本当の自分 映画「キックアス2/ジャスティス・フォーエバー」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
個人的お気に入り度:7/10
一言感想:「親の心子知らず」だなあ・・・
あらすじ
キック・アスことデイヴ(アーロン・テイラー=ジョンソン)は、ヒット・ガールのミンディ(クロエ・グレース・モレッツ)に訓練をされる日々を送っていた。
しかし、ミンディは保護者のマーカスにヒーローをやめるように諭され、コスチュームを着なくなってしまう。
独自に自警活動をするデイヴは、元マフィアのストライプス大佐(ジム・キャリー)とともにスーパーヒーロー軍団「ジャスティス・フォーエバー」を結成する。
時を同じくして、元レッド・ミストのクリス(クリストファー・ミンツ=プラッセ)は新たに「マザーファッカー」として悪の活動をはじめていた。
カルト的な人気を誇った大傑作アメコミ・アクション映画「キック・アス」の待望の続編です。
<前作のレビュー>(外部リンク)(大いにネタバレ)
<前作のコミック版のレビュー>
前作は、日本では単館系の劇場での上映でした(時期も劇場によってバラバラでした)。
しかし、今回は全国のシネマコンプレックスで大々的に公開されています。
たくさんのファンがいたからこそ、このような公開規模となったのでしょう。
劇場で多くの方が「キックアス」を楽しめることが嬉しくて仕方がありません。
原作としているのは、コミック「Kick-Ass 2」と「Hit-Girl」です。


前作の魅力には、
①オタクな主人公がスーパーヒーローを目指すギャップ
②ヒットガールかっこういい
③ヒットガール可愛い
④ヒットガール超可愛い
などがありました。
本作でもそこはしっかり受け継がれており、要するにクロエ・グレース・モレッツ演じるヒットガールが超絶魅力的です。

前作のロリロリな見た目が気に入っていた方は、今回の(主に肩幅の)成長っぷりに戸惑うかもしれません。
でもこれはこれでアリです。
前作は見た目とギャップがありまくりな残虐性が際立っていましたが、今回は彼女のキャラクターの内面をじっくり描いて行きます。
本作のテーマとなるのは、「ヒーローに本当になるべきなのか」という葛藤です。
前作でもヒーローになったことでの「犠牲」や「しっぺ返し」が描かれていましたが、よりその部分がウエットに描かれているのです。
今回のヒットガールは保護者にヒーローをやめるように言われ、「普通」を目指そうとします。
特別な彼女に取って「普通」は難しいことであり、それは元々普通(ちょっとオタク)だったデイブがヒーローに憧れる想いと相対するものです。
この「普通」と「特別」にまつわるメッセージには、多くの方が共感できるのではないでしょうか。
基本的にアクション・コメディである本作ですが、人間ドラマとしても見応えがある出来に仕上がっていました。
さらに、本作には「子を想う親の気持ち」がドラマ部分にプラスされます。
デイブには警察官の親が、ミンディには同じく警察官の保護者が、敵のクリスにもボディガードの男が寄り添っています。
それぞれが子を大事に想う気持ちは、世の中の多くの親御さんにこそわかるものでしょう。
・・・なーんて大真面目なドラマ部分は添え物程度の魅力であり、多くの人が期待しているのはバイオレンスなアクションでしょう。
大丈夫、前作以上に血がブシュブシュ飛ぶ残酷描写がたっぷりです。
あらたに参戦する敵キャラもおり、中でも目を引くのは「マザー・ロシア」でしょう。

彼女の活躍は「とりあえず観ろ!」としか言えない破天荒ぶり&残虐なので、大いに期待してOKです。
音楽も相変わらずよかったですね。

前作のキャッチーさには一歩及ばないものの、クラシックのアレンジ曲はかなりハマっていました。
不満はなくはないです。
前作より格段に増えた登場人物を使えきれていないところがありますし、観終わったときの爽快感も前作ほどではなく、汚い下ネタがあるのも賛否ありそうです。
何より、前作にあった「ギャップ」の面白さがあまり感じられません。
前作では「オタクな主人公が本当のヒーローになる」という構図が抜群に面白く、また応援できるポイントなのですが、今回の主人公はまあまあリア充です。
トレーニングもつんでいるため筋肉はムキムキで、世間のオタク像からすれば「お前も遠くに行っちゃったなあ・・・」という感じるものです。
なんていうか、出来の悪い子が出世して彼女もできたけど、心のどこかで喜べない母親の気分になりました(よくわからない例え)。
しかし、前作が好きだった方は観て損はありません。
前作が「ダメな人がヒーローになるにはどうしたらいいのか」という物語とするならば、今回は「ヒーローで居続けるためにはどうしたらいいのか」という物語になっています。
キャラクターの成長と新たな葛藤を描く、正統派の続編として大プッシュでおすすめします!
