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おいしくいただきました 映画「ジャッジ!」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はジャッジ!(2014年)です。
*昨年にも同名の映画がありましたが、本作とは関係ありません。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:堤幸彦っぽいギャグと、ありえない展開が許容できたら最高に楽しめる!


あらすじ


太田喜一郎(妻夫木聡)はあこがれの広告代理店に勤めているも、プレゼンも企画も下手なダメ社員だった。
ある日喜一郎は上司の大滝一郎(豊川悦司)から、審査員としてサンタモニカ国際映画祭に行くことを命じられる。
しかも喜一郎は取引先のドラ息子がつくったCMに賞を取らさなければ、クビになってしまうのだった。




これは面白かった!
予告編のおふざけ具合といい、なぜかフィーチャーされている「ちくわ」というアイテムといい、全っっったく期待していなかったのですが・・・・つくづく映画というのは観ていないとわからないものです。

本作の脚本を手がけたのはCMプランナーの澤本嘉光であり、映画の中心に居座っているのはもちろん「CM」です。
ダメダメ主人公の気持ちに寄り添いながら、CMの舞台裏や海外で行われる広告祭を体験できることが本作の魅力のひとつでしょう。

映画の登場人物に撮って、広告祭は単に賞をとって嬉しいということだけではありません。
主人公にとってはクビをかけた、またある者にとっては生活がかかっているものでもあります。
そのため、参加者はみんな賞をとることに必死です、

競合をして票を集めるチームもいます。
汚い手だって使うやからもいます。
お人好しで純粋な主人公は、その中であっても自らの価値観で広告を売り出していくのです。
この行動には、多くの方が勇気づけられるのではないでしょうか。

本作にはCMの製作に携わる方だけでなく、仕事をする人全てに向けたメッセージも込められています。
これは「好きなことを仕事にした人」であればあるほど、きっと心に響くはずです。

そして、本作最大の魅力と言ってよいのが、その伏線のおもしろさです。
その伏線のほとんどがふざけていて、さりげなさながまったくない超オープンな状態で出てくるのですが、ものな「そんなところで出てくるのかよ!」とあの手この手で回収してくる驚きがありました。
冗談のような伏線の多さは、昨年の娯楽作「謝罪の王様」を彷彿とさせました。

異様なまでの豪華キャストも、「あの人がこんな(チョイ)役で!」とこれまた驚けます。
特に多くの人が笑っちゃうのが、あの昭和のアイドルでしょうね。


さて、本作の欠点は明確です。しかも3つもあります。

ひとつが堤幸彦っぽいギャグが多いことです。
劇場版 ATARU」のように監督が堤幸彦の弟子だということはないのですが、そのギャグのナンセンスさは「トリック」「SPEC」っぽさを感じます。
妻夫木聡が見せる「カマキリ(蟷螂拳)!」のようなギャグが受け入れられない方にはとてもおすすめできません。

カマキリ!<これは人によってはキツい

ふたつ目は、この手の日本映画にありがちな「登場人物が自分の想いをベラベラしゃべる」ことです。
懇切丁寧に登場人物が自分の考えていることを口に出してしまうため、役者の表情や行間から感情を読むような要素は微塵もありません。
作中に「silence is golden(沈黙は金)」ということばが出てきたのですが、この映画にもそれを言ってやりたいです。

そして多くの人が拒否反応を覚えるであろうことは、「ありえない」展開が多いことです。
上司の無茶ぶりや広告の決め方、あからさますぎる組織票の集め方、海外の人の日本語への反応などは、素人目に見ても「こんなことがあってたまるか」と思ってしまいます。
そのリアリティのなさ、極端さは、むしろ本作の売りとして楽しんでしまったほうがよいでしょう。


間違いなく好き嫌いの別れる映画です。
堤幸彦が大嫌いな方にとっては、ひどい映画にしか映らないのかもしれません。
↑の一言感想の高いハードルを乗り越えてくる映画ファンはあんまりいないような気がしますのでw映画をあまり観ない人にこそおすすめと言えるでしょう。

個人的には、欠点を補ってあまりある伏線の面白さ、メッセージ性の高さを感じ、多いに楽しむことができました。
純粋な心を持っている人であれば、大いに笑え、そして泣けるかもしれませんよ。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓











