ゆる~い映画レビューがメインのブログです。最新映画の感想は↓の「新作映画レビュー」からどうぞ。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-------- : スポンサー広告 :
Pagetop

普通の人も、こわい 映画「凶悪」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

遅ればせながら、映画凶悪を劇場で観ました。

凶悪ー画像


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:直接的な描写よりも人の心がエグい・・・


あらすじ


ジャーナリストの藤井(山田孝之)は、死刑囚の須藤(ピエール瀧)が書いた手紙を受け取り、刑務所に面会に訪れる。
須藤は藤井に、ある男が娑婆で暮らしていること許せないと告げる。
その男は「先生」と呼ばれていた・・・・




人が映画を観て得るものには、どんなものがあるでしょうか。
たとえば「胸躍る冒険が観たい!」「素敵な恋愛を観たい!」という夢を叶えるのも、映画の持つ力のひとつでしょう。

この「凶悪」はそういった「良い子」の映画とは一線を画す内容です。
この映画はとにかく悪い人間の、悪しき所業の数々を見せ続けます。
ひたすらエグく、観ていていや~な気分になる作品です。マジで吐き気を催した部分もあります。
こんなものを、お金を払って、時間を費やして観る価値があるのか?と問われるかもしれません。

しかし、本作はそんじょそこらの映画よりも、はるかに観る価値があると思わせる作品でした。
なにせ、「人間の心のエグさ」をすさまじい方法で描いているのですから。
しかも作中に出てくる殺人鬼だけでなく、「普通の人」の闇の部分をも暴くのです。

長年生きていると、人間ってそんな美しいもんじゃないな、嫌な部分もいっぱいあるな、と思ってしまうこともあります。
そうなると「人間って素晴らしい」「人生って素晴らしい」という訴えや主張に、ある種の懐疑心を持ったり、斜に構えていしまうこともあると思います。
それには、人間の「闇」の部分から目を背けていることも理由にあるのではないでしょうか。

この映画はその人間の闇の部分を暴くことで、「人間って、みんなが思っているよりもさらにエグいぞ!」ということを教えてくれます。
作品を観たあとには物事の善悪や、そして(観た自分自身も含む)人の持つ恐ろしさを考えてしまうでしょう。
こうしたイヤな部分を観てこそ、人間というものの本質がわかり、生きていく糧になるのではないでしょうか。
残酷でグロテスクな内容ですが、確かな意義を感じるのです。

本作が作品として優れているのは、前述のとおりの人の残酷さを描いていることがひとつ、さらに以下のことが理由にあります。

①とある特徴的な構成が成功している
②主人公の境遇など、脚本の細かい部分が緻密な計算のもとにつくられている
③役者たちの演技がすさまじい

②は史実を記録した原作から、大胆な脚色がなされています(そのため、本作は「史実をもとにしたフィクション」になっています)。

580円
powered by yasuikamo

ほかにも原作との違いは多々あるのですが、この②で描かれる「主人公の妻の一言」には身震いがするほどの衝撃を受けました。

③は本当にすさまじいです。
ピエール瀧の非道な殺人鬼、リリー・フランキーの「笑顔」には戦慄すること必死です。
この演技を観たら、「冷たい熱帯魚」のでんでんがそうだったように、ほかでどんな役を演じても裏で殺人をしている極悪人にしか見えなくなってしまいそうです。
しかもこの2人は現在公開中の「そして父になる」にも出演しているんだよなあ・・・
ピエール瀧が人を殺すときに言う「ぶっ込む」というワードの怖さも、忘れられそうにありません。

この「凶悪」はとても観る人を選ぶ作品でもあります。
デートに選んだら相手はどん引きすること必死です。
ザ・R15+なシーンが満載で、女性や高齢者への暴行も直接的に描かれているので、それを絶対に観たくないという人にはおすすめしません。

