世界の縮図 映画「スノーピアサー」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
個人的お気に入り度:6/10
一言感想:設定にツッコんだら負け
あらすじ
2031年の地球は、温暖化を阻止するはずの薬品CW-7により、氷で覆われた世界となってしまった。
わずかな人類の生き残りは世界中を廻る列車に住み着いていた。
列車の最後尾で暮らす男カーティス(クリス・エヴァンス)は、仲間と共に富裕層から列車を奪おうと反乱を起こす。
(多数の意見をいただき、追記しました。ありがとうございます)
「殺人の追憶」「母なる証明」のポン・ジュノ監督最新作です。
本作はハリウッド映画のような様相ですが、実際は韓国・アメリカ・フランスの合作映画です。
登場人物のほとんどは英語をしゃべりますが、中には韓国語や日本語を話す者もいます。
多国籍の人物が入り乱れている「ブレードランナー」のような世界観は映画の魅力のひとつでしょう。
なにより独特なのは、その設定です。
「地球が死の惑星となり、わずかな人類の生き残りは一本の列車の中に収納されている」というものなのですから。
このアイディアは「Le Transperceneige」というグラフィックノベルがもととなっており、これまでの映画で描かれていたディストピアの世界観に新しい風を吹き込むものでした。
役者もとても豪華です。
主人公のクリス・エヴァンス、その相棒のジェイミー・ベル、主人公に助言をする老人のジョン・ハート、はたまたエド・ハリスなど、実力と人気を兼ね備えたハリウッド俳優が次々と出てきます。
韓国を代表する演技派・ソン・ガンホも重要な役として登場します。
その娘役のコ・アソンは、「グエムル-漢江の怪物-」でもソン・ガンホと親子として共演をしていました。
中でも出色なのは、強烈すぎるキャラを演じたティルダ・スウィントンでしょう。
彼女の怪演は「誰?」と思うほどの豹変ぶりで、ファンであればあるほど驚けるのではないでしょうか。
しかも1人2役を演じていたらしいし・・・映画を観てもどこで誰を演じていたかわかんないよ!
美術・脚本も俳優人の濃さに負けないくらいに手が込んでいます。
一見すると列車の内部は汚くて無機質に思えますが、セクションが変わると奇天烈な光景が次々と映し出されます。
まるで「TVゲームのステージをクリアして、次はどんなものが待っているのだろう?」というワクワク感がありました。
序盤で登場人物が発した意味深な一言が、あとで大きな意味を持つようになります。
なぜ主人公が片腕を無くした老人を慕っているのか、
主人公が相棒に対して「俺はあいつが思っているような人間じゃない」と言っているのはなぜなのか、
その答えを予想しながら観てみるのもよいでしょう。
さて、本作の最大の難点は設定にツッコミどころが満載だということです。
「どうして○○は○○なの?」「○○はどうしているの?」とどうしても気になってしまいがちです。
そもそもなんで列車を世界中で走らせているんだ(シェルター+暖房でいいじゃん)とか、
なんで17年も線路の整備をせずに走っていて脱線のひとつも起きないんだとか、
この人たちトイレはどうしているんだとか、
展開以前の設定にツッコミを入れたくなる人にとっては脳が疲れてしまうことは必死です。
観客にとって「登場人物の生活描写」というのは、物語に引き込み、なおかつ感情移入をさせるものとして重要です。
しかし、この映画では「こんなんで生活ができるわけがない」と思わせてしまいます。
ツッコむのも野暮なのはわかっていますが、この設定の「穴」は欠点と言わざるを得ません。
主人公がことばで語るシーンや、間を長めにとっているシーンが多く、テンポの悪さを感じてしまうことも気になります。
監督のこれまでの作品では(登場人物の心情を描いたサスペンスが多かったので)その演出は巧みであると感じられましたが、SFアクション映画というジャンルとしては少しもどかしく思いました。
ポン・ジュノ監督作品を知っている人にとっては、これはまさに監督の作品であると感じられるでしょう。
残酷描写、伏線の張り方、演出、時折入るギャグ、物語そのものに至るまで「らしさ」に溢れています。
ちなみに、ポン・ジュノの映画は作中に必ずドロップキックを放つことも有名です。
本作でもドロップキックは出るのか?ファンはそこを楽しみにして観てみましょう。
ポン・ジュノ監督のファン、トンデモ設定を暖かいまなざしで見ることができる方におすすめです。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
*青い字はいただいた意見です。
〜設定と展開のツッコミどころ〜
ツッコむのは野暮だとは言いましたが、書かざるを得ません。
無理矢理納得をする目的で以下箇条書き。
・最後尾の人は仕事していないの?