*後で回収される伏線についても書いているので、はじめから結末近くまでがネタバレしています。

〜ニャーニャー!〜

冒頭の宣伝でエースコックという実在の企業の名が出てくるのは驚きました。
しかも「きつねうどんのひどいCM」の看板を背負ってのことです。



「キツネがコシを振る」だけだったら全然ましだったんだけど、宣伝室長の鶴の一声のせいでこのキツネが「ネコ」という意味不明な設定になってしまいました。

なんとこのCMも広告際に出されてしまいます。
もちろん周りからは意味が分からないと酷評・・・なのですが、喜一郎(妻夫木聡)はとっさの機転で「日本語で『ニャーニャー!』はおいしいって意味なんだ!」と大ボラを吹きます。

これがまさかの大好評で(なんでやねん)、周りではニャニャーが一大ムーブメントとなります。
サンタモニカのうどん屋では皆がニャーニャーがと言い、Twitterでも拡散されます。

そして広告祭が終わったとき、ちくわのCMが落選したため喜一郎はクビ・・・のはずか海外でニャーニャーCMが大流行りして、きつねうどんがバカ売れしたために、喜一郎は首の皮一枚がつながるどころか会社に大貢献をしたのです。

自分のつくったくだらないCMが、まさか自分の身を救うことになるなんて・・・
この「まさかのことが自らを救う」ことは、この映画の中にたくさん登場します。


〜資料室の鏡さんが教えるシリーズ〜

鏡さん(リリー・フランキー)は喜一郎に生きた英語を教えるかと思いきや、ペン回しばかりを教え、うる星やつら涼宮ハルヒの憂鬱といったオタクグッズを持っていかせます。

これがなんの役に立つねんと思っていたのですが・・・
ペン回しは「話しはじめるときのしぐさ」として見事に周囲の目をひきつけ、終盤の勝負にまで大いに役立ちました。
オタクグッズは、英語が話せなくても「I'm OTAKU!」と壇上でTシャツを見せてアピールするだけでもこれまた注目を浴びるのでした。

アイアムオタク<OTAKUは世界共通語です

あの教えてもらった「カマキリ!」のポーズも、彼の身を救っていました。
喜一郎は上司(豊川悦司)の替え玉として広告祭に潜り込んでいましたが、ホームページ上の写真は上司のまんまでした。
しかし、上司の秘書が「カマキリ!」の異様な練習風景を写メしていたため、あとで上司の写真と交換することができたのです。


〜チクワはすげーんだぜ!〜

ちくわ会社の社長(でんでん)は、ドラ息子(浜野謙太)のつくったCMを天才的だと誉め称え、広告祭で賞をとらせないと取引しないぞ〜!と広告会社を脅します。
もちろん、そのCMの出来はひっでえものでした。



このCMで賞を取らせないと喜一郎はクビになってしまいます。
同じ名字であるために夫婦役となったひかり(北川景子)は、英語で持ってきたちくわの魅力をみんなにアピールします。

・ちくわはおいしいだけじゃない!
・ストローとしても使える!
・穴を開ければ楽器としても使える
・穴を覗けば、未来が見える!

これでちくわのCMの人気もうなぎ上り・・・かと思いきや、喜一郎はぜんぜん喜んでいません。
それは、あのちくわのCMが好きではないからです。
CMを愛し、CMが誰かを幸せにできると信じている彼は、そのことだけは妥協できなかったのです。


〜おいしいもの〜

最終審査は今までとはうってかわり、自分のCMを応援することは禁止されています。
喜一郎はそこでわざとちくわのCMの応援をして、失格となりました。

ここで喜一郎が英語で話しはじめたのは、鏡さんからもらった「世界一の料理にありつける本」の内容でした。
彼はこの本を全て暗記して、ディナーで見事に注文をしていましたが、ここでも役に立てるのです。

「正しいと思うことをしよう!」
「自分の良心に聞くんだ!」
「僕らは審査員だ。世間からジャッジをされているんだ!」
「本当においしいと思うものを、おいしいと言おう」


喜一郎がそこで言った「おいしいもの」とは、まぎれもなく審査(ジャッジ)中のCMのことです。

彼は今までのCMの審査で、たくさんの私利私欲の応援や、金で仲間を作ってまで賞を取ろうとする様を見てきました。
そんな彼が、ここで「好きなものに投票しよう」とアピールするのです。

審査委員長のジャックはそこで「ここは暑いな、服を脱がせてもらうよ」と上着をとります。
彼は喜一郎と同じようなオタクTシャツ(涼宮ハルヒ)を着ていました。
ジャックはここで「俺は正直なんでね」と言ってのけます。