エンドロール後におまけがあるので、最後まで観ましょう!
↓以下ネタバレです 観賞後にご覧ください。めっちゃ長くなりました。
~前作と同じシーン?~
映画のファーストシーンは、前作の「ヒットガールがビッグダディに銃で撃たれる」シーンのオマージュでした。
今回は、デイブ(キックアス)のほうがミンディ(ヒットガール)に撃たれるのです。<前作でもこんなシーンがあったよね
<マグナムを出してこの表情
デイブの「絶対にいやだ」にミンデイは「Fine」「OK」と返答するのですが、彼女はそれでも撃っちゃいます(しかも2回)
今回(今までも?)のヒットガールは相当に性格が悪そうです。
〜特訓〜
前作でキックアスは(Youtubeの動画のおかげで)人々から羨望のまなざしを向けられましたが、今回ではヒーローをやめてしまっています。
デイブは何もしないでダラケている自分に疑問を持ち、「続編をやるなら本気にならないと!」と一念発起します。
この台詞はメタ発言に思えるところですが、アメコミヒーローオタクの彼が言うとそうとは限りませんね。
デイブがそのために手助けを求めたのは、もちろんヒットガールことミンディです。
ミンディは「あなたはガキの遊びよ」とさらっと言ってのけます。
デイブは3週間ミンディにボコボコにされ続け、「痛みは強烈だが、(再びヒーローになる)目的に向かっているぞ」とポジティブに考えます。
相手がヒットガールなら、ボコボコにされること自体を目的とするマゾ男子はたくさんいるでしょうね。
〜死ぬVSガキのままでいること〜
ミンディは「最後の手段」としての注射を見せていました。
デイブが「死ぬのが怖くないのかい?」と聞くと、ミンディは「ガキのまま死ぬ方が怖くない?」と返しました。
「死ぬのを怖がっていたら死ぬ。パパは街を守れと誓わせたわ」
ミンディは、かつてのビッグダディのスーツをみながら、そうつぶやきました。
ビッグダディはヒットガールのたった一人の肉親でした。
その彼に言われたことは、「絶対」だったのでしょう。
デイブに「君のパパは正気じゃない(Insane)」と言われようとも、「パパは本物よ」と毅然と答えるミンディが、少し哀れに思いました。
〜ヒットガールの心の動き〜
ミンディは、デイブの「実戦」のためにポン引きの格好をさせてチンピラを釣ろうとします。
ポン引きどころではない派手な見た目のおかげで、早々に獲物は捕まえることができました。
しかしそこはヘタれなデイブ。一時は善戦するもののチンピラたちにボコボコにされちゃうのでした。
そこに現れたのは本物のヒーロー・・・もとい殺戮者のヒットガール。次々とチンピラたちを血祭りにあげちゃうのでした。
その場に警察もやってきたため、デイブはヒットガールを逃がします。
ここで登場したのは全身紫色のバイクでした。<All Purple
ツッコむのは野暮なのはわかっていますがツッコみます。目立ち過ぎだろ。
彼女の凶行が起こる先でこのバイクが隠してあったら、すぐに足がつきそうなもんです。
警察無線を傍受していたマーカスも、これがミンディの仕業ではないかと思い自宅に急行します。
ミンディはコスチュームのままなんとかベッドに潜り込んで、「熱が出て学校を休んだの」とマーカスにウソをつきますが、頬についた血のあとのせいであっさりとバレてしまいます。
マーカスは「ヒットガールは本当のお前じゃない」「お前は15歳だ。子どもとしての経験を積んでいない」「俺の話を聞け。今回のようなことを二度としないと誓え」と立て続けに言います。<この格好では何も言い返せない・・・
ミンディは「誓うわ」と答えるしかありませんでした。
〜ジャスティス・フォーエバー結成!〜
ミンディがその誓いをたてたこともつゆ知らず、デイブはネットで「ヒーロー仲間」を探していました。
仲間の第一号となったのは「ドクター・グラビティ」。教授というのは大ウソで、本業はコピーライターでした。
彼がチンピラに絡まれたとき、「明日チームの集会があるんだ」と言い訳をするのが面白かったですね。
キックアスもちゃんと得意(?)のトンファー術でチンピラを撃退しました。<でもこれは威力ゼロに近くない?