生かせておく理由はあるのでしょうか。
・トイレどうしてんの?
垂れ流しなんでしょうね。
・お風呂どうしてんの?
列車の前の方の人は大衆浴場やサウナに入っていましたが、最後尾の人たちは・・・やっぱり入れないのかなあ。
・エンジンはなんで止まらずに動いているの?
永久機関が実現しているんだ!すげえ!
・プロテイン・ブロックの原料がゴキブリみたいな虫だったけど、ゴキブリは寒冷地では生きていけないのでは?
「テラフォーマーズ」みたいに進化したんでしょう。ていうかどうやって集めているんだ。
・前の暴動によって弾が切れているっていう設定だったのに、なんで途中から敵はバシバシ銃を使っているの?
オチのことを思えば、「調整」のためだったんでしょうね。
・序盤でエドガーが仏像を持った日本人に「バカヤロー!」と言われるシーンの意味は?
それは韓国の日本の認識なのでは・・・
これは少なくとも反日を意識した台詞ではないように思えます。
「世界の縮図」とも言うべき列車において、ハリウッド俳優=アメリカ人だけでなく、
アジア系の住民も富裕層・貧困層問わず存在していることを描きたかったようにも思えます。
・日本人が女大統領・メイソンに「大丈夫ですか?」と聞いて、メイソンが「ダイウジョウブ」と答えるシーンの意味は?
メイソンが多くの言語に精通していると見せるシーンなのでしょうか。
・1年に2回しか食べられないカウンターの寿司
ポン・ジュノ監督はやっぱり日本が好きなのかな?あと魚はどうやって養殖しているんだ。どうやって捕まえたんだ。
本当に反日家なら「チョッパリ?絶滅したw」で登場させないか原作に無い後方車両の更に下層民とか作って登場させたあげく、ウィルフィードやメイソンを日本人へとか改変しますよ。寿司を富裕層でも年に二回した食べられない御馳走として登場させたりとか、あんな世界でも残すべき食文化という扱いで敬意を感じましたし、原作通りなのかもしれませんが、学校の描写も生国政府がやっている事を皮肉ってるように見えました。
・なんでメイソンは入れ歯をしていたの?
イヤミぽく見せたかったのではないでしょうか(んなわけない)。
どうでもいいですが、彼女の演説がいつも「So It Is」で締められるのが好きです。英語が苦手で間を埋めるための手段にも思えるけど。
始終ウザい彼女ですが、プロテイン・ブロックを躊躇しながら食べる姿には萌えました。
・中盤の殺し屋は主人公たちよりも後ろの車両の人たちを殺して行ったけど、今までどこにいたの?列車って一本道なのに・・・先頭車両から来たのなら主人公と鉢合わせしているはずなんだけどな。
殺し屋のうち、スキンヘッド男は学校車両で卵を配りながら後ろに通過しました。学校の先生は通り過ぎたスキンヘッド男から意識をそらすためにマシンガンを乱射したものと思います。実際誰にも当ってないですし。
そしてスキンヘッド男は後部車両まで行き、卵に埋めておいた銃で乱闘後に捕虜になったマスクマン達を解放し、後部車両の掃討をしていました。
ライフル&サウナのタフガイは、マスクマン乱闘の時に大統領の降伏で捕虜になりました。捕まりながらカーティスを睨んでるシーンがスローで強調されていたのは後の伏線だったのでしょう。
卵配りのスキンヘッド男に解放された後、別行動をとって追いかけてきました。
卵配り=弾配りってことで、実弾搭載の銃もここで入手しています。
・外で凍っていた「7人の革命家」は何だったの?
