ありのままで 映画「アナと雪の女王」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
個人的お気に入り度:8/10
一言感想:これぞ「ミュージカル」のディズニー映画!
あらすじ
エルサとアナは仲良しの姉妹。だが、エルサは自身の氷の魔法の力によりアナを傷つけてしまう。
秘密を隠したまま成長したエルサは、王女として即位をしても力を隠そうとしていた。
しかし、アナとの衝突から、その力は再び発現してしまうのだった。
(様々な意見をいただいたのでネタバレ部分に追記をしています、ありがとうございました!)
「昔のディズニーが帰ってきた!」
この映画で、自分はそう思いました。
なぜなら、魅力的な登場人物、ファンタジーならではの映像美、物語の本質が古き良きディズニー作品そのものであり、なおかつミュージカルを全面に推し出した作品であったからです。
「ターザン」以降、業界は3Dアニメが主体となり、ディズニーもミュージカルを一時的に封印していました。
「アトランティス」は非ミュージカル作品でしたし、「魔法にかけられて」ではミュージカルを茶化していましたし、「プリンセスと魔法のキス」はミュージカル作品であってもジャジーでファンキーな音楽が多く、「塔の上のラプンツェル」もミュージカルを全面に押し出した作品ではありませんでした。
しかし、「アナと雪の女王」では、ミュージカルが映画の主役と言ってもよいほどのものになっています。
予告でも流れていた「Let It Go」だけでも、そのことは感じとれるでしょう。
その歌詞は登場人物の心情を観客に伝え、感情の入った歌い方は物語を彩るー
これこそがミュージカルの面白さであり、「白雪姫」「ノートルダムの鐘」「美女と野獣」にあった感動ではありませんか!
アラン・メンケンのスコアとは違うポップな楽曲ではありますが、ディズニー映画が好きな自分はこれだけで嬉しいのです。
輸入版のサントラは豪華2枚組。作中の楽曲に聞き惚れた方には必携です。
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さて、本作はアンデルセンの童話「雪の女王」が原作とされていますが、物語は完全に別物です。(日本のアニメ「聖闘士星矢」に酷似していることは置いておいて)ほぼオリジナル作品と言ってよいでしょう。
物語にほんの少しの味付けと効いているのは、同じくアンデルセンの童話「雪だるま」でした。
物語のテーマは「愛」という普遍的なものです。
それだけであれば凡百の映画で描かれたことではありますが、本作はそこをちょっとひねっています。
冒険物語としては王道でも、「意外性」というスパイスも加えた物語は大いに楽しむことができました。
登場人物もとても魅力的です。
本作の主人公は、明るく活発な性格の妹「アナ」と、しっかり者の姉の「エルサ」のふたりです。


面白いのは、このふたりの関係が「姉妹あるある」であること。
姉はおてんばな妹をたしなめるのだけど、可愛い妹をついつい甘やかせてしまいます。
妹は姉のことが大好きなのですが、自分のことを邪見にする姉に不満を募らせます。
なんとも普遍的で、かつ愛おしい関係ではありませんか!
このために、子どもはアナにもエルサにも自分を投影しやすくなっています。
親御さんも「妹のあなたは、アナのようにお姉ちゃんを大切にしなきゃね」などと映画になぞらえ、たしなめることもできるのではないでしょうか。
楽しい冒険を一緒に体験できることはもちろんですが、本作はぜひ家族で観てほしい作品であると感じました。
今の子どもがこれを映画館で観れば、きっと忘れられない思い出になるでしょう。
不満もあります。
多くの方が気になるであろうことは、展開が早すぎることでしょう。
序盤からダイジェスト感が否めず「えっ?」と驚いてしまいますし、終盤は登場人物の立ち位置を示す描写が省かれているように感じます。
突如「巻き」に入ったかのような違和感があるのは、明らかな欠点ではないでしょうか。
上映時間を延ばしてでも、もう少し丁寧な描写がほしかったところです。
伏線が生かしきれていないところもありますし、登場人物の背景も少し描写不足に思えました。
主人公が「なぜ」望まない状況にいるのかの詳しい説明がなく、モヤっとしてしまうのも惜しいところです。
日本語吹き替え版の評価も非常に高くなっています。
松たか子による歌声は世界で大反響を呼んでおり、神田沙也加もそれに負けていません。
さらには、エンディング曲は人気歌手のMay J.が吹き替えています。
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ディズニーのミュージカルは日本語で聞くとこっぱ恥ずかしくなるところもあったのですが、本作にその心配は無用でしょう。訳詞の苦労も納得です。
字幕版を観た方は吹き替え版を、吹き替え版を観た方は字幕版をもう一度観たくなるはずです。
また、本作は3D版を大プッシュでオススメします。
あたりに雪が降る描写はもちろん、映画のはじめかから3Dを生かしたシーンが用意されています。
「Let It Go」を歌うシーンも、今までの予告編では体験できなかった3Dで観ることで感動も大きくなるでしょう。
3Dをおすすめしたい理由のもうひとつが、本編と同時上映の短編「ミッキーのミニー救出大作戦」があることです。
「いやいや、白黒の古い感じの映画じゃん、3Dとかないじゃん」と思わせますよね?
