おばあちゃん萌え傑作恋愛映画「燦燦 -さんさん-」ネタバレなし感想+お気に入りシーン
個人的お気に入り度:9/10
一言感想:みんなめっちゃ可愛い
あらすじ
鶴本たゑ(吉行和子)は夫を亡くし、どこか物足りない思いを抱えながら日々を過ごしていた。
そんなときに彼女は、婚活場に飾ってあったウェディングドレスを見て心をときめかせる。
77歳の彼女が、はじめての婚活に挑むー
超おすすめです!これはめちゃくちゃ面白いよ!
本作の物語は「77歳のおばあちゃんが婚活に挑む」というものです。
この時点で「年甲斐もなく」「みっともない」と思われるかもしれませんが、本作にはそんな価値観を壊すだけの力強いメッセージを感じました。
そこには、強がりなんてものは感じません。
本作の主人公は、自分自身が燦燦と輝くために婚活をして、幸せになるための冒険をするのです。
本作は恋愛ものとして優れています。
ほんの少しのすれ違いや、心の揺れ動き、そして絵に描いたようなツンデレまで出てくるので、観ていてニヤニヤが止まりませんでした。
主人公を演じる吉行和子さんがまた可愛くって仕方がありません。その一挙一動に「おばあちゃん萌え」を感じざるを得ませんでした。
コメディ映画としても面白いです。
自分の歳や病気を皮肉ったギャグって普通は笑いにくいと思うのですが、これは本当に気兼ねなく笑えます。
こうしたギリギリのラインを保ったギャグであると、本当に楽しいのですね。
婚活の裏側を覗けることも楽しいです。
おそらく「あるある」がたくさんあり、実際にも映画で登場したようなご高齢の婚活者もいらっしゃるでしょう。
実際に婚活をされた方が観ると、いろいろと思い当たる節があるかもしれません。
なおかつ「老い」と「死」を描いたドラマとしても優れています。
本作では「残り時間は少ない」や「この先はない」などの、ご高齢ならではの悩みや葛藤が登場しています。
婚活で出会った運命の相手は主人公にどう言ったのか、主人公はなぜ夫と死別したのかー
そのエピソードの描き方はこれ以上のものはないと思える素晴らしさでした。
これだけのことを描いておいて、上映時間が81分というのもすごい!
本作に比べると、ただただ冗長な映画がなんて多いことだろうかと、思い知らされました。
ラストシーンも大好きです!
今作の監督・脚本・原案を手がけた外山文治さんは、まだ33歳の俊英です。
この先のご活躍を、もっと追いかけたくなりました。
また、作中で脇役のおじいちゃん、おばあちゃんたちを演じたさいたまゴールド・シアターの方たちの活動も全力で応援をしたくなりました。
みんな生き生きと、楽しそうに演技をされていました(演技とは思えないくらいに)。
そして・・・この映画の最大の難点はその公開時期であると思います。
ただでさえこうした地味な(あえて失礼な表現を使っています)日本映画は注目されにくいのに、なぜ「くじけないで」「ペコロスの母に会いに行く」という、同じく高齢者を主人公とした映画と同じ日に公開してしまったのでしょうか。
客層がかぶるために、まずます観られなくなってしまうことは明白です。
まだ公開から1週間もたっていないのですが、よほど観られていないのか1日の上映回数が激減しています。
これはもったいないと言わざるを得ません。
とにかく、ご高齢の方はもちろん、若い人にも大プッシュでおすすめします。
夫婦やカップルで観る映画としては最高でしょう。
今からだと、観る時間の都合がつきにくいのが残念で仕方がありません。
これから公開する劇場もあるので、ぜひチェックしてみてください。
とにかくおすすめです!(3回目)
以下は序盤のみがネタバレ&以降の展開もほめのかす程度にネタバレ↓
今回は観ている人が少ないと思うので、結末などは書きません。
以下は作中で面白かったシーンをちょこっとだけ載せています。
これで興味が出たら、ぜひ劇場へ。もちろん以下を読まずに観たほうが、より楽しめると思いますよ。
〜はじめの会話〜
はじめに主人公が婚活場に行くところから笑わせてもらいました。
婚活場で働くお姉さんとのやりとりが面白すぎるのです。
お姉さん「相手に望む条件はありますでしょうか」
主人公「一番は健康かしら」
お姉さん「年収はいくらぐらいが希望ですか?」
主人公「いえね、仕事はしていなくても、していなくてもいいの。あ、でも年金は高いにこしたことはないわね。あとはこんなおばあちゃんを世話してくれる人がいたらなんでもいいわ〜」
お姉さん「たゑさん、ポジティブにいきましょう!かしこまったり、謙遜していたらいけませんよ」
主人公「そうね、あなたの言うとおりだわ、ポジチブね」
このあとお姉さんは「理想のルックス」を聞くのですが、それに対する答えがまた大笑いさせてくれました。
〜ツンデレおじいさん〜
主人公の友人の医者が超ツンデレなのが素晴らしいです。
彼は主人公に「婚活なんて反対だ!」と主張します。<別に気にしているわけじゃないんだからね!