それでも本作は、映画を観慣れている方にこそおすすめしたい傑作であると思います。
現在は多くの場所で上映が終了してしまいましたが、10月25日まで上映しているところ、セカンド上映をするところもあるので、近くで上映していたらぜひ足を運んでみてください。

この映画を観た後は、自分が「闇」の部分に踏み込んでいないことが、いかに幸せかを思い知らされるかもしれません。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓










~特徴的な構成・演出~

この映画の特徴のひとつが、途中で1時間近く主人公・藤井(山田孝之)が登場しなくなることです。
映画の構成は3つにわかれているといってよいでしょう。

1:藤井が事件を探る
2:須藤(ピエール瀧)と先生(リリー・フランキー)の悪行の数々を追う
3:藤井が事件の真相を暴くために行動を起こす

特筆すべきは、1から2への「切り替わり」のシーンでしょう。
藤井が捜査を進める中で、藤井は今や廃墟と化した建物の窓をそっと覗きます。
そこには、ここで初登場となる先生が、人をロープで締め上げている光景がありました。

先生は殺しを終えると、窓の外を見ます。
そこには誰もいません。
先生はそのまま窓を閉め、死体を遺棄する相談をするために須藤に電話を入れました。

これには鳥肌が立ちました。
今までもことばの端々でその存在を臭わせていた「先生」の恐ろしさがインパクト抜群のシーンにより提示され、これからも先生(と須藤)の悪行を見せるという「地獄」に観客を招待するのです。

そして須藤と先生の物語は、やがて冒頭のシーンにつながります。
これは藤井の調べていたことが、やっと「現在」に追いついたことも示しています。


~須藤と先生~

須藤と先生は、タイトルの「凶悪」が示すとおりの人間です。

須藤は焼却炉に死体が入らないと知るやいなや、ナタを借りて死体をバラバラにします。
先生は人を生き埋めにしようとするとき、苦しんでいる被害者を見て「そんな顔されると興奮するなあ」と笑いました。

そして作中最悪と言っていいのが、家族に殺してほしいと依頼を受けた牛場のおじいさんを殺す一連のシーンでしょう。
ここは本当に酒を飲ませて虐待しているようにしか見えず、心が痛くなりました。
(ちなみにこのおじいさんを演じたじじ・ぶぅさんは、実はまだ50代だったりします)

これらの凶悪なシーンも観ていて怖かったですが、それよりも恐ろしかったのは、彼らの「日常」でした。

先生は人をバラバラにして焼却炉で焼いた後、「肉の焼けるいい臭いがするなあ、食べたくなって来ちゃったよ」と言っていました。
その後に映し出されたのは、須藤と先生の子どもがクリスマスパーティで焼いた肉を食べているシーンでした。
(子どもたちが食べているのが、一瞬人肉なのかと疑ってしまいました)

この場面転換も悪趣味ですが、それよりも戦慄すべきなのは、彼らのような悪人が「普通の」クリスマスパーティをしているという事実でしょう。
そこにあったのは、お互いが楽しく笑いあい、子どもにクリスマスプレゼントとしてランドセルを渡し、部下がトナカイの格好をしたまま買い物に行ったことを茶化す・・・そんな光景でした。
(それでも子どものランドセルに報酬の札束を入れるなどの、ほんの少しの狂気も見えます)

須藤は子どもが絵を描いている横の部屋でセックスをしていて、そのせいか子どもは成長すると金髪の不登校気味の女子高生になっていました。
(このシーンは本当に子どもの横でセックスシーンの撮影をしていて、ピエール瀧はそのことに難色を示していたそうです)

一方、先生の成長した子どもは、家に訪れた藤井に対し「父に関わらないください」と父を守ろうとしました。
あれほど暴虐の限りを尽くした先生の子どもが、(一見)まともに成長しているということにも、皮肉を感じます。

さらに須藤は人情に厚く、舎弟を自分の手で殺したことを思い返し、部屋で線香をたいたりします。
元・恋人が「なんか憎めないんだよね」と行ったとおり、「人間らしさ」を持っていたのです。

