ヒロインのほうが鈍感なラブコメ漫画「実は私は」レビュー
映画のホームページやチラシには必ずと言っていいほど有名人のレビューが載っていますし、タレントのローラが最近観た映画に「サイタマノラッパー」をあげたこともありました。
著名な方にはプライベートでも良い作品をどんどん紹介して、マイナーな作品をもっと盛り上げてほしいですね。
さて、本日は有名人がtwitterでリツイートしたことで話題になった漫画作品をご紹介します。
その漫画のタイトルは「実は私は」、リツイートしたのはトム・クルーズです。
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去る2013年7月、トム様が突然「この漫画はここで試し読みできるよ」という内容を、自身のフォロワー(読んでいる人)に紹介したのです。
実は、来年公開のトム様主演映画「Edge of Tomorrow」の原作者が日本人の小説家である桜坂洋であり、彼がこの「実は私は」をツイッターでおすすめしていたのです。
トム様は「僕の映画の原作者がおすすめしていたから、みんな読んでみて」というつもりでリツイートしたのでしょうね。おかげでamazonでは在庫切れの状態が続いていたようです。
参考→<トム・クルーズ、漫画「実は私は」を突然RT : J-CASTニュース>
(追記)Edge of tomorrowは「All You Need Is Kill」という原作のタイトルで漫画化もされるそうです。
そんな誰もが予想もしなかった宣伝方法で話題になった本作ですが、漫画そのものもとても面白く、確かな人気を(マイナー漫画好きの間で)誇るようになりました。
内容を紹介してみましょう。
本作の主人公・黒峰は嘘がつけない真人間で、それをしょっちゅう友達にいじられています。

↓以下少しネタバレ注意
嘘がつけない人間がババ抜きをしたら?その結果は明白ですね。<メガネの効果なんてなかった。
はい、わかりやすいですね。
とはいえ、裏表のない彼は友達からも「悪いことじゃない」とフォローされ、嬉しさを隠せずにちょっと目に涙を浮かべたりもします。いいやつなんですね。
黒峰には好きな人がいます。彼女の名前は白神。ミステリアスな女性でした。<一見おとなしい
黒峰は意を決して彼女に告白をしようとします。
しかしそのために訪れた教室で・・・・黒峰はとんでもないものを見ます。<コウモリもいます
彼女は吸血鬼だったのです。
しかもいつもの寡黙な印象とは全く違い、関西弁でバリバリ話し、性格も気さくで、ぜんぜんミステリアスでもなんでもなかったのでした。
白神は吸血鬼だということを秘密にしなければならず、その正体がバレてしまっては学校に居続けることができなくなってしまうと告白します。<最後に話せたのが・・・
黒峰は、彼女が自分を押し殺し、目立たないように学校生活を送っていたのだと気づきます。
本当は明るく、よくしゃべる性格だったのに・・・
当然白神をこのまま帰せるわけもありません。
彼女ともっと一緒にいるために、黒峰は提案をします。<秘密を秘密に
正体がバレたと自分が知ったことを、秘密にすればよいとー
そして彼はこうも続けます。<まずはここから
「友達になってください」
黒峰の本当の目的は白神と恋仲になることであったので、「何言ってんだ俺は」と後悔しちゃうのですが、彼女は「喜んで」と笑顔で答えてくれるのでした。
この設定のミソは、嘘をつけない(秘密を隠せない)男が、愛する女性のために秘密を守ろうとすることです。
ある意味自分の一番の弱点を、好きな人のためになんとか改善をしようとする・・・それだけで、なんともけなげな話です。
しかし、この漫画は真面目な話などにはなりません。あくまでもジャンルはラブコメなので、メインヒロイン以外にも魅力的な女の子がたくさん出てきます。
たとえば主人公の幼なじみというオイシイ設定の女の子はこんな感じです。*魅力的なヒロインです
彼女は人の秘密を暴くのが大好きなド外道でした。
さらには真面目に見える委員長が、「実は」こんなんだったりします。<メン・イン・ブラックにこんなのいたよね
彼女はちっさい宇宙人でした。人の形をした乗り物に乗っているんですね。
そんな感じのドタバタっぷりは「らんま1/2」に近い印象でした。
いい意味で毒にも薬にもならない楽しい内容ですので、読んでいてとっても癒されます。
そうそう、この手の男性向けラブコメって「主人公が鈍感で、なぜか女の子にモテモテでハーレム状態」というパターンが多くありますが、この漫画はそんな作風に飽き飽きしている方にもおすすめします。
なにせ、鈍感なのはヒロインのほうだから。男の方が恋心がだだ漏れで、それを女の子に気づいてもらえないっていうことだけで、自分はこの漫画が好きになってしまいます。
あと女の子は鈍感なだけでなく、わりとアホなんですよね。
間が抜けまくっており、それがキャラの可愛さになっています。
個人的には、白神がジェットコースターの存在意義を問うシーンが大好きでした。<もうこのデートだめかも・・・
振り回される主人公を応援したくて仕方なくなることは、間違いないでしょう。
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あと、3巻がえげつないほどに続きが気になるところで終わっているので、どうせなら4巻まで一気読みすることをおすすめします。
ラブコメが好きな人はもちろん、女の子にも嫌悪感なく読める作品だと思いますよ。
トム・クルーズがおすすめすることも頷ける面白さでした(注:トム様はたぶん読んでません)
こちらで試し読みができます↓
実は私は 第1巻 | 秋田書店