でも3Dがものすごく効果的な作品であったのです。なぜなのかは、ぜひ劇場で確認して観てください。
デート・ムービー、ファミリー・ムービーとして大・大・大推薦できる作品です。
もはや物語の不満なんて、たいした問題ではないです。
キャラの可愛さ、ミュージカルの素晴らしさ、ビジュアルの美しさ、それらはもう満点の出来なのですから。
「いい映画を観た」と万人が思える作品です。絶対に映画館で観ましょう!
エンドロール後にもおまけがありますよ。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
〜ミッキーのミニー救出大作戦〜
同時上映の短編は「蒸気船ウィリー」の続編のような内容かな?と思っていましたが・・・ビックリしました。
キャラクターが突如スクリーンから飛び出し、フルカラーの3Dアニメへと変化をするのです。
スクリーンから飛び出したミッキーたちは、スクリーンに残されたピート(悪役)からミニーを救うために、あの手この手を使います。
スクリーンに穴をあけて排水したり、スクリーンごと回して翻弄したり、ひっくり返してサボテンの上に落としたり。ピートが可哀想になってくる勢いでした。
笑ったのは、iphoneの着信音が聞こえてきて、思い切りミッキーがiphoneで話しはじめることでした。夢の国の住人がそんなの使うなよ!
そう言えば、「未来のお通りだ!」「来週まで吹っ飛ばすぞ!」と言っていたのはなんだったんでしょうね?
まあこのアニメが1週ごとに放送しているものだという、単なるメタ発言なのでしょうけど。
*まず、本編の野暮な不満点について書きます。
*以降の動画は公式のもののみを貼っています。
〜野暮な不満点〜
そもそも、エルサが魔法の力を持った理由が明らかにされていないのは気になりました。
「塔の上のラプンツェル」「ノートルダムの鐘」「美女と野獣」では、主人公がその状況になったのは明確な理由があるのに、本作ではそれが全くないのです。
*以下のご意見をいただきました
この作品は初期から色々と話が変更していったのでちょっと説明がはぶかれてるシーンもありましたよね。
サントラに入ってたデモ曲ではエルサちゃんの魔法はトロールたちの悪い予言とされていたとか言ってますし…!(結局採用されなかった設定ではありますが)
私的には、アナちゃんをトロールたちのところに連れていく際にお父さんがすぐ本棚から地図を出して出発していったので、代々家系で伝わる隔世遺伝のようなものかなと勝手に想像していました。
序盤はダイジェスト感が否めず、特に母と父が亡くなるシーンがあっさりと描かれていたのは残念でした。
テロップで「3年後」と出てくるのですが、それ以前にもアナとエルサが成長しまくっているのに、こちらにはテロップが無いのも気になります。
*プロローグと本編の切り替えのためにあるのでは?という説もあります。
映画の終盤、周りの人々がいつのまにか状況を理解しているのもどうかと思いました。
あの次点でハンス王子はまだ善人だと思われているんじゃないのかな?ハンスにストレートパンチを喰らわしたアナ(このシーン自体は大好き)が賞賛されるのは違和感がありました。
ほかにも終盤にミュージカルがなかったり、話のスケールが小さいことも賛否ある点かもしれませんね。
*以降から「愛さえあれば(Fixer Upper)」まで、格項目は作中の曲のタイトルになっています。
〜氷の心(Frozen Heart)〜
男たちが池に張った氷を切り出すシーンから映画ははじまります(3Dでノコギリが飛び出てきたので、ギョッとしました)。
楽曲「Frozen Heart」の歌詞にはこうありました。
「Beautiful! Powerful! Dangerous! Cold!
