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岩井俊二監督、健在 映画「ヴァンパイア(2011)」ネタバレなし感想+お気に入りシーン

本日は3月20日にDVDが発売された映画ヴァンパイアをご紹介します。

ケヴィン・ゼガーズ
4529円
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個人的お気に入り度:6/10

一言感想:岩井俊二監督らしくないけど、らしい


あらすじ


高校教師のサイモン(ケヴィン・ゼガーズ)は、アルツハイマー病の母親(アマンダ・プラマー)と一緒に暮らしていた。
ある日彼はネット上で自殺願望のある「ゼリーフィッシュ」(ケイシャ・キャッスル=ヒューズ)という女性と出会い、一緒に死のうと言う。
実は、彼は自殺の幇助をしたう上に、その血を飲む連続殺人鬼だったのだ。

彼は生徒のミナ(蒼井優)や、集団自殺をしようとしていた「レディバード」(アデレイド・クレメンス)ともふれあうのだが・・・




岩井俊二監督による「花とアリス」以来およそ8年ぶりとなる長編映画です。

本作は監督の初の海外映画にして、すべてカナダでロケーションが行われた作品。当然ながら全編英語です。
日本とはスタッフも環境も違うので、日本で撮られた作品とはまた違った作品になるんだろうな、と予想していました。
それは半分当たっていて、半分はずれていました。

これはファンにとっては「ああ、岩井俊二監督だなあ」と思える作品になっています。
映像のつくり、音楽のリズム、少し「病んでいる」物語などなど、監督ならではの世界観は健在です。

しかし、個人的には岩井監督の従来の作品にあった魅力をあまり感じられませんでした。
ことばでは上手く言えませんが、なんとなく血が通っていない(本当に「血を抜く」映画であるし)、無機質な印象を受けるのです。
映像面においても、はっとするような映像の美しさを感じるシーンが少なく、物足りなさを感じます。

本作はPGー12指定ですが、これは甘すぎると思います。
そもそも「主人公が自殺幇助をする」というインモラルな物語であるし、作中では女性への暴行シーンが直接的に描かれています。
岩井監督の作風は中高生あたりの若い世代に好まれていることは承知の上ですが、これを思春期のころに観てしまうといろいろこじれてしまうような・・・・「リリイ・シュシュのすべて」はその最たるものですしね。

映画としてはひどく地味であるし、岩井俊二監督作品を知らないのであればとうていおすすめできるものではありません
物語もとても病んでいる「鬱映画」なので、心が落ち着いているときでないと日常生活に支障をきたしてしまいそうです。

それでも単純な娯楽でも勧善懲悪でもない、静謐な空気を感じられる映画を観たい方におすすめします。
キャストもなかなか豪華で、監督の常連である蒼井優もさすがと言うべき存在感です。

久々の岩井俊二イズムを堪能したい方は、ぜひレンタル店へ。
DVDには日本語音声がないのでご注意を。

余談ですが、公式ブログの文章が「〇〇じゃ~」「してくだされ~」などと口調がふざけているのはどうかと・・・
映画の雰囲気壊しちゃダメだよね。

以下は作中のシーンがちょっとだけネタバレ↓ 核心部分は書いていませんが、予備知識なく観たい方は要注意



主人公は自殺をしようとしている女性を自分の手で殺そうとします。その方法は「血を抜くこと」です。

失血死をさせようと・・・

これはすなわち「安楽死」。主人公は「心やさしい殺人鬼」なのです。
そして主人公はその血を飲んでしまいます。それこそがヴァンパイアというタイトルの理由でしょう。


この映画に出てくる独創的なアイディアのひとつが、アルツハイマー病になっている母親がつけている「風船」です。

風船をつけた母

主人公は母親を部屋から出さないためにこうしており、警察から「虐待(拘束)ではないか?」と疑われてしまいます。
(この風船というアイテムは、監督が「使おうとしたけどなかなか使えなかった」ものだそうです)


岩井俊二監督らしい映像はいくつもありますが、主人公と集団自殺から逃れた女性「レディバード」と歩くシーンでの「逆光」にはそれを強く感じます。

逆光 岩井俊二

ほかにも「画面が横になる」映像など、新しい方法を試みようとしているとも言えます。


地下室に張られていた「空」も印象に残りました。

地下室の鳥<地下室にはかごに入れられた鳥がいる

空を飾る<天井には「空」が張られている

これは「空への渇望」「自由への渇望」を表したシーンでしょう。


この映画が面白いのは、主人公が本物のヴァンパイアかどうかが定かではないことです。

彼は日を浴びて消えたりも、コウモリや霧に変身したりも、十字架やニンニクを怖がったりしません。

作中では「日が苦手」という台詞でちょっとくすぐりを入れますが、血を飲むこと以外では彼がヴァンパイアと思える描写はほとんどありません。
それどころか、彼はせっかく飲んだ血を吐き出してしまったりするのです。

さらに彼がヴァンパイアかどうかが疑わしくなるのは、主人公が「吸血鬼の会(オフ会)」で出会った男「レンフィールド」のおぞましい行為を目撃したときでしょう。
このときの「レンフィールド」の行動は主人公の姿を投影したものですが、主人公とは、とある決定的な違いがあるのです。

彼がヴァンパイアか否かは、観客が想像することだと思います。
ラストシーンの「ひとこと」も含めて、観客それぞれの想像が広がる作品でした。

おすすめ↓
映画『ヴァンパイア』岩井俊二監督 単独インタビュー - シネマトゥデイ

テーマ : 映画
ジャンル : 映画

2013-04-02 : 旧作映画紹介 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
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<2014年下半期>
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<2014年上半期>
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『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
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『プロメテウス』
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『アナザー Another』
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<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
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<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
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