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ジブリのオマージュと小さなカケラ 映画「ハッシュパピー」ネタバレなし感想+ナレーション

遅ればせながら、映画ハッシュパピー バスタブ島の少女(原題:(Beasts of the Southern Wild)を劇場で観ました。



個人的お気に入り度:6/10

一言感想:ファンタジーかと思いきや、退廃的


あらすじ


6歳の少女・ハッシュパピー(クヮヴェンジャネ・ウォレス)は、「バスタブ島」で父親のウィンクとともに暮らしていた。
しかしこのバスタブ島はすぐに沈んでしまう場所だった。
ウィンクは病気にかかり、さらにバスタブ島には嵐がやってきようとしていた。




主演のクヮヴェンジャネ・ウォレスがわずか9歳(撮影時は6歳)にしてアカデミー主演女優賞にノミネートされたことで話題になった作品です。

そして映画ファンがもうひとつ注目していることが、本作にはジブリ映画っぽい場面がふんだんにあるということでしょう。

シーンを詳しく書くとネタバレになるので↓に書きますが、そもそもの「今住んでいる場所が水に沈んでしまう」という設定は「崖の上のポニョ」を思わせます。
「水没した街」というのは、「天空の城ラピュタ」や「ルパン三世 カリオストロの城」でも見られたものでした。

さらには「少女の成長」というのは「となりのトトロ」や「魔女の宅急便」でも描かれたことですし、「自然と対立する人間」というのは「風の谷のナウシカ」や「もののけ姫」らしくもあります。
ジブリ映画をよく観ている方ほど、その類似性に気付けるでしょう。

「ハッシュパピー」というかわいらしい邦題ですが、本作にファンタジー的な楽しさを期待するとちょっと裏切られると思います。

原題は「Beasts Of The Southern Wild(南の野生の野獣)」。
沈んでしまうバスタブ島、どこかにいる強い野獣、病気の父・・・描かれているのは、そんなシビアで退廃的なディストピアなのです。

登場人物が置かれた過酷な現実は、日本人であれば東北大震災を否応なしに思い出すでしょう。
本作は、そんな「逆境に生きる人たち」にエールを送っているのです。

少々ゆったりしたテンポのため人によっては退屈かもしれませんし、説明されていないこと(登場人物の生業など)も多いので釈然としないところもあります。
展開も荒削りなところがあり、映画としての完成度は決して高いとは言えないでしょう。

しかし本作は低予算のインディペンデント映画にして、監督は若干29歳の新人。これからの作品に期待が持てるものです。

ちなみに登場人物を演じているのはほとんどが演技未経験の素人です。
主人公の父親を演じていたのが、映画関係者が通っていたパン屋のおじさんという事実にはびっくりしました。

万人にはおすすめできませんが、派手なハリウッド映画にお疲れ気味の方には是非観てほしい作品です。

以下は作中のジブリっぽい場面と、ナレーションがほんの少しだけネタバレです↓ 展開についてはほとんど触れてはいませんが、未見の方は要注意。





~ジブリっぽい場面いろいろ~

・水没した街をボートで行く
ハッシュパピーと父・ウィンクはボートに乗って水没した街を渡ります。
これがもう思いのほか「崖の上のポニョ」でした。

・拠点にした家には何本もの尖らせた丸太が刺されている
「もののけ姫」の、タタラ場のバリケードを思わせます。

・海の地平線の向こうには「ナマズ料理と女の店」という娼館がある。
後半にハッシュパピーたちが地平線の先に向かうのは、「千と千尋の神隠し」を思わせます。
さらにその先にあるのは「女の子がエッチなサービスをするお店」なのです。
「千と千尋」はもともと「お湯屋で働く女の子」が描かれていて、それは江戸時代の「湯女風呂」をモチーフにしたものだそう。これは明らかに狙っているよなあ。
ちなみにハッシュパピーの乗った船に書かれていた「grumpy(おこりんぼう)」とは白雪姫の七人の小人の名前でもあります。

オーロックスと呼ばれる牛が復活する。
これはもうモロに「もののけ姫」の乙事主です。

おっことぬしっぽい猪<これはどう見ても・・・



~小さなカケラ~

ハッシュパピーは序盤にこう語ります。
「ほんの小さなカケラでも、それが壊れたら全体が壊れちゃう」

さらに中盤ではこう言います。
「あまりに壊れちゃうと、もうもとには戻らない」

さらに最後に結論づけられるのは、こうです。
「私は大きな世界の小さなカケラ。それでいい。いつか私とパパとバスタブは、未来の科学者に見つけられるの」

ハッシュパピーは「小さなカケラ」が壊れることにより、全てが壊れることを恐れていました。
その小さなカケラとはハッシュパピー自身のこと、全体(大きな世界)とはバスタブ島のことでしょう。
バスタブ島が海水の下に沈み、全てが悪い方向に進んだとき、ハッシュパピーは「もうもとには戻らない」と言うのです。

最後にハッシュパピーは「自分は小さなカケラであり、大きな世界の一員である」ともう一度核心します。
それは今までのようなネガティブなものではありません。
「小さなカケラ」でも、それは世界全体を良い方向へと変える力を持っているはずです。


参考↓(全てネタバレ注意)
佐藤秀の徒然幻視録:ハッシュパピー~バスタブ島の少女~
『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』 まちおこし
ハッシュパピー バスタブ島の少女(ネタバレ)/世界の鼓動を聞く - 雲の上を真夜中が通る

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2013-06-20 : 旧作映画紹介 : コメント : 1 : トラックバック : 0
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非公開コメント

No title
> これはもうモロに「もののけ姫」の乙事主

この構図は、洋画ならば『かいじゅうたちのいるところ』かなぁ。
2013-06-21 19:28 : シオン=ソルト URL : 編集
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<2011年下半期公開>
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