バットケイブのような通路を抜けた先には、デイブにって「人生最高の光景」が待ち構えていました。
「ストライプス大佐」の呼びかけのおかげもあり、仲間が一同に集まったのです。<これがメンバー
ちょっとそのメンバーをおさらいしてみましょう。
ストライプス大佐:元マフィア。ヒーローとして汚いことばを嫌う
ドクター・グラビティ:武器はバットにアルミを巻いただけのもの
ナイト・ビッチ:殺された姉の復讐を誓う。キックアスとトイレでヤッちゃう。でも実は常識人?
バトル・ガイ:正体はデイブの友達のマーティ
インセクトマン:ゲイであるためにいじめを受けており、自分を偽らないために今もマスクをつけていない
リメンバートミー(トミーズダッド / トミーズマム):息子・トミーの消息を探すためにヒーロー活動をする。
バトル・ガイが「オペラの帰りに両親を殺された」とウソ八百をほざくのが可笑しかったですね。この濃いメンバーなら気持ちはわかるけど。
おそらく、ナイトビッチの言っていた「殺された姉の復讐」というのもウソだったのでしょう。彼女はマザーファッカーたちの襲撃を受けた後、デイブに「現実に戻るときが来たのよ」と言っていましたしね。
インセクトマンとリメンバートミーの動機はウソじゃないように思います。
〜ストライプス大佐、ノリノリ〜
ジャスティスフォーエバーの面々はネットで未解決事件を探し、未成年者が監禁されている売春宿に目をつけます。
ストライプス大佐は「エホバの証人です!」と言ってドアを開けさせます。
その後彼が繰り出したのは、エホバの証人とはとても思えない体術でした(注:エホバの証人は格闘技の習得を避けています)。
仲間とともに売春組織を一網打尽にし、大佐は「俺たちはグッドガイさ!」とほざきます。
売春組織のリーダーに「お前たちは死人(Dead Guy)だ」と言われるも、大佐は犬に「タマタマ」を噛ませて喜びました。<うれしそう
ツッコむのは野暮なのはわかっていますがツッコみます。あんだけ汚いことばを嫌っていたやつが言う台詞じゃねえ。いや、「Ball」そのものは下品じゃないけどさ。
ナイトビッチはバンに少女たちを乗せ、隠してあった金も与えます。
かくしてジャスティス・フォーエバーの初仕事は大成功。大佐は「空」のピストルを茶目っ気たっぷりに仲間に見せるのでした。
〜ヒットガールの学園生活〜
ミンディは高校生の同級生たちと「お泊まり会」をします。
「ユニオンJ」「トワイライト」「チャニング・テイタム」といったワードに縁のない彼女は、「(ユニオンJは)オタクがスタン・リー」に憧れるようなもん?」と言っちゃいます。当然今時の若い女の子はスタン・リーを知りません。
「(米国で売られているドラッグの)バスソルト」を薦めようとしているあたり、健全な若い女の子ではありませんけどね。脱法であっても副作用や後遺症があるのでやっちゃダメです。
デイブはミンディがヒーロー活動をやめたこと、普通の生活を送ろうとしていること、それを保護者のマーカスと約束したことを知ります。
デイブは「約束をやぶってしまえよ」と心ないことを言いますが、ミンディは「見損なわないで」とすぐ近くにいた男の子をデートに誘いました。
ミンディはダンスの授業で、「戦闘をイメージした体術」を披露し、皆の喝采を浴びます。
しかし・・・そのことがむしろ引き金となり、彼女は「標的」にされてしまいます。
ミンディが誘った男の子が車で連れて行った先は、パーティなどしそうもない林の中でした。
男の子と同級生の女の子は、彼女をだました上に置き去りにしてしまったのです。
