新時代血みどろアクション「ザ・レイド」ネタバレなし感想+お気に入りシーンベスト5

個人的お気に入り度:8/10
一言感想:アクションだけだけど、アクションだけじゃないよ!
あらすじ
SWAT一隊が麻薬の売人のアジトとなっているビルに突入し、死闘を繰り広げる。
ただそれだけ。
いや~すごく楽しかったです。
この映画の特徴をあげるなら、1にアクション、2にアクション、3、4をとばして5にやっぱりアクションと言っても過言ではないほどアクション描写が続くこと。
映画の8割はそういったシーンであり、「すごいアクションが見たい!」というシンプルな需要に正面から応えたステキな作品でした。
本作で主人公や敵が繰り出すのは「シラット」と呼ばれる格闘技。
この格闘技がとにかくものすごく、主人公は素手でナタを持った相手に挑み、↑の画像のように相手の武器を奪ってまた戦う。拳から足まで全身を使ったアクションの応酬は、目が釘付けになる面白さです。
あとこの映画なかなかにバイオレンシーでして、全編血みどろです。
その残酷描写もいい感じにアクセントになっていて、「ヒィィィィ~」と声を上げてしまいそうになるほど強烈。
こういったアクション映画に登場する家具(用途:敵を殴る)って、簡単に壊れるものが多いのですが、この映画では壊れずに相手を思い切り痛めつけるのです。
こういう「痛さ」の描写から逃げていないために、安っぽさを感じさせません。
予告編(15禁バージョンもあり)に嘘偽りがないのも大好きです。



どのくらい殺りすぎかというと、作中で敵味方含めて50人はさっさと死ぬくらい。
SWAT隊員はガチの壊滅状態に陥るのですが、主人公と残されたわずかな隊員たちは、わずかな希望にすがり、逆転を目指します。
その姿には大興奮するわけですが、同時にそりゃ無理だよと思ってしまうほど絶望的でした。
また、ちゃんとドラマがあることも好印象。
主人公がはじめに告げる意味深なことばは後の展開につながっているし、そうした「静」のシーンはアクションだらけの本作において息をつける休憩場所として機能しています。
ちなみに本作はツッコミどころも満載です。
その代表的なものは「なんで銃を使わなくなったの?」というもの。
はじめのころは敵も味方もガシガシ銃器を使っていたのに、いつのまにか殴ったり蹴ったりの肉弾戦ばかりしています。
もちろんこれは「格闘技を見せたんだよ!」という製作者の意向なのでツッコむのも野暮なのですが、敵がゾンビのように群がったり、敵が素手でSWAT隊員に立ち向かう様はありえなすぎて失笑必死です。
そんな大味さも、また愛おしいのですけどね。
リンキンパークが参加した音楽も最高に格好いいです。
こちらでものすごい情熱を持ってサウンドトラックを制作したことがわかります(amazonではサントラが売っていないようで残念・・・)。
今年公開されたアクション映画では「エクスペンダブルズ2」の次にお気に入りです。
残る上映館はごくわずかですが、近くで上映していたら是非観て欲しい快作です。
ちなみに本作はアメリカでも大評判であり、ハリウッドで続編の制作が決定しています。
楽しみすぎるぜ!
以下は自分の好きなシーンベスト5を載せています↓
核心的なネタバレはありませんが、なるべく映画を観てから読むことをおすすめします。
5位 SWATがほかの敵に気を取られているすきに、拘束された敵が柔らかい体を利用し、机の下に隠してあったナタを取る。
机の下にはナタが・・・この不気味さにはゾクゾクしました。
4位 敵は隠れた主人公を見つけ出すため、壁をナタで何度も刺しまくる!<グサッ
<ギリギリ
あっぶねえ!作中最もヒヤヒヤしたシーンでした。
3位 冷蔵庫の中にガスボンベをいれる→敵のほうに扉を向ける→爆発する前に大ジャンプ<爆発する前にジャンピン
ある意味すげー間抜けです。
2位 「2人対1人!」
詳細は伏せますが、本作には長尺で描かれる「2人対1人」のバトルがあります。
ちなみに一方はやたらめったら強いボスキャラクター。この血みどろ乱闘には大興奮です。
ちなみに主人公は雑魚キャラと「5人対1人」のバトルもします↓
<The Raid Redemption #1 Movie CLIP - Hallway Fight (2012) HD - YouTube>
1位 SWATの一人が床をぶち抜いて下に降りる!→敵に襲われる!→仲間が助けに向かう!→それをカメラが追う!
これは是非この動画でご覧ください(残酷描写があるので閲覧注意)。
こんなカメラワーク観たことないよ!
本気でアクション映画の可能性を感じられる作品でした。
そういえば、主人公ははじめに妻に「必ず連れて帰るよ」と言っていました。
これは「6年間音信不通だった兄がその場所にいる」のを知ったがためでしょう。「兄は『なぜこんな命の危険がある任務に?』と」主人公に聞いていましたが、それが理由だったのです。
主人公は危険なミッションとそれを天秤にかけ、「兄と、妻と、そのお腹の中の子ども」の全員が幸せになるために、戦いに参加することを決意したのだと思います。
アクションだけでなく、そういうドラマがあることも大好きです。
<『ザ・レイド』クレイアニメ特別動画-youtube>(映画よりもグロい&ネタバレ注意)
<『ザ・レイド』を100倍楽しく観る方法 アーカイブ動画>
<アクションしかないアクション映画『ザ・レイド』ーくりごはんが嫌い>
<ザ・レイドー三角絞めでつかまえて>(超ネタバレ注意)
コメントにもネタバレがあるのでご注意を↓
最近のアジア映画はどこから突然傑作が出てきてもおかしくない状況ですが、インドネシアは全くのノーマークでした。
個人的には、
半開きの扉にSWAT隊員が思わず発砲
→暗闇の中で発砲した際に火薬で少し明るくなる
→上の階で待ち構える多数の敵が不気味に照らされる
→火薬の灯りに向って敵が一斉射撃
のシーンが素晴らしかったです!
「静から動」「暗から明」という緩急が見事でした。
ただラストのボス的なキャラクターが弱い
(というか主人公はただ見てるだけで解決する展開)
とこがちょっと残念でした・・・
さすがにネタバレすぎるのでベスト5からは除外しましたが、あのシーンはゾクゾクもので大好きです。
たしかにもうひとつラストバトルがほしかった気もしますね。この映画に関しては汚職警官の事情なんてどうでもよかったりしますw