呪いをときたくて 映画「マレフィセント」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
個人的お気に入り度:7/10
一言感想:新感覚ツンデレ
あらすじ
ムーア国は人間のいる世界とは違い、みんな信頼で結ばれていた世界だった。
そこに住む妖精のマレフィセントは、ある日人間の男の子のステファンと出会う。
時が経ち、王となったステファン(シャールト・コプリー)の娘が生まれ、城では祝賀会が開かれる。
漆黒に衣装に身を包んだマレフィセント(アンジェリーナ・ジョリー)は、オーロラ姫に16歳から永遠の眠りについてしまう呪いをかけた。
なぜマレフィセントは呪いをかけたのかーその謎が明らかになる。
最近のディズニー作品はおとぎ話を皮肉るのがトレンドのようです。
「プリンセスと魔法のキス」では王子様なんか待たずに努力をするプリンセスが描かれ、「魔法にかけられて」ではプリンセスを現実の世界に登場させるギャップをギャグにして、「アナと雪の女王」では王子様とお姫様のものとは違う“愛”を描きました。
目の前の問題に立ち向かおうとする主人公の姿が描かれるのは、夢見るばかりではいられない現代の風潮を反映したものなのかもしれません。
本作「マレフィセント」が原作としているのは、ヨーロッパの童話・民話の「眠れる森の美女」をもととした1959年公開のアニメーション作品です。
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50年余りの時を超えて、本作では敵キャラクターのマレフィセントを主役に迎えました。
これも、いままでのディズニー映画の枠から外れた作品を作りたいという気概のあらわれなのでしょう。
断っておきますと、本作は“同じ物語を違う目線で描く”作品ではありません。
作品そのものを大胆に変え、新たな物語が構築されているのです。
マレフィセントは本作では“魔女”ではなく“妖精”。彼女の生い立ちをじっくり描くことで、悪役ながら感情移入ができるキャラクターに仕上がっていました。
自分はヤッターマンよりもドロンボー一味、ほうれんそうマンよりもかいけつゾロリのほうが好きなので、この“悪役を主役に迎える”という点でも本作が大好きになってしまうのです。
ちなみに、maleficentの意味は「有害な、悪事を行う」。彼女が本当に悪なのかは、映画を観終わればわかることでしょう。
マレフィセントを演じるアンジェリーナ・ジョリーはまさにハマり役。
その“笑み”の演技はさることながら、顔の輪郭まで再現していますから。


すばらしいのは、彼女がバリバリのツンデレっぷりを見せること。具体的にどういうツンデレ態度をとるのかは観てのお楽しみ。史上最高に萌えるアンジーを堪能できました。
もうひとりだけ魅力的なキャラをあげるのなら、カラスのディアヴァル(サム・ライリー)です。
彼はマレフィセントに仕える部下でありながら、彼女のツンデレ具合を見抜いていたりします。

また、本作は吹き替え版もまったく違和感がない出来のよさなので、お子様をお持ちの場合でなくても吹き替え版を選択してみることをおすすめします。
自分は吹き替え版の配役を知らなかったので、エンドロールでその配役に驚きました。
もうひとりの主人公・オーロラ姫役のエル・ファニングを演じるのは上戸彩、“3人の妖精”は福田彩乃がひとり3役をこなしています。

言われないとまず気づかないでしょう。芸能人が吹き替えをすることが嫌いな人にとっても、今回は問題なく観れるはずです。
2Dで観たのですが、本作には空を飛ぶシーンや、3Dを意識した画がそれなりにあるので3D版を観る価値は十分にあるでしょう。
「アバター」のスタッフによる美しい画だけで96分の上映時間を飽きずに楽しめるので、お子様にもおすすめできます(ただし意外と激しい戦闘シーンもあるので、あんまり小さい子だと泣いちゃうかも)。
本作で描かれるのは、いままでのディズニー映画とは少し違う“愛”です。
これは子どもよりも、むしろ大人のほうが共感してしまうものなのではないでしょうか。
