スーパーイリュージョンビリヤード漫画「ハスラーボーイ」レビュー
個人的にも大好きな映画なのですが、観た方の意見の中には否定的なものもありました。
その主たる原因の多くは「いくらなんでもトリックがあり得なすぎる」というものでした。
でも作品というものは、ある程度の「細けえことはいいんだよ!」というケレン味やごり押しする展開があってこそだと思うのです。
本日はあり得なすぎるイリュージョンが楽しめる漫画「ハスラーボーイ」をご紹介します。

この漫画は100人に聞けば、100人が存在を知らないでしょう。
それもそのはず、1987年11月号の「月刊少年ジャンプ」に掲載された読み切り作品なのですから。
しかし内容はぶっ飛んでおり、当時の少年たちに深すぎる印象を残していたのでした。
↓
本作のジャンルは、見てわかるとおりビリヤード漫画です。
主人公・球兵の父は向かうところ敵なしのハスラーで、1度のショットで9つの球を全部ポケットに落とすことができるそうです。マジかよ。
そこに現れたのは、道場破りの男・千石でした。<うさんくさい
へービリヤード場にも道場破りって来るんですねー知らなかったなー(棒読み)
自分のお店を賭けるという、球兵の父にとってハイリスクノーリターンすぎる勝負なのですが、なんと彼は「引き下がれる相手でもないし、いいだろう」とあっさり引き受けてしまいます。ちょっとは考えろよ。
そして千石は、とあるスーパーショットを繰り出します。<えっ・・・
!?
一度まとまったボールを突く→ちらした後に元のかたちに戻す→しかも1番と9番が入れ替わっている。
いやいやいや、こんな芸当ができるんならそもそも9個のボール全部落として勝てるだろ!つーか無理に決まってんだろ!
そんなわけで球兵の父は負けてしまい、ハスラーも辞め、肉体労働で体を壊して死んでしまうのでした。<かわいそう
ハスラー辞めなくてもいいだろ。
成長した球兵は、男の元に戻ってきます。
もちろんその目的は復讐です。
彼はあの究極のショットを攻略するため、特訓を重ねていたのでした。<壁にぶつかってからジャンプ
壁に当てて跳ね返らせてジャンプさせるという方法で難なく克服します。直接ジャンプショットで狙ったほうがいいだろ。
しかし、千石は次なる手で球兵をも打ち負かしてしまいます。
それはポケット近くに1番の球を持ってこさせ、他の球で周りを囲み、1番に当てても手玉が一緒に落ちてしまうというわりと普通の技でした。そこであきらめんなよ。
失意の底に沈む球兵の前に現れたのは清掃係のおじいさんでした。
おじいさんもまた元・凄腕のハスラーで、その球の配置でも難なく攻略を成し遂げます
おじいさんに弟子入りした球兵が悩むのは、どうやって球に強烈なスピンをかけるのかということでした。
球兵は公園にいる子どもたちの姿を見て、解決方法を思いつきます。その方法というのが・・・<Japanese Koma
球のかわりにコマを使う。
えっと・・・(困惑中)
スピンをかけたい→コマのほうが安定悪い→コマを回せれば球もうまく回せるはずって理屈はわかりかねます。
読者を置いてけぼりにしながら、球兵は練習を続けるのでした。<全然回んねえ(当たり前だ)
全てが間違っている気がします。
まだここで驚いてはいけません。
球兵はうまく回すには「ツボ」を突かないといけないと気づき、さらにあるものを球で突こうとします。
そのあるものとは・・・いったい何でしょうか(スクロールする前に考えてみましょう)
↓*ビリヤード漫画です
答え:鐘
(゚Д゚)←このときの自分の顔
なに?なんなの?
スピンをさせるにはツボを突く必要がある→だから鐘を突いてツボを探すという超展開についていけません。
そんで球兵は鐘を突きまくります。
そのときのおじいさんのリアクションがこちら。<考えたな
考えたなって何?
むしろ何も考えていないんじゃねえの?
さらに深夜から早朝までに響きわたる鐘の音!<ゴォォン
近所迷惑すぎるだろ!
そのときのおじいさんのリアクションがこちら。<いい音色だ
いい音色だって何?
おじいさんはうるさい鐘の音でどうかしてしまったのでしょうね。
そしていざ再戦。
球兵は鐘を突きまくったおかげで超スピンとジャンプを成功させ、いとも簡単に男の技を攻略します。自分が正しいと思ったことを信じるって素晴らしいですね(死んだ目で)。
しかし、千石はさらなる奥義を使います。<どうしようもない
これで手玉をジャンプさせても1番が狙えないんですって、あっはっは~(錯乱中)
球兵がこの攻略のために思い出したのは、あの「コマ」の回転でした。
では球兵が使った奥義とはなんでしょうか?(スクロールする前に考えてみましょう)
↓<ギュオオオオオ
答え:竜巻を発生させる<ついでに全部の球が入りました
もう勝手にしてくれ。
そんなわけで見事に勝利した球兵は無敵のハスラーを目指すのでした。うん、あんただったら間違いなく天下取れるよ。
そんなわけで数あるビリヤード漫画でもトップクラスのイリュージョンっぷりを見せる「ハスラーボーイ」を紹介してみましたが、いかがだったでしょうか。
これで「グランド・イリュージョン」のトリックなど「余裕でできそうじゃん」と思えることでしょう。そんなわけで是非劇場へ(洗脳)
本作が収録された短編集(amazon)↓
呪いに挑んだ男達―ジョージ・カーナボン卿物語 (ジャンプスーパーコミックス)
レビュー参考↓
玉なら入らん!1
同じくぶっ飛んでいるビリヤード漫画のレビュー↓
脅威のビリヤード漫画 ブレイクショット:a Black Leaf (BLACK徒然草)
101人目の知っている私が通りますよ。(笑)
出来る事なら本作のネームを作って居る時の落合先生と編集者さんのやり取りを見てみたいです。
どうしたらこんな怪作が生まれるのやら・・・
紹介だけでもうおなかいっぱいですw
これからも眠れる怪作紹介シリーズを楽しみにしてます。