Ice has a magic, can't be controlled.」
美しく、力強く、危険で、冷たい。氷は魔法を持っており、それは制御できない。
これは、エルサの持つ氷の魔法を指していたのでしょう。
歌は「氷の心に気をつけろ」で締めくくられます。
氷の心とは、エルサの力だけでなく、本性を現したハンス王子のことも指していたのでしょう。最後にアナもハンス王子に「あなたこそ氷の心よ」と言っていましたしね。
〜 雪だるまつくろう(Do you want to build a snowman?)〜
幼いころのエルサは氷の魔法を使い、アナを楽しませてあげていました。
しかし、事故によりエルサの魔法はアナの頭を直撃してしまいます。
トロールの助けもありアナは一命を取り留めましたが、それと引き換えにアナはエルサの魔法の記憶を失います。
エルサはアナを守るため、彼女を避けるしかありませんでした。
エルサの部屋の扉の外で、アナは「Do you want to build a snowman?(雪だるまつくらないの?)」と寂しそうに歌いました。
アナは事情を知ることなく、ただただエルサが自分を拒絶することを寂しく思っていました。
ふたりの両親は船の事故に巻き込まれてしまいます。
たったふたりきりになったアナとエルサは成長し、戴冠式のためにお城でパーティーを開くことになります。
〜生まれてはじめて(for the first time in forever)〜
アナはエルサの戴冠式を心より喜び、「生まれてはじめて」のことに感動します。
「もうひとりではない」「いろんな人に会えるかも」と・・・
しかし、エルサの想いはそれとは正反対です。
窓が全て開き、お城が開放されても「誰にも会いたくない」「隠していかなければ」と・・・
*ちなみにこのシーンでラプンツェルが出演しています。
*ほかにもシュガーラッシュの舞台や誰がわかるんだかわからない隠れミッキーも登場しています。
*絵画のフラゴナール「ぶらんこ」が元ネタとなっている画もありました。
そんなふたりは、チョコレートの素敵な香りをかいでクスクスと笑い合ったりします。
エルサはアナにさえも秘密を話せないでいましたが、本当は仲良しのままなんですね。
〜とびら開けて(love open the door)〜
アナは「私の人生は自由になった」と喜び、ハンス王子は「僕は居場所を探している」と彼女を求めます。
ハンス王子は出会ったその日にアナに求婚し、アナもイエスと答えました。
妹と違って落ち着きのあるエルサは、アナがハンス王子と出会ってすぐ婚約したという事実にはさすがについていけませんでした(当たり前だ)。
アナに手袋を外されたエルサは、混乱したまま氷の魔法を使ってしまいます。
フィヨルドの一面が凍ってしまい、エルサはそのまま逃げ出してしまいました。
〜Let It Go〜
エルサは走った先で、「これでいいの(Let It Go)」と歌いはじめます。
魔法でつくり上げたのは、孤独なままでも生きている場所「氷の城」でした。
エルサは「寒さなんて平気よ!」と言い放ち、扉を閉めます。
彼女の言うとおりこれで「これでよかったのか」と問われれば、違うでしょう。
後にアナも「孤独が好きな人なんて、あなた(クリストフ)だけよ」と言っています。
孤独なままで、いいわけはありません。
〜トナカイのほうがずっといい(Reindeer(s) Are Better Than People)〜
エルサを追うアナは、「オーケンの石」というお店にたどり着きます。
そこで出会ったのは、氷売りを生業とする青年クリストフと、その相棒のトナカイでした。
あたりはエルサの力により雪景色になってしまいましたが、店主は頑にサマー・セールを続行しようとしていました。需要があるはずの冬のグッズは全く充実していません。
商売あがったりなクリストフも気の毒ですね。
道具が買えずにクリストフは店を追い出されます。
「トナカイは人間よりえらいだろ?」と皮肉っぽくいう彼でしたが、相棒のトナカイ・スヴェンを大切に思っていたのは事実のようでした。
アナは彼らに道具とニンジンを買ってあげて、すぐさま北の山へ移動するように頼みます。
このニンジン、後に雪だるまのオラフの鼻になるんですね。
〜憧れの夏("In Summer" song)〜
クリストフは、アナが出会ったその日に結婚しようといたことに呆れて「そいつは自分の鼻ク○を食べる奴かも知れないぞ」と言っていました。ディズニー映画でなんていうこと言うんだwでもそれは正しいね。
アナとクリストフはオオカミたちに追われ、ソリを失ってしまいます。
その先で出会ったのは、陽気な性格をした雪だるまのオラフでした。
オラフは暑い夏を経験していないと告げ、夏の憧れを歌います。
観客は総ツッコミを入れるでしょう。溶けるだろと。
