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愛ある科学 リメイク版「フランケンウィニー(2012)」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はフランケンウィニー(2012)です。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:ラストもけっこういいんじゃない?


あらすじ


ニュー・オランダ小学校に通う少年ヴィクターは、不慮の事故により愛犬スパーキーを亡くしてしまう。
臨時教師のジクルスキ先生の授業で、電気が動物の筋肉を動かすことを知ったヴィクターはスパーキーのなきがらに電流を流し込むことを思いつく。
雷を利用した実験は成功し、スパーキーは生き返る。
一方、ヴィクターの同級生は「科学展」の準備をはじめ、虎視眈々と優勝を狙っていたのだが・・・




ティムバートン監督のストップ・モーションアニメ作品です。

本作の元ネタは「フランケンシュタイン(の怪物)」「フランケンシュタインの花嫁」であり、内容は主人公の少年が死んでしまった犬を生き返らせてしまうというものです。
主人公の名前がまんま「ヴィクター・フランケンシュタイン(怪物を創った博士の名)」なのも、それを表しています。

この作品はリメイクであり、もとは1984年に制作された25分ほどの短編映画でした。
現在はナイトメアー・ビフォア・クリスマスのボーナスコンテンツにも収録されています。
↓こちらで観ることもできるようです(日本語字幕はありません)
<Vincent & Frankenweenie-youtube>

フランケンウィニーはティムバートン監督がプロの役者とともに造り上げたはじめの作品であり、記念碑的存在です。
本作が30年近い時を経て、「ナイトメア~」を思わせるアニメーションとして生まれ変わったのは、ティム監督のファンにとって待望といえるものでしょう。
本作がモノクロなのも、雰囲気を大事にするためのファンサービスに思えました。

短い作品を90分弱の長編に仕上げているので不安もありましたが、このリメイク版ではうまくアレンジされていると思えました。

たとえば主人公のクラスメイトたちが起こす事件の数々は、オリジナル版にはないものです。
これが本筋とズレていることが全くなく、違和感がありません。

クラスメイト
*新キャラのクラスメイトたち。「トシアキ」という日本人名の子どももいます。ほかのキャラも<こちら>で。

後半のハチャメチャさは本当にティム監督らしくって、ニヤニヤが止まりませんでした。
監督のファンは存分に楽しめるでしょう。

ただお子様や、ティム監督のファンではない方にもおすすめかといえばそうでもありません。

理由のひとつがラストシーンです。
この展開に、眉をひそめる人もいることでしょう。
しかし自分はこれを肯定したいです。
中盤の科学の先生のことばを思えば、この展開にも納得できるところがあるからです。

理由のもうひとつが、物語にクセが強いこと。
胸躍る冒険もしませんし、勧善懲悪のような気持ちよさもありません。
あるのはキモ可愛いキャラ達が織り成すドタバタ劇なのです。
映画としてはツメが甘い部分も多く、間違いなく好き嫌いが分かれるものだと思います。


難点はあげましたが、ティム監督の大ファンとしては十分すぎるほど楽しめた作品でした。
2D字幕版で観たのですが、3Dの恩恵を感じれそうなのははじまって数分程度だったので、本作は2Dでも十分かもしれません(そのかわり、はじめの数分は素晴らしいファンサービスです)。

本作はテーマのことを考えれば、けっこう大人向きだと思います。
スパーキーはとにかく可愛いので、犬が大好きな方に大プッシュでおすすめです。

スパーキー<カワイイよね!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓













~彼方からの怪物~

映画の初めに映し出されたのは、主人公・ヴィクターが制作した「彼方からの怪物(Monsters from long ago)」でした。主演は愛犬スパーキーです。
これはオリジナル版と同じ展開ですが、本作では3Dとなっていました。
最後の「The End or is it?(終わり、本当に?)」を再現してくれるのが嬉しかったですね。

この冒頭の怪獣映画は、日本が世界に誇る特撮映画「ゴジラ」のオマージュにも思えました。
作中に「トシアキ」という日本人名のキャラが出てくるのは、ゴジラに精通している佐藤利明が元ネタように思います。
トシアキが「ガメラ」のような怪物を作り出す展開も、そうした日本の特撮映画へのリスペクトがあったゆえなのだと思います。


