予想していなかった最期 映画「RED レッドリターンズ」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
個人的お気に入り度:6/10
一言感想:すぐ内容を忘れる映画だわ(いい意味で)
あらすじ
ブルースウィリスやその他豪華キャストが世界を飛び回って核爆弾を探したり殺されかける話。
同名のアメリカンコミックを原作としたお気楽アクション・コメディ映画「RED」の続編です。
![]() | ブルース・ウィリス 1382円 powered by yasuikamo |
この映画は、お年を召した大スターがアクションしていれば万事OKというわかりやすいコンセプトになっています。
大御所ブルース・ウィリス(58歳)は主人公としてしっかり活躍していますし、ヘレン・ミレン(68歳)、ジョン・マルコヴィッチ(59歳)もさすがの貫禄を見せます。
新たなメンバーとしてアンソニー・ホプキンス(75歳)、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ(44歳)、さらにはイ・ビョンホン(43歳)までもが出演します。
メンツを見ると、キャサリンとビョンホン様が若すぎに思えるくらいですね。
面白いのが、豪華キャストが今までの作品のパロディを見せることです。
ヘレン・ミレン様はアノ役で、アンソニー・ホプキンスはアノ役で有名ですものね。
この2人は「ヒッチコック」で夫婦役として共演していました。
そんなキャストの中で、多くの方がMVPとしてあげると思われるのが、ブルース・ウィリスの恋人役を演じたメアリー=ルイーズ・パーカー(49歳)でしょう。

詳細は↓のネタバレに書きますが、とりあえず言えるのは死ぬほど可愛いです。
49歳なのに少女のように無邪気で、焼きもちを焼いて、ときには危険な行動をして困らせるという萌えキャラっぷりでした。
熟女ファンはハァハァできること必死なので、とりあえずスクリーンで観ましょう。
あとイ・ビョンホン様はこれ見よがしに脱ぐ(いつものことです)ので、それを期待する淑女の方もぜひどうぞ。
難点はマジでストーリーがどうでもいいことですね。
世界中を飛び回ってアクションをしている印象しかなく、そこには深みは全くありません。
この手の映画にそんな深みなんてむしろ邪魔なのはわかりますが、展開はダイナミズムに乏しいと言わざるを得ません。
もはや「豪華キャストを動かすために物語が存在している」という印象でした。いや、いいんですけどね。
また、わりと一般人がバンバン殺されまくります。
血が出るシーンはほぼ皆無なので子どもでも観れるとは思いますが、作中に死人があふれかえっているために笑いにくく感じる方もいると思います。
ツッコミどころもそれなりにあるので、広い心を持って観たほうがよいでしょう。
とにかく、楽しいポップコーン・ムービーを期待する人におすすめします。
ストーリーなんてどうでもいい!おじちゃんおばちゃんたちがかっこうよければそれでいい!な作風はとても潔く、安心して観れるでしょう。
キャッチコピーの「若造に世界が救えるか!」というのも素晴らしいセンスだと思います。
前作の内容が忘却の彼方だったのですが、全く問題なく観ることができました。
今回もたぶんすぐに忘れます。
でも、この映画はそれでいいんじゃないでしょうか。
高級感があるフランス料理をいつも食べたいわけじゃなく、たまにはカップラーメンを食べたいですものね。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
今回はキャラごとに書いてみます。
〜フランク・モーゼズ(ブルース・ウィリス)〜
物語は、フランクがマーヴィンに仕事の復帰を頼まれるところからはじまります。
フランクは恋人・サラとの生活に満足しているようで、高圧洗浄機を見て心ときめいたり、サラに「素晴らしい主婦になれるわ」と言われたり、マーヴィンには「ふつうはいいことだ!」と主張していました。
その直後にマーヴィンが車ごと吹き飛んで死んでしまいます。
死んだと信じられないフランクでしたが、葬式では「親友でした。爆弾作りは誰よりも早かった、モルドバの平和は彼のおかげだ」と涙を浮かべながら弔辞を述べました。
その後FBIに捉えられたフランクは、尋問室で銃撃音に気づきます。
尋問員・職員は殺されてしまいましたが、フランクは手錠をつけたまま応戦します。