他の審査員も、喜一郎に賛同をしはじめます。
ニャーニャーを一緒に盛り上げてくれたサラも、なぜか元カノからのプレゼントを持っていたピーターも、おねえ系の2人も、うさんくさいブラジル人(荒川良々)も、娘のために賞が欲しいと言っていた嘘つき(チャド・マレーン)も、いつも寝ていたアランも、「一番いいと思う」TOYOTAのCMに投票をしました。



*実際に2006年のカンヌ国際広告祭フィルム部門で銀賞を受賞したCMです。

ここで金で賞を買おうとしていた副審査委員長のジルは「ふざけるな!俺のCMに投票をしろ!」と応援をしてしまったがために、失格となってしまいます。
ジルは、CMを真に愛する彼に負けたのです。


〜他にも伏線シリーズ〜

・転がっていったコインを拾おうとして、ジャックの服を汚してしまう喜一郎
ジャックはパーティで「俺は金でしか動かない男なんでね」と、喜一郎の胸ポケットに入ったままのコインを持っていきました

・上司が口で直接言った留守電
最後に喜一郎も同じように留守電を言い返します

・上司の「あのCMのスタッフリストから俺の名前消しといて、ブランドが傷つくから」
最後にニャーニャーCMが大ブレイクすると、「あのCMにやっぱり俺の名前入れといて」と手のひらを返します。さいてー。

・あかりがギャンブル好きだという設定
最後にヘタレな喜一郎と恋をするという「賭け」に躍り出るのです。ここで鏡さんが「いいんじゃないの?」と言って映画は終わりました。


〜メッセージ〜

「好きなことを仕事にするのは難しい」とよく言います。
それは「その職業に就くことが難しい」ということだけではありません。
好きであればあるほど、その業界の嫌〜なしがらみを経験してしまい、思うような仕事ができない人も多いのではないでしょうか。

そんな社会の中で、自分の好きな仕事ができて、逆境にも負けないで、「好きなものに好きと言おう!」と言う主人公の主張は、なんと尊いことでしょうか!
彼が好きなCMにあったことばも素敵でした。

「逆風は、振り向けば追い風になる」

思えば、彼が習ったペン回しやカマキリは役に立たなさそうな「逆風」なのですが、実はあとで「追い風」のように役に立っているんですよね。
上司が言った「無茶と書いてチャンスと読め!」という無茶苦茶な格言(?)も、ちょっと一理あるように思えてしまいます。

なんにせよ、「なんでもやってみるもんだ」と思いました。
今やっている仕事が嫌いな人も、続けてみると追い風に変わるかもしれませんよ。


〜あの人は16歳〜

本作のギャグの大半は苦手な部類でしたが、ひとつだけ大笑いしてしまったのがあります。
それは松本伊代が経理担当の社員として文句を言って、上司が「あれでもあの人、昔16歳だったんだ」と言うシーンです。



今の若い人は「センチメンタル・ジャーニー」知らねえから!
こういう「わかる人にだけわかるギャグ」は大好きです。


おすすめ↓
「ジャッジ!」: お楽しみはココからだ~ 映画をもっと楽しむ方法
『ジャッジ!』が問う日本人のあり方 :映画のブログ

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2014-01-18 : 映画感想 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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非公開コメント

No title
年末~新年にかけて、なんか楽しい映画がなかったのですが、これは嵌って面白かったです。
妻夫木さんは、「清州会議」の”イイヨ”って台詞から、フアンです。
伏線や、役者さんを惜しみなく使った映画でした。
どうも「あがたもりお」さんが出ていたようですが、どの場面にいたのか気が付かなかったです、残念。
2014-01-18 16:33 : sakura URL : 編集
No title
私は見てないので何とも言えないのですが、Togetterを使った宣伝方法(http://togetter.com/li/616343)が最悪で逆効果にしかなってない印象がありますなぁ
2014-01-27 20:51 : 名も無い者 URL : 編集
Re: No title
> 私は見てないので何とも言えないのですが、Togetterを使った宣伝方法(http://togetter.com/li/616343)が最悪で逆効果にしかなってない印象がありますなぁ

うわあ本当だひどい・・・
これがステルスならぬオープンマーケティングなのか。
2014-01-27 21:20 : ヒナタカ URL : 編集
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