~科学展~

科学展は、オリジナル版にはない要素としては最も大きいものでしょう。
クラスメイトたちはこれに優勝するために競い合うことになります。

ヴィクターは科学展とは関係なくスパーキーを生き返らせましたが、「エドガー」にそのことを知られてしまい、いやいや実験をすることになります。

やったことは金魚を生き返らせること。
しかし何故か「透明金魚」になってしまいます。

エドガーは、そのことを科学展の優勝を狙う生徒「トシアキ(といっしょにいるボブ)」「ナソル」にしゃべってしまいます。
途中から何故か「フシギちゃん」も仲間になり、ヴィクターの家に侵入、生き返りの秘密を知ることになります。


~ハチャメチャ!~

結果的に
トシアキは自身の亀「シェリー」を生き返らせる→ガメラみたいな大怪物に
ナソルは芋虫(?)のペット「コロッサス(巨人)」を生き返らせる→そんなに大きくない虫として復活
ボブはシーモンキーを生き返らせる→小さな悪魔みたいな化物になって復活
フシギちゃんはコウモリを生き返らせる→愛猫の「おヒゲちゃん」がコウモリと合体した化物に
エドガーはネズミ(以下同文)→体育の先生が怖がる

おかげで「オランダ・デー」という祭りが開催中の街はめっちゃくちゃ。
ヴィクターはボブとトシアキに頼まれ、生き返った怪物たちと戦うことになります。

ナソルの言った「死者をよみがえらせるのだ」はフランケンシュタインらしい台詞ですね。
ナソルが最期にミイラ男のようにぐるぐる巻きにされて棺桶にいれらたのには笑いました。

ちなみにトシアキが亀に電気を流したとき、いままでずっと英語をしゃべっていたのに急に「どこに行っちゃたの?」と日本語を口にするシーンもありました(字幕版限定でわかります)。

謎なのが、シーモンキーの怪物を「ポップコーンに使う塩」で倒したこと。
シーモンキーは人工的に海水を作って育てるのだけど・・・おそらくボブがプールの水(淡水)の中で生き返らせてしまったからなのでしょう。


~投げっぱなしの伏線~

本作にはほったらかしたままの伏線がいくつかあります。

①フシギちゃんが愛猫のおヒゲちゃんに言った「いつか私の夢もみるかしらね」という台詞
フシギちゃんは「おヒゲちゃんが夢をみる」ことでなにか事件が起きる(真偽はわかりませんが)」と言っていました。
しかしこの台詞は回収されませんでした。おヒゲちゃんはあんなんなっちゃたし・・・

②透明になった金魚
エドガーの持っていた透明金魚がいつの間にかいなくなっていましたが、死んだかどうかもわからず、行方知れずです。

③科学展の結果
エンドロールででも見せてくれると嬉しかったですね。

個人的に②はラストの展開に生かせていると思います(後述)。


~風車~

最後の戦いの地である「風車」は、序盤には「雷が多い理由」として言われていました。
市長の姪っ子の「エルザ」は無理やり「いつまでも風車がありますように」と歌わされていました。

風車が雷が多い理由であり、それが怪物を生み出す結果となったのであれば、「いつまでもありますように」という歌はこの上ない皮肉です。


~ラストの是非~

ラストでスパーキーは、焼け落ちる風車小屋で変身したおヒゲちゃんと戦います。
結果、スパーキーは再び死んでしまいした。

お父さんは、車のバッテリーからくる電流をスパーキーに送り、生き返らせることをヴィクターに言います。
ヴィクターは「あきらめろって言ったのに」と言い、お父さんは「大人は時々変なことを言うもんだ」と返します。

みんなの車から電流を送った結果、生き返らなかったかのように思えたスパーキー。
ヴィクターは「もう戻ってこなくていいよ、心の中にいるから」と言います。

しかし振り返るとやはり元気にしっぽを震わせ、生き返るスパーキー。
まわりのみんなも拍手し、スパーキーはとなりのプードル犬の「ペルポセネ」とキス。
キスしたときの電流が「The End」の文字を作り、映画は幕を閉じます(ここはオリジナル版とは違います)。


このラストにがっかりする人も多いでしょう。
中盤にお父さんがヴィクターを責めたように、「死んだものを生き返らせる」というのは倫理的に問題のあることです。

加えて本作では、オリジナル版とは違い「クラスメイトが生き返らせようとした動物がつぎつぎと街の人間を襲う」ということをしてしまっているのです。
それらの動物は再び死んだままなのに、スパーキーだけが生き返るのです。