相手のリーダーであるジャック(ニール・マクドノー)を含めた「7対1」の攻防が幕を開けます。
倒れた敵の下に手榴弾を隠しておいたり、銃を棚に載せてスライドすることで敵を押し込めたり、プリングルスを床にまいて「音」で存在がわかるようにしたり、主人公とは思えないえげつない方法ばっかり使っていましたね。
プリングルスは高圧洗浄機以上に露骨な宣伝だなあ・・・日本だったら「スタッフがおいしくいただきました」というテロップが必要なところです。
その後に現れたのは、やっぱり死んでいなかったマーヴィンでした。
マーヴィンに対して「俺は葬式で泣いていない、俺が泣くかよ」と言い張るフランクがおかしかったですね。泣いていたけど。
〜マーヴィン・ボッグス(ジョン・マルコヴィッチ)〜
死んだという偽装をしていた彼ですが、フランクにピンを刺されたときは必死で我慢していたのかな?けっこう根性あるなあ。
マーヴィンはトランクの後ろに将校を捉えており、ビンタをしつつも抱擁をかわすという「ロシア式」の尋問をしていました。えげつねえ。
今回のマーヴィンは、サラをはじめ周りに振り回されてばかりでしたね。
ロシア語の「乾杯」であるZa vashe zdorovyeを噛んで(とちって)しまうマーヴィンに萌えました。
あとラストシーンのラテンな衣装にも萌えました。
〜ハン・チョバイ(イ・ビョンホン)〜
今回のギャグ担当でした。
初登場時から盛大に脱いで、セクシーなお尻を見せながら浴衣を羽織るシーンから笑いが止まりませんでした。
その後もだだっ広い部屋にぽつんとある一畳だけのタタミの上で殺しの相談をするのも意味がわかりません。
さらにビョンホン様(もうこう呼ぶよ)が折り紙を折って、それで殺しの依頼人をひっぱたくのも意味がわかりません。
*尖らせた紙の先端で急所を突いて殺したのでは?とコメントをいただきました。
明らかに韓国・中国・日本あたりの文化がごっちゃになっているよなあ・・・
そして「世界一の殺し屋」「死神のダ・ヴィンチ」と言われる彼がどんな方法でフランクを襲うのかなあ〜と期待していたら、パリの街中でマシンガンをぶっ放すというスマートさのかけらもない方法を取りました。*世界一の殺し屋の仕事です。
すごい剣幕で「死んだか?フランク?」と言うビョンホン様はなかなか新鮮でしたね。
そしてこんだけのことをしたにもかかわらず、フランクがダイナマイトを使い、マンホールから逃げられてしまいます。
フランクはビョンホン様の飛行機をスキを見てパクります。
「最高に苦しむ薬を用意しろ!」とキレているあたりで、ああ、今回のビョンホン様はこういう残念なキャラなんだと確信しました。
さらに後でフランクたちに出会ったときは、銃を使わずにいきなりボコりはじめるという意味不明さでした。
一応「すぐに殺せとは言われていない」と言い訳してしましたけど、お前さっきマシンガンでハナから殺そうとしていたじゃねーかよ。
ビョンホン様の腕はガラスの扉に手錠でくくりつけられてしまい(注:世界一の殺し屋です)、逮捕しようとした警官と肉弾戦をはじめます。
体術で警官たちを倒しまくり、缶詰を蹴ってブチ当てるビョンホン様は最高でした。<キッカーとして優秀
そして飛行場でフランクと出会ったときもやっぱり肉弾戦をするビョンホン様。
ビョンホン様はわりとその喧嘩で負けている上に、フランクに「世界の危機が迫っている」「お前にも正義があるだろう」と言われただけであっさり仲間になります。
安い、安すぎるぜ。
大使館では2丁拳銃で頑張ってくれていました。<この画はかっこういいなあ
ラストでは「あの(爆破された)飛行機は俺のだぞ!お前への依頼が20億(なぜか字幕では円で計算されていました)、飛行機が30億だ!殺してやる」と小物っぷりを見せつけます。
そもそものビョンホン様の行動原理も、自分が路上生活へと堕ちてしまったことの恨みであったし、どうにもかっこうわるくてダメダメなキャラでした。
フランクが最後に「いいやつだよ」とビョンホン様に言ったとおり、大好きですけどね。
〜ヴィクトリア(ヘレン・ミレン)〜
しょっぱなから部屋の中で男どもを殺して踏んづけるというシーンから登場しました。需要に見事に答えていますね(主にMな人の)。
上からフランクの殺害を命じられた彼女は、イギリスで軍服姿になってフランクの前に姿を現します。
しかし彼女はフランクを殺す訳でなく、死体を使ってフランクを殺害したようにみせかけました。
彼女がバスタブで「処理」をしていたのもこのためだったんですね。<何の薬品をバスタブに入れていたんだろう・・・
