ウソで塗り固められて・・ 映画「フライト」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
個人的お気に入り度:7/10
一言感想:アル中の話じゃん
あらすじ
パイロットのウィトカー(デンゼル・ワシントン)は体調が万全でないままフライトに臨み、そこで予測できない問題が起こる。
ウィトカーの的確な判断により大惨事は避けることができたが、その後に血液からアルコールが検出されたことにより、彼は窮地に立たされることになる。
薬物依存症から立ち直りたいと願っている女性・ニコール(ケリー・ライリー)は、そんな状態のウィトカーに出会うのだが・・・
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ポーラー・エクスプレス」のロバート・ゼメキス監督最新作です。
本作はゼメキス監督による「キャスト・アウェイ」以来12年ぶりの実写映画。
こうして大人向けの映画に監督が戻ってきたのは、映画ファンにとって喜ばしいことでしょう。
さて本編は、予告編の印象とは少し異なる内容になっています。
予告編では「パイロットが英雄か否か」を探るサスペンスを予感させますが、実際にテーマとなっているのはアルコール中毒(依存症)なのです。
本作の主人公・ウィトカーは優秀なパイロットですが、はっきり言って人間としてはク○野郎です。
彼は表向きは仲間にも信頼されていますが、その生活態度は褒められたものではありません。
そしてその最低な人間像は、ほとんどは酒への依存のせいです。
酒に依存していたり、何かの中毒・依存症に陥っている人にはきっと思うところのある描写と思います。
これらは個人的には良い意味での「不意打ち」だったので面白く観れましたが、「サスペンス」「主人公が身の潔白を証明するまでの感動のドラマ」を期待すると確実に肩透かしでしょう。
そして「アル中の映画」と割り切って観れば、これは非常に面白い映画です。
もうひとつテーマとしてあるのは「ウソをついたという罪」でしょう。
それを描く脚本の台詞や「くすぐり」、主演のデンゼル・ワシントンの演技が抜群に素晴らしく、観る者をハラハラさせるドラマが紡がれています。
映像として圧巻なのは、やはり飛行事故のシーンです。
航空機事故の映画と聞くと「クライマーズ・ハイ」などの「実話もの」を想像しますが、本作はフィクションです。
だからでこそ、主人公の奇抜な操縦の面白さ、その迫力が際立っていると思います。
会話シーンが多く、2時間19分と上映時間も長い映画ですが、それらは無駄ではありません。むしろもっと描いて欲しいと感じたところが多いほどです。
大人が共感できる、大人のための映画と言えるでしょう。主人公には共感できねえけど。
しかし本作は実際のパイロットの方には失礼な作品でもありますね。
主人公は腕は優秀でも、性格や業務態度は超悪いので、実際にプロの仕事をしている方に怒られそうな気もします。
そう考えると、本作でアカデミー賞にノミネートされたデンゼル・ワシントンが主演男優賞を逃したのは、むしろよかったことなのかもしれません(余計に注目されてしまうので)。
自分はこんな(いい意味で)酷い役を、ここまで完璧に演じたものだと讃えたくなりました。
そして本作はPG12指定ですが、ちょっと甘いと思わせます。
作中、麻薬を吸うシーンがものすごく多いのです。
しかも主人公は酒に酔っているのをごまかすための「気付け」として麻薬を使っているため、教育上も最悪です。
子どもには冗談抜きに保護者の指導が必要な映画だと思うのでご注意を。
ゼメキス監督や、デンゼル・ワシントンのファンには必見の作品です。
あまりデート向きとは言い難い作品なので、どちらかといえば一人で観るのをおすすめします。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
~主人公の酷い業務態度~
なんと映画は女性のヌードシーンからはじまりました。ヘアまでばっちり見えています。
主人公・ウィトカーはフライトの前日に同僚のスチュワーデスの女性・トリーナとセックスし、あまつさえ酒とドラッグをやっていたのです。
