もはやあらすじ?とにかく長いライトノベルのタイトルトップ10
否定的な意見を聞くことが少ない本作ですが、ただ1点のみ、観た方の多くが不満を漏らすものがあります。
それは「ゼロ・グラビティ」という邦題です。
原題の「GRAVITY(重力)」はシンプルながら、とても意味のある、映画を観てこそわかる素晴らしいタイトルです。
一応邦題も「無重力」の舞台を表しているのですが、物語の本質を捉えずに「ゼロ」を付け加えてしまったことは、確かに非難の対象になることのなのかもしれません。
とにかく、作品のタイトルは作品の主題をも伝える、とても重要なものであるでしょう。
本日はただただ内容の説明をしてインパクトを求めたため、タイトルがやたらと長くなったライトノベルトップ10をご紹介します。
*ライトノベル・・・小説の分類名。明確な定義はないが、読みやすい文体、アニメ絵の表紙のものがそう呼ばれやすい。
(注意事項)
・あきらかにライトノベルのジャンルからはずれるものは除外します。たとえば「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」は選定しません。
・漫画やアニメが原作となっている作品は除外します。たとえば「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」は選定しません。
・漢字やひらがなの区別はなく、すべて1文字ずつ数えます
・「!」「?」などの記号、句読点やかぎかっこなども1文字として数えます
・サブタイトルと思われるものは文字数として数えません。たとえば「見習い神官レベル ~でも最凶の嫁がいる~」の後半部分の文字数はカウントしません。
・同じ文字数のライトノベルが複数あったため、9位から紹介しています(選んだのは10冊)。
・以下はアニメっぽい萌え絵の表紙ばかりなので、学校や職場で見るといろいろ誤解を生みます。
ではスタート↓
9位 26文字
憧れのあの娘が突然迫ってくるんだが、どうしたらいい?
どうって・・・つきあえばいいんじゃないでしょうか。
9位(同列) 26文字
おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!
その何のメリットもない取引は何だ。
7位 27文字
クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」モテ入門
これは内容が気になるタイトルなので、アリなんじゃないでしょうか。
評判もやたらといいですね。
7位(同列) 27文字
僕のパーティーが戦闘中に誘惑してくるので世界が救えない
とりあえず、お前に世界を託したくないですね。
5位 29文字
誰もが恐れるあの委員長が、ぼくの専属メイドになるようです。
SなのかMなのか、はっきりしてほしいですね。
5位(同列) 29文字
この家に勇者様もしくは救世主さまはいらっしゃいませんか?!
いるわけねえだろ!
飛行機内の医者の1億倍難しそうな条件だ。
4位 35文字
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
ライトノベルに含めるのか微妙なところだけど、やはり有名なので。
池上彰さんが「表紙が萌えキャラだったから売れたんじゃないんですか」と言ったことでも有名。
映画評論家の町山智浩さんが映画版を「ゴミ」と呼んだことでも有名。
3位 36文字
名門校の女子生徒会長がアブドゥル=アルハザードのネクロノミコンを読んだら
ごめん、ちょっと何言っているのかわからない。
タイトルのパクリ元である「もしドラ」は内容がわかるのに・・・
2位 41文字
恋人にしようと生徒会長そっくりの女の子を錬成してみたら、オレが下僕になっていました
どういう錬金術だよ!
そして・・・
1位はこんなタイトルでした。
1位 50文字
「勘違いしないでよね!アンタの事なんか大好きなんだから!」呪いで本音しか言えなくなったツンデレお嬢様
もはやツンデレでもなんでもないやん。素直やん。
書籍として発売はされていなものの、新人賞を通過した作品には「町内のヒーローをやっている俺の家に悪の秘密結社の女幹部が転がり込んで来たんだが町長をやっている幼馴染のお姉さんにバレてしまってとんでもなく修羅場になってしまった」(80文字)もあります。
おしくもランクインしなかったのは
「俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件」
「俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している」
「勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。」
「俺のリアルとネトゲがラブコメに侵蝕され始めてヤバイ」
でした(いずれも25文字)。
残念ながら、これだけのものがそろっても歴代の長いタイトルの作品にはまだまだかないません。
映画には「マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺」(55文字)があり、
教養本には「悩みも迷いも若者の特技だと思えば気にすることないですよ。皆そうして大人になっていくわけだから。ぼくなんかも悩みと迷いの天才だったですよ。悩みも迷いもないところには進歩もないと思って好きな仕事なら何でもいい。見つけてやって下さい。」(114文字)があり、
ロビンソン・クルーソーの正式なタイトルは「自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述」(128文字)なのですから。
とりあえず思ったのは「オタクが好きそうなシチュエーション」だけでタイトルを決めようとしているなあ・・・ということでした。
小説家の百田尚樹さんは「一行目がもっともよく考える。そこで引き込まないと、読んでくれない」と「書き出し」の重要性を語っていましたが、ライトノベルはその一歩前のタイトルの段階で読者を獲得しようとしているようです。
こういうライトノベルが量産されたのは「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」がヒットしたためでもあるのでしょうが、二番煎じに感じるものですし、長くしたからといって関心を引くかは別問題だと思います。むしろどん引きします
しかも、編集者によってタイトルが改変される例もあるそうです。
(反対に『もしも人工知能が世界を支配していた場合のシミュレーションケース1』というタイトルが『扉の外』に変えられるケースもあります)
どれも「とにかく読んでもらうため」の戦略なのでしょう。
「タイトルで読者をひきつけないと、手に取ってもらえない」というのは出版社にとっても危惧すべき問題なのかもしれません。
自分は、やはり「GRAVITY」「八日目の蝉」「容疑者Xの献身」などの、シンプルながら「作品に触れた後にその意味を知れる」タイトルのほうが好きです。
ライトノベルでも、短く、インパクトがあり、意味があるタイトルの作品がもっと出てくることを望みます。
参考↓
<最近のラノベのタイトルが長かったりインパクトがある件について | 「マイナビウーマン」>
いいタイトルの作品に触れようよ↓
<映画のタイトルには意味がある | 破壊屋>
<タイトルが素晴らしい小説・ラノベ - なお、まにあわんもよう@なんJ>
飛行機内の医者は相手が医師の資格がないとなりませんが、勇者や救世主に国家資格はないのだから…。
(『DQⅢ』のような制度が敷かれた世界は例外ですが)
> もしこの三倍満にドラが乗ったら(激違
どうでもいいことですが、これの略称がゲーム名っぽく聞こえてしまいます。
> アブドッラー・アルハザーディを読んだら
ふと思ったこと。
日本語では「もし…」という前置詞を置いた表現は、仮定を強調するときにしか使いませんが、外語では割とよく使うんですよね。
タブアン、アラビー・アイダン。(もちろん、アラビア語でも同様に)
> 下僕の錬金術師
むしろオレが「持っていかれた…」というやつでして。
それはさておき、日本では長いタイトルはここ最近増えた感がありますが、海外では結構昔から普通に見られたりするのですよね。
あの『ガリバー旅行記』の原題とか、どんだけと…。
ライトノベルは学生時代は図書館で読める娯楽小説として読みまくってました。当時はSFや剣と魔法のファンタジーばかりだった思い出がありますが、今はラブコメが主流なのですね。
マイケル・ジャクソンのダンス・パフォーマンスの方。
(直立不動から体を斜め45度に傾けるアレ)
日本ではむしろ、そっちの方で有名な言葉だと思います。
これクトゥルフ神話系統の作品じゃないか