これは「アナと雪の女王」でも描かれたこと。“愛”そのものの多様性を示す本作が大好きになれました。
難点は、後半の展開にそこそこ強引さを感じることでしょうか。
物語の整合性が気になる人に人にとっては大きなマイナスポイントになってしまうのかもしれません。
あと、シャルト・コプリー演じる王様は初登場時からちょっと老け過ぎかなあ……もう少し時間の経過を感じさせるメイクなりをしてもよかったのかもしれません。
デートや家族で観る映画のチョイスとしても文句なし、「アナと雪の女王」が好きな方にとっても観て損はないでしょう。すてきなおとぎ話が観たい人はもちろん、男女の愛に「ケッ」と思ってしまうひねくれた人も、ぜひ劇場へ。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 原作アニメとの違いにもほんの少しだけ触れています。
〜呪いをかけた理由〜
マレフィセントが“呪いをかけた理由”は原作とまったく異なっています。
原作では「私にだけ祝賀会の招待状がとどなかった、なんだい!」という身勝手かつちょっとわからんでもない理由でしたが、本作では呪いをかけた理由を、マレフィセントが子どものときまでさかのぼって解き明かします。
マレフィセントは、ムーア国に現れた少年・ステファンと恋に落ちます。
ステファンは16歳になったマレフィセントに、“真実の愛のキス”を彼女に捧げました。<これが永遠の愛だったら……
しかし、野心家のステファンはマレフィセントをほったらかしにしてしまいます。
子どものステファンが宝石を盗み、「捨てるくらいなら僕が持っていてもよかったのに」と文句を言っていたことも、何よりも自身の利益を優先する性格だったからなのでしょう。
彼はマレフィセントのために鉄の指輪を簡単に投げ捨てることもあったので、そうとばかりは言い切れないのですが……これも「鉄は安いからべつにいい」という程度のものだったのかもしれません。
彼は先代の王からマレフィセントを殺した者を王座をゆずると言われたがために、彼女をだまして眠らせ、殺した証拠として翼を奪って献上しました。
マレフィセントが呪いをかけたのは、ステファンの言う“真実の愛”が噓偽りであり、自分がステファンが王位を手にするために利用されたにすぎなかったのだと悟ったためでした。
マレフィセントは生まれたばかりのオーロラ姫に呪いをかけるとき“真実の愛のキス”こそが呪いを解くと宣言します。
それは、(16歳という年齢も含めて)ステファンがその昔にしたキスへの“あてこすり”なのでしょう。
(原作アニメでは、3人の妖精のひとりがキスから目覚める魔法をかけていました)
マレフィセントはステファンの子どもが生まれたと知ったとき、目に涙を浮かべていました。
ステファンを恨みつつも、どこかまだ愛情を捨てきれずにいたのでしょう
〜影からツンデレ子育て〜
王は、マレフィセントの呪いである「糸車の針に刺されて永遠の眠りにつく」に過剰反応し、城中の糸車を焼き捨てるばかりか、オーロラ姫を3人の妖精に預けます。
しかし3人の妖精は子育てがド下手くそで、お腹が空いている赤ん坊のオーロラに生野菜をあげようとしたりします。なぜステファン王はこいつらを信用して預けたんだ?
それを観ていたマレフィセントは「あいつらに任せたら赤ん坊が飢え死にするわ」とごもっともなツッコミをして、カラスのディアヴァルもため息をついていました。
そんなわけで、口ではなんだかんだ言いつつも、マレフィセントの“影から子育て”がはじまります。<醜いわねー
いやいや、あんた祝賀会で「この子はみなに愛される美しい娘に成長するだろう」と宣言していたやん。本当はかわいいと思っているくせに。お前のほうがかわいいわ。
マレフィセントは崖から落ちそうなオーロラも、樹木を伸ばして救ってくれました。<オーロラが崖から落ちそうに……
<仕方ないわね〜
笑いが止まらなかったのは、歩きはじめたオーロラが「こんにちわ〜」と言いながらマレフィセントに近づいてきたシーン。
マレフィセントは「あっち行って、悪いけど子どもは嫌いなの」とツンツンするのですが、いざオーロラに抱きつかれると思い切りだっこします。