しかも電話で別れた妻に教育費をねだられたり、トリーナへ「君が新しい妻になるさ」と調子の良いことを言います。
驚きはそれだけにとどまりません。
彼は乗客たちと同時にタラップを登るのです。遅刻やないか。
そのあと副操縦士のエヴァンスに「俺は時間厳守だ」とほざく始末。ふざけろ。
発生した乱気流に対して直行するウィトカーに対し、エヴァンスは「速すぎる」と言うのですが、ウィトカーは「限度内だ、心配ない」と半ば無理やり突破します。
そして・・・ウィトカーはオレンジジュースにビン2本のもウォッカを注ぎ、飲むのです。
なんと勤務中の飲酒までしやがりました。
しかも飛行中には新聞をサングラスと目の間にはさみ、居眠りまでします。
同僚のスチュワーデスのマーガレットが、「いつもこう」と認めているのも恐ろしかったです。
また、ウィトカーが客に「フロリダはジョージア人が嫌いのようだ」と言ったのはフロリダ準州の問題のことで、「フットボールの仕返しか」と冗談を飛ばしたのは、NCAAの大会のことを言っているのでしょうね。
客が乱気流を抜けて拍手をしたり、こんな冗談が言えるのもアメリカという「お国柄」らしいです。
向こうでもこんな勤務態度がバレたら即刻クビでしょうけどね。
~事故~
昇降舵が動かなくなり、油圧装置も故障、そして飛行機は制御を失い、ほぼ垂直に滑空することになります。
車輪を出し、エアブレーキを作動させ、燃料までも捨てます。
空域を確保後、マーガレットに手伝ってもらい、捜査を手動に戻します。
そして・・・ウィトカーの手により飛行機は背面飛行をすることになります。<逆さまに飛ぶ飛行機
背面飛行は航空ショーでない場合は、事故により起こるもののようです。
この映画ではそうではなく「背面飛行をすることにより事故を防げた」と逆転の発想をするのです。
左のエンジンが燃えますが、何とか消火します。
飛行機はもとの体制に戻ります。
そして前方にある野原に不時着を目指しますが、教会に羽がぶつかります。<このために、6名が亡くなります
そして、着地した瞬間、ウィトカーは気を失います。
目覚めた彼は、友人のチャーリーに、乗客とクルー合わせて102人のうち、4人の乗客と2人のクルーが亡くなったことを知らされます。
亡くなったクルーのうちの一人は、前日にウィトカーとセックスをしていたスチュワーデスのトリーナでした。
彼女は、幼い男の子をかばおうとし、そして死んだのです。
チャーリーは「君の操縦は奇跡だ」と言いますが、誰もいなくなった病室でウィトカーは「畜生(Damn it)」とつぶやきました。
~地下の男~
非常階段でたばこを吸うために、ウィトカー、薬物依存症の女性・ニコール、そして病棟の地下にいるガン患者の男が集まります。
ガン患者の男は、ウィトカーからたばこをもらい、こう言います。
「何か(ガン)を自分で避けようとしても避けられなかった。神に頼んだが、だめだった。
人は僕に関わろうとするか、無視をする。『あちら側に』近いからのようだ。死は洞察力を与えるよ。
(ウィトカーに向かって)彼女と出会うため、あんたは助かったんだ。
感謝しているよ。(たばこを吸う)最後の一息一息が、こんなにも美しい」
ガン患者の男は「避けられない」ものの代表とも言える「死」を体現した存在です。
その「死」を逃れたウィトカーに、「洞察力」を持ったガン患者の男がこのように進言したのは、ウィトカーにとって意味のあることだったでしょう。
ニコールは、ガン患者の男が去ったあと、「彼は面白いわね。彼と話していると、私たち地球に残された最後の2人みたい」と言い、ウィトカーは「その2人が世界を救う」と答えます。
これはともに「依存症」だった2人の「希望」を体現する台詞です。
しかし、ウィトカーの酒への依存は、その希望をも打ち砕くことになります。
また、ニコールの母親がガンで亡くなっていたことも、ニコールが意気揚々としているガン患者の男を面白いと感じた理由のひとつでしょう。
ここで言ったキモ・ブレインとはがん治療中に起こる副作用だそうです。
~酒への依存~
ウィトカーの悪友・ハーリンは、彼に麻薬を大量に提供していました。