外はこんだけ寒いんだよってことで・・・
*見せしめであるとコメントをいただきました
・5歳の男の子が狭い場所で無理矢理働かされていたけど、トイレはどうしてんの?
やっぱり垂れ流しで。
エンジンの中に入っていった子の行動が謎でした。ウィルフィードに洗脳されてエンジンという神に仕える巫女みたいな意識になってしまっていたのか・・・
・最後にシロクマが出てきたけど、あんな山岳地帯にシロクマはいないのでは?
しかもシロクマは肉食獣なので、あのオチが「食べられてしまうかも」というバッドエンドに思えてしまいます。
この作品自体、非常に寓話的なことから、bear(熊)を動詞として解釈すると…、 「耐える」「負う」「支える」「生み出す」「担う」「苦しむ」「運ぶ」 …といった隠喩が浮かび上がり、何かぼんやりと見えてくるものがあるのですが、果たして。 ちなみにアナグラムとして解釈するとbare(裸、むきだし)という語も。
・途中でミンスが外で「見た」ものとは何だったの?
ラストのシロクマか、他の動物なのでしょうね。
・外は7分間で腕がガッチガチに凍るくらい寒かったのに、最後にヨミはふつうに外に出れていたのはなぜ?
高度の違い、天候の違い、場所の違い、昼夜の違い、列車で走っていたが故の温度の違いはあるのでまあ納得はできます。
・最後尾の人はなんでこの状況で子ども産むねん
むしろこの危機的状況だからでこそ、なのかも。
死に直面すると種の維持本能が働く、という説は実際にあります。
実例として、イラク戦争の際も、その直前には結婚が増加したという社会現象が起きています。
科学的にどうあれ、そうした行動原理が無ければ生物はとっくに滅びていたでしょうね。
・この列車にプライバシーはあるの?
そんなもんはない。ウィルフォードは主人公に「久しぶりの孤独を噛み締めろ」と言っていましたしね。絶対に住みたくない。
〜各セクション一覧〜
ここからは列車の奇抜な内装を見ていきます(一部は勝手に名前をつけています)(順番を間違えていたらごめんなさい)。
①最後尾<あんたたちは一番後ろ!
主人公が暮らす貧困街(?)です。
②通路<突っ込め!
仲間みんなで太いパイプを持ってアタックをしました。
③棺桶<狭すぎ。
ソン・ガンホ演じるセキュリティーのプロ・ミンスはここに収監されていました。
④窓のある部屋<うわっまぶし
老人・ギリアムは「まだ(外の世界は)死んでいる」とつぶやきます。
⑤プロテイン・ブロック製造所
とりあえず、羊羹が食べたくなくなりました。
これは「ソイレント・グリーン」のオマージュのようです。
⑥通路(乱闘)<割と怖い光景
こいつらは鮭を「見せしめ」としてさばいていました。ヨナはもっと早く透視してあげて!
敵がトンネルの暗闇に入った瞬間に暗視ゴーグルをつけて最後尾の連中を虐殺するも、後ろにいた子どもにたいまつを持って来させて反撃するくだりは面白かったですね。
⑦グリーン・ルーム<ちゃんと人が働いていました
光合成はしているんでしょうか。
⑧水族館<マンタもいます
おかげでお寿司も食べられます。
⑨学校<色彩のギャップが・・・
子どもたちが反日教育っぽいことされていたんですけど・・・これが自虐ギャグってやつか。
想像ですが、ポン・ジュノ監督は韓国のこうした問題をわかっていそうです。
⑩豪華列車<セレブたちはひまなの?