しかも自身の角を触られてまんざらでもない様子。ほぼデレていますね。素敵です。
〜出会い〜
オーロラ姫は成長し、呪いがかけられる16歳の日まであとわずかになります。
マレフィセントは森のすぐそばにいたオーロラを眠らせて連れ出し(3人の妖精はちゃんと見張れ)、ついに対面を果たします。
笑ったのが、オーロラ姫が「あなたのことを知っているわ。フェアリー・ゴッドマザーでしょう。いつも影が見えて、見守ってくれたもの」と言ったこと。
影からツンデレ子育てがバレバレだったのもおもしろいですが、「シンデレラ」の登場人物と間違えるとは……オーロラ姫はどこでそのおとぎ話を聞いたのですかね?<少なくともビジュアルは似てないよね
マレフィセントはオーロラに「おやすみ、みにくい子」とまだツンツンしていますが、オーロラがムーア国で泥ダンゴをぶつけあったり、楽しそうに暮らしているのを見て、ついに「呪いを取り消す!」と宣言します。
しかし、呪いがとけることはありませんでした。
マレフィセントは「この呪いはとけない、永遠に続く」と宣言していたのですから……
唯一呪いを解くことができるのは、“真実の愛のキス”のみ。しかし、マレフィセント自身はそんなものはないと信じていたからでこそ、この呪いをかけていたのです。
〜呪いがかかる日〜
オーロラ姫は、誕生日前日に自分の生い立ちのことを知ります。
マレフィセントを「世の中には悪がいるって言っていたけど、あなたのことだったのね」と責めました。
誕生日当日、オーロラ姫は城で父であるステファン王と再会を果たします。
しかし、ステファン王は「なぜ1日早く戻ってきた」と、オーロラを突っぱね、城に幽閉しました。
ステファン王は、王妃の死の間際にも「(そこにいないはずの)マレフィセントと会話」をしており、彼女を打ち倒すことこそが目的になっていったのでしょう。
そもそもステファン王は、16歳になるまでにオーロラ姫に十分な愛を注ぐこともできたはずです。それをしなかったのは、彼がこれから培うことができるはずの“愛”よりも、身勝手な憎悪を優先してしまったがためなのでしょう。
けっきょく、オーロラ姫は地下にある糸車の針に触れ、永遠の眠りについてしまいます。<呪いには逆らえない……
残念だったのが、この糸車の針に触れるまでの流れが強引だったこと。
メイドはなぜオーロラ姫のいる部屋の扉をあけたのか?糸車は全部燃やしたはずではなかったのか?
オーロラ姫が地下の糸車の捨て場に入ったときに、魔法のように糸車が組み立てられたのを見ると、呪いの力はそうした偶発的なことも起せるとも解釈できるのですが、ちょっと腑に落ちませんね。
〜ディアヴァルの性格〜
カラスのディアヴァルは、“薄汚い犬(実際はオオカミ)”に変身させられることをいやがっていました。
しかし、終盤には「何にでも好きに変身させてどうぞ、僕はもう気にしない」と宣言します。
これは彼が、マレフィセントがないと言い張った“真実の愛”を信じてのことだったのでしょう。
愛は目には見えないもの。自分が見た目を気にすることなど、愛に比べればとるに足らないことだと思っていたのでしょう。
笑ったのが、マレフィセントは城に乗り込むときに「あなたには関係ないわ」とディアヴァルを突っぱねようとするのですが……ディアヴァルが「素直じゃないなあ、『いっしょに来てディアヴァル、あなたがいないと何もできないのに〜』」と小声でつぶやくこと。そりゃあれほどのツンデレは簡単に見抜けるよね。
〜王子様、△〜
オーロラは永遠の眠りにつく前、隣国のフィリップ王子と出会っておりこれからの恋を予感させましたが……王子はマレフィセントに眠らされて、ぷかぷか浮かばせながらお城の姫のところまで運ばれました。
ヒドいのは、このときマレフィセントが物理的に兵士を殴って倒していることですね。眠らせればいいやんけ。
3人の妖精たちは空から降ってやってきた(笑)フィリップ王子に「キスするのよ!」と訴えるのですが、彼はこう答えます。
「出会ったばかりでよく知らないんだ、こういうのはよくない」とー<よく知らないのでキスなんてだめです