そんなハーリンに、ウィトカーは「酒をやめた」と言います。
ウィトカーは父親が経営していた農薬散布会社の小屋に行きます。
そこには大量の酒がありましたが、ウィトカーは全てを捨てます。<酒を流すウィトカー
その後にチャーリーと、弁護士のヒューから、ウィトカーは血液からアルコールが検出されたことを知らされます。
それは「車でも刑務所行き」の数値を遥かに上回るものでした。
その後・・・ウィトカーは小屋の酒を全て捨てたにもかかわらず、バーでウォッカ(しかもダブルでストレート)を頼みます。
さらには取っ手付きのボトルの酒までラッパ飲みします。
ウィトカーは事故現場で、チャーリーに「酒はダメだ、監視がついている」と言われますが「酒なら自分でやめられるさ」とウソを言います。
ニコールとともに「アルコール依存症の会」に出席し、アルコール中毒であるかを問われたとき、ウィトカーは手をあげませんでした。
会でスピーチをする男性はこう言います。
「僕はウソつきだった。ウソは得意だった。僕の人生はウソで塗り固められていった。ウソつきはこの場はいられない」
ウィトカーはそのことばに応えたように、その場を去りました。
さらには、自身の父が生きていた頃のビデオを見ながら酔いつぶれ、良い雰囲気になっていたはずのニコールにも愛想をつかされてしまいます。
このとき、ウィトカーはこう言っていました。
「俺は好きで酒を飲んでいるんだ!俺が酒を選んだんだ!女房とも別れ、息子とも口を聞かない!それは酒のためだ!」と・・・
ウィトカーは別れた妻と息子・ナックルズに会いに行きます。
別れた妻は「また酒を飲んだの?」と聞き、ウィトカーは「新記録だ。17秒で元妻が『飲んだの?』と言ったぞ!」となじります。
さらにはナックルズに「帰れ!」と言われますが、ウィトカーは無理やり抱擁しようとします。<息子にもこの言われよう・・・
あまりに身勝手なウィトカーの行動に、チャーリーは擁護をやめると言います。
チャーリーは部屋から出ないように、ホテルの部屋にウィトカーを閉じ込めます。
一人で食事をとり、手持ち無沙汰のようにベッドに横たわったり、トイレでうなだれるウィトカーは、夜中のノックのような音で目を覚まします。
それはドアが風で動いていた音でした。
部屋の先の冷蔵庫には、大量の酒が並んでいました。
キャップを開けたウィトカーですが、一度はキャップを戻し、冷蔵庫の上に置きます。
そして・・・ウィトカーは思い切りその酒を掴み取るのです。
翌日、酒に溺れたウィトカーの部屋はひどい有様になっていました。
酒が散乱し、ウィトカーはトイレで頭をぶつけて血も流していました。
そこに悪友・ハーリンが再び姿を現し、「気付け」のために麻薬を二人で吸います(しかも料金はチャーリーとヒュー持ち)。
ここでウィトカーは、はじめに飛行機に乗ったときのように、サングラスをつけて堂々と歩いて聴聞会に向かいます。
エレベーターでは、黒人の女の子がウィトカーをじっと見つめていました。
子どもは大人のウソを見抜く存在です。
またこの子どもは、ウィトカーの同僚のスチュワーデスであるマーガレットの代わりに、そこにいたのかもしれません。
~マーガレット~
彼女は11年ものあいだ、ウィトカーと共に働いてきた存在です。
マーガレットは飛行中に息子のトレヴァーにメッセージを残しており、トレヴァーはウィトカーに「母の命を救ってくれました」と感謝を述べました。<お礼を言うマーガレットの息子
しかし当のウィトカーは、マーガレットに「調査が入っているんだ。おそらく酔っ払っていたどうかを聞かれる。俺は事故の前の日にトリーナと食事に行っていた、当日はいつもと何も変わらなかったと言ってくれ」と、ウソをつくことを強要しようとしていました。
マーガレットは「それはウソよ」と涙ながらに言い、「私たち、もう十分」とまで言います。<ウソをつきたくないマーガレット
彼女は11年間の中で、ウィトカーの勤務態度に難を示すも、それを言えずにいたのでしょう。
マーガレットもまた、ウィトカーのアルコール中毒に苦しめられていたのだと思います。
~エヴァンス~
副機長のエヴァンスとその妻は、神の存在を信じていました。