「子どもに見せたくない」「スパーキーが生き返らなかったほうがよかった」と思う方がいるのも当然だと思います。

しかし自分はこれを肯定的に捉えたいです。
理由は、以下の2人の登場人物のことばです。


~お父さんのことば~

お父さんは自身の「旅行代理人」の仕事にのっとり、ヴィクターにこう言っていました。
パパの仕事は真ん中を探すことだよ。
別々の旅行先を探している夫婦の『真ん中』を探して、両方が幸せになるようにしているんだ。
ヴィクター、お前は心配しなくていい。科学展と野球の両方をやりなさい」

さらにお父さんは「トライすることが重要」と言い、ヴィクターが野球に参加して空振りをしたときも「ナイス・トライ」と言っていました。

お父さんの主張は、どちらかが正しいからどちらかだけをやるのではなく、「その真ん中」を選ぶこと。
さらに「やるだけやってみる」という「トライ」を重要視していたのです。

そう思えば、「さっきはスパーキーを生き返らせるのは反対したけど、こんどは再び生き返らせようとしたこと」は、まさにお父さんの主張に合致することなのではないでしょうか。

お父さんが言った「大人は時々変なことを言う」とは、決してその場しのぎで適当に言ったものではなく、複雑な考えが内包されていたと思います。


~科学の先生のことば~

中盤、臨時的に採用されたジクルスキ先生は、ボブの怪我の原因として糾弾され、学校を去ろうとします。
ヴィクターは「1回目は成功(スパーキーのこと)したけど、2回目は失敗(透明金魚のこと)したのはなぜですか?」と、先生に聞きます。

先生の回答はこうでした。
「失敗したのは、ちゃんと科学を理解していなかった証拠だ。2度目には愛があったか?

ヴィクターが「ありませんでした、早く終わらせたいと思っていた」と言うと、先生はこう付け加えます。
科学自体は、悪でも善でも、両方になりうる

ヴィクターがスパーキーを生き返らせることができたのは愛がある故であり、愛がない実験であった金魚は失敗していたのです。

では、クラスメイトたちが生き返らせようとした行動には愛があったでしょうか?
彼らの行動は「科学展で優勝するため」というものであり、科学への敬意も、死んだものへの愛もなかったように思えるのです。

愛のない科学を利用して生き返ったものは再び死に、愛のあるスパーキーが再び生き返るというのであれば、納得ができるように思えます。

ただそれでも残念なのが、フシギちゃんのペットのおヒゲちゃんはもともと生けるものだったのに、死んでしまったこと。
生きているものにまで危害を加えないでほしかった、とも思います。


~スパーキーの寿命~

結果的に再び生き返ったスパーキーですが、その後にずっと生き続けるのか?という疑問もあります。
その根拠は、中盤に透明金魚がいなくなり、エドガーが言った「死んでしまったんじゃないか?ひょっとして寿命が短いのか?」というセリフです。

スパーキーも、早くに亡くなってしまうのであれば、ラストは「つかの間のハッピーエンド」なのかもしれません。
その場合、スパーキーはヴィクターの「心の中」で生き続けるのでしょう。


~科学~

本作のテーマはこれまで書いてきたように「科学の是非」です。
ジクルスキ先生は、保護者に糾弾されたときに「無知が悪い」と反感を買うことばを吐き、ヴィクターには「みんな科学の恩恵を受けているが、問いを嫌っている」と言います。

この世は科学により便利になっているけど、多くの人は「なぜ」を問うことはせず、表面上(この場合は子どもの事故)のことばかり気にしていると主張しているのです。

「科学は善にも悪にもなる、だから科学のことを知るべきだ」というのは、本作の最も大きなテーマなのではないでしょうか。
「死者を生き返らせるなんてダメ!」と言う前に、「科学の愛」があるかを問いてもとよいと思います。


<【ネタばれ】「結末への、批判について。」 ユーザーレビュー - Yahoo!映画>
<20年目のシザーハンズ フランケンウィニー - 小覇王の徒然はてな別館>

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2012-12-17 : 映画感想 : コメント : 0 : トラックバック : 1
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