一人夜道を歩いたミンディは、部屋で寝ていたデイブのもとへ訪れます。
「私のロビンに会いたくなって」と言う彼女を抱き寄せ、彼はこう答えます。
「君は面白いし、賢いし、かっこういい。君はヒットガールだ。(殺すと言った彼女に対して)それはダメ。相手の得意分野で勝つんだ」
ここでデイブが言った「賢い」は、マーカスも言っていた彼女の優れた一面でした。
孤独であったようなミンディでしたが、彼女をわかってくれる人間がそばにいてくれたのです。
〜恐怖のゲロゲリ棒〜
ミンディはきらびやかな服を来て、学校に舞い戻ります。<似合っている
ここで「ミンディが男の子の人気を集めまくっていじめっ子にしっぺ返しをするんだな」と少しだけ期待しましたが、全然そうなりませんでした。
ミンディは「どんな服を着ていても私はスーパーヒーローよ」とドヤ顔で言った後、パパが国防研究所から借りたという通称「ゲロゲリ棒(訳監修:町山智浩)」で彼女らを殴ります。「マイノリティ・リポート」かよ!
当然ゲロゲロゲリゲリなことになり、ミンディはマーカスから外出禁止を命じられるのでした。
ていうか相手の得意分野で勝つんじゃなかったのかよ!殺害→ゲロゲリという譲歩(?)をしただけじゃねーか!
いや、いい服を着たがために注目を浴びさせてゲロゲリを皆に見せつけるという効果はあったのかもしれないけどさ(どっちにしろヒドすぎる)。
〜マザーファッカー誕生〜
キックアスとヒットガールの物語が交互に展開する最中、今回の敵となるクリスが悪に堕ちた顛末も描かれます。
キックアスに復讐を誓った理由は前作でパパを殺されたから、というのは想像通りだったのですが、クリスが「ママなんか死んじゃえー」と言いながら日焼けサロン機を蹴りまくったら本当にママが死んだのにはびっくりしました。「ファイナル・デッドコースター」かよ!
しかも新たなヴィラン(悪役)のマザーファッカーの衣装も、ママが持っていたSM道具を組み合わせたものでした。
SM道具の中にはア○ルプラグっぽいものもありましたが、さすがにあれは採用されなかったんでしょうねw<確かにこの衣装はSMっぽい・・・
マザーファッカーが最初にしたことは、その辺のお店での強盗・・・もとい、世間に広めるための破壊活動でした。
なんか棚にペプシの飲料がたくさんあって宣伝っぽいですが、たぶん気のせいです。
客のおじいちゃんに「銃の持ち方が悪いよ」と諭されたり、店内にカメラが無いと知るとキレたり、そのかわりにTwitterでツイートしようとするあたり、彼の器の小ささが見てとれます。
彼の一番ダメダメなシーンは、ナイトビッチへの拷問のために「しゃぶらせよう」とするけど、立たなくてフニャチンと言われるシーンで異論ないでしょう。
次点はボクシングをしてボコボコに負けた上に金を掴ませるシーンです(ちなみにここでチャック・リデルがカメオ出演しています)。
〜マザーファッカーと仲間たち〜
マザーファッカーもまた、キックアスと同じように軍団をつくろうとします。
その名も「毒々デカマン軍団」。
英語で言うなら放送禁止用語も入った「TOXIC MEGAC○NTS」。ヒドすぎんだろ。
マザー・ロシア:元KGB。女囚を食べたらしい。強すぎ。
アス・キッカー:キックアスのパクリ。正体はデイブの友達のトッド。
テューマー(腫瘍):(黒人への)人種差別的すぎるとボディーガードのハビエルにツッコミを受ける
ビッグ・トミー:小さいけど凶悪
チンギス・半殺し:(何したか覚えていない)
とりあえず先にツッコませて。マザー・ロシア以外ろくに活躍してないじゃん!