一番ここが列車らしいですね。
⑪通路その3<急カーブ
列車が円を描いて走行していたために、後ろからライフルで狙撃されます。
⑫大衆浴場
あんまり気持ちよくなさそうでした。半身浴もできなさそうなくらい浅いんだもの。
⑬サウナ室<殺し屋と泥試合
こんだけ蒸し暑いところで乱闘します。
⑭最後の砦<下では歯車が回っています
横には「外への扉」があります。
⑮エンジン・ルーム(先頭)<孤独な場所
ついに全ての謎が明かされます。
うそみたいだろ・・・これ一本の列車の中にあるんだぜ・・・
バリエーション豊かにもほどがありますが、誰が維持しているんでしょうね?
〜ドロップキック(仮)〜
えー、何ががっかりって、前述したようなドロップキックを放つ場面がないことですね。今か今かと待っていたのに!
でもドロップキックに近いものは繰り出されていました。まあ正確には「前飛び蹴り」なんですが・・・<これはドロップキックではない・・・
〜共食い〜
カーティスは最後の砦で、最後尾で起こった悲劇を語ります。
17年前、凍死から逃れたのもつかの間、食料がないために人間たちは共食いをはじめていたのです。
カーティスは「赤ん坊の肉が一番旨いこと」も知っていました。
ある日、一人の女性が赤ん坊を隠しており、ギリアムは彼女の前でナイフを持ちました。
赤ん坊を切り刻むかと思いきや、ギリアムは自分の腕を斬り落としました。
ギリアムが救った赤ん坊は、カーテイスを慕っていたエドガーでした。
カーティスが「俺はあいつが思うような人間じゃない」と言っていたことも、このためだったのでしょう。
しかも、カーティスは中盤に人質に取られたエドガーを見ながらも、革命のためにメイソンを捕まえることを優先し、エドガーは殺されてしまいました。
カーティスの無念、自身を蔑む想いはどれほどのものだったのでしょうか。
カーティスは、隻腕のギリアムに「お前には両腕がある。女を抱きしめるときに必要だ」と励まされていました。
それもカーティスにとっては「痛い」ことばであったことでしょう。
しかし、カーティスは最後に無理矢理働かされている子どもを救うため、列車を止めるためにその腕を歯車に差し込みました。
カーティスはギリアムやエドガーたちと同じように自らを犠牲にして他者を救うことができ、人間としての尊厳を取り戻したのでしょう。
ここでカーティスが過去を乗り越えた形になったのきグッと来ました。
ギリアムは「女を抱きしめるときに必要だ」と言いましたが、
ヨミを爆発から護るために隻腕になったにも関わらず抱きしめたとき、
片腕でも抱きしめることが出来る=ギリアムがカーティスにかけていた期待以上のことをカーティスが成し遂げたように見えました。
〜真実〜
最後に明かされた真実は、この革命が列車の人口の調整のためにわざと引き起こしたものであり、列車の創業者・ウィルフォードとギリアムの手により計画されたものであるということでした。
自然淘汰は待っていられず、過度に殺すこともしない「バランス」を保つことが必要だとウィルフォードは言ってのけました。
ウィルフォードは「列車は世界の縮図だ」とも表現します。
人にはそれぞれの持ち場があり、それぞれの役割の場所で生きているのだとー
正論に思えそうな理屈ではありますが、それは富を有する者の欺瞞ではないでしょうか。
富裕層たちが快適に暮らせるのは、最下層で暮らしている人々が「その場所にいるから」で、彼らがもし富裕層に来たら生活が脅かされます。
豊かな人にとって、貧しい者はそのままの場所でいてほしい・・・まるで先進国が、発展途上国や近隣諸国の成長を脅威に感じているような構図が思い浮かびます。
だからでこそ、カーティスらは最後に列車を破壊し、世界を壊す選択をしたのでしょう。
一旦「それぞれの場所」が破壊されれば、どこに行くのも自由です。
〜神〜
この映画では、「神」というものの存在を臭わせています。
たびたび登場していた「赤いメモ」は神からの啓示なのでしょう。
ギリアムの腕には磔刑にされたキリストの刺青が彫ってありました。
ウィルフォードは世界を支配した上にその生態系をも操作をするという神を象徴していましたが、カーティスにとっての神はギリアムだったでしょう。
自らを導き、そして新たな世界を創ったのですから。
最後に生き延びた新世紀のアダムとイブになったふたりが、どのように生きていくのか・・・その想像をしてしまいます。
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地元でこんなに降ったの私の記憶では初めてなんですが、明日移行「なんで除雪車買って置かないんだ!」と怒られ、数年後に「なんでこんな税金の無駄遣いしたんだ!」と怒られるである市長さんが気の毒です・・・。
>・最後尾の人は仕事していないの?