「アナと雪の女王」でもありましたが、本作でも「恋愛の展開が早すぎるのはおかしい」とツッコミを入れるとは思いもしませんでした。
けっきょく王子は「一目惚れって知らないの?」という妖精の声に負けてキスをするのですが、当然オーロラ姫は起きませんでした。これ以降、王子は最後のバトルからも姿を消してしまいます。
王子、ふつうにいいやつだったのに報われないなあ……眠らされて拉致されるだけでいいとこなしでしたから。
彼が目覚めたときの「ここはどこ?」はなかなかいいギャグでしたね。原作だったら、城にまとわりついているイバラを斬り、お姫様のところにたどり着くという勇者だったのにね。
〜真実の愛〜
マレフィセントは、王子のキスでも起きなかったオーロラに語りはじめます。
「ゆるしてなんて言わないわ。けっしてゆるされないことをしたのだから。
あのころの私は憎悪に身を委ねて、どうかしていた。
あなたは、わずかに残った私の心をうばったまま眠るのね。
わたしは、生きている限りあなたを愛し続け、そのほほえみを思い出し続けるわ」
やっと本音を口にしたマレフィセントが、オーロラのおでこにキスをするとー
オーロラ姫は永遠だったはずの眠りから醒めました。
マレフィセントとオーロラ姫は血のつながった親子ではありません。
しかし、ほんものの親子を超えるほどの愛が、そこにありました。
マレフィセントが目を覚ましたオーロラ姫に「おはよう、みにくい子」と相変わらず本音を言えないのがおかしかったですね。
〜ラストバトル〜
マレフィセントは城に潜入していることがバレてしまい、ディアヴァルはドラゴンに変身し、最後の戦いが幕を開けます(原作アニメでドラゴンに変身するのはマレフィセントでした)。
オーロラは城に隠されてあったマレフィセントの翼を解放し、再び彼女は空を飛ぶことができるようになりました。
戦いの末ー
マレフィセントはステファン王に「これで終わりよ」と言いながらも、とどめを刺そうとはしませんでした。
しかし、ステファンは後ろを向いたマレフィセントに飛びかかり、落下して自滅をしてしまいます。
かつて、ステファンはマレフィセントを殺すことをやめて、翼だけを奪って持ち帰っていました。
それと同じように、マレフィセントはステファンを殺そうとしなかったのですがーステファンはそれすらも無下にしてしまったのです。
マレフィセントとステファン王は、両親を失っていたことが共通しています。
しかし、その顛末はまったく異なります。
マレフィセントは親子の関係を超えた愛を手にしましたが、ステファン王はせっかく親子の関係をも捨ててしまいした。
それは、ステファンが真実の愛など信じずに、ただただ憎悪を膨らませていった結果なのでしょう。
*以下の意見をいただきました。
ステファンはオーロラに呪いがかけられるその瞬間までは、まだ人間らしい優しさは持っていたと思います。
マレフィセントのために鉄の指輪を投げ捨てたのも本当の優しさからの行為のようにも見えましたし、
それから何度もムーア国まで赴いていたのは友愛の気持ちが本当にあったからだと思います。
マレフィセントから翼を奪った際にも殺すことを躊躇し、翼を奪うだけに止めていました。
もちろん養護するつもりはありませんが、このころは優しさがあったのだと思います。
そしてオーロラに呪いがかけられる直前にも、家臣の目の前でありながら許しを請うていました。
しかし結果的に呪いはかけられ、病的なまでにマレフィセントを恐れるようになってしまい、
憎悪に駆られてしまう結果になってしまいました。
裏切られ、憎悪に駆られる姿はマレフィセントと似ています。
しかしマレフィセントは己の過ちを認め呪いを解こうとした…ここが二人の明暗を分けたのでしょう。
このあたりの、マレフィセントが善で、人間側が完璧に悪役になっているのは賛否ある点かもしれませんね。
ガチの悪者が主人公の物語&おとぎ話のおちょくった映画を観たい方には、「白雪姫と鏡の女王」をおすすめします。
〜これは誰の物語?〜
最後に、この物語のナレーションがオーロラ姫からのものであることがわかりました。
「あなたの知っているお話とはまったく違うでしょう?
