需要はつくられる 映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
個人的お気に入り度:9/10
一言感想:金と女とドラッグばっかりじゃねーか
あらすじ
ジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)は、貯金もコネもないまま22歳でウォール街へと躍り出る。
26歳で証券会社を設立したジョーダンは巧みな話術とアイディアで業績を上げつづけ、猛烈なスピードで成り上がっていく。
しかしジョーダンはドラッグと女に溺れていき・・・
「グッドフェローズ」「ヒューゴの不思議な発明」のマーティン・スコセッシ監督最新作です。
予告編では「ブローカーが自らの成功体験を綴る破天荒な自伝映画」を想像するかもしれません。
しかし、実際はその想像とは異なる、とんでもない映画でした。
かいつまんで言えば、金使い過ぎ、セックスしすぎ、ドラッグやりすぎです。
全国のシネマコンプレックスで大々的に上映され、レオナルド・ディカプリオが主演という点ではメジャーな印象がありますが、本作のレーティングはR18+指定です。
ブローカーの話が続くと思いきや、目を背けてしまいそうな(またはガン見しそうな)エロ描写、引き笑いをするしかないドラッグの描写がこれでもかというくらい出てきます。
劇中のことばも大変汚く、作中でF○CKということばが500回以上出てきます。
とんでもないのは上映時間も同様で、なんと2時間59分あります。
あらゆる意味で規格外の内容ですが、驚くべきなのはこれが実話をベースとした物語ということです。
![]() | ジョーダン・ベルフォート 798円 powered by yasuikamo |
原作からたいそう下品だったらしく、この下品さを笑える人こそがこの物語に触れるべきです。
ヤバいのはドラッグをそのものよりも、ドラッグを「いいもの」であるかのように賞賛していることです。
主人公たちはドラッグをやっていることをちっとも悪びれず、それどころか仕事前の「気つけ」として積極的に使っています。
エロ描写は「本当にこんなことやっていたのかよ!」とツッコミたくなるムチャクチャさです。
業務中にコールガールを呼んだり、あのタイタニックのレオ様が変態プレイをしているんです。
しかもNC-17指定を避けるための編集をされているので、エロ描写は本当はもっと過激だったそうです。
「金」にまつわることも、子どもには観てほしくないものばかりです。
金は確かに大切だけど、主人公のやっている金稼ぎは最低最悪(ていうか違法)なので、これをマネされちゃあ困ります。
こんなにヒドい内容が最後まで楽しめるのは、ひとえにディカプリオの名演技の賜物です。
そのまくしたてるような「しゃべり」の上手さ、「ジャンゴ 繋がれざる者」よりもイッちゃっている変顔には圧倒されました。
主人公の(ひどい)相棒役のジョナ・ヒル、主人公にイケないことを教えるマシュー・マコノヒーも素晴らしい演技を見せてくれました。
役者のファンにとっても、観る価値がある一本でしょう(あの人があんなこと言ったり、あんなことしたりするんだもの)。
倫理的に最悪な部分ばかりを述べましたが、本作は人間ドラマとしてもとても面白い映画です。
主人公は名声も美女も巨万の富も全て手にした男です。
しかし、彼が幸せだったかと問われると、そうではないのではないかと思う要素がふんだんにあります。
中盤から彼の逮捕に乗り出すFBIの男は、観客を代弁するような存在です。
まっとうに見える男は、常識はずれの犯罪者・ジョーダンにどう挑むのか・・・その描写も面白く仕上がっています。
ちなみに本作は株式のことを全く知らなくても問題なく楽しめます。
お固い内容ではなく、あくまで突き抜けたエンターテイメントです。
描かれるのは、強烈なスピードで上り詰め、金があまりまくっているがゆえのイケナイ行動をしまくる主人公の姿なのですから。
ここまでヤバい映画が、全国の劇場で観れることが嬉しくって仕方ありません。
セックスとドラッグが作品の4割くらいを占めるゲスさのおかげで、3時間という時間もあっという間に感じるはずです。
一緒に観に行く相手は慎重に選び、上映終了時間をよく確認しておき、トイレもすませて万全の体制で観に行きましょう。
当然、おすすめです!