一方、先生はそんな須藤をもだまして舎弟をも殺させてしまう「その上を行く」人間です。
先生が須藤につぶやいた「老人たちが金にかわる、まるで油田だよ」という人を人とも考えていないことば、その細い瞳の奥に、底知れぬ闇を感じました。


~牛場家の人間~

この映画に登場する恐ろしい人間は、須藤と先生だけではありません。
一見「普通の人々」であった牛場家の人々の闇も、また深いものでした。

彼らは肉親であるおじいさんを「借金の返済のための仕事に行かせる」と偽り、先生に殺しの依頼をするのです。
それも「酒を致死量まで飲ませる」という残酷な方法を・・・

おじいさんは酒を飲まそうとしている先生に「もう許してください、帰りたいんです」と訴えます。
このときにおじいさんは、すでに家族に殺しの依頼をされていたことを知っていたにもかかわらず、です。

先生は牛場家に「帰りたいって言っているんですけど、どうします?」と訊きます。
このとき、息子は「今ちょっと迎えに行けないんで・・・」とはぐらかします。
電話は母にかわり、先生は「飲ませていいんですか」と問います。
母はうつむきながら、「もっと、飲ませてください」と一言一言、確かめるように答えました。

牛場家の人間は家族ぐるみで、ただ金(生活)のために、自分の肉親を殺そうとするのです。
作中で、もっとも恐怖を感じたシーンでした。


~楽しかったんでしょ?~

作中で重要なファクターとして働いているのが、主人公・藤井の妻(池脇千鶴)の存在です。

藤井の母は認知症になっており、妻はその介護に苦しめられ続けていました。
さらに藤井は取材につきっきりで、妻が母に殴られているのを見ながらも「まだやるべきことがあるんだ」とつっぱねました。

終盤に藤井が警察に公務執行妨害で捕まったとき、藤井は面会に訪れた妻に「この取材で、殺された人の魂を救えるかもしれないんだよ!」と声をあらげます。
妻は「死んだ人の魂なんてどうだっていいわよ、私は生きているのよ!あなたと普通の生活がしたいだけなの・・」と涙ぐみました。

さらに後に帰宅した藤井は、妻にこう告げられます。
「楽しかったんでしょ?」
と・・・

机の上には、藤井の書いた記事が載っている雑誌がありました。
さらに妻は、そっと離婚届を机の上に出して、こう続けます。
「悔しいけど、私も楽しかった。
こんな事件があって、こんな怖い人がいて、こんな殺され方をされていたなんて・・
私、お母さんを殴っているの。罪悪感もなくなっちゃった。
どこかでお母さんが死ぬのを期待しているの。
自分だけは、そんな人間じゃないって思っていたのに・・・


この妻の台詞は「この映画を観て楽しんでいるお前も、同じ穴のムジナだ」「いい子しているお前でも、こうなる可能性があるぞ」と言われているかのようでした。

須藤と先生はまちがいなく凶悪です。
牛場家の人間も、同じく凶悪でしょう。
そして(藤井の妻のように)、誰しもがその凶悪な人間にならないとは限らないのかもしれません。


~ちょっと残念だったこと~

悪い意味で驚いてしまったのが、殺人に関わった介護に携わる男が、逃げ出した後でトラックにひかれてしまう展開でしょうか。
ネタバレになるのでタイトルは書きませんが、今年はこういう「逃げると乗り物にひかれる」という展開の邦画をほかにも2つ観ていました。
正直漫☆画太郎のギャグかよ!と思ってしまうので、もうこの展開は禁止してほしいものです。

自分の母が妻を叩いているのに、(疲れているからとはいえ)藤井がそれをスルーしているのもさすがにどうかと思いました。

また、妻に離婚届をつきつけられた藤井が、雨の中で死体を掘り起こす作業をしているのもちょっとやりすぎに思えました。
映画の雨が登場人物の「涙」をあらわしているのはわかるのですけどね。