クリストフが「真実を・・・」「誰かが教えてあげないと」とつぶやいているのがおかしかったですね。いいやつなんだなクリストフ。
〜生まれてはじめて(リプライズ)〜
アナたちは氷の城へたどり着きます。
エルサは自身の力が王国を凍らせてしまったことを知り、失意に沈みます。
アナはエルサを説得しようとしますが、エルサはまたも拒絶します。自身にも、どうしたら力を制御できるかわからないのです。
アナたちは雪でできた怪物に襲われ、一旦その場を去るしかありませんでした。
クリストフに「やめとけ」って言われているのに、ムキになって雪玉を怪物にぶつける(ダメージ0)アナが可愛かったです。
〜愛さえあれば(Fixer Upper)〜
クリストフは「愛の専門家」であるトロールたちのところへ案内します。
オラフが、岩に話しかけているようにしか見えないクリストフに「あいつイカレている」と言い、こそこそとアナに「スキを見て逃げろ」と助言するのがおかしかったですね。
トロールたちはアナとクリストフにいきなり「結婚しろよ」と言い、アナに婚約者がいると知ると「婚約者を追っ払え」とほざきます。本当にこいつら愛の専門家かよ。まあ正しかったんだけどさ。
アナの心臓は、エルサの魔法を受けたために弱り切っていました。
彼女を救えるのは「真実の愛」のみ。クリストフはハンス王子のところへ出発します。
〜愛のかたち〜
王国に戻ってきたアナは、「キスをして!」とこれまた単刀直入にハンスに頼みます。
しかし・・・ハンスはキスの寸前「ほかに愛する者がいればなあ」と言い放ちました。彼は、自身の出世のためにアナと結婚したかっただけなのです。
ハンスはアナを部屋に閉じ込めてしまいますが、そこに助け舟が現れます。
それは格好いいヒーロー・・・ではなくオラフでした。つーかよくニンジンでピッキングができるな。
アナは真実の愛とは何であるのかと疑問に思いますが、オラフがその答えを言ってくれました。
「愛とは、自分より他の人のことを想うことだよ!」
オラフは暖炉のすぐそばにいたために溶けかけていたのですが、彼は「アナのためなら溶けたっていい」と言いました。
この展開はアンデルセンの童話「雪だるま」がもととなっています。それもまた、愛です。
〜オラフはどこから生まれた?〜
ところで、オラフは唐突にアナとクリストフの前に現れ、なおかつ夏を経験していないと言っていました。
彼は今までどこにいたのでしょうか?
・・・と思ったら、エルサが「Let It Go」を歌うシーンで、しっかりオラフがつくられていました。<オラフ誕生の瞬間
子どものころにつくったオラフとは、また違う個体なのでしょう。
*アナとエルサの対比と、オラフについて以下のご意見をいただきました
アナちゃんとエルサちゃんの対比は考えれば考えるほど深くなって想像が膨らむばかりです笑
私は、アナちゃんは春夏(あったかい)、エルサちゃんは冬(寒い、冷たい)を表してる気がします。
そしてエルサちゃんの魔法は彼女の意思そのものだと思います。マシュマロー(雪の怪物)も「帰れ!」の意思の塊ですしね。
つまり彼女の魔法でうまれたオラフくんはエルサちゃんそのもの。
彼は夏に憧れて、共に過ごすことを夢見るスノーマンで、そこにアナちゃんと共に仲良く生きたいエルサちゃんの願いが表れてるのではないかと。
オラフはひとりで生きようと決意したときのエルサが生んだものです。
オラフは、本心では「共に生きたい」というエルサの想いが具現化したものなのかもしれません。
〜決着〜
クリストフはアナを探し、ハンス王子はエルサを殺そうとしていました。
アナは助けに来たクリストフの姿を見ても、ためらうことなくエルサのもとへと走り出していました。
ハンスがエルサに剣を振るった瞬間、アナがそこに立ちはだかりました。
アナはぎりぎりまで持ちこたえていましたしたが、ついに全身氷づけになってしまいます。
運良くハンスの剣を折ることができましたが、彼女は凍ったまま・・・に思われましたが、その魔法は解かれます。
なぜなら、アナもまた自分より他の人(エルサ)のことを想い、行動したからなのです。
本作にあるのは、そんな「自己犠牲」にも思える愛です。
しかし、映画では「犠牲」になんてさせません。
冬が終わり溶けてしまいそうなオラフにも、エルサは専用の「雪雲」をつくってあげます。
自分のことばかり考えたハンス王子や、エルサを殺して問題を解決しようとしていたウェーゼルトン公爵はしっぺ返しを受けました。
一方、アナ、エルサ、クリストフ、オラフはみんな自分より他の人のことを想っていました。
エルサが魔法を制御できるようになったのも、愛を知ったからなのでしょう。
愛さえあれば、氷の心だって溶かしてしまえるのかもしれません。
*自分はエルサがすぐに力をコントロールできることに違和感を覚えていました。このことについて、以下の意見をいただきました。