ちなみに、これだけエネルギッシュな作品を撮ったスコセッシ監督は御年71歳です。
また、「年収は49億円!」ということが大きく宣伝されていますが、主人公を演じていたディカプリオの年収は58億円です。
いや、本当に凄い人たちだよね。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ いつもより下品な単語が多くなることをご了承ください。
〜諸悪の根源〜
しょっぱなから、人間をダーツに見立てて投げようとする描写からはじまりました。こんな会社入りたくねえ。
ちなみに後に「安全にしなきゃな」「暴れられたら困るから麻酔銃を用意しておこうか」「芸人なら大丈夫だ」などと真剣にこのことを会議する場面も出てきます。
ジョーダンは白いフェラーリに乗って、美女にフェラーリされながら登場しました。
コールガールのア○ルにストローを突っ込みドラッグを吸うようなヒドすぎる生活を映しながら、ジョーダンは「あとちょっとで週給1000万ドルだったのに!」と悔しがります。
ジョーダンの格の違いを見せた後、物語は彼がウォール街へ飛び込んだ日に戻ります。
ロスチャイルド社の社長は初対面でジョーダンを「カス」と呼び、社内では汚ないことばが飛び交っていました。
社長はジョーダンにブローカーのルールを説きはじめます。
「彼ら(取引に応じた相手)は紙の上で金持ちになったと思い込む。私たちは手数料をいだたくんだ」
「ルールその①。常にリラックスするんだ。そのためにはマスをかく回数を増やせ。私は1日に2回はする。必要だからだ。血の巡りが良くなるんだ」
「ルールその②。コカインを使え、頭のキレが良くなるぞ」
本当に社長かこいつ。いや、こんなんだから社長なのか。
ジョーダンは「彼らにも儲けさせたらいいのでは?」とわりといいやつっぽいことも言いますが、社長は「それはさせるな、私たちは客の金を自分のポケットに入れるんだ」ともほざきます。<まっとうなことも言っていたのに・・・
<こいつが諸悪の根源
思えば、ジョーダンがセックス依存症のようになったのも、麻薬に抵抗がなくなったのも、クズ株を買わせまくったのも、こいつのせいなんじゃないでしょうか。
あと社長の「胸を叩きながらン〜ン〜の歌」はアドリブだそうです。
仕事に励もうとするジョーダンでしたが、入社したその日にブラックマンデーが起きてしまい、ロスチャイルド社はつぶれてしまいます。
〜ゲスな相棒との出会い〜
職を1日で失ったジョーダンは、常識人の妻・テラサに「あなたは株屋でしょう、倉庫番なんてやらないで」と助言され、投資センターへと赴きます。
そこにはパソコンもなく、一見は株を動かしているようには見えない場所でしたが、ロスチャイルド社と同じように汚いことばが飛び交っていました。
ジョーダンは手数料が50%あると聞いて目を輝かせ、得意の話術でクズのペニー株を買わせました。
これは嘘の情報を流して株を買わせる風説の流布であり、れっきとした詐欺です。
ジョーダンは、家具屋で働いている男・ドニーと出会います。
彼はジョーダンの月6000ドルの給与明細を見て、すぐに退職をしてしまいました。
ドニーもまた、ジョーダンにドラッグを薦めてしまいました。<こいつも諸悪の根源?
ジョーダンは(たぶん)このときにドラッグにハマってしまったのでしょう。
あとドニーはいとこと近親婚をしており、「問題がある子が産まれたらどっかに捨ててくる」という「ジョーク」を言っていましたが、ジョークとは思えません。こいつ後の場面でもゲスすぎるんだもん。
〜めちゃくちゃな会社〜
ジョーダンは立ち上げる会社のメンバーとして、麻薬密売人のブラッド、その他の学歴も知識も無い人間を集めます。
彼らは「白鯨」のエイハブ船長をも知りませんでした。
彼らにメイフラワー号に乗ってもらううつもりで教えるのは「話術」。
ジョーダンはまたもペニー株を客に買わせ、その後ろではメンバーが笑いをこらえるのに必死でした。