特に迫害されてる様子が無く(整備士候補の子どもなんて先頭車両の子達でも出来ますし)本当にお情けで乗車させてもらって食っちゃ寝してるだけにしか見えなかったですね・・・。「2012」みたいに、ちゃんと権利を買って乗ってる先頭車両の皆さんの方に同情してしまいました・・・。
>・トイレどうしてんの?
肥糧や飼料にリサイクルしているのかと・・・
>・お風呂どうしてんの?
世界的に観ると入浴文化の無い地域の方が多いそうですし・・・でもお風呂大好き日本人と古代ローマ人には耐えられるのかっ!?
>・エンジンはなんで止まらずに動いているの?
永久機関が実現しているのですよ!すげえ!!
そしてレールはキャプテン・アメリカの盾と同じバイブラニウムとアダマンチウムの合金という不滅の金属製なのでしょう・・・
>・プロテインブロックの原料がゴキブリみたいな虫だったけど、
主人公達はゴキブリが食用な国や地域の人に大変失礼で贅沢だと思いました・・・。
>・前の暴動によって弾が切れているっていう設定だったのに、なんで途中から敵はバシバシ銃を使っているの?
これもシナリオどおり!だったのでしょうね。貧困層も富裕層もウィルフィード以外の人は彼の箱庭のお人形でしかないのでしょう。
>・序盤でエドガーが仏像を持った日本人に「バカヤロー!」と言われるシーンの意味は?
なにか反日描写云々言われていますが、むしろポン監督、日本大好きなんじゃないかと・・・。本当に反日家なら「チョッパリ?絶滅したw」で登場させないか原作に無い後方車両の更に下層民とか作って登場させたあげく、ウィルフィードやメイソンを日本人へとか改変しますよ。寿司を富裕層でも年に二回した食べられない御馳走として登場させたりとか、あんな世界でも残すべき食文化という扱いで敬意を感じましたし、原作通りなのかもしれませんが、学校の描写も生国政府がやっている事を皮肉ってるように見えました。
監督とソンさん、もうハリウッドへ亡命してください・・・。
>・日本人が女大統領・メイソンに「大丈夫ですか?」と聞いて、メイソンが「ダイウジョウブ」と答えるシーンの意味は?
翻訳機とかこの辺のこだわりは良かったです。
>・1年に2回しか食べられないカウンターの寿司
途中にあった水族館が養殖場を兼ねているのでしょうね。
>・なんでメイソンは入れ歯をしていたの?
ポン監督は赤塚漫画ファンで「イヤミなキザ野郎は出っ歯!」という固定観念でも持っておられるのでしょうか・・・
>・中盤の殺し屋は主人公たちよりも後ろの車両の人たちを殺して行ったけど、今までどこにいたの?