エルサが唐突に力をコントロールできるようになったのは、自分の力を愛すことができたからなんじゃないかなと思いました。
アナを傷付けるまではアナに触れても普通に出来ていたのに、それ以降は力を制御できなくなっていましたよね。それは自分が自分の力、ひいては自分自身を愛せなくなったからなのでは、と観ていて考えました。恐怖が身を滅ぼすというトロールの言葉は、自分自身の視点が自分の力に見る恐怖も含んでいたのではないかな、と。
でも2度も傷付けたアナに許されたことで、氷を溶かすには愛がいる、ということに気付けたエルサの、あの時の脳裏には楽しかった幼少の思い出が流れていたのではないかと思います。自分の力を、愛する人が認めてくれたから、じぶんも愛せた。みたいな話なのかなぁと。
アナは言うまでもなく今作で他者に対する「愛」を知っていますが、エルサもまた、自分に対する「愛」を見つけたように思います。それを踏まえてあのラストからのlet it goは私としてはグッと来るものがありました。許容は愛への一歩ですので。
自分本意で自己愛に溢れていたアナが他者に対する愛を学び、他者にばかり気を使って大切にしていたエルサが自分への愛を見つけた。その対比がまた、私には美しく見えました。
この他者への愛と自己愛というのは、二人の着ている服にも表れているように見えました。露出の多い服は自己愛、解放。露出の少ない服は他者愛、抑圧。のような。
とにかくこの映画は二人の姉妹の物語であり、二人の対比がすべてであるような、視聴後の感想でした。
〜姉妹愛〜
王子様のキスではなく、「姉妹愛」があってこその結末ということも大好きでした。
これはおとぎ話へのアンチテーゼでもあるのでしょう。
すぐに王子様と出会って、その日に結婚なんて、クリストフの言うように信用できないことです。
長年連れ添い、身を挺して守ってくれる家族の行動のほうがはるかに愛を感じられます。
ちゃんとアナのほうはクリストフ(王子様)とキスできており、需要(?)にもしっかり応えているのもよかったです。
エンドロール後には、エルサが投げ捨てた「ティアラ」を雪の怪物が頭につけるという可愛らしいシーンがありました。
〜Let It Go ありのままで〜
おもしろいのは、本作のハイライトシーンが「Let It Go(ありのままで)」でありながら、ありのままでいいと自己肯定をしているだけの内容ではないことですね。
前述のとおり、氷の城を造ったときのエルサは、このままでいいはずがないのですから。
大切なのは、自己をコントロールしながらも、幸せへの道を探すことなのでしょう。
エンドロールでは、再び主題歌の「Let It Go」が流れます。
曲調にはアレンジが加えられており、エルサの自信をあらわしたかのように、より力強い楽曲へと生まれ変わっていました。
英語版はデミ・ロヴァートが、日本語版はMay J.が歌っています。
エルサは秘密を打ち明けることができ、真実の愛も知り、孤独でもなくなりました。
彼女はこのとき、ほんとうの意味で「ありのままで」「これでいいの」と思ったに違いありません。
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字幕版を観てきましたが自分の観た劇場では吹き替え版を観に来た小さな子連も多く、皆様大好評でした!
姉妹の子達もけっこう居まして、エルサとアナのように仲良く育ってほしいです。
>展開が早すぎる
集中力が三十分しか持たないらしい子ども達(アニメ番組が三十分なのはこの所為らしいです)には勢いが無いと二時間は辛いのでしょうけど、大人には「もうちょっと落ち着いて!」と感じてしまいますね。でも、こうした作品の主賓はお子様方なのですから大人の我慢のし所でしょうか。
>日本語吹き替え版の評価も非常に高くなっています。
なんですってー!?正直「歌まで吹き替えるとか・・・」でしたが・・・うむむ。
>〜野暮な不満点〜
設定厨はオタクの悪い癖・・・と大人気無く思われるかもしれせんが、やはり目の肥えた大人は気になってしまいますよね・・・。
>「愛の専門家」であるトロール
「ムーミン」的な存在として描かれていましたね。北欧神話では食人もする凶悪な妖精なんですけど・・・。
>「婚約者を追っ払え」とほざきます。
やっぱり「邪悪な妖精」かも・・・
>〜愛のかたち〜
ハンス王子の正体には驚きました。生まれも育ちもセレブなお坊ちゃんよりも、貧しくとも誠実堅実な庶民の男の子・・・こそが現代の女の子の「理想の王子様」なのかな・・・と思ったり。
>〜決着〜
全ての正しい人には幸せが、私利私欲の為に人を欺き利用する愚か者には手痛い罰が、子ども達に見せられる因果応報が成させれていて大満足のハッピーエンドでした!