ひとつだけわからなかったのが、先生の隣の一軒家の存在です。
藤井は先生の家に訪問してベルを鳴らしたとき、一瞬だけ隣の家を振り返って見ました。
先生はテレビ報道の中継で、連行されるときに隣の家を一瞥しました。
これはおそらく
①藤井にとって「先生の家があまりに周りの家と変わりがない」ことに不安を覚えた
②先生は「世間体」を気にしていた
描写なのではないでしょうか。
もしくは、「あなたの隣の家にも、先生のような人間がいるかもしれない」という、観客に向けての警告なのかもしれません。


※以下の意見をいただきました
先生の家で一度外を見てからもう一度アタックするのは、隣の家を見たのではなくて、入り口においてある先生の車を見て、「車あるからいるんでしょ」と踏み込んだんだと思ってました。
途中で須藤と先生が車の傍らで話しあうシーン(指名手配になっても俺に任せろと先生がいうシーン)でも、同じ車種が停まっていましたから。

連行されるときに振り返ったのは、
2階にいた娘さんを見ていたものと思われます。
カーテンをサッとしめています。




~死ぬべきか、生きるべきか~

裁判で、須藤は「贖罪のため、残された人生を歩いていきたいです」と神妙な顔で言います。

藤井は声を荒げます。
「あなたは生きていちゃいけない!生きている実感なんて感じるな!」と―

須藤は冷静に「藤井さん、神は私にこう言いましたよ。『生きて罪を償いなさい』って」と答えました。

須藤の言ったことは、キリスト教の教えに基づくものです。
藤井の主張は、世の中に普遍的に信じられている宗教に否定をされることだったのです。


~これから~

藤井は上司に「ジャーナリストとして正しい選択をしたわ」と言われていましたが、自身の行動が正しいものとは信じていなかったでしょう。
そのことが、藤井の妻を苦しめていたのですから。

最後に、先生と面会をした藤井はこう告げられます。
「俺を一番殺したいのは、被害者でも、おそらく須藤でもない」
そして、先生はゆっくりと、藤井を指さします。
藤井は先生から、もっとも大きな殺意を秘めていると通告されるのです。

藤井は自身の正義を信じて行動して事件を闇に埋もれることは防ぎましたが、藤井もまた「善」であるとは限りません。

(藤井は須藤との面会で、殺しの話をしているにもかかわらず、「それ先生関係ないですよね」と言ったときに、須藤と一緒に笑ってしまうこともありました)
※以下の意見をいただきました
あれは内在的な悪の描写ではなく人間の防衛本能だと思います。
何せ目の前に居るのは殺人鬼なのですから、いくらアクリル板で隔たれていても怖いですよ。
相手が冗談半分に殺しを語り敵意の無い笑みを見せればこちらも笑みで返す。
結構な人が同じ様に笑い返すんじゃないでしょうか。
自分も経験が有るので分かります。


その藤井も、最後には老人ホームに認知症の母を連れていきます。
藤井は妻に「老人ホームに連れて行ったという罪悪感を得ることが怖いんでしょ?」と突きつけられていました。
藤井が自身の罪悪感と向き合い、生きている妻のため、「今後を良くするため」の選択ができたことには、一縷の希望を感じます。


おすすめ↓
「欲望の殺意、怒りの殺意、社会正義の殺意」 凶悪/ユーザーレビュー - Yahoo!映画
【ネタばれ】「エグ過ぎる人々」 凶悪/ユーザーレビュー - Yahoo!映画
ライムスター宇多丸が映画 『凶悪』 について熱く語る! ウィークエンド・シャッフル - YouTube

年表はこちら↓
【極悪詐欺師列伝】凶悪・三上静男 [1] 死刑囚が獄中から告発

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2013-10-20 : 旧作映画紹介 : コメント : 15 : トラックバック : 0
Pagetop
コメントの投稿
非公開コメント

No title
私の理解力が衰えているのでしょうか?保険金殺人なのに、何故あの電気商のおじいさんの遺体を隠したんでしょうか?