彼女は精神病者が収監されている刑務所に侵入するために、精神病者のふりをします。
そこでヴィクトリアは「私は女王だぞ!メアリーは許さない!塔には行かない!」とエリザベス1世のようにふるまいました。
ヘレン・ミレンは「エリザベス1世」で1世を、「クィーン」で2世を演じていましたものね。
なぜかわざと捕まったヴィクトリアでしたが、手錠を手をすり抜けさせて脱出します。
銃を構えられたフランクたちの絶体絶命に危機にかけつけ、狙撃をしました。
ロシアの軍人(ブライアン・コックス)に「撃つときにかかとがぴくっとなるのが可愛い」と言われているのが可笑しかったですね。
大使館では「約束があるので」と優しく言った直後に警備員を殴り、マシンガンをぶっ放しました。
ていうか大使館の人たちって別に悪くないよね・・・主人公チームはさんざん「正義」を掲げておいて無関係の人たちを殺し過ぎだと思うよ。
そしてヴィクトリアは、ベイリー博士を追う途中で「見せ場」として車を回転させながら銃を左右に撃ちます。<見せ場すぎる
彼女がかっこうよすぎて、ほかの男性陣の存在感がなくなってくる勢いでした。
〜カーチャ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)〜
彼女はフランクの元・恋人であり、再会の直後にディープキスを交わしました。
どうでもいいけど、なんでフランクはこのとき「I ♡ Paris」というダサいシャツ着ていたんでしょうかね。<似合ってる?
カーチャが車を回転させながら、フランクを乗せてしまうシーンは最高にかっこうよかったですね。<すげードライビングテクニック
彼女の存在は「クリプトナイト」であると茶化されていました。
それはスーパーマンの弱点となる鉱物の名前です。
確かにカーチャはフランクの弱点であるようで、フランクにLSDを盛って眠らせて金庫の鍵を奪ったりました。
マーヴィンがフェイクの鍵を持たせておいてよかったですね。
彼女の行動原理は「命令」でした。
そのために動いていた彼女は、フランクに「命令より、正義の問題だろう」ということばを聞き、核爆弾を奪うことをしませんでした。
しかし、カーチャは裏切ったベイリー博士により、殺されてしまいます。
ベイリーの凶行を止めるため、残された一同は大使館へ駆けつけます。
〜サラ・ロス(メアリー=ルイーズ・パーカー)〜
サラはフランクのことが大好きなので、しょっぱなからディープキスをしたカーチャにキレ気味でした。*焼きもちです
後に「カエル」(デヴィッド・シューリス)との追っかけっこバトルがはじまったとき、「このポンスケ!」「黙ってろマーヴィン!」などと口が悪くなりまくりますw
サラは、メンバーに皮をはがされそうになるカエルに「命を無駄にしないで!」と訴えながらキスをして、説得します。
むちゃくちゃだけど、チームには必要な存在ですね。
その後、フランクに「パリで買い物にでも行くか」と言われてベッド上で飛び上がって喜ぶサラは悶絶するしかない可愛さでした。
クレムリン宮殿では、ロシア語がわからないのに軍人にナンパをされてしまいます。
彼女のとった手段は強制濃厚ディープキスでした。そりゃそれを見たフランクは怒るよ(お前もディープキスしていたけど)。
フランクはバーでサラに結婚指輪を渡すのかと思いきや・・・渡されたのは黄金色に輝く拳銃でした。
いやー彼女に銃持たせちゃだめだって!序盤で安全装置がないばかりに誤射しちゃってたじゃん。
彼女はフグ(英語でもFUGUなんですね)の毒を大使館のイケメンに注射して脅迫、後には大使館の人間(無関係)を銃で撃っちゃうという成長っぷりを見せます。
とんでもねえヒロインだなあ・・・ラテンダンスを披露した直後にマシンガンを天井にぶっ放すラストにも笑いました。
〜ベイリー(アンソニー・ホプキンス)〜
核爆弾の設計者であり、今回の黒幕です。
彼は32年間刑務所に閉じ込められ、妻と息子を殺されたことを恨んでいました。
ベイリーはヘリコプターの牢屋に閉じ込められますが、神経系のガスをまいてしまいます(自分には解毒剤を注射しておく)。
この牢屋からすごみをかけるシーンは「羊たちの沈黙」をほうふつとさせますね。
最後は飛行機まで逃げ込み、ひとり逃げようとするベイリーでしたが・・・フランクが飛行機内に核爆弾を残していたために盛大に爆死します。
