたがDVDで観てきました。
突っ込みどころは確かに多いといえるでしょうが「それでも細かいことは気にせずいっそ楽しんで観てしまおう」って感じで楽しみながら観てましたし何より舞台が日本なので結構思い入れはあります(ただ先述の通り観る順番がおかしかった自分が言うのもなんですが順番に観たほうが「こう来てこうだな!」と思えるところはりますが。特にブロフェルドはこれまでの作品で顔が分からなかったのが本作で遂に顔出ししましたし)。
人気はあるものの原作かい離してることもあって評価は低いですが(そのためか次作である「女王陛下の007」は原作に比較的忠実なものの流行から外れてることや主演俳優のトラブルもありこちらも評判は低かったそうでその次でコネリー氏復権となったとか…)じゃいろじぇっと氏のように娯楽と割り切ってみるのが結局ベストなのかもしれません(ムーア氏が受けたのも半ばそういうところはあったろうと思いますし「キングスマン」でのセリフもそういうことでしょうから)。
それでも自分の場合は後年の作品もあれはあれで良いと思ってますしどの世代のボンドも好きですが(勿論人によって嗜好は異なるので何が良いとか悪いかと言う気は毛頭ありません)。
終盤の忍者に関しては訓練施設のくだりで現代武器部門も出てたのでその意味ではあまり気にならなかったです。
あと合成感のある背景も「Dr.ノオ」の頃からあんな感じだったと思うので「後年ならともかく初期だとこんなもんだろう」程度であまり気にしなかったです。
既にご存知かもしれませんがsakura氏のあげてた事柄について。
②に関してはそのせいで映画撮影が禁止されるようになったのは割と有名なエピソードで20年前のナイトスクープで当時の姫路城館長が損傷部位を完璧に修復させたと語っていたそうです。
③に関しては日本国内外でもこれがきっかけで2000GTに惹かれたという人も多いようです(20世紀少年でもネタにされてましたしダニエル・クレイグ氏も一番好きなボンドカーに挙げてるぐらいですし)が、メインの乗り物はリトルネリーの方の様です(ピアーズ・ブロスナン氏も乗りたいマシンに挙げているそうで)。
なお、同車は本来はクーペモデルですが車高が116cmと低く身長188㎝のコネリー氏では窮屈なことから最終的に劇中のオープン仕様になったというのは割と有名なエピソードだったりします。
⑥に関しては他の一部作品でも当てはまることですが割と「大丈夫か!?」と思ったりしてます。
⑦に関しては『007は二度死ぬ』の後『黄金の銃をもつ男』の校正中の'64年に他界した(一説では美食家だったつけが回ったとか)ので映画は2作目までしか観られなかったそうで。余談ですが後任の一人であるレイモンド・ベンソン氏の著した『赤い刺青の男』の舞台も日本(北海道および香川県)なのでもし同作品が映像化されれば再び日本を舞台とした007シリーズを観ることになります。
あと後任者ではないですが伊藤計劃氏がパロディを作ってたりします(なお、その作品が氏の事実上の遺作の様です)。