ピエールさんの演技は、デ・ニーロの「グッド・フェロー」を思い出しました。
2013-10-20 21:54 : sakura URL : 編集
Re: No title
> 私の理解力が衰えているのでしょうか?保険金殺人なのに、何故あの電気商のおじいさんの遺体を隠したんでしょうか?

あれは「山中で自殺した」と見せかけるためだと思います。
確かになぜ移動したんだろう?と思わせますね。自分のところだと足がつくからなんでしょうけど。


> ピエールさんの演技は、デ・ニーロの「グッド・フェロー」を思い出しました。

観ていないですが、デ・ニーロの演技力は「レナードの朝」で知ったので、観てみたいです。
2013-10-20 23:29 : ヒナタカ URL : 編集
No title
「死体が出てこない=死亡確認が出来ない=保険金が出ない」と云う公式が成立しないのではと思って書きました。
(彼等の目的は、保険金詐欺で単純殺人ではなかったはずですから)
再投稿失礼します。
2013-10-21 07:40 : sakura URL : 編集
No title
これは公開してすぐ観に行ったのですが、あのクリスマスのシーンが強烈すぎでした。
牛場家もそうですし、何より先生が自然体すぎでそのことの方がもっと衝撃的でした。

藤井の話もうまく本筋に絡ませててよかったです。(ある意味よくなかった?)


その後そして父になるを観て、裁判のシーンでピエール瀧が出た時は不謹慎にも思わず笑ってしまいました。
あの穏やかな見守るような表情で傍聴席にいるのは卑怯ですw
凶悪で観たあとだとリリー・フランキーも含めて完全にこっちのイメージしかないのですから。
2013-10-21 10:29 : にとり URL : 編集
No title
電気屋のおじいさんの遺体って山に放置してきた奴ですよね?
だいぶ前に見たので記憶が曖昧ですが・・・
あれは「酒で体を壊したおじいさんが山中で行き倒れた(病死)」状況を装おうとしたのでは?
隠したのではなく探せば見つかる場所に置いてきたのだと思います
体の倒れる向きを調整したり靴の配置にこだわっていたのも
自分の意思で一人で歩いてきて具合が悪くなってそのまま死んだ
ということにするためだと思いました
2013-10-21 17:13 : kokonuts URL : 編集
No title
クリスマスのシーンは僕も人肉を食べてるのかと思ってしまいました。でも骨の大きさからして違い……ますよね? 
リリー・フランキーとピエール瀧が「凶悪」、「そして父になる」両方に出演しているのは誰かの悪意を感じます。「そして父になる」でそのうちリリー・フランキーが豹変して福山雅治を手にかけるんじゃないかとヒヤヒヤしました。
できれば公開時期をずらして欲しかったですね。
2013-10-22 21:48 : ぎお URL : 編集
No title
>このシーンは本当に子どもの横で
別々に撮って合成したものと思っていました!
「地獄でなぜ悪い」で池上親分と私のハートを奪ってくれた原菜乃華さんのように、大人顔負けの役者魂を持った子役の方々を応援していますが、これは流石にピエールさんの気持ちも解ります。ちゃんと夫婦間の愛の営みだったのが救いですが・・・。