それは私が眠れる森の美女だからです。
私がこのお話ができるのは、英雄と悪者の兼ね備えた女性がいたからです。
彼女の名は、マレフィセント」
エンドロールで流れたのは、原作「眠れる森の美女」の主題歌でもあった「いつか夢で(Once Upon a Dream」でした。日本語吹き替え版を歌うのは大竹しのぶです。
<日本語版の歌詞はこちら>
<英語版の歌詞はこちら>
歌詞を見てわかるとおり、本作ではマレフィセントのオーロラへの想いを綴った内容になっています。この物語でオーロラ姫が眠ったのは一日足らずなのに眠れる森の美女を自称していいんかいというツッコミどころはあるものの、ムーア国でみんなが仲よく暮らすというハッピーエンドは素敵でした。
若き日のステファンは、マレフィセントから“愛”を奪ったまま権威をほしいままにしました。
しかし、オーロラに愛を奪われたマレフィセントは、オーロラとともにこれから愛を育むのでしょう。
あと、ちっとも活躍の場がなかったフィリップ王子、最後にオーロラ姫と見つめ合ってよかったですね。
これから愛を育めれば、それもきっと真実の愛になるはずです。
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『マレフィセント』は『眠れる森の美女』より『アナと雪の女王』!? :映画のブログ
Maleficent【マレフィセント】撮影裏, メイキング特別映像 - YouTube
一本の映画としてとても良かったですし、マレフィセントのオーロラへの愛には涙も流れ、劇場で子ども達にも好評だったと感じましたが・・・やっぱり色々引っかかるのは私が年寄りだからかなあ・・・と複雑な思いです。
あと人間サイドが強欲な愚か者ばかりで賢い善人が殆どいないような描かれ方もちょっと・・・
>断っておきますと、本作は“同じ物語を違う目線で描く”作品ではありません。
お金をかけた悪役リスペクト同人誌と受け取って置くべきかと。
しかし、ディズニーすらもう勧善懲悪は21世紀に合わないという風潮なんでしょうか。
ジブリが「桃太郎」を映画化したら、桃太郎と鬼のお姫様の悲恋がメインにとかなりそうだなあ・・・。
>もうひとりの主人公・オーロラ姫役のエル・ファニングを演じるのは上戸彩、“3人の妖精”は福田彩乃がひとり3役をこなしています。
上戸彩さんは及第点ですし、なにより福田彩乃さんの技量には脱帽です。マレフィセントにはベテランでありアンジェリーナ・ジョリー の吹替えを数多く担当してきた深見 梨加さんを起用したのも好感が持てます。
本当に、アニメオタクも映画オタクもプロ声優にしか吹替えはさせるな!と言ってるんじゃないんですよ・・・。
>〜影からツンデレ子育て〜
個人的に赤ちゃんの可愛さって無敵だと思います。
・・・でもそれが通じない人も居るんですよね。
>「アナと雪の女王」でもありましたが、
ヒナタカさんも思われましたか!やっぱり21世紀はお嫁さん=女の子の夢な時代じゃないのかな・・・
>それは、ステファンが真実の愛など信じずに、ただ憎悪を膨らませていった結果なのでしょう。
マレフィセントの「許してなんて言わないわ~」の後なので、彼女からの許し(?)を得てなお掴みかかったあの行為、マレフィセントへの執着が憎悪だけでなく、どこかで彼女に罰っせられる事も求めていたのではないかと思いました。
予告での大竹しのぶさんの歌声に惹かれて鑑賞しました。
自分は「眠れる森の美女」はあらすじ程度しか知らないのですが、これは面白かった!
「アナと雪の女王」のようなディズニーらしいライトファンタジーを予想していたのですが、
思いの外、激しいアクションや醜い心理面も描いていて意外な面白さを体験できました。
一番(良い意味で)衝撃だったのはマレフィセントの飛行シーン!
ムーア国を縦横無尽に駆け巡り雲の上まで飛び上がる姿はマン・オブ・スティールを見ているようでした。
実写映画とは言え、ディズニー作品でこういうシーンが見られるとは…元がおとぎ話だったために意外でした。
ムーア国の昼夜問わない美しさや幻想的な生物もさすがディズニーといった感じで、忠実に映像化したアバタースタッフの仕事に満足です。
自分も吹き替えで見たのですが上戸彩さんと福田彩乃さんの演技はホントに素晴らしかったと思います。
それを知らなかった他の客がスタッフロールを見て「上戸彩だったんだー」「福田さんだったの!?」と驚いてました。
自分も調べていなければそう言う反応していたと思います……特に福田さんの一人三役はそれぞれ演じ分けてて流石!
惜しむべきは自分の観た劇場では2Dでしか上映していなかったこと……
飛行シーンなど立体映像で見たいシーンもたくさんあったので残念です。
>影からツンデレ子育て
アクションもできるアンジーにこんなに萌えるなんて……!