>エンドロール後には、エルサが投げ捨てた「ティアラ」を
彼もエルサに与えられた自分の使命を守っていただけなので報われて良かったです。
そうだったのですね!お恥ずかしい。ご指摘感謝です。
観た後の劇場で、小さなお子様姉妹が「私アナね!」とはしゃいでて、大好評だったみたいです。
歌のシーンがとても好きになりました。
「雪だるまつくろう」「ありのままで」大好きです。
>あの次点でハンス王子はまだ善人だと思われているんじゃないのかな?ハンスにストレートパンチを喰らわしたアナ(このシーン自体は大好き)が賞賛されるのは違和感がありました。
アナが生きていた=ハンスの嘘(悪人)と思えばありなのかなと思いますが、やっぱり後1~2シーン盛り上げてほしかったですね。特に歌シーンがあったらよかったですよね。
改めて3D字幕を観たいなぁ…と思っております。
> 『ミッキーのミニー救出大作戦』
これ、ディズニーが生きていたら、さぞかし作りたかった映画でしょうね。
個人的にディズニー・ミッキー黎明期のスラップスティクなアニメ作品は好きになれないのですが、これは大笑いしてしまいました。
> iPhone
ディズニーではありませんが、『ガリバー旅行記』(2010年、ロブ・レターマン監督)にも出てきたアイテムですし。(笑
> アンデルセンの「雪の女王」が原作だが…
原作は男の子を拉致監禁するおねショタな話と、その幼馴染を救い出そうとする少女の冒険譚だったと記憶していたけれどもなぁ。(だいたいあってるはずw
> 聖闘士星矢
そちらは知りませんが、自分はどことなくモーツァルトのオペラ『魔笛』を髣髴しましたね。
・魔女が登場し象徴的な独唱があること(『アナ雪』:エルサ/『魔笛』:夜の女王)
・物語の途中で善悪の立場が逆転すること(『アナ雪』:ハンス/『魔笛』:ザラストロ、夜の女王)
・相方が死に絶望するが直後に蘇ること(『アナ雪』:アナ/『魔笛』:パパゲーナ)
・光に満ち溢れることでラストを迎えること(『アナ雪』:夏が来る/『魔笛』:太陽が照る)
> 展開が早すぎる
最近の映画は、舞台設定に時間を掛けず、早く本題に入るものが多いですね。
『ドラえもん 新大魔境』もそんな感じでしたし『プリキュアオルスタ 永遠のともだち』はもっと超高速だった。(^^;;
> 日本語吹き替え版
名訳に感動しました。
ただ、「ありのままの姿見せるのよ」とか「少しも寒くないわ」とか、北欧やロシアに見られる雪中・寒中ヌーディズムの歌に聴こえなくもないなぁ…と前から気になっています。(そんな奴はシオンしかいねぇだろ)
誰かヌーディズムビデオでMADを作らないかなぁ。(ぁ
などと思っていたら店が出てきてサウナでおじさんと男の子たちが。
そっちで来たかと、ヌーディズムビデオも色々観ているシオンは妙な納得。(何
> ♪生まれてはじめて
長調のアナと、並行短調のエルサのデュオが両者の置かれている違いを表していてよかったです。
ちなみにチョコレートのアレは見えませんでしたが、矢鱈とチョコレートの話が振られるので恐らくそうなのだろうなぁとは思っていました。
ミッキーのは、絶対にわからんです。
> ハンスにストレートパンチ
確かに周囲がそれを知っているのはおかしいかもしれませんが、観客的にはスカッとする場面ですね。
アナを傷付けるまではアナに触れても普通に出来ていたのに、それ以降は力を制御できなくなっていましたよね。それは自分が自分の力、ひいては自分自身を愛せなくなったからなのでは、と観ていて考えました。恐怖が身を滅ぼすというトロールの言葉は、自分自身の視点が自分の力に見る恐怖も含んでいたのではないかな、と。
でも2度も傷付けたアナに許されたことで、氷を溶かすには愛がいる、ということに気付けたエルサの、あの時の脳裏には楽しかった幼少の思い出が流れていたのではないかと思います。自分の力を、愛する人が認めてくれたから、じぶんも愛せた。みたいな話なのかなぁと。
アナは言うまでもなく今作で他者に対する「愛」を知っていますが、エルサもまた、自分に対する「愛」を見つけたように思います。それを踏まえてあのラストからのlet it goは私としてはグッと来るものがありました。許容は愛への一歩ですので。