ウィトカーはエヴァンスが神に祈ることを見ると「『主』が操縦してくれるか?」と小馬鹿にしたことを言いました。
エヴァンスは病室に訪れたウィトカーにこう言います。
「あなたが乗った瞬間にあの機は終わっていた。
墜落までの全てを覚えています。あなたからジンか何かの匂いがした。
あなたの操縦でなければ皆死んでいた。しかしあなたの体調はベストではなかった。
私は主に祈りました。これは祝福でもあるのです。
ウィトカー機長の祝福に感謝します」
エヴァンスは(酒を飲んだ)ウィトカーではなく、神に感謝をしているのです。
かたくなに神を信じないウィトカーと、神を信じるエヴァンス。
この対比も、最後には意味のある描写であるとわかります。
~ニコール~
ニコールは薬物中毒者であり、アルコール中毒の会にも出席していました。
序盤でニコールは麻薬を持つ男に電話をするも「お願い、出ないで」と言っていました。
ニコールはウィトカーと違い、明確に依存から抜け出したいと思っていました。
ニコールとウィトカーは共に依存症者ですが、「認めているか否か」には大きな違いがあったのです。
ニコールは、ウィトカーの持つ酒を机の上に置かせて、キスをすることもありました。
まるで「酒よりも、私を見て」と言うように。
しかしウィトカーは酔いつぶれ、ニコールに罵声を浴びさせ、ニコールは出て行ってしまいます。
ニコールは、二度と姿を現すことはありませんでした。
この関係も、ウィトカーのアルコール中毒により壊れたのです。
~酒は2本だった?~
余談になりますが、この映画にはひとつ謎があります。
それはウィトカーが、飛行機内で見つかった2本のウォッカのことをチャーリーとヒューから聞かされたときのことです。
ウィトカーは「おかしいな、俺は3本飲んだぞ」と言うのです。
これは恐らく、ウィトカーが「半ば自暴自棄になり、意味のないウソをさらに盛った」シーンなのだと思います。
酒ビンがなくなる理由は全くないですし、ウィトカーは自分の酒に関する話題が出るたびにはぐらかそうとしていましたしね。
*以下のご意見をいただきました
ウォッカの本数の件ですが、主人公のウィトカーは本当に言った通りウォッカを3本飲んでいます。
聴聞会で、乗務員のうち1人が測定不能、1人がアルコール反応陽性と言っていますが、測定不能がウィトカーで陽性がトリーナです。これは、最初にヒューに会ったときに知らされた検査の結果が0.24%で、聴聞会では0.17%になっていること、トリーナがアルコール依存であったことからして明らかです。ウィトカーが測定不能なのは検査の不手際を理由にヒューがもみ消したからです。
つまり、見つかった2本のウォッカを飲んだのはトリーナが飲んだものだと考えられます。2本とも割れずに残っているのに3本目がなくなるというのは考えづらいですからね。最後に刑務所でウィトカーが、「生涯のウソをつき切ったみたいだった」と言っていますが、これは見つかった2本のウォッカを飲んだというのがウソだったと言うことを表しているんじゃないでしょうか。でも、それだとその後のもう1つウソをついてれば~と言うセリフがしっくりこないんですよね。ウィトカーが勘違いしていた可能性も100%は否定できません。
~告白~
聴聞会の前、ウィトカーは「酒のウソなら俺に任せろ、ずっとウソをついていたからな」と自信満々に言っていました。
聴聞会では、ウィトカーは「酒は事故の前3日間は飲んでいない」「アルコール依存の経験はない」「血液検査の結果は知らない」と、立て続けにウソをつきます。
そして聴聞会は、事故で死んだトリーナの話になりました。
飛行機内には2本のウォッカの瓶が残されており、ウィトカーは「あなたの意見」を求められることになります。
「ウォッカを飲んだのはトリーナだと思いますか」と・・・・
ウィトカーは「もう一度質問をお願いします」「私の、何です?」と聞きます。
彼は「神よ、力を」ともつぶやきます。
そして、「トリーナはあのウォッカを飲んでいません。私が飲んだのです」と、ついに、真実を口にするのです。
そこからは彼は、崩れたように「毎日浴びるほど酒を飲んでいました」「今も飲んでいます」「私はアルコール依存症です」と次々に告白します。
