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自分の人生に思いを馳せて・・・「トト・ザ・ヒーロー」ネタバレなし感想+お気に入りシーン

*今年最後の更新です、また来年お会いしましょう!

長らくDVD化されていなかったベルギー映画「トト・ザ・ヒーロー」(製作:1991年)を観ました。

ミシェル・ブーケ
971円
powered by yasuikamo


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:人生って、愛おしい


あらすじ


晩年のトマは幼き日のころを回想する。
子どものトマは陽気なパパ、優しいママ、知的障害がある弟・セレスタン、そして大好きな姉のアリスと仲睦まじく暮らしていた。

そんなトマにもあるわだかまりがあった。
それは「赤ん坊のころ、自分がとなりの金持ちの家に住むアルフレッドと取り替えられてしまったのではないか」というものだった。




八日目」「ミスター・ノーバディ」のジャコ・ヴァン・ドルマル監督の長編デビュー作です。
長らく隠れた名作だと謳われていた本作ですが、10年以上にわたりVHS版でしか観れない状況が続いていました。
このたび廉価版としてDVDが発売されたことは、映画ファンにとって待望といえることでしょう。

トト・ザ・ヒーローなんてアメコミチックなタイトルですが、実際は人間ドラマです。
また、あらすじにある「本当に子どもの頃入れ替わっていたの?」を探るようなミステリーでもありません。

物語は「アマデウス」のように、晩年の主人公・トマが自分の人生を回想するというもの。
この映画が独創的なのは、そんなトマの人生や想像をときに現実的に、ときにファンタジックに描いていることです。

次々に主人公にとって辛い出来事が起こる物語ですが、語り口は軽妙で、不思議とそこまでの悲壮感はありません。
それは映像の美しさ、そして作中幾度も流れる曲「BOUM」によるところが大きいでしょう。

こちらの予告編で聞くことができます↓
<Toto the Hero - Trailer (1991) - YouTube>
原曲はシャルル・トレネによるものです↓
<Charles Trenet - Boum - YouTube>
映画では、この曲に合わせて花が踊ったりします。

ブン!<「ブン!」

それだけで、なんとも観ていて楽しいのです。


しかしこの映画は好き嫌いも分かれると思います。
あまり娯楽性のある作品ではありませんし、時系列が前後する複雑な構成であるし、「自分の人生を他人に奪われたと思い込む」という主人公は感情移入しにくいかもしれません。

それでもおすすめしたいのは、様々な伏線を回収する終盤の展開が文句なしに上手いから。
単なるどんでん返しではありません。
なぜ主人公がその行動をしたのか、繊細な描写でわかるようになっているのです。


あと主人公の姉を演じたサンドリーヌ・ブランク(当時12~13歳)がすごく可愛いです。

姉・アリス<弟・トマの胸に耳をあてる姉・アリス

トマは姉のアリスが好きなあまり、「お姉ちゃんとは結婚できない」ということに悩むようになります。
(そのことが、となりに住むアルフレッドを恨む原因にもなります)
そんなトマの気持ちにも納得できる美少女っぷりでした。

「八日目」で主演を果たしたダウン症の俳優パスカル・デュケンヌさんが、主人公の弟(青年)役で出演しているのも嬉しいですね。


【TSUTAYA発掘良品】としてもレンタルされているので、玄人向けの映画が観たい方は是非。
唯一残念だったのが日本語吹き替えがないことかな・・・でもおすすめです。

以下は少しだけネタバレです↓ 核心部分は書いていないので、未見でも大丈夫だと思います。



映画のはじめは、晩年のトマが「アルフレッド」に殺意を抱いていること、「火事が起こったときにアルフレッドと入れ替えられた」ことが語られます。

その後のオープニングはこんな感じ。

トト1<壮大な題字

何者でもないぼく<何者でもない僕がやってきて

どスーン<落ちて・・・

パパとママのもとへ<大きな船がパパのところへ連れてった・・・

しかしこれは「ママから聞かされた話」を描いたものです。
「となりの子と入れ替えられた」と思い込んでいるトマの考えとは違うことであり、トマはこれを信じれなかったのです。

さらにトマは自分の人生を否定していて、アルフレッドへの嫉妬やヒーロー「トト」への憧憬をいつまでも捨てきれなかったのです。
ここにトマの不幸があります。


好きだったのは、トマが知的障害を持つ弟に、姉のアリスそっくりな恋人を紹介するシーンです。
トマは「アリスに似てるだろう!」と嬉しそうに聞くのですが、弟はすぐに「似てないよ」と言うのです。
トマは大人で社会人なのだけれど、障害があり施設で暮らしている弟のほうが現実を見れているのです。


もうひとつ好きなのは、パパがママにプロポーズするシーン。
飛行士のパパは、ママのもとへパラシュートで降りて行って、抱き合うのです。

パラシュート

トマはこうした想像力を持っており、それが「入れ替わった」という思い込みを作った原因になったのでしょう。
不幸になったトマだけど、だからでこそ終盤にトマがトラックの後ろに見たものは幸福なものとして映ったのだと思います。

人生は一度きりで、取り戻せないものです。
しかし、その事実が変えられないこそ見えてくるものがある。
「ミスター・ノーバディ」と同じく、人生への愛おしさに溢れた作品でした。

オススメ↓
<真希ナルセの映画メモ 「ミスター・ノーバディ」2  「トト・ザ・ヒーロー」>
<A Cinematic Museum (of Arnold Killshot) 『トト・ザ・ヒーロー』(原題:Toto Le Heros)>(ネタバレ注意)
<トト・ザ・ヒーロー - みんなのシネマレビュー>(ネタバレ注意)

テーマ : 映画
ジャンル : 映画

2012-12-30 : 旧作映画紹介 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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非公開コメント

No title
すごく愛おしい作品ですよね。TUTAYAでレンタルされないと思ったから思わずDVD買っちゃったんですよね。笑
2013-01-01 14:28 : paranoid URL : 編集
Re: No title
自分は長年追い求めていた作品だったので、TSUTAYAで観たときは度肝を抜かれました。
見返したくなる作品なので、DVDを買う価値があると思います。
2013-01-01 21:42 : ヒナタカ URL : 編集
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