自分本意で自己愛に溢れていたアナが他者に対する愛を学び、他者にばかり気を使って大切にしていたエルサが自分への愛を見つけた。その対比がまた、私には美しく見えました。
この他者への愛と自己愛というのは、二人の着ている服にも表れているように見えました。露出の多い服は自己愛、解放。露出の少ない服は他者愛、抑圧。のような。
とにかくこの映画は二人の姉妹の物語であり、二人の対比がすべてであるような、視聴後の感想でした。エルサが急に力を制御できたのが不思議という言葉に?となり、長々と失礼しました。
> アナを傷付けるまではアナに触れても普通に出来ていたのに、それ以降は力を制御できなくなっていましたよね。それは自分が自分の力、ひいては自分自身を愛せなくなったからなのでは、と観ていて考えました。恐怖が身を滅ぼすというトロールの言葉は、自分自身の視点が自分の力に見る恐怖も含んでいたのではないかな、と。
> でも2度も傷付けたアナに許されたことで、氷を溶かすには愛がいる、ということに気付けたエルサの、あの時の脳裏には楽しかった幼少の思い出が流れていたのではないかと思います。自分の力を、愛する人が認めてくれたから、じぶんも愛せた。みたいな話なのかなぁと。
>
> アナは言うまでもなく今作で他者に対する「愛」を知っていますが、エルサもまた、自分に対する「愛」を見つけたように思います。それを踏まえてあのラストからのlet it goは私としてはグッと来るものがありました。許容は愛への一歩ですので。
> 自分本意で自己愛に溢れていたアナが他者に対する愛を学び、他者にばかり気を使って大切にしていたエルサが自分への愛を見つけた。その対比がまた、私には美しく見えました。
> この他者への愛と自己愛というのは、二人の着ている服にも表れているように見えました。露出の多い服は自己愛、解放。露出の少ない服は他者愛、抑圧。のような。
>
> とにかくこの映画は二人の姉妹の物語であり、二人の対比がすべてであるような、視聴後の感想でした。エルサが急に力を制御できたのが不思議という言葉に?となり、長々と失礼しました。
ご意見感謝です。確かに唐突に感じたのは自分くらいのものなのかなあ・・・という気がしてきました。
そのまま追記させてください。
でもこの考察を言ってたら長すぎてはいはい、って聞き流されちゃいました笑
長々としたお話を最後まで読んでいただき、共感してもらえたみたいで、ありがとうございます。
たかがアニメと思わない方が良い 幸せをかんじる映画です 沖縄で満席でした
おすすめします
アナと雪の女王すごいおもしろかったです^^
この作品は初期から色々と話が変更していったのでちょっと説明がはぶかれてるシーンもありましたよね。
サントラに入ってたデモ曲ではエルサちゃんの魔法はトロールたちの悪い予言とされていたとか言ってますし…!(結局採用されなかった設定ではありますが)
私的には、アナちゃんをトロールたちのところに連れていく際にお父さんがすぐ本棚から地図を出して出発していったので、代々家系で伝わる覚醒遺伝のようなものかなと勝手に想像していました。
アナちゃんとエルサちゃんの対比は考えれば考えるほど深くなって想像が膨らむばかりです笑
私は、アナちゃんは春夏(あったかい)、エルサちゃんは冬(寒い、冷たい)を表してる気がします。
そしてエルサちゃんの魔法は彼女の意思そのものだと思います。マシュマローも「帰れ!」の意思の塊ですしね。
つまり彼女の魔法でうまれたオラフくんはエルサちゃんそのもの。
彼は夏に憧れて、共に過ごすことを夢見るスノーマンで、そこにアナちゃんと共に仲良く生きたいエルサちゃんの願いが表れてるのではないかと。
となるとオラフくんのあいさつ"I'm Olaf. And I like warm hugs!"は最後のぎゅーに繋がるのかなと。
エルサちゃんはずっとアナちゃんにあたたかいハグがしたかったしされたかったのかなぁなんて…
深読みしすぎですかね^^;
ついでに、アナちゃんが生まれてはじめてを歌っているシーンで出てくるブランコの絵画(途中でアナちゃんが真似してる)は元ネタがあり、その元ネタはラプンツェルちゃんのコンセプトアートとして使用されたことのあるやつなのですが、ラプンツェルちゃんとの関わりがちょちょこあるのが気になる…
すみません!ブログのほうがとても面白くてつい長々とコメントしてしまいました…!