>~楽しかったんでしょ?~
世の理不尽に怒り、正義を行ないたい。私にも有る願望で、ゾクリと来ました。

その正義を行なっている間、藤井にとって何よりも大事にしなければならない家庭はボロボロになって行きましたし、それだけの犠牲を払って立証されたのは一件だけ、それも自業自得な所もある牛場さんの件です。更に牛場さんが犠牲になって一応救った家族が結局破滅する結果になってしまいました。私が牛場さんの霊なら無念を晴らしてくれて感謝どころか「いたぶられ損で死に損じゃないですか!」と怒るかもしれません。
かといって、その後も凶行を続けて犠牲者を増やし続けるであろう先生を放置すれば良かったとも言えませんし、信頼していた先生に捨て駒にされた挙句に愛する舎弟をその手かけさせられた須藤の怒りと悲しみに「おまえら同類同罪なんだから泣き寝入りしろ」などと言えませんし・・・、藤井の行動は社会的には賞賛される事だと思います。でもその正義の果てに何が残ったのかと、物語の開始時以上に頭に暗雲が立ち込めてしまいました。

>藤井が自身の罪悪感と向き合い、生きている妻のため、
>「今後を良くするため」の選択ができたことには、一縷の希望を感じます。
本当に今思い出しても、これだけが唯一の救いですね。
2013-10-23 01:54 : 毒親育ち URL : 編集
No title
トラックにぶつかって死んじゃうおっちゃんは実際に証言前に事故死しちゃったんだから仕方がない。

あと先生が一瞥したのは隣の家じゃなくて自分家だよね。娘がカーテンをシャッって閉めてた。

面白い映画でしたね。
2014-05-15 01:12 : URL : 編集
No title
先生の家で一度外を見てからもう一度アタックするのは、隣の家を見たのではなくて、入り口においてある先生の車を見て、「車あるからいるんでしょ」と踏み込んだんだと思ってました。
途中で須藤と先生が車の傍らで話しあうシーン(指名手配になっても俺に任せろと先生がいうシーン)でも、同じ車種が停まっていましたから。
2014-06-09 14:58 : GOoo! URL : 編集
No title
監督すごいな。

連行されるときに振り返ったのは、
2階にいた娘さんを見ていたものと思われます。
カーテンだサッと隠れます。
2014-08-19 11:40 : のの URL : 編集
Re: No title
> 連行されるときに振り返ったのは、
> 2階にいた娘さんを見ていたものと思われます。
> カーテンだサッと隠れます。

ほかにも間違いにツッコミをいただいていたのに、ほうっておいてすみません。
修正します。
2014-08-20 00:13 : ヒナタカ URL : 編集
(藤井は須藤との面会で、殺しの話をしているにもかかわらず、「それ先生関係ないですよね」と言ったときに、須藤と一緒に笑ってしまうこともありました)

あれは内在的な悪の描写ではなく人間の防衛本能だと思います。
何せ目の前に居るのは殺人鬼なのですから、いくらアクリル板で隔たれていても怖いですよ。
相手が冗談半分に殺しを語り敵意の無い笑みを見せればこちらも笑みで返す。
結構な人が同じ様に笑い返すんじゃないでしょうか。
自分も経験が有るので分かります。
心の中では被害者を笑う気持ちはありませんし、ゲスいなぁと引いてるんですがそのゲス野郎が圧倒的に恐ろしい存在で目の前に居る状況だと笑ってしまうんですよ。
2014-10-14 11:11 : URL : 編集
Re: タイトルなし
> (藤井は須藤との面会で、殺しの話をしているにもかかわらず、「それ先生関係ないですよね」と言ったときに、須藤と一緒に笑ってしまうこともありました)
>
> あれは内在的な悪の描写ではなく人間の防衛本能だと思います。
> 何せ目の前に居るのは殺人鬼なのですから、いくらアクリル板で隔たれていても怖いですよ。
> 相手が冗談半分に殺しを語り敵意の無い笑みを見せればこちらも笑みで返す。
> 結構な人が同じ様に笑い返すんじゃないでしょうか。
> 自分も経験が有るので分かります。

