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まだ、忘れずに「希望の国」ネタバレなし感想+微ネタバレレビュー

遅ればせながら希望の国を劇場で観ました。

夏八木勲
4469円
powered by yasuikamo


個人的お気に入り度:5/10

一言感想:監督の主張は伝わるけど、映画としては・・・


あらすじ


長島県の民家で、泰彦(夏八木勲)と妻(大谷直子)は酪農を営みながら、息子夫婦(村上淳、神楽坂恵)と共に慎ましく暮らしていた。
そんなある日、大地震が彼らを襲い、原子力発電所が爆発する。
泰彦の家のすぐそばは放射能警戒区域に指定されたが、泰彦はかたくなにそこを動こうとはしなかった。




ヒミズ」の園子温監督最新作です。
本作で描かれているのは原子力発電所の問題ですが、実際にあった事件を暴くような作品ではありません。
監督ならではの表現が多く用いられた人間ドラマになっています。

この映画には「長島」という架空の県が登場します
映画を観るまでは実在の地名を使うことをきらってそうしたのかなと思っていましたが、そうではありませんでした。
本作には東日本大震災でもっとも被害をこうむった「福島」も思い切り登場するのです。

作中にたびたび登場する「福島のことを忘れたのか」という登場人物のことばを考えれば、そこにあるメッセージは「原発で苦しんだ人たちのことを忘れないでほしい」というものです

この映画ではそこに踏み込み、震災から時間が経った避難者の気持ちも表現しています。
放射能に対して過敏になっている避難者が「そこまで過敏にならなくてもいいじゃないか」と嘲笑されるシーンはその最たるものです。

人というのは都合よくできていて、時間が経つと多くの人が悲しんだニュースなどを忘れています。
実際に東日本大震災から2年が経過しようとしている今も「原発を撤廃するか否かの問題は話題にあがるけど、被災者がどうなったかはあまり話題にあがらない」という状況になっています。

そこで「もう一度地震が起きて原発が爆発したらどうなるのか?」を描いたのがこの作品なのです。
園子温監督の描き方は極端ではあるけれど、とても意義のあることだと感じました。


しかし映画として面白いかと問われると、自分は否をつきつけたくなります。

3つの家族の物語が並行して描かれるのですが、どれも突出した面白さを感じれなかったのです。

この監督にしてはテンポがひどく悪いのも気になりました。
荘厳なクラシックの音楽も多用されすぎて聴いていてキツいものがあります。

物語はカタルシスがあるものではないですし、娯楽性はほとんどありません。
園子温監督のいままでの作品に感じたパワーを期待すると、肩すかしに感じるのではないかと思います。


それでも本作は「大震災から時間が経っているが、今だ痛々しい爪痕を残している」今でこそ観てほしい作品であることは間違いありません。
夏八木勲大谷直子さんをはじめ役者は素晴らしかったし、メッセージは多くの人に伝わるものです。
万人向けではありませんが、被災者の方々の気持ちに触れたい方におすすめします。

<劇場情報>

以下、少しだけネタバレです↓ 結末への展開にふれるところがあるので、未見の方は読まないほうがいいかもしれません。








~残念だったこと~

この映画の一番の不満点は、夏八木勲演じるお父さんが話した「肥溜めに落ちた結婚指輪」が伏線として回収されなかったことです。

不遜な態度をとる役場の部下・カトウはこの話を聞いて「探しに行きましょうよ!」と言ったのに、探しに行くことはありませんでした。
終盤でどこかに行ってしまった大谷直子さん演じる認知症の母を父が見つけるシーンでも、偶然見つけただけに終わっています。
後半はテンポの悪さもあいまって、すこしイライラを感じてしまいました。



~よかったところ~

この映画のうまいところは「時間の経過がわかりにくい」「情報が少ない」ということです。

母はたびたび「帰ろうよ」と言い、父は「後10分したら帰ろう、あの針があの場所までいったらな」と返します。
しかし認知症の母は10分経ったことを理解できませんでした。
この描写により、「時間が解決してくれない」ことが描かれていると思います。

中盤から神楽坂恵演じる妻が放射線恐怖症になっていることが明かされます。
希望の国<『宇宙服』を着て警戒する神楽坂恵
この格好を見るとちょっと笑ってしまうのですが、笑ってしまうことは「作中に登場する嘲笑している連中と同じ穴のムジナだよ」と言われているような気がします。

彼女の知識は本から得たもので、夫をはじめとした周りの人間の意見を聞きません(決して本の内容に問題があるという意味ではありません)。
加えて政府はTVなどでは何も教えてくれません。
あまつさえ、妻を診た医者は「医者のほうが嘘をついて放射能の数値をごまかしている」と言います。
この「情報の限局」ゆえの恐怖はしっかり描かれていました。

本作で原発問題が「これは見えない戦争だ!」と言われているのは、単に放射能が目に見えないということだけではなく、そうした情報の不透明さによるものもあると思います。

ちなみに神楽坂恵が読んでいた本は以下の2つです

雨宮 処凛
1260円
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槌田 敦
1575円
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~メッセージ~

主人公は妻を遠くに旅立たせるか、とどまるかの選択をせまられ、父に「お前が決めろ」と言われます。
本作のメッセージには、「他人(この場合は電力会社や政府)を頼るな、自分で決めろ」というものもあるのです。

タイトルは「希望の国」でしたが、決して希望を感じる内容ではありませんでした。
それでも「一歩一歩進むこと」「愛」を訴える本作は、監督ならではの優しさに溢れていると思います。


おすすめ↓
<「原発事故のリアル」- Yahoo!映画>
<「今までと違った意味での問題作です。」 - Yahoo!映画>
<みんなのシネマレビュー - 民朗さん>(ネタバレ注意)
原作本(amazon)↓
<希望の国>

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2013-01-04 : 旧作映画紹介 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』

<2011年上半期公開>
『ブラック・スワン』
『八日目の蝉』
『手塚治虫のブッダ』
『わたしを離さないで』
『パラノーマル・アクティビティ2』

<2010年公開作品>
『ソウ ザ・ファイナル3D』
『リミット』

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