ウソをつき続けたウィトカーですが、幼い男の子をかばい、そして死んでいった元恋人を冒涜することはできなかったのです。
~そして自由に~
刑務所で、ウィトカーは囚人たちに向かって話します。
「終わった、それで終わったんだ。まるで生涯のウソをつききったみたいだった。だが、それ以上ウソをつけなかった。
もうひとつウソをついていれば、こんなところにいなくて済んだのに。素敵な仲間とともに13ヶ月もな。
だが、ここにいる。あと4、5年はここにいるさ。
俺は国民の信頼を裏切り、免許も取り消された。それも当然だ。でも、いろいろ考える時間ができたよ。
事故の遺族に手紙を書いた。許してくれる人や、許してくれない人もいた。
俺がさらに謝りたいのは、俺を救おうとしてくれた人だ。別れた妻や、息子もな。
だが、酒は絶った。それを神に感謝するよ。
俺は人生ではじめて、自由になった」
ウィトカーは前には終身刑になるとも言われていましたが、5年ほどの刑期の判決が出たようです。
ウィトカーは、酒のためにいろいろな物を失っていました。
息子や妻、チャーリーやヒュー、マーガレットやエヴァンスやニコールの信頼までも・・・
そして周りがウソで塗り固められたために、彼は自由ではなかったのです。
今までは「身は自由」でも「心は窮屈」だった彼が、
ウソを認め、刑務所という場所に移ることで「身は窮屈」でも「心は自由」となったのです。
~神を信じて~
ウィトカーは前にも書いたとおり、神を信じていませんでした。
しかし、聴聞会で告白しようとするとき、彼は「神よ、力を」とつぶやくのです。
彼にとって、真実を告白することは、信じていなかった神に祈るほどに勇気のいることだったのです。
ウィトカーが責任の追求をされるようになったのは、飛行機の羽が教会に当たり、そのために6人の乗客が亡くなったためです。
協会にいて、乗客の救助を手伝ってくれたのはペンテコステ派の人々でした。
教会とペンテコステ派の人々は、「神を信じるもの」を象徴しています。
神を信じるものにより、ウィトカーは真実を告げるようになり、そしてウィトカー自身も否定していた神を信じるようになるというのは、皮肉めいたものを感じます。
~ラスト~
ウィトカーの個室の机には「断酒1年」と書かれたボードがあり、壁には手紙と、息子・ナックルズからの写真、ウィトカーが小屋で撮ったニコールの写真が飾ってありました。
そして面会にナックルズが訪れます。
ウィトカーとナックルズは、以前会った時と違い、お互いに心からの抱擁を交わします。
映画では、真実の告白から刑務所の13ヶ月のことは描かれていませんでしたが、おそらくナックルズはたびたび面会に訪れ、親子の関係を修復していったのでしょう。
壁にあった手紙や写真も、そのことを示していると思います。
ナックルズは大学に進学するため、エッセイを書きたいと言います。
タイトルは「僕の出会った最高の人」だそうです。
ナックルズはレコーダーのスイッチを入れ、「父さんって何者なの?」と質問をします。
ウィトカーが「いい質問だ」と言ったところで、映画は幕を閉じます。
ウィトカーは酒を飲んだ上に麻薬で気付けをしていたとき、サングラスをつけていました。
ウソをつき、そのような「武装」をしていたウィトカーは「何者でもなかった(もしくは、ただのウソつき)」なのでしょう。
ウィトカーはウソを認め、自由になり、本当の自分も取り戻したのでしょう。
ウィトカーが最後にナックルズに言おうとした「答え」は観客には告げられません。
しかし、それはきっと素敵なものだったと思います。
おすすめ↓
<フライト - みんなのシネマレビュー>(レビューは一部、[ムラン]さんのご意見を参考にしました)
<ゾンビ、カンフー、ロックンロール>
<酔って、ラリって、操縦して『フライト』 - くりごはんが嫌い>
とにかく、初めの方では、、こんな風に誤魔化しが効くアメリカの調査会制度ってのは、形式民主主義魏=大衆迎合的なものかと思ってしまいした。
あのエリン委員長でしたかも、「いかにこの英雄機長を助けるか?の方向だったと思います。
