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夢をあきらめる理由「ボクたちの交換日記」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はボクたちの交換日記です。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:欠点は多いけど、内村さんらしくて好き


あらすじ


お笑いコンビ・房総スイマーズの田中(伊藤淳史)と甲本(小出恵介)は、互いの気持ちを伝えるために交換日記をつけはじめる。
はじめは交換日記を煩わしく思う田中だったが、続けるうちに自分の想いを甲本に告げるようになっていく。
なかなか売れないふたりだったが、彼らに大ステージで名を売るチャンスが訪れる。




ピーナッツ」に続く、内村光良監督作品です。
映画オリジナル作品だった「ピーナッツ」と違い、本作は鈴木おさむの小説を原作としています。

鈴木おさむ
540円
powered by yasuikamo


お笑い芸人を描いたこの作品を、本業がお笑い芸人である内村さんが監督したことは、この原作にとっても幸運であったと思います。

個人的な思い入れになりますが、自分はお笑い芸人としての内村光良さんが大好きです。
子どものころからかれこれ20年以上もウッチャンナンチャンのコンビの番組を見てきました。

さらに大好きになったのは「笑う犬の冒険」という番組の1コーナー「Milky Video Channel」でした。
このコーナーでは内村さんの好きな映画についてわりと好き勝手に語っており、内村さんが映画が好きな気持ちがものすごく伝わってくる、映画好きにとってはたまらないコーナーでした。
このコーナーで「ルパン三世 カリオストロの城」「家族ゲーム」「ベンハー」の1シーンの物まねをされたときはゲラゲラ笑ったものです。

内村さんはもともと映画監督を志して映画学校に入学をしていたので、お笑いのを経験を経て映画監督になられたことが、いちファンとして本当にうれしく思います。

そして内村さんの人間性も大好きです。
いつもニコニコしている表情からはやさしさがみてとれますし、
後輩の面倒見もとてもよく、
バカルディをさまぁ~ずに海砂利水魚をくりぃむしちゅーに改名してしまったことで責任を感じていたり、本当によい人なんだなあ、といろんなエピソードや番組を見て思うからです。


そして今回のこの映画も、内村さんならではの優しさに溢れていました。
この映画の売れないお笑い芸人に向けられている視線は、とても暖かいものです。
それは内村さん自身が、いままでも後輩の売れない芸人を観てきていたからでしょう。

ますますこの映画を撮るのは内村さんにうってつけだと思えるのですが、公式ページで内村さんは「お笑い芸人の話をお笑い芸人である自分が描くことにためらいがある」と言っています。
辛い現実をたくさん見ていた内村さんだからこそ、抵抗を感じたのでしょう。
自分はこの映画で内村さんのことがもっと大好きになりました。


正直に感想を言うと、本作は映画としては決して上手いとは思えません。

理由のひとつが「登場人物が自分の気持ちや作品のテーマをベラベラとしゃべってしまう」ことです。
邦画特有のこういう特徴は、自分は好きではありません。

何気ない台詞でも、役者の表情だけでも、テーマや気持ちを語ることはできます。
それができてこその映画作品だと思うのです。

本作が説明台詞っぽくなっているのは、主人公2人が自分の気持ちを綴る「交換日記」とアイテムがあるためでもあります。
しかし本作には交換日記の文面以外にも大仰な台詞が多く、どうにも入り込めないところがありました。

加えて画づくりや話運びも「テレビドラマらしさ」を感じてしまい、劇場というハコで観ることの利点があまりないようにも思えました。

物語においても、甲本(小出恵介)がいくらなんでもイヤなやつすぎることがとても気になります。
ネタづくりまでがんばっているイイやつの相方・田中(伊藤淳史)に対して、彼は何もしていなさすぎです。
このダメダメぶり、甘やかされぶりも最終的には作品には必要なものだとわかるのですが、そこに行き着くまではかなりイライラしてしまいました。

また、作中での時間経過が大きいので、メイクや髪の工夫で登場人物たちが老けて見えるような工夫がほしかったところです。
どの時代でも登場人物の年齢が同じに見えてしまうのはもったいなく思います。


欠点の多い作品ではありますが、テーマはとても尊く、ストレートに伝わってくるものです。
夢を追いかけていた人、今も夢を追い続けていた人、夢をあきらめた人に、この映画はきっと励みになるはずです。
それだけでこの映画のことが好きになれましたし、映画監督しての内村さんも応援したくなりました。

ファンキーモンキーベイビーズの主題歌「サヨナラじゃない」もとてもよかったです。
お笑い芸人に興味がなくても、夢にくすぶっている若者のドラマを観たい方にはぜひおすすめします。
前半はクスクス笑え、後半はしんみり感動できますよ。

以下、結末も含めて盛大にネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓













~甲本はバイトしろよ~

甲本のイヤなところを箇条書きするとこんな感じ。

・ネタづくりは全部相方まかせ
・バイトをせず、彼女に毎日1000円お小遣いをもらっている
・彼女は昼は薬局に、夜はキャバクラにつとめている
・一人で映画館に行ったりプールに行ったりしている
・つまり甲本はほぼニートのヒモ状態(年収は90万円)
・彼女がいるのにコンパには積極的に参加し、「これは情報収集のためなんだよ」とほざく
・相方のバイト先(TSUTAYA)に勝手に出向く
・恋人の収入に頼っているのに子どもをつくる
・自身がお笑いに誘ったくせに、自分が失敗したくせに、一方的に解散をもちかける
・お腹が大きい彼女をほっぽいて1年間海外へ行く(ギャラが入るからなのですが)