彼の建前は「晩節をけがすなんて」「みっともない」などなのですが、実は本音では・・・もうお分かりですね。
〜ご高齢ギャグ〜
ひとつだけあげます。
主人公「今の私に足りないのはね、心がギューッと締め付けられる・・・」
主人公の友達「不整脈?」
主人公「ときめきよ!」<それ不整脈よね?
こんな凶悪なギャグが出てくるなんて思いもしなかったぜ。
〜婚活の基本〜
婚活場のお姉さんの台詞も秀逸です。
「運命の赤い糸って、本当はないんですよね。本当は婚活って、文句の少ない相手を捜していくことなのかも」
果たして主人公が出会う相手は?
赤い糸がついていたのかもしれませんよ。
〜デート〜
若い人のカップルがいちゃいちゃしていると、自分なんかは「ケッ」と思ってしまうのですが(注:心が汚れているだけです)、本作のおじいちゃんおばあちゃんカップルは本当に応援したくなっちゃいます。
「車中」のデートは素敵でした。
彼らが恋をすることに、何を反対することがあるというのでしょうか。
主人公の息子が反対するものの、孫のほうが「つーかよくない?おばあちゃんの好きでさあ」と言うことには「うんうん」とうなずきました。
〜秘密〜
主人公が出会ったイケメンおじいさんは、ある秘密を抱えています。
その秘密は、客観的にみると「悲惨」なものでした。
しかし主人公は「私はうらやましいとさえ思ったわ」と口にします。
その理由は・・・ぜひ観てご確認ください。
〜ほんとうに伝えたいこと〜
本作は誰もがやがて体験する「老い」を描いている作品です。
人生の最後をどう生きるのか、それを考えさせてくれます。
主人公のように、「淡々としていた人生ですが、これから燦々と一緒に歩いていける相手を募集する」のもいいかもしれません。
間違いないのは、「人生は、毎日がスタートライン」であることでしょう。
自分も、こうやって歳を取りたいと思いました。
カゲヒナタのレビューが無ければ確実にスルーしてました!ありがとうございます。
正直、見始めるまではけっこう「オゲー!」(漫☆画太郎)とか「みっともない・・・」みたいなものを見る事にもなるかとも思いましたけど、始まってる見るとそんな後ろ暗い感情なんかどこへやら!70overカップルのキスシーンにドキドキするとかどうしちゃったの自分!?
>〜ご高齢ギャグ〜
>さいたまゴールド・シアター
70代のガールズトーク・・・笑いつつも可愛かったです。
70代の中二男子どもも・・・。
あと輪投げとか燦燦会の活動をたゑさんは嫌がってましたけど、最新設備のジムでのケアトレーニングやテニスとか凄いクールでした。おじいちゃん達のジャージ姿もかっこいい!!
でも歳を取ると出来ない事も増えます。映画は座って観ているだけですが、視力や聴力が衰えれば今のように楽しめないのかもと不安も感じます・・・
>人生は、毎日がスタートライン
「四十九日のレシピ」でもありましたが、結婚って子孫繁栄の為だけじゃない(もちろんそれは基本で大事ですけど)「淡々と暮れゆく日々を燦燦と輝かせるため」心に刻んで生きていきたいです。
(ハダカの美奈子もそんな映画で、毒親育ちさんにコメントいただけてよかったです)
> 正直、見始めるまではけっこう「オゲー!」(漫☆画太郎)とか「みっともない・・・」みたいなものを見る事にもなるかとも思いましたけど、始まってる見るとそんな後ろ暗い感情なんかどこへやら!70overカップルのキスシーンにドキドキするとかどうしちゃったの自分!?
病院でのキスシーンは忘れられませんね。
> 70代のガールズトーク・・・笑いつつも可愛かったです。
> 70代の中二男子どもも・・・。
中二ですねえ。「ありゃイケメンだなあ」とはやし立てるおじいちゃんたちに萌えました。
> でも歳を取ると出来ない事も増えます。映画は座って観ているだけですが、視力や聴力が衰えれば今のように楽しめないのかもと不安も感じます・・・
それでも主人公たちのように楽しみを見つけたいなあ・・・
> >人生は、毎日がスタートライン
> 「四十九日のレシピ」でもありましたが、結婚って子孫繁栄の為だけじゃない(もちろんそれは基本で大事ですけど)「淡々と暮れゆく日々を燦燦と輝かせるため」心に刻んで生きていきたいです。
独身のまま一生を終える人も増えて来ていますから・・・
この作品は、そういった方にも観てほしいです。いつになっても、結婚自体はできますしね。