会社はぼろ儲け、急成長をします。
ジョーダンは「1万ドルで丸刈りにしてやる!」と女性にバリカンをかけたり、ストリッパーたちを社内に招き入れたりします。<どういう会社だよ・・・
そのインモラルっぷりは半端無く、エレベーターでしゃぶらせたり、3Pをする人間まで出てきます。こんな会社入りたくねえ(2回目)。社内でセックス禁止の張り紙も効果がなさそうだったし・・・
社内の男みんなにしゃぶらせていた女性が、結婚するものの鬱になって自殺してしまうのも、わかる気がします。
さらに後には、社員一同が飛行機内でドラッグ入りの乱交パーティ(修理代含めてお値段200万ドル)をします。「空飛ぶドラッグストア」って上手いこと言ったつもりかよ。
すぐキレる性格から「マッドマックス」と呼ばれるジョーダンの父のマックスも、「援交費ってなんだ!」とツッコミを入れていました。
新聞社も会社のことを無視できず、ジョーダンには「Wolf Of WallStreet」というあだ名がつけられました。
このあだ名に怒るジョーダンでしたが、妻のテレサは「悪い宣伝なんて無いわ」と言ってくれます。
そのとおり、彼の名声はうなぎのぼりになっていきました。
〜変態ばっかり〜
ジョーダンはパーティでナオミという美女と出会います。
ナオミを見たとき、「ルード」という麻薬を飲んでいたドニーはマスをかきはじめました。最低だ。
ナオミは家で全裸になってジョーダンを誘い、ノリノリでベッドインします。
タクシーの中で「汽車ぽっぽ」とその豊満な胸で遊んでいると・・・ジョーダンは妻のテレサに車から引きずり出されました。
ジョーダンは「彼女のことを愛しているの?」というテレサの問いに答えることができず、離婚調停を結びました。
ナオミ、ジョーダン、ゲイの執事との生活が新たに始まりますが、執事は部屋で勝手にゲイの乱交パーティーをしやがります。最低だ(2回目)。
しかも引き出しの中の金とネックレスが消えていたので、執事はまるでヤクザのような社員から殺されかけるのでした。<こりゃ怖い
警察を呼んで殺されないようにしたのは正解でしたね(しかも1000ドルの賄賂を渡す)。
ところで、結局金を盗んだのは誰なの?話から察するにドニーなの?
〜レオ様、女王様にしばかれる〜
ジョーダンはIPOという違法な「バズーカ」を撃ちだします。
これで驚くほど儲かったので、ジョーダンは妻となったナオミに名前入りのクルーザーをプレゼントします。
ジョーダンがこの世の天国を過ごした18ヶ月後・・・ナオミは「ヴェニスって誰よ!」と彼を叩き起こします。
ヴェニスとはジョーダンが寝言でつぶやいていた名前で、SMプレイの相手でした。
ジョーダンは尻にロウソクを刺され「ああいいいよ!気持ちいいよ!」と叫んでいました。
こんなレオ様は金輪際拝めないでしょうね。
レオ様は酒とドラッグでヘロヘロになりながらヘリで帰ってきており、ゴルフ場もめちゃくちゃにしていました。
それでもナオミは「パンティを履くのがめんどくさくなった」とジョーダンを誘ったります。
ついでにその様子は2人の警備員がぬいぐるみに隠していたカメラから見ていました。どいつもこいつもひでえ。
〜演説〜
ジョーダンはスティーブ・マデンという靴屋の社長を招き、社員にこう激励します。
「これは「チャーリーとチョコレート工場 のチケットのひとつだ。ウォンカがいる!ウンパ・ルンパも歌えばいい!
ここにある電話は、君らが使わなければただのプラスチックの箱だ。命を吹き込むのは君たちだ。
電話をしろ。相手が買うか、その相手が死ぬまでだ!
貧乏は美しくない。金はあったほうがいいんだ!
拝金主義者と思うなら、マクドナルドで働け!
隣を見ろ。自分はポルシェに乗っている。隣のやつはボロ車に安スーパーの食料を詰め込んでヒイヒイ言っている。
株がクズだと思ったらすぐに電話をかけろ。お前らを金持ちにしてやる!金を喉に押し込み、そして窒息させてやれ!