いや、ラストの乱闘では一応戦ってたけど、まったくピックアップされてなかったから印象に全然残っていないよ!
アス・キッカーも「捕まったのはデイブのお父さんだよ!」とマザーファッカーにチクる→あとでマーティを助けるだけでした。キックアスの偽物として悪いことをする展開を期待したのに、がっかりだよ!ていうか敵にチクったんだから、父が死ぬきっかけになったんだから謝れ。
味方では、せめて(途中退場してしまった)ストライプ大佐にもっとはっちゃけてほしかったです。
まあそれでもマザーロシアが銃ぶっ放したり、草刈り機を車に載せて突っ込まさせたり、車のドアをを素手でひっぺがしたりする描写だけも満足なんですけどね。<こんなやつに勝てねえよ
こいつターミネーターとでも互角の勝負ができるだろ。
しかし、「何の特殊能力も持たない人がヒーローになる」物語にこんな力を持ったキャラを登場させてしまうとは・・・ここは賛否ありそうです。
〜喪失と戦いの始まり〜
ノリノリで仲間とともに自警活動をしていたデイブでしたが、彼に悲劇が訪れます。
マザーファッカーたちにより、ストライプ大佐が殺され、ナイトビッチが痛めつけられ、デイブの父も拷問の末に殺されてしまったのです。
デイブは父の葬式で「ヒーローをやめた君が正しい。悪いのは僕だ」とミンディに胸の内を明かし、ミンディは抱きしめてくれました。
ヒーロー活動のために父を失ったのは、ミンディも同じなのですから。
ここでマザーファッカーたちの軍団が来襲します。
拉致されたキックアスを助けるため、ミンディはコスチュームに着替えることなくトラックの上から「GAME ON! C○CKSUCKER!」ということばとともに銃を撃ちはじめます!<おしゃぶり野郎!
マーカスに「汚いことばを言ったら罰金」と言われていたのに、何の効果もなかったですね。でも彼女はこれでよし。「SWEAR JAR(誓いの瓶)」はいっぱいになるどころか、罰金はカップに入れないといけないほどたまっていましたしね。
〜私はヒットガール〜
戦闘を終えたミンディは、マーカスに電話で話します。
「私が子どもだったときは一度として無いわ。一生の務めをパパはくれたの。探す必要なんて無いわ。私はヒットガールよ」
マーカスからは「普通になれ」と、デイブからは「ヒットガールに戻れ」と、正反対の訴えを聞いていた彼女でしたが、ここでは再びアイデンティティを手にしています。
そのアイデンティティは、愛する父から受け継いだものなのです。
それは何ものにも代え難い「本当の自分」なのでしょう。
〜クライマックス〜
再びコスチュームに身を包んだキックアスとヒットガールは、マザーファッカーたちのアジトに殴り込みます。
2人だけで乗り込んできたかと思いきや、彼らは「仲間」を呼んでいました。
ゲートが開くと、コスプレ・ヒーローたちが大量に待ち構えていたのです。<善VS悪
乱闘の中、リメンバートミー(夫婦)がお互いに助け合ったり、ドクター・グラビティが「重力装置」と称した刺をバットが出すのがよかったですね。アルミホイルで巻いただけじゃなかったんや。でも重力関係ないやん。
そしてはじまるヒットガールVSマザーロシア!
ヒットガールは殴られ、ナタも折られ、あまつさえ四の字固めを決められて大苦戦します。
頼みの綱の「最後の手段」も、反対にマザーロシアに注射されてしまいます・・・が、その中身はなんとアドレナリンでした。
ヒットガールは舞い上がるガラスを次々に手に取り、マザーロシアのいたるところへ刺しまくるのです!