フィリップ王子との出会いを出歯亀してるシーンは声出して笑いそうでした。
あんたほんまに娘の将来心配してるオカンですやん……(間違ってはいないけど)
>真実の愛のキス
「アナ雪」でも言及された「真実の愛」が今作ではもっと深いものとして描かれていて、
「アナ雪」も含め、これが“愛”に対するディズニーの新しい解答であるのかなぁと思いました。
血の繋がった姉妹であるアナ雪から、今回は血も繋がらずそれどころか違う種族の存在であり、
「アナ雪」で描かれたテーマがより深いものとして描かれているように感じました。
>ステファン王
ステファンはオーロラに呪いがかけられるその瞬間までは、まだ人間らしい優しさは持っていたと思います。
マレフィセントのために鉄の指輪を投げ捨てたのも本当の優しさからの行為のようにも見えましたし、
それから何度もムーア国まで赴いていたのは友愛の気持ちが本当にあったからだと思います。
マレフィセントから翼を奪った際にも殺すことを躊躇し、翼を奪うだけに止めていました。
もちろん養護するつもりはありませんが、このころは優しさがあったのだと思います。
そしてオーロラに呪いがかけられる直前にも、家臣の目の前でありながら許しを請うていました。
しかし結果的に呪いはかけられ、病的なまでにマレフィセントを恐れるようになってしまい、
憎悪に駆られてしまう結果になってしまいました。
裏切られ、憎悪に駆られる姿はマレフィセントと似ています。
しかしマレフィセントは己の過ちを認め呪いを解こうとした…ここが二人の明暗を分けたのでしょう。
フィリップ王子が凄まじいミスリードだった辺り王子が不憫に思えてしまいましたが、
最後のシーンは二人の将来のロマンスを予感させるものだったのが良かったです。
二人とそれを見守るマレフィセントの将来が気になって仕方がありません!
(本音を言うなら続編を観てみたい……)
ところで記事タイトルの「呪いをときたくて」って「魔法にかけられて」の……
> ステファンはオーロラに呪いがかけられるその瞬間までは、まだ人間らしい優しさは持っていたと思います。
> マレフィセントのために鉄の指輪を投げ捨てたのも本当の優しさからの行為のようにも見えましたし、
> それから何度もムーア国まで赴いていたのは友愛の気持ちが本当にあったからだと思います。
> マレフィセントから翼を奪った際にも殺すことを躊躇し、翼を奪うだけに止めていました。
> もちろん養護するつもりはありませんが、このころは優しさがあったのだと思います。
> そしてオーロラに呪いがかけられる直前にも、家臣の目の前でありながら許しを請うていました。
> しかし結果的に呪いはかけられ、病的なまでにマレフィセントを恐れるようになってしまい、
> 憎悪に駆られてしまう結果になってしまいました。
> 裏切られ、憎悪に駆られる姿はマレフィセントと似ています。
> しかしマレフィセントは己の過ちを認め呪いを解こうとした…ここが二人の明暗を分けたのでしょう。
毎度ながら、ためになるコメントをありがとうございます。
追記をさせてください。
> フィリップ王子が凄まじいミスリードだった辺り王子が不憫に思えてしまいましたが、
> 最後のシーンは二人の将来のロマンスを予感させるものだったのが良かったです。
> 二人とそれを見守るマレフィセントの将来が気になって仕方がありません!
> (本音を言うなら続編を観てみたい……)
そろそろデレてもいいですよね。
> ところで記事タイトルの「呪いをときたくて」って「魔法にかけられて」の……
まさにそのとおりです!
> 一本の映画としてとても良かったですし、マレフィセントのオーロラへの愛には涙も流れ、劇場で子ども達にも好評だったと感じましたが・・・やっぱり色々引っかかるのは私が年寄りだからかなあ・・・と複雑な思いです。
ちょっと「八日目の蝉」も思わせますよね。
> あと人間サイドが強欲な愚か者ばかりで賢い善人が殆どいないような描かれ方もちょっと・・・
それは本当に。
> >「アナと雪の女王」でもありましたが、
> ヒナタカさんも思われましたか!やっぱり21世紀はお嫁さん=女の子の夢な時代じゃないのかな・・・
あれはもうみんながツッコむでしょう。子どもの教育にたいへんよろしい映画でした。
女の子×女の子は世界共通か?
必然の行動ではなく、設定の為の行動・設定が気になりました。
「16歳の誕生日の日没までに糸車の針に指をさして死んだように永遠に眠り続ける。」これはあまりにもご都合的すぎるなと...まあ、マレフィセントと触れ合う為に森に隔離させる必要があるとはいえ、あまりにも恨みの割に遠回しすぎないでしょうか。
他にも
呪いをかける所でお父さんは見てるだけとか、その後の憎悪と比べると違和感ありありです。
凄い呪いをかけるのに、森に入ってからの嫌がらせのスケールダウン感が...(マレフィセントが徐々に母性に目覚める為に必要な工程かもだが...)
しかし、ディズニーの過去の作品を皮肉ってテーマを際立たせるのは、流石の一言です。
完全にディズニーのトレンドになってますね。