ベイリーはジャックに「これは予想していなかっただろ?」と言われながら連行され、後にジャックにガスを吸わせて「予想をしてなかっただろ?」と返して、さらに飛行機内の爆弾を見て「こう来たか」と言っちゃうと、「騙しまし騙され」ていましたね。
しかし核爆弾があんな小さな爆発で済むものなのかなあ・・・
1100万人殺す爆弾だって言ってたじゃん。核なめんな。
*クレムリンの地下で最初に核爆弾を発見したときに、ベイリーが「証拠も残らない」「噂だけの存在だ」などと説明をしていたとご指摘を受けました
参考→<レッドマーキュリー>
あと、ヘリコプターが真っ逆さまに墜落したにも関わらず、乗っていたマーヴィンとフランクがしれっと生きているのにも笑いました。こいつら不死身すぎです。
おすすめ↓
【ネタばれ】「国際スパイ同窓会第2弾!」 REDリターンズ/ユーザーレビュー - Yahoo!映画
観客も子どもからお年寄りまで幅広く、特に小さな子がカッコイイお爺ちゃんお婆ちゃんに興奮していました。
吹替え版も観に行っちゃおうかな・・・
>ビョンホン様
てっきりオマエらの時代は終った!とRED達に挑んでボコボコにされるだけで終る悲惨な若造くんかと思っていましたが、ターミネーターばりの大暴れに言い意味で裏切られました!
>折り紙を折って、それで殺しの依頼人をひっぱたく
尖らせた紙の先端で急所を突いて殺したのではないでしょうか。
>ヴィクトリア
一番好きなキャラでしたので今回も活躍が嬉しかったです。それにしても68歳・・・。
>何の薬品をバスタブに入れていたんだろう・・・
死体が白煙を上げているから硫酸かと思いますが、ボトルがガラスでなくペットっぽいので強酸だと溶けてしまうので違うでしょうか。指紋や血痕等の体液のDNAを消すのに塩素系漂白剤やアンモニアを使うとか聞きますけど、死体を丸ごと処理してるようですし・・・。
>クリプトナイト
自分はアメコミヒーロー好きなので嬉しかったのですが、前の席のカップルの女の子が意味が解らず男の子に聞いていました。アメリカではどらえもんにネズミくらい弱点の代名詞なのでしょうけど、ここは別の物を持ってくるべきだったかもと思いました。
>核爆弾があんな小さな爆発で済むものなのかなあ・・・
今でもハリウッドに取って核爆弾は威力のデッカイ爆弾でしかないのかなあ・・・呆れました。と、世界最初で唯一核兵器を使用された国でありながら原発を壊して誰も責任を取っていない国で言ってみます・・・
場面の切り替えに、アメコミ風のショットを入れているのも、気が利いてました。
マルコビッチさんが棺の中で死亡確認されるシーンは、ヘップバーンの”シャレード”を思い出しました。
でも、どうして、我慢できたんでしょうか?
> 尖らせた紙の先端で急所を突いて殺したのではないでしょうか。
マジですかそれw確かに世界一の殺し屋だ。追記させてください。
> >何の薬品をバスタブに入れていたんだろう・・・
> 死体が白煙を上げているから硫酸かと思いますが、ボトルがガラスでなくペットっぽいので強酸だと溶けてしまうので違うでしょうか。指紋や血痕等の体液のDNAを消すのに塩素系漂白剤やアンモニアを使うとか聞きますけど、死体を丸ごと処理してるようですし・・・。
自分は液体窒素的なものかと思いましたが、あんな瓶に入れれるわけもないし・・・
> >核爆弾があんな小さな爆発で済むものなのかなあ・・・
> 今でもハリウッドに取って核爆弾は威力のデッカイ爆弾でしかないのかなあ・・・呆れました。と、世界最初で唯一核兵器を使用された国でありながら原発を壊して誰も責任を取っていない国で言ってみます・・・
放射能の問題も無視しまくっていましたよね。日本では放射能の問題がまだ残っているし・・・
> でも、どうして、我慢できたんでしょうか?
それが本当に謎ですよねえ・・・ヘップバーンの映画をもっと観ておきたいところです。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1113900881
> http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1113900881
遅くなってごめんなさい。
リンク先も参考になりました。確かにクレムリンの地下でベイリーはそんなことを言っていましたね。
追記します。
ベイリーがジャックに「これは予想していなかっただろ?」と言われながら連行される際に、「おはよう諸君」(日本語吹き替え版で確認)と言っていました。ミッション・インポッシブル2のスワンベックのオマージュでしょうか?