そうですね。自分も経験があります。
ご指摘のとおりですので、追記させてください。

> 心の中では被害者を笑う気持ちはありませんし、ゲスいなぁと引いてるんですがそのゲス野郎が圧倒的に恐ろしい存在で目の前に居る状況だと笑ってしまうんですよ。
2014-10-14 23:00 : ヒナタカ URL : 編集
凶悪
藤井の妻(池脇さん)の
『私、お母さん殴っていたの~(中略)だんだん罪悪感がなくなった』
↑これがリアルすぎて怖かった
先生もピエールも悪いやつなんだけど、サイコパスなんだな。と他人事だったが、藤井妻のやつは普通の人(介護や育児をやっている人)なら誰でも行動には起こさないにしろ起こりうる


2015-02-09 17:29 : ねこ娘の母 URL : 編集
私が感じた凶悪
子供が居るすぐそばで性行為をする親
→子供に対する罪悪感を感じなくなった

保険金殺人の家族
→生活のために、家族を殺人依頼しても罪悪感を感じなくなった家族

(妻が母に殴られているのを目撃しても)
藤井「…考えたいことがあるんだ」
→仕事という大義名分により妻がつらい姿を無視することに罪悪感を感じなくなった

先生「私は殺してない!」
須藤「…そうだな。あんたは殺してるって感覚はないのかもな」
→先生は殺人を繰り返すうちに罪悪感を感じなくなった

妻「あなたはお母さんをホームにいれて、罪悪感を感じたくないんでしょ」
→最後、藤井は母をホームにいれる罪悪感を感じなくなった

妻「私、お母さんを殴っているの。罪悪感も感じなくなっちゃった」
→妻も罪悪感を感じなくなった

先生「一番殺したいと思ってるのが…(藤井を指差す)」
→事件を追うという、魂を救うという大義名分により、加害者に殺意を抱くことに罪悪感を感じなくなった(指差ししていることからも藤井だけでなく、大衆も指す)

→結果、一番手を汚している須藤が(一応)罪悪感を感じていた唯一の人間ということになる。
本当の悪とはなにか?
罪悪感を感じなくなることこそが凶悪ではないか?
…という、メッセージを感じました。他にも伏線はあると思いますが(^_^;)
2016-07-24 05:20 : ゆこゆこ URL : 編集
Pagetop




« next  ホーム  prev »

最新の記事

最近のおすすめ映画

sully ポスター
イーストウッド、真骨頂
こえのかたちぽすたー
生きてくれて、ありがとう
怒り映画ポスター
信じていいのか

広告(同じウィンドウで開きます)


Twitter...

反響のあったorおすすめ記事

<初めて来られた方へ(ブログの説明)>
<著者プロフィール>
こちらでも記事を執筆中↓
<ヒナタカ | シネマズ by 松竹>

ご連絡の際は、以下のメールアドレスまでお願いします(☆を@に変えてください)
hinataku64_ibook☆icloud.com

2015年ベスト映画20
2015年ワースト映画10

2014年映画ベスト20
2014年映画ワースト10

2013年映画ベスト20
2013年映画ワースト10

2012年 映画ベスト20
2012年 映画ワースト10

2011年 映画ベスト20
2011年 映画ワースト10

映画パロディAVタイトルベスト10
映画邦題ベスト10&ワースト10
Yahoo!映画のステマ評価ワースト5
レビューサイト「Filmarks」の優れた点&ちょっと微妙なところ
剛力彩芽のゴリ押しっぷり
真のレゴムービーの日本版予告編


<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』

<2011年上半期公開>
『ブラック・スワン』
『八日目の蝉』
『手塚治虫のブッダ』
『わたしを離さないで』
『パラノーマル・アクティビティ2』

<2010年公開作品>
『ソウ ザ・ファイナル3D』
『リミット』

<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

守銭奴すぎるバンナムの課金ゲーム

検索フォーム

FC2カウンター

リンク

このブログをリンクに追加する

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
未設定
--位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
未設定
--位
アクセスランキングを見る>>

カレンダー

プルダウン 降順 昇順 年別

09月 | 2017年10月 | 11月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -


ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。