ビッグダディは本当にこの注射を「死ぬため」のものとして渡していたんでしょうね。
それは実際には「娘が死なないため(もしくは拷問などで苦しまないため)の手段」だったのでしょう。
一方、キックアスは屋上で「これは大佐のぶん!これはナイトビッチのぶん!そして今のは父さんのぶんだ!」と北斗の拳の名台詞っぽいことを言いながらマザーファッカーを殴っていました。
一方マザーファッカーは「男のやりたいことだって?それはスカーレット・ヨハンソンとヤルことだよ!」とか言っていました。やっぱりこいつダメだ。
キックアスは屋上から落ちかけたマザーファッカーを助けようとします。
マザーファッカーは助けられることを望まず、「俺は悪のキリストになる」などと言いながら落ちました。
そこは水の入った水槽で運良く彼は助かった・・・と思いきや、中のサメがマザーファッカーを食べちゃうのでした。
サメがぐったりしていたのは、単純にお腹がすいていたからだったんですね。
〜正義よ永遠に〜
戦いに勝利したジャスティスフォーエバーのメンバーは、「これで終わりにする」名目での宣誓をしようとします。
ここでキックアスは、夕日を見ていたヒットガールを仲間に誘います。<これもどこかで見たようなシーン
これは、1作目でキックアスとヒットガールが出会った場所(正確には戦いの直後に一旦別れた場所)とそっくりです。
出会ったときと同じような場所で、再び「仲間」となるというのも運命めいたものを感じます。
ミンディを仲間に加え、一同は「ジャスティスフォーエバー!」と声を張り上げました。<正義は永遠! *画像は結成時のもの
これは死んだストライプス大佐への弔いでもあったのでしょう。
できれば、ストライプ大佐のつくった「JF」のロゴも、もう一度見てみたかったですね(それともどこかで登場していた?ご意見おまちしています)。
〜これって恋?〜
ミンディは6人のも人間を殺し、約束も破ってしまいました。
彼女はマーカスのところへは戻らず、一人で暮らすことを決意します。
バイクで去る前に、ミンディはデイブとキスを交わします。
その後の彼女の台詞は「私のファーストキスよ。笑ったらぶっ殺すからね」でした。
ここで秀逸なのは、デイブがちょっとだけ笑ってしまっていることですね。
もちろん(あれだけ殺人に躊躇のなかったヒットガールでしたが)本当に殺すことなんてしません。
それは、彼女にとって彼がロビン(相棒)であり、また自身を想ってくれる大切な人でもあったからでしょう。
ミンディには、デイブにほんの少し(それともかなり?)の「恋」の気持ちもあったのかもしれません。
そういえば、若い女の子たちに流行りのアイドルのビデオを見せられたときはミンディは「変な気持ち」になっていましたし、デイブが着替えときの上半身を見てドギマギしていたこともありましたね。
身もふたもないことを言えば、それは「性欲」と隣り合わせの気持ちだったのかもしれません。
それにしても、父を失ったミンディが、また独りきり(のヒーロー)に戻ってしまうとは・・・
次回作で幸せになってほしいです。
〜ヒーローとして〜
デイブは最後にこうナレーションで告げていました。
「僕は自分の人生を描いた。
締めは必然的に終わった。
現実にはヒーローは存在しない。
だが、本当に悪を退治するヒーローが必要だ」
このナレーションとかぶさるように、マスクを外したドクターグラビティ(だよね?)はひったくりをした犯人を捕まえようと走り出していました。
デイブの真意は、敵の本拠地に向かう前にも提示されています。
「苦しみを善良な心に変え、善行をする。
自分の人生を生きていたんだ」
ヒーローとしての善行をし、自分のアイデンティティを守ることは、彼にとっての揺るぎない価値観です。