お前らは電話のテロリストだ!売りまくれ!」
マクドナルドに怒られないのか、これ。
でも説得力があるのが怖いなあ。
〜警察との戦い〜
FBIのデナムは結婚式のビデオを入手し、ジョーダンに探りを入れていました。
ジョーダンはクルーザーでデナムと対峙します。
ここでジョーダンは「ウォール街がお返しできる」「いいチームが入れば一晩で人生が変わるぞ」と、「買収かどうか確定できない程度の買収」をしようとします。
デナムが「もう一度言ってみろ、今のは買収か」と聞くと、ジョーダンは「買収には具体的な数字が必要だよ」としらばっくれました。
「違法なことはしていない」と言い張るジョーダンでしたが、さらに違法であるマネーロンダリングにまで手を染めます。
スイスの銀行に金を移すために、麻薬密売人のブラッドの手も借ります。
ブラッドの妻に金の巻き付けて運ぼうとしますが、そりゃあ全部を運ぶことはできません。<金ドレス
ブラッドは、金の受け渡しのときに警察に捕まってしまいます。
〜筋肉弛緩剤バトル〜
ブラッドが捕まってしまったのは、金を渡すはずのドニーが騒いで目立っていたためでした。
ドニーはそれをごまかすためか、「レモン」というビンテージもののドラッグをジョーダンと一緒にキメようとします。
しかし、何分経とうが、運動で代謝をあげようが、まったく効く気配がありません。
そんなとき父・マックスから「公衆電話からかけろ!今すぐだ」という電話がかかります。
最寄りの公衆電話で、ブラッドが捕まったこと、電話がFBIに盗聴されていることを知ったジョーダンでしたが・・・タイミングが悪いことに、このときにレモンが効いてしまいます。
その効果は「脳障害レベル」の凄まじいものでした。
まるで筋弛緩剤のように、体を動かすことも難しくなるのです。<ベロンベロン
ジョーダンは這い、階段を転がり堕ちてフェラーリまでたどり着きます。
フェラーリを運転して、奇跡的に無傷で帰った彼は、ろれつのまわらないままドニーの電話を止めようとします。
ジョーダンは電話線をひっぱり、ドニーを鎮めようとします。
ドニーの口に物が入り、窒息しかけてしまいます。
ジョーダンは決死の人工呼吸と心臓マッサージを施し、ドニーを救いました。
ジョーダンが目覚めると、彼は警察に連行されて行きました。
実は「奇跡」なんて怒っておらず、フェラーリは物にぶつかりまくってボロボロになっていました。
いやーしかし、史上まれに見るひどい喧嘩でしたね。最高に面白かったけど。
あと「人を轢かなくてよかった」と考えるジョーダンはポジティブかつ、意外とまともなところもあると思いました。
〜退陣の日〜
この事件がきっかけで、彼は窮地に立たされました。
マックスから諭されたのは、引退をすることでした。
いくつかの罪を認め、200万ドルほど払い、辞任をすれば刑務所に入らなくて済むのです。
その「退陣の日」がやってきます。
「キミーは立ち上げのときからいるメンバーだ。
彼女は今高級なものを身につけているが、昔は違った。8歳の息子を持つシングルマザーで、家賃も滞納していたんだ。
キミーは給料を前借りしたいと言ってきた。そのとき俺はどうした?」
ジョーダンがそう聞くと、キミーは涙ぐみながら「2万5000ドルの小切手をくれたわ」と言いました。
ジョーダンは引退を宣言するかと思いきや、こう宣言します。
「皮肉だ。俺は君たちに決して引き下がるなって言ってきた。しかし俺は身を引く。取引に応じた俺は偽善者だ。
決めた。俺は引退しないぞ!」<ショーは続くぞ!
金に魅入られたジョーダンは、まだまだ金稼ぎを続けます。
一方、FBIのデナムにとっては「獲物が戻ってきた」状態になりました。
〜沈没〜
(ジョーダンが不可抗力により誘惑した)ナオミのおばが亡くなってしまい、急遽金の相続が行われることになります。
スイスに明日に行かなければ2000万ドルがパァになってしまう状況になり、ジョーダンはクルーザーで航海に向かいます。
このときジョーダンは「(葬式なんか)行かなくても死んでる」とゲスなことを考えていました。
しかし、海は大シケとなり、クルーザーは転覆をしてしまいました。
タイタニックでは船の上で「俺は世界の王だ!」と言ったレオ様ですが、こっちでは嵐の中「早くドラッグ持って来いよ!」とほざいていました。すげえ落差だこと。
一行はイタリア人の救助隊に助けられます。
ここでジョーダンは、偶然飛行機が爆発する瞬間を目にします。
それは本来であれば、ジョーダンが乗っていた飛行機でした。
この男、悪運まで強いようです。
〜グレナダ〜
スイスでマネーロンダリングを手伝っていた男も捕まってしまい、レストランを経営している「ベニハナ」のおかげでジョーダンは大損をしてしまいます。
ジョーダンは今までのことが嘘のように、ドラッグも酒もやめたとドニーに話していました。