長文&駄文失礼しました!
面白い解釈ですね。作中でそのようなキャラクターがいればより説得力があったかもしれません。
> サントラに入ってたデモ曲ではエルサちゃんの魔法はトロールたちの悪い予言とされていたとか言ってますし…!(結局採用されなかった設定ではありますが)
そうなんですね!情報ありがとうございます。
> 私的には、アナちゃんをトロールたちのところに連れていく際にお父さんがすぐ本棚から地図を出して出発していったので、代々家系で伝わる覚醒遺伝のようなものかなと勝手に想像していました。
確かにそのようなシーンもあった!
家族は知っていたんでしょうね。
> アナちゃんとエルサちゃんの対比は考えれば考えるほど深くなって想像が膨らむばかりです笑
> 私は、アナちゃんは春夏(あったかい)、エルサちゃんは冬(寒い、冷たい)を表してる気がします。
> そしてエルサちゃんの魔法は彼女の意思そのものだと思います。マシュマローも「帰れ!」の意思の塊ですしね。
> つまり彼女の魔法でうまれたオラフくんはエルサちゃんそのもの。
> 彼は夏に憧れて、共に過ごすことを夢見るスノーマンで、そこにアナちゃんと共に仲良く生きたいエルサちゃんの願いが表れてるのではないかと。
オラフをつくっているのも、氷の城をつくって「これでいいの」と思っているときですものね。
> となるとオラフくんのあいさつ"I'm Olaf. And I like warm hugs!"は最後のぎゅーに繋がるのかなと。
> エルサちゃんはずっとアナちゃんにあたたかいハグがしたかったしされたかったのかなぁなんて…
> 深読みしすぎですかね^^;
いえいえ、そんなことないと思いますよ。
オラフはエルサの想いが具現化した姿なのだと思います。
> ついでに、アナちゃんが生まれてはじめてを歌っているシーンで出てくるブランコの絵画(途中でアナちゃんが真似してる)は元ネタがあり、その元ネタはラプンツェルちゃんのコンセプトアートとして使用されたことのあるやつなのですが、ラプンツェルちゃんとの関わりがちょちょこあるのが気になる…
小ネタもありますよね〜
> すみません!ブログのほうがとても面白くてつい長々とコメントしてしまいました…!
> 長文&駄文失礼しました!
ありがとうございます!適宜追記いたします。
あれだけ演技上手ければ誰も文句言わないだろうと思いました
自分はアニメで本職声優以外が起用されることに反対しませんがジブリは擁護できないからなぁ
CG技術半端なかったですが個人的にストーリーはラプンツェルのほうが良かったです
終わり方がイマイチだったので
クライマックスで姉妹の愛によって妹が助かるみたいな場面、「エルサ姉さん抱いてからそんな早くアナの氷溶けんの?!」とか、「クリストフ、お前は一体何だったんだ…」とか、いろいろと自分にとって消化不良なとこがちょっと目についてしまって…
どうせならアナもなんか実は力を持っていて姉さん助けるためにその力が覚醒…みたいなのがよかったんじゃないでしょうか
アナと雪の女王、僕もみました!面白かったですよねー!
そこで、一点だけ、僕の解釈をお話させてください。とても小さいことについてなんですがf^_^;)
ハンス王子をアナが殴った時、皆から歓声を受けたのは唐突すぎる、とのことでしたが、ハンス王子はその少し前に『アナ王女は死んだ。エルサ女王に殺されたんだ。』と、複数の部下や、他国の方に言っていました。その話を知ってた彼らが、実際にアナが生きているところ(死ぬ瞬間)を目撃し、ハンス王子の本性に気付いたから、あの時拍手をしたのかな?
と、勝手に解釈しております。
浅い解釈なので、ヒナタカさんの深い読み解きには及びませんが、参考にしていただけたら幸いです(*^◯^*)
アナ雪のDVDをみた者です。
記事面白かったです!確かに!って思うことが多々…。
ハンスが殴られてるのに賞賛する人々…
確かにおかしいですね!!
あと、思い出したのですが、ハンスはエルサたちに「アナは死んだ」と言ったのに、その後アナをみた人たち、誰も驚きませんでしたね〜