ですから、最後の質問はそのための最終確認だったと思うのですが、機長は紅白をしてしまう。
これ以降の場面で私の気持ちが救われました。
それにしても、大型機の背面飛行はできるんでしょうか?揚力の問題でできないとか聞いてました。
今年観た映画の中でベストです。
キャストアウェイも大好きな映画ですが、フライトも負けず劣らず素晴らしかった。
もう一回見直したくなりますね。
先日レンタルで観ました。
正直、肩すかしを食った感じがしてあまり面白いと感じなかったのですが、カゲヒナタさんのレビューを読んで色々と気づかされた事があり、見方が変わりました。自身の理解力、洞察力の低さを痛感しました。
ウォッカの本数の件ですが、主人公のウィトカーは本当に言った通りウォッカを3本飲んでいます。
聴聞会で、乗務員のうち1人が測定不能、1人がアルコール反応陽性と言っていますが、測定不能がウィトカーで陽性がトリーナです。これは、最初にヒューに会ったときに知らされた検査の結果が0.24%で、聴聞会では0.17%になっていること、トリーナがアルコール依存であったことからして明らかです。ウィトカーが測定不能なのは検査の不手際を理由にヒューがもみ消したからです。
つまり、見つかった2本のウォッカを飲んだのはトリーナが飲んだものだと考えられます。2本とも割れずに残っているのに3本目がなくなるというのは考えづらいですからね。最後に刑務所でウィトカーが、「生涯のウソをつき切ったみたいだった」と言っていますが、これは見つかった2本のウォッカを飲んだというのがウソだったと言うことを表しているんじゃないでしょうか。でも、それだとその後のもう1つウソをついてれば~と言うセリフがしっくりこないんですよね。ウィトカーが勘違いしていた可能性も100%は否定できません。
キリスト教や価値観、言語面で日本だとわかりづらい映画かもしれませんね。
> ウォッカの本数の件ですが、主人公のウィトカーは本当に言った通りウォッカを3本飲んでいます。
>
> 聴聞会で、乗務員のうち1人が測定不能、1人がアルコール反応陽性と言っていますが、測定不能がウィトカーで陽性がトリーナです。これは、最初にヒューに会ったときに知らされた検査の結果が0.24%で、聴聞会では0.17%になっていること、トリーナがアルコール依存であったことからして明らかです。ウィトカーが測定不能なのは検査の不手際を理由にヒューがもみ消したからです。
>
> つまり、見つかった2本のウォッカを飲んだのはトリーナが飲んだものだと考えられます。2本とも割れずに残っているのに3本目がなくなるというのは考えづらいですからね。最後に刑務所でウィトカーが、「生涯のウソをつき切ったみたいだった」と言っていますが、これは見つかった2本のウォッカを飲んだというのがウソだったと言うことを表しているんじゃないでしょうか。でも、それだとその後のもう1つウソをついてれば~と言うセリフがしっくりこないんですよね。ウィトカーが勘違いしていた可能性も100%は否定できません。
ご意見ありがとうございます。なるほど!
そのまま追記させてください。
差し出がましいですが、補足させていただくと。
ゼメキス監督が「この脚本の素晴らしいところは登場人物が次に何をするかわからない~」(Wikipediaより)と言っていることから、途中の心理状況の描写などが意図的にされていないからわかりにくいのかもしれません。
あと、映画中に『神』というフレーズが何度も登場していてキリスト教の『懺悔すれば許される』という考えが大きく関係していると思います。アメリカでは犯罪を犯してしまっても、そこから更生しカムバックした人は拍手でむかえられます。これは、日本ではあまり考えづらいことかもしれませんね。
各所のレビューを見るとニコールとは終わったように解釈してる人が多いので混乱しますが。
告白し回りももどってきた
やり直しのできた人生となった
サラ金パチンコ借金薬物みんなが隠すために、沢山の嘘をつきます
嘘人生とはさらば
飛行機免許なくしたり、刑務所5年などなんてことない
明るい、嘘がない、みんなに囲まれた綺麗な新しい素敵な楽しい人生健康な愉快な人生が始まった!酒は苦しいだけだ