「それ、ノンアルコールなの?」と何度も聞くドニーが可笑しかったですね。今までの行動観てるとそりゃ信じられないだろうな。
警察はジョーダンのことを「グレナダ」と表現します。
それはアメリカに攻め込まれた島国であり、必ず侵略できるという宣言でした。
ナオミは、ジョーダンと「これが最後」のセックスをします。
ジョーダンが果てたあと、ナオミは離婚をすると宣言しました。
ジョーダンは怒りのあまりソファーを破り、ドラッグを吸い込みました。
あまつさえ、幼い娘を無理やり車で連れ出そうとしました。
結局ジョーダンは車を庭の壁にぶつけてしまい、娘を連れ出すことができませんでした。
ジョーダンの顔にはかつての自信はなくなっていました。あまりにも、悲しい表情でした。
〜刑が軽くなった理由〜
ついに証拠をそろえた警察がやってきました。
ジョーダンは懲役20年の刑が言い渡されるはずでしたが、わずか3年に短縮されました。
それはなぜかと言えば、ジョーダンは違法な取引に加担した社員みんなを警察に売ったからです。こいつマジ最低だ。
何が悲しいって、捕まったメンバーの中に「退陣の日」に涙を流していた元シングルマザーのキミーがいたことですね(違ったらごめんなさい)。
ジョーダンは、父のマックスが「いつか報いがくるぞ」と言ったことを思い出しましたが、「知ったことか」と言い捨てました。
〜実はいいやつ?〜
こう言うと誤解を産みそうですが、ジョーダンは本質的には悪人ではないのでは?と思いました。
彼は序盤に「客にも儲けさせたらいい」と主張しているし、「金を持つといい人間にもなれるさ。いろいろな場所に寄付や投資もできる」と金持ちが与える影響も口にしています。
それが崩れたのは、前述のとおりロスチャイルド社の社長のアドバイスや、ドラッグやセックスへの依存があったからでしょう。
それがなければ、ジョーダンは元妻のテレサと幸せな人生が送れていたのかもしれません。
〜地下鉄の中で〜
デナムは「いつもクタクタになって乗る地下鉄」の中で、貧しい人たちの姿を見ます。
ジョーダンは金持ちであり、金持ちになる為に他者を蹴落としてきました。
デナムは世の中の人のために真摯に働いていますが、裕福ではありません。それよりも貧しい人もいます。
これは「どちらの生き方が正しいのか」と観客に問いかけられているかのようなシーンでした。
ジョーダンはデナムと対峙したとき、「あなたたちのような人が経済的に恵まれないなんて残念だ」と言っていました。
本来であれば、そうであるべきなのでしょう。
〜需要と供給〜
ジョーダンは出所し、その経験を生かしてセールスの講演を開いていました。
彼は参加者ひとりひとりに、「このペンを売ってみろ」と聞いていきます。
参加者があたりさわりのないペンの褒め方をしていき、その奥にいるさらなる参加者たちを映したところで、映画は終わりました。
金というものの価値がある限り、このようなセミナーに参加する若者も後を絶たないでしょう。
結局のところ、序盤でブラッドが示していたようなペンの売り方でないと、金を稼ぐことは難しいのかもしれません。
ブラッドはセミナーと同じ質問をしたジョーダンに「名前をハンカチに書け」と命令し、「そら、需要を生み出した」と言っていました。
金がほしいと願った客がいた(需要があった)から、ジョーダンには金が集まりました。
金がほしいと願った参加者がいたから、ジョーダンは出所してからも金を稼ぐことができました。
金を手にするのは、結局需要のある結局ジョーダンばかり。
しかし、彼は娘を手に入れることも、妻の愛を得ることもできませんでした。
ジョーダンは幸せになったようには見えません。
客や参加者は、金を払う(供給する)ばかり。
幸せになれるかどうかもわかりません。
それどころか、地下鉄に乗っていた貧しい人になってしまうのかもしれません。
なんとも、いや〜な話です。
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私もこの映画、めちゃくちゃ楽しめました。
スコセッシ、まだまだ若いですね。画に力があってパワフルです。何より、この21世紀にこれだけお祭り騒ぎの映画を巨匠がディカプリオと組んで18禁くらっちゃうってのが楽しいですね。尺も長いから上映回数も少なくなるのにその上R18指定くらうって、興収のことを気にしてないような(実際は気にしているとは思いますが)感じが応援したくなっちゃいます。
そして180分間、品行方正に唾かけて中指たて続けたところが素晴らしいですね。劇場でずっと笑ってました。
株式っていうとお堅い映画を想像しがちですが、エンタメで突き通しましたね。思うに、この映画で一番ハイになってるのは監督自身なんじゃないんですかね?