しかし、デイブはヒーロー活動をしたことで、父やナイトビッチが言ったような「現実でのしっぺ返し」を受けました。
それは愛する人の命を奪うほどのものであったのです。
ではどうすればいいのかー
「本当に悪を退治するヒーロー」は、自分のアイデンティティにためなどではなく、苦しみを知った上で人に善いことをしてあげられる者なのかもしれません。
〜親の気持ち〜
それにしても、親が子に想う気持ちがありありと見えた映画でしたね。
【デイブの父】
・息子がクスリをやっていないかと心配する
・息子の正体がキックアスだと知ると「クスリよりも悪い」と言う
・デイブの代わりに警察に捕まったとき、デイブに「お前も親になったらわかるさ」と言う
(これらの父の行動に、デイブは葬儀で「僕を正しい道へ導こうとしてくれた」とつぶやく)
【マーカス(ミンディの保護者)】
・殺人者のヒットガールに戻ってほしくない
・普通に生きてほしい
【ハビエル(クリスのボディーガード)】
・クリスの母が死んだ後には「これからは自分の道を行け」と諭す
・クリスが悪行をしているのを止めないまでも快く思っていない
注目すべきは、3者の親が3者とも子どもに「普通」を望んでいることです。
しかし、子どもは普通なんて望まない。
「特別」を信じてヒーロー(またはヴィラン)になろうとする。
なんとも「親の心子知らず」です。
しかもデイブとミンディは、「特別になるな(ヒーローになるな)」という誓いを破ってまで、特別なヒーローになろうとしました。
2人にとってアイデンティティを取り戻すきっかけになり、デイブにとってはヒーローの定義そのものを見つめ直す結果になったとはいえ、やはり親の気持ちを考えると素直には喜べません。
前作では「ヒーローが人を殺す」後味の悪さがありましたが、今作では「子が特別になりたいがための犠牲が多すぎた」という後味の悪さを感じます(いい意味での後味の悪さです)。
その「子の特別になりたい望み」が暴走したのが、クリス(マザーファッカー)というキャラクターでしょう。
〜クリスの親〜
彼は父親を殺されたばかりか、母を(事故で)殺し、金をいいように使っていました。
さらにボディガードのハビエルは囚人のおじの命令により殺されてしまいます。
クリスは「お前がたった一人の家族だ、そばにいてくれ」とハビエルに伝えていたのに・・・
彼はハビエルが殺されたとき、「感謝する。本当に大切なものを教わった」と言います。
彼は「本当の悪」になることをこのときに誓ったのでしょうが、内心では怒りもあったのではないでしょうか。
悲劇的なのは、そのことを彼に教えてあげる人間が一人もいなくなったことです。
ハビエルにも(デイブの父のような)何を犠牲にしても子を守りたいという気持ちが足りなかったのかもしれません(金で雇われているし)。
ときには、親の言うことを聞いてみるのがいいのかもしれません。
「普通」になることも、人生では堅実的な選択です。
冒頭でわめいていたクリスの母でさえ「お前には普通に生きてほしい」と言っていましたしね。
〜エンドロール後〜
まあこんだけクリスの悲劇について書いてきましたが、彼はサメに食われたはずなのに生きていました。
足とタマタマは食われたようですが、看護師を叫びながら呼び寄せているあたり性格は変わってなさそうですね。
彼の改心する姿を見たいような、見たくないような・・・どうせならそのままヘタれな悪の道を突き進んでほしいところです(今までの流れが台無し)。
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それにしても風邪をひかれたとは、大変だ!