いやほんと腹立ちますね。
一応彼女の妊娠がわかってからはバイトをはじめるのですが、遅すぎるよ。

また、甲本は、田中の同僚の女の子(のちの奥さん)にストーカー扱いされていましたが、彼女が田中がお笑いコンビをやっていることを知っているのなら、甲本のことも知っているはずなのでは。
この時点ではまだ知らなかっただけだとは思いますが、少し違和感がありました。

相方の田中は「彼女がいるくせにコンパ」には難色を示すも、ほかはいっさい責めません。
あまつさえ、一昨年の準決勝とお笑いバトルのときに甲本が台詞を忘れて失敗しても、田中は甲本を責めずに「甲本のせいじゃないよ」と言うのです。

この甘やかされぶり、勝手なふるまいは最後の選択において意味を持つようになります。


~甲本と田中の想い~

解散から1年後。
田中は同じく相方がいなくなったお笑いコンビ「BB」の福田(ムロツヨシ)とコンビを組み、活躍していました。
甲本は1年海外に行きギャラを稼いだ後、お笑いを辞めることを奥さんに告げました。
奥さんは否定も肯定でもせず、「お疲れ様でした」とだけ言います。

さらに17年後。
甲本の娘・さくらが、田中に「最後の交換日記」を持って行きます。
田中は、さくらから甲本が肝臓ガンにおかされていること、あらたな夢になっていた「自分の店を持つ」ことが小さな居酒屋を営むという形でかなえられたことを聞きます。

交換日記には、甲本が本当は解散をしたくなかったこと、事務所の社長と川野さん(佐々木蔵之介)から、解散を持ちかけられたことが示されていました。

「ぶんなぐりたくて、机をひっくり返したかった」と言う甲本。
しかし、できませんでした。
川野さんの言った「ほんとうは一昨年の準決勝のとき、(台詞を忘れて失敗したから)やめようと思っていたんだろう」ということが、図星だったからです。

田中は日記をゴミ箱に捨ててしまいます。
田中は「そんなこと知っていたよ。今の福田は、ネタも一緒に考えてくれて、ミスもしない!」と言います。
いままで甲本に対して不平不満を言わなかった田中ですが、はじめて怒りをあらわにしました。

その後、豪華な自宅に戻った田中は、奥さんの「あなたずっと意地張ってたんだから、ほっとできたんじゃない?」ということばに触発され、ゴミとして捨てられる寸前の日記を探し出します。
ゴミ袋から見つけた日記に、田中は「俺にとっても、房総スイマーズは誇りだ」と書きました。

長い時を経て、2人は日記上で感情をぶつけ合ったのです。


~水泳の描写~

2人がお笑いバトルに挑むとき、2人が一緒に水泳をしているイメージが映し出されます。

1回目はお笑いバトルのために練習をかさねているとき、2人が一緒に並んでプールを泳ぐ姿を
2回目は甲本が台詞を忘れてバトルにやぶれたとき、甲本が田中に遅れてしまう姿を
3回目は2人が解散するとき、甲本と田中が反対側に泳ぐ姿を・・・

彼らはともに水泳部出身であり、コンビの名前も房総「スイマーズ」。水泳は2人をつなぐきっかけそのものです。
その水泳で、彼らの心の動きを描く演出は好きでした。


~お笑い~

彼らの経験がお笑いのネタになっていることも好きでした。

・写真をとってくださいと女の子2人に言われるが、それがファンではなく、単に東京スカイツリーをバックにした記念撮影をしてほしいだけだった
→これ以上後ろに下がると隅田川に落ちちゃうよ!というコントをする

・「スパゲッティ」「カルボナーラ」などという寒すぎる一発ギャグ
→スベっていることをイジるネタにする

・占い師に「表にでる仕事は向いていない」と言われる
→もちろんコントに。しかも占いの棒はパスタになっている

「一発ギャグをしたほうがいいよ」とアドバイスをしたのが、一発ギャグを持たないカンニング竹山(本人役)というのも好きです。


~テーマ~

作中で甲本の娘・さくらが言ったように、本作のテーマは明確です。

「もし夢をあきらめることがあるのなら、それは幸せにしたい人ができたときだ」

甲本にとって、娘と、奥さんと、そして田中こそが大切にしたい人でした。
今まで自分勝手であった甲本は、大切にしたい人のために夢をあきらめることを選択したのです。

これは夢を追い続けている人には、きっと響くことでしょう。


個人的には、甲本がお笑いバトルに挑む前に言ったことばも好きでした。

「『やろうと思っている』と『やる』の間には 大きな川が流れている」

高校生のころの甲本は、この先生のアドバイスをうっとおしいと思っていましたが、「今ならわかる」と言っていました。
その「大きな川」を乗り越えてこそ、見えてくるものがあるはずです。


~ラスト~

ラストで田中と甲本は再開を果たします。
場所は、甲本の娘の名前と同じ桜が咲いている海岸でした。
それは2人がコンビ結成を果たした場所の富津岬のように、眺めのよいところです。

「また日記に書いてくれ」と言って日記を渡す甲本に対し、田中は交換日記をはじめたときに最初に書いていたことと同じ「嫌だよ」を口にします。

お互いに言いたいことを日記にして伝えていた2人でしたが、甲本が最後に日記に残した想いは、17年間も田中に伝わることはありませんでした。
でもこれから2人は、隠すことのなくお互いの気持ちを言えるようになったのでしょう。

田中の「嫌だよ」、そしてその後の笑顔。
そのことに、2人の新しい関係のはじまりが見えました。

テーマ : 映画
ジャンル : 映画

2013-03-26 : 映画感想 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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