難しいとは思いますが、ディカプリオにオスカーを獲って欲しいです。
>興収のことを気にしてないような
ヒットはしているのですが、劇場関係者、宣伝担当者は扱いにくい内容だったに違いありません。
>思うに、この映画で一番ハイになってるのは監督自身なんじゃないんですかね?
監督もクスリをやっているんじゃないかと疑ってしまいました(超失礼)
この世の不道徳の全てが詰めこまれた酷い乱痴気騒ぎが三時間も続くのに、一瞬も退屈した記憶がありません。恐ろしい映画です・・・。
早くも今年の「最低にして最高で賞」が決まってしまったように感じます。
個人的にダメ人間の愚行をなにかオシャレのように描く話が嫌いなのですが、こういう馬鹿の蛮行を愚行としてきちんと描いて因果応報も付ける映画は大好きです。
ただ、気になったのは年配の方からカップルまでけっこう入っていた劇場でクスリとも笑い声が上がりませんでした。必死に爆笑を堪えていた私はオカシイのでしょうか・・・。
>~レオ様、女王様にしばかれる~
タイムマシンがあったら「タイタニック」ブーム時に毛嫌いしていた自分を連れて来てこの雄姿(痴態)を見せ付けて土下座させたいです。
>人を轢かなくてよかった
不道徳をやり尽くしたような本作でも唯一「殺人」だけは犯していない禁忌でしたね
ノミネート自体奇跡のように思えるのに、これに賞をくれたら見直しますよアカデミー賞!
確かに監督がヤクをやってるとしか思えない程にイカレた乱痴気騒ぎでしたね。
上で 毒親育ち さんも仰ってますが、私もファースト・デイでかなり劇場内が混んでいたにも関わらず笑い声はまばらでした。と言うか私を含めた数人が時折笑い声を上げていただけでしたね。個人的にはヒナタカさんと同じくあの映画は笑ってみるモンだと思ったのですが。
NC-17指定を避けるためにカットされた場面があったのは知りませんでした。DVD等で収録されると嬉しいですね(日本じゃ無理か)。
ディカプーをドラッグに嵌らせた元凶がジョナ・ヒルということですが、どうなんでしょうね。マシュー・マコノヒーは「昼からの仕事に備えコカインだ!初日だから今日は勘弁してやる」と言っていて、ディカプーもストリップの場面のナレーションで「この時に悪いことは色々覚えた」って言ってたと思うので、悪いことは全部マコノヒーから教えられたと思ったのですが。でも、ジョナ・ヒルにヤクを薦められた場面では初体験の様な騒ぎっぷりでしたから、やっぱりジョナ・ヒルが引き金なのでしょうか?その辺り少しモヤモヤしています。
そのことばはこの映画にふさわしいですね。
> ただ、気になったのは年配の方からカップルまでけっこう入っていた劇場でクスリとも笑い声が上がりませんでした。必死に爆笑を堪えていた私はオカシイのでしょうか・・・。
レオ様が尻にロウソク・・・のくだりで爆笑していたのですが、劇場では引き笑いな感じでした。
笑って観る映画でしょう!これは!