革命進み過ぎ!という想定外の事態が発生しても後方の間引きという自分の任務を貫徹するプロ意識の高い人だったのですよ!?
>・外で凍っていた「7人の革命家」は何だったの?
革命なんか無駄、外に出てもこうなるだけ・・・という見せしめモニュメントでしょうか。
>・5歳の男の子が狭い場所で無理矢理働かされていたけど、トイレはどうしてんの?
エンジンの中に入っていった子の行動が謎でした。ウィルフィードに洗脳されてエンジンという神に仕える巫女みたいな意識になってしまっていたのか・・・
>・最後にシロクマが出てきたけど、あんな山岳地帯にシロクマはいないのでは?
あれでは人類の新たなアダムとイブは早速シロクマさんのご飯になりました・・・かと。結局、現状を変えようといらん事して人類滅亡・・・超バッドエンドだと思いました。
>・途中でミンスが外で「見た」ものとは何だったの?
外の世界の生存者の村とかが出てくると思ってました。
>・外は7分間で腕がガッチガチに凍るくらい寒かったのに、最後にヨミはふつうに外に出れていたのはなぜ?
腕ガッチガチ刑の時は夜で走行中でしたしね。
>・最後尾の人はなんでこの状況で子ども産むねん
子孫を残したいという性欲はなんだかんだ言って食欲と並ぶくらい強いらしいですししね。
逆にヒマなのでそれしかする事が無いとか、売春始める人も出てくるでしょうし・・・
>・この列車にプライバシーはあるの?
凍死か家畜がどっちか選べ!な所は確かにディストピアだと思います。でも、世界を氷河期にした黒幕がウィルフィードみたいな描写もありましたね。CW-7の効果を知っていたと学校の先生が言ってましたし。
とりあえず世界中の鉄道マンの皆さま「オレらがどんだけ苦労して電車走らせてると思ってる?」と怒らない事を祈ります・・・。
いやぁスノーピアサーの世界を疑似体験でしたよ(遠い目)
>・プロテインブロックの原料がゴキブリみたいな虫だったけど、
うわぁ…あれやっぱり虫だったのか……(白目)
最初バッタかイナゴっぽくみえてそれでも気持ち悪さ満点だったけど
Gとなれば倍プッシュも良いところ…メイソンはどんな気持ちであれを食ったのか(笑
>>・序盤でエドガーが仏像を持った日本人に「バカヤロー!」と言われるシーンの意味は?
>なにか反日描写云々言われていますが、むしろポン監督、日本大好きなんじゃないかと・・・。
自分もそう感じました。少なくとも反日を意識した台詞ではないように思えます。
「世界の縮図」とも言うべき列車において、ハリウッド俳優=アメリカ人だけでなく、
アジア系の住民も富裕層・貧困層問わず存在していることを描きたかったようにも思えます。
>しかし、カーティスは最後に無理矢理働かされている子どもを救うため、列車を止めるためにその腕を歯車に差し込みました。
>カーティスはギリアムやエドガーたちと同じように自らを犠牲にして他者を救うことができ、人間としての尊厳を取り戻したのでしょう。
ここでカーティスが過去を乗り越えた形になったのきグッと来ました。
ギリアムは「女を抱きしめるときに必要だ」と言いましたが、
ヨミを爆発から護るために隻腕になったにも関わらず抱きしめたとき、
片腕でも抱きしめることが出来る=ギリアムがカーティスにかけていた期待以上のことをカーティスが成し遂げたように見えました。
いろいろツッコミどころは尽きませんが個人的にはなかなか楽しめる映画でした!
追記させてください。
東京も雪がすごいことになっていてリアルスノーピアサーな様相でした。山梨はもっとらしいですが。
当方のブログではまだ記事にしていないので、後日改めて色々書き込みたいと思いますが、やっぱり私好みな映画でした!
教えていただきありがとうございます!