お大事にしてください。
風邪の時はポカリが体にいいですよ。
けっこう効きました!ありがとうございます。
特に親達の死が堪えました。ビッグダディは覚悟の上の死でしたが、デイブの父とクリスの母は暴力の中でただただ我が子を守りたいだけでしたし、ハビエルも苦言呈しながらもクリスの為に尽くしてましたから。クリスの叔父はアレはアレで彼の為を思っての事でしょうか(縄張りをメチャクチャにされたくないだけかもしれませんが・・・)
>マザー・ロシア
ヒット・ガールと並んで本物超人級でしたね・・・(ハルクやソーは無理でも、キャップやアイアンマンとならガチで戦えそう・・・)
ストライプス大佐も不意を突かれなければ相当な猛者だったのでしょうけど、もっと活躍して欲しかったです。ブラック・デスもボクサーなのでけっこうやれる方だと思いますが・・・
>今回の主人公ははじめからけっこうリア充
に成りきれてない所が良かったです。前回では天使だった(原作では・・・)のケイティとちゃんと復縁出来たか心配です(アメリカでは高校三年生が一年生と付き合ってもロリコンですか、私の高校時代のリア充グループは中学生や大学生とも付き合ってましたけど・・・)
>健全な若い女の子ではありませんけどね。
その後のイジメとか、リア充ってなんだろう・・・と非リア充は考えてしまいます。
(マーカスもこんな友達紹介するなよ・・・)
>日焼けサロン機を蹴りまくったら本当にママが
なぜか「麦子さんと」を思い出しました。感情に任せて大した事な無いと思う程度の暴力を振るったら大惨事に!けっこう有ると思います。気を付けたいですね・・・
>ビッグ・トミーAKA腫瘍(ザ・トゥーマー)
二人は同一人物で「ビッグ・トミー」がスカウト前の通り名で「ザ・トゥーマー」が「毒々デカマン軍団」入りした後のヴィランネームだったかと記憶しています。
>それは最後にドクターグラビティが教えてくれました。
「クロニクル」のマットのその後が浮かびました。
マスクも超能力も無くても皆が「人間侮辱罪」に見て見ぬふりも泣き寝入りもしない世界にしたいです。
>〜エンドロール後〜
きっと「英語がわからない闇医者にすっげえ義足をつけてもらった。以上だ!」と復活するのでしょうね!
後味の悪さは前作以上ですよね・・・
> >今回の主人公ははじめからけっこうリア充
> に成りきれてない所が良かったです。前回では天使だった(原作では・・・)のケイティとちゃんと復縁出来たか心配です(アメリカでは高校三年生が一年生と付き合ってもロリコンですか、私の高校時代のリア充グループは中学生や大学生とも付き合ってましたけど・・・)
たしかになりきれてはいなかったですね。訂正します。
pervertは変態って意味なんだけど、確かにあの状況だとロリコンと訳するのは合っています。
あの年の差でロリコンというのも確かに酷かもしれません。ていうかデイブは彼女に振られたまま・・・
> >ビッグ・トミーAKA腫瘍(ザ・トゥーマー)
> 二人は同一人物で「ビッグ・トミー」がスカウト前の通り名で「ザ・トゥーマー」が「毒々デカマン軍団」入りした後のヴィランネームだったかと記憶しています。
そのとおりです!お恥ずかしい、訂正します。
> >それは最後にドクターグラビティが教えてくれました。
> 「クロニクル」のマットのその後が浮かびました。
> マスクも超能力も無くても皆が「人間侮辱罪」に見て見ぬふりも泣き寝入りもしない世界にしたいです。
> >〜エンドロール後〜
> きっと「英語がわからない闇医者にすっげえ義足をつけてもらった。以上だ!」と復活するのでしょうね!
土竜の唄お気に入りなんですね(点数低くしてすみません)。
毒親の育ちさんの感想はいつも参考になるので、楽しみにしております。ありがとうございます(全部返せていなくてごめんなさい)。
キャストは白人系と黒人系の違いがあり、海外版のWikiにも乗っているので間違いは無いかと。
http://en.wikipedia.org/wiki/Kick-Ass_2_(film)
https://www.google.co.jp/search?q=Daniel+Kaluuya&rlz=1C5CHFA_enJP561JP561&oq=Daniel+Kaluuya&aqs=chrome..69i57&sourceid=chrome&espv=210&es_sm=119&ie=UTF-8
https://www.google.co.jp/search?q=Andy+Nyman&rlz=1C5CHFA_enJP561JP561&oq=Andy+Nyman&aqs=chrome..69i57&sourceid=chrome&espv=210&es_sm=119&ie=UTF-8
ブラックデス→中盤でボクシングで戦った男
テューマー→チビだけど凶暴なやつ
かな?
ご意見お待ちしております。