> >人を轢かなくてよかった
> 不道徳をやり尽くしたような本作でも唯一「殺人」だけは犯していない禁忌でしたね
そういえばそうですね!やっぱりいいやつなんじゃ?(違うか)
> 上で 毒親育ち さんも仰ってますが、私もファースト・デイでかなり劇場内が混んでいたにも関わらず笑い声はまばらでした。と言うか私を含めた数人が時折笑い声を上げていただけでしたね。個人的にはヒナタカさんと同じくあの映画は笑ってみるモンだと思ったのですが。
自分もかなーり笑いながら観ていたので、「黒執事」と同じくらい世間との乖離を感じました。
劇場で笑いが起きていたのは、レオ様がゲイがヤッていたソファをいやがるシーンくらいでした。
> NC-17指定を避けるためにカットされた場面があったのは知りませんでした。DVD等で収録されると嬉しいですね(日本じゃ無理か)。
アンレイテッドバージョンとかあってほしいですね。
> ディカプーをドラッグに嵌らせた元凶がジョナ・ヒルということですが、どうなんでしょうね。マシュー・マコノヒーは「昼からの仕事に備えコカインだ!初日だから今日は勘弁してやる」と言っていて、ディカプーもストリップの場面のナレーションで「この時に悪いことは色々覚えた」って言ってたと思うので、悪いことは全部マコノヒーから教えられたと思ったのですが。でも、ジョナ・ヒルにヤクを薦められた場面では初体験の様な騒ぎっぷりでしたから、やっぱりジョナ・ヒルが引き金なのでしょうか?その辺り少しモヤモヤしています。
そういえばそんなこと言っていましたね!追記させてください。
あとジョナヒルにヤクを薦められたとき、レオ様は少し躊躇していたように記憶しています。
自分はまだ高1の16歳のため今作を見ることは出来ませんが、今作のヤバさがこのブログでとてもわかりました。
〉ジョーダンは尻にロウソクを刺され「ああいいいよ!気持ちいいよ!」と叫んでいました。
これを読んだ時の自分の顔➡︎_| ̄|○
あのレオナルドが・・・・・・
ともあれ、私はいつも楽しくこのブログを読ませていただいてます。
これからも頑張ってください( ̄^ ̄)ゞ
ここからは、雑談です。
カゲヒナタさんが昔紹介したアーサークリスマスをこのブログで知り、TSUTAYAで借りて見ました。
ラストで涙がながれました。
映画で泣いたことはあまりない私が久々に泣きました。
この作品を紹してくださってありがとうございます。
東京での暮らしは慣れましたか?
最初、カゲヒナタさんが東京に来ると聞いて、本当に嬉しかったです。
憧れの人がこの東京コンクリートジャングルに・・・!
お仕事も頑張ってください。
最後に、作品紹介です。
昨年ね夏に公開されたパニック・マーケットと言う映画をご存知でしょうか?
今作は、洪水に飲み込まれたマーケットにサメがあらわれて、とんでもない事になっていく話の3D映画です。
正直なところ、個人的には色々と大変で楽しいバカ映画です。
カゲヒナタさん、もしよろしければ評価してください。
ありがとうございます。
楽しめていただけて嬉しいです。
> 自分はまだ高1の16歳のため今作を見ることは出来ませんが、今作のヤバさがこのブログでとてもわかりました。
> 〉ジョーダンは尻にロウソクを刺され「ああいいいよ!気持ちいいよ!」と叫んでいました。
> これを読んだ時の自分の顔➡︎_| ̄|○
> あのレオナルドが・・・・・・
観ることができないのは残念ですが、本作のR18+指定はそりゃ当然だというものですので・・・
ぜひDVDになったときご覧ください。
> ここからは、雑談です。
> カゲヒナタさんが昔紹介したアーサークリスマスをこのブログで知り、TSUTAYAで借りて見ました。
> ラストで涙がながれました。
> 映画で泣いたことはあまりない私が久々に泣きました。
> この作品を紹してくださってありがとうございます。
知名度が低すぎるので過剰になって宣伝していましたw
紹介して、「大傑作!」にしておいてよかったです。
> 東京での暮らしは慣れましたか?
> 最初、カゲヒナタさんが東京に来ると聞いて、本当に嬉しかったです。
> 憧れの人がこの東京コンクリートジャングルに・・・!
> お仕事も頑張ってください。
そちらも東京にお住まいなのですね。
1ヶ月いたのでだいぶ慣れましたが、まだまだですね。
こっちに友達が少ないので、どうぞ仲良くしてください。
> 最後に、作品紹介です。
> 昨年ね夏に公開されたパニック・マーケットと言う映画をご存知でしょうか?
> 今作は、洪水に飲み込まれたマーケットにサメがあらわれて、とんでもない事になっていく話の3D映画です。
> 正直なところ、個人的には色々と大変で楽しいバカ映画です。
> カゲヒナタさん、もしよろしければ評価してください。
名前だけは知っていました。
そういう頭の悪い設定の映画大好きです!紹介ありがとうございます。
でも、彼は、アカデミー賞に縁が無いので、気の毒だと思ってます。
アノ狂ったような経済の時代を、上手く描いたものだと、思いました。
ホリエモンの会社経営のバカ騒ぎを、思い出しました。
それにしても、長い映画でしたね。
パンフレットには2時間59分の表示。
さすがに、3時間にすると「長い過ぎる」と思われるから敬遠したのかな?
もうちょっと勉強しましょう