> 最後尾の人はなんでこの状況で子ども産む
死に直面すると種の維持本能が働く、という説は実際にあります。
実例として、イラク戦争の際も、その直前には結婚が増加したという社会現象が起きています。
科学的にどうあれ、そうした行動原理が無ければ生物はとっくに滅びていたでしょうね。
> シロクマ
宗教映画的に読めば、最後に残った2人はリリスとアダム。
(エヴァはアダムの後に生まれたこと、アダムに相当するのがまだ幼い少年であることから、この場合は「リリス」と読むべきかと)
この作品自体、ひじょうに寓話的なことから、bear(熊)を動詞として解釈すると…、
「耐える」「負う」「支える」「生み出す」「担う」「苦しむ」「運ぶ」
…といった隠喩が浮かび上がり、何かぼんやりと見えてくるものがあるのですが、果たして。
ちなみにアナグラムとして解釈するとbare(裸、むきだし)という語も。
> 割と怖い光景
この演出は秀逸でした。
下手な化け物が出てくるより、よっぽど怖い。
> うそみたいだろ…これ列車なんだぜ…
イアン・リヴィングストンやスティーヴ・ジャクソンのゲームブック世代の自分には割と当たり前の光景だった。
(ダンジョンの中がふつーにこの列車みたいな感じなもんで(笑))
せっかくなので1点補足。
>>・中盤の殺し屋は主人公たちよりも後ろの車両の人たちを殺し>>て行ったけど、今までどこにいたの?
>革命進み過ぎ!という想定外の事態が発生しても後方の間引きと>いう自分の任務を貫徹するプロ意識の高い人だったのですよ!?
殺し屋は学校車両で卵を配っていたスキンヘッド男で、配りながら後ろに通過しました。学校の先生は通り過ぎたスキンヘッド男から意識をそらすためにマシンガンを乱射したものと思います。実際誰にも当ってないですし。
そしてスキンヘッド男は後部車両まで行き、卵に埋めておいた銃で乱闘後に捕虜になったマスクマン達を解放し、後部車両の掃討をしていました。
最後の2人はどちらも列車で生まれて、地面を踏んだことがない世代というところも色々と考えさせられますね。
正直生き延びられる気が全くしませんが。
ツッコミどころは多くても、かなり楽しめた作品でした。
おふたりの意見も追記させてください。
>実例として、イラク戦争の際も、その直前には結婚が増加したという社会現象が起きています。
死を感じると性欲が増すというのは知っていますが、こういう現象があったとは・・・
>殺し屋は学校車両で卵を配っていたスキンヘッド男で、配りながら後ろに通過しました。学校の先生は通り過ぎたスキンヘッド男から意識をそらすためにマシンガンを乱射したものと思います。実際誰にも当ってないですし。
スキンヘッド男はわかるんですけど、もう一人の男(ライフルで撃ったり、サウナで戦ったやつ)がわからないのです。
ご指摘感謝です。
ライフル&サウナのタフガイは、マスクマン乱闘の時に大統領の降伏で捕虜になりました。捕まりながらカーティスを睨んでるシーンがスローで強調されていたのは後の伏線だったのでしょう。
卵配りのスキンヘッド男に解放された後、別行動をとって追いかけてきました。
卵配り=弾配りってことで、実弾搭載の銃もここで入手しています。
以上、ご参考になれば。
>
> ライフル&サウナのタフガイは、マスクマン乱闘の時に大統領の降伏で捕虜になりました。捕まりながらカーティスを睨んでるシーンがスローで強調されていたのは後の伏線だったのでしょう。
> 卵配りのスキンヘッド男に解放された後、別行動をとって追いかけてきました。
> 卵配り=弾配りってことで、実弾搭載の銃もここで入手しています。
>
> 以上、ご参考になれば。
いやーありがとうございます!
そんなことも覚えていない(わかっていない)のですから恥ずかしいったらありゃしない。
このブログは読者のみなさんのコメントでできていると言っても過言ではないですね。