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“ことばだけじゃない”おもしろさ 映画「バルフィ!人生に唄えば」ネタバレなし感想

今日の映画感想はバルフィ!人生に唄えばです。

barfi.jpg


個人的お気に入り度:5/10

一言感想:チャップリン映画への愛溢れすぎ


あらすじ


生まれたときから耳が聞こえない青年・バルフィ(ランビール・カプール)は、ある日シュルティ(イリアナ・デクルーズ)という美女に一目惚れをして求愛する。しかしシュルティは婚約していたので、バルフィはとある方法で彼女と“友情”を育もうとする。
一方、自閉症のジルミル(プリヤンカー・チョープラ)もバルフィに出会い、やがて奇妙な交流が生まれてくる。




※今回の感想は観ている人が少ないと思うので、ネタバレは書いていません。

本作はインドで制作された、いわゆるボリウッド映画です。
インド映画と言えばやたらめったら上映時間が長く、歌と踊りが満載というイメージが先行しがちですが、本作はほかのインド映画とは一線を画す内容に仕上がっていました。

その理由のひとつが、チャールズ・チャップリン作品へのオマージュが満載であることです。
あちこちにあるコミカルなシーンはチャップリン映画そのままの動きですし、わざと「早送り」して似せている場面もあったりします。

特筆すべきは、ただ「似せている」だけではなく、主人公の「耳が聞こえない」という設定がそのままチャップリンのサイレント映画のようなおもしろさにつながっていることです。
主人公は生まれつきの聴覚障がい者なので、しゃべることもほとんどできません。そのため、身振り手振りだけでコミュニケーションを取ろうとします。
その彼が伝えようとしていることが、ことばよりも雄弁に伝わってくるのです。
これは主演のランビール・カプールの演技と、繊細な演出があってこそのものでしょう。

それと同じように、チャップリン作品は(一部を文字で説明することはあっても)役者の演技や動作だけで、物語や登場人物の感情が伝わってきます。
「バルフィ!」はそのサイレント映画の魅力を、「アーティスト」のようにそのまま現代に蘇らせるのはなく、主人公の設定を利用し、現代らしい画の物語に違和感なく溶け込ませているのです。

「ちゃんと音も声も出る作品なのに、“ことばだけじゃない”おもしろさはサイレント映画そのもの」
これが本作の大きな魅力になっています。

また、チャップリン作品の中でも、とくに「街の灯」へのリスペクトを感じました。

チャールズ・チャップリン
540円
powered by yasuikamo

「バルフィ!」は主人公の男が聴覚障がい者ですが、「街の灯」で登場するのは盲目の少女。これらの作品には、障がいを持つキャラクターが出ていることだけでなく、「お金がないこと」が物語に作用していること、それ以外に人生の価値を見つけるというテーマ性も共通しているのです。

また、画づくりもカラフルで美しく仕上がっています。
これはアコーディオンが奏でる音楽も相まって、ジャン=ピエール・ジュネ監督の「アメリ」を思わせるものでした。
そういえば、作中で「いたずら」をしたり、男女の間の「こじれ」を描いているという点でも共通していますね。

さらに本作のオマージュはそれだけに留まらず、「きみに読む物語」「Mrビーン」「黒猫・白猫」「プロジェクトA」「菊次郎の夏」まであります。
それでいて単なる盗作にはならず、インドという舞台ならではの仕掛けやギャグに、きっちりオリジナリティも盛り込んでいます。
独自の路線を貫いてきた(?)ボリウッドにおいて、ここまで先人の映画のおもしろさを凝縮した作品が生まれたことがうれしくてしかたがありません。

ただ、物語としての完成度はいまひとつで、かなり展開に冗長な点が観られたのは残念でした。
物語の時間軸を前後させて展開していることもあまり成功しているとは思えませんし、ヒロインがふたりいるために話の軸がブレている印象もあります。
2時間半超えの上映時間はボリウッドならではですが、ここまでの長い時間が必要な作品だとは思えません。

また、前述の「いたずら」に度が過ぎていて、ちょっと引いてしまいがちなのも欠点です。
はっきり、やっていることは“犯罪”なのですから。

でも、この主人公が決していいやつでなく、むしろ悪いことばかりしているのも映画の重要なファクターなのだと思います。
それは自閉症のもうひとりのヒロインも同様で、とても困ったことばかりしています。
これは「障がい者は心が美しい」なんてキレイゴトを言う「よい子」の作品とはまったく正反対。ある意味では核心をついている、シニカルな作品と言えるかもしれません。

余談ですが、自閉症の女の子を演じたプリヤンカー・チョープラさんが1981年生まれということにびっくりしました。
本国では2011年の公開の映画なので、このときプリヤンカーさんは29歳〜30歳ということになります。
30歳<10代の少女にしか見えない……
そういえば、「きっと、うまくいく」でも主人公たちの俳優には40代の人もいたのに、まったく違和感がなかったですね。人の年齢というものはわからないものだなあ…

また、現在公開中の「めぐり逢わせのお弁当」は歌も踊りもなく、なおかつ上映時間が1時間45分と短いというインド映画とは思えない作品だそうです(こちらも高い評価を得ています)。
ボリウッド映画が画一的なものばかりでなく、さまざまなジャンルが生まれて、日本で公開されるというのは、映画ファンとしてとてもうれしいです。

作中では、以下のことばが大切なメッセージと登場します。

「人生最大のリスクは、リスクを避けることだ。」

好きではない婚約者との結婚が決まっているヒロインは、気ままに生きているバルフィと知り合い、冒険に出て、こう思うのです。
決まりきった道を歩むだけではなく、ちょっとした冒険や、寄り道をしてみるのも、いいものかもしれません。

おすすめ↓
インド映画界の「アメリ」!? 映画『バルフィ! 人生に唄えば』のラブ&ファンタジーに酔う♪【最新シネマ批評】 | Pouch[ポーチ]
有名人も感動した!純愛映画『バルフィ!人生に唄えば 』感想まとめ - NAVER まとめ
バルフィ!人生に唄えば【ネタバレ|感想|評価|評判】笑って、泣いて、恋をして!爽やかな涙を誘う感動のインド映画! | 映画.net -ネタバレ|感想|評判 2chまとめブログ-(盛大にネタバレ)(作中の音楽が聴けます)
2014-08-30 : 映画感想 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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『UFO学園の秘密』
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<2014年下半期>
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<2013年下半期公開>
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<2013年上半期公開>
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<2012年下半期公開>
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『アナザー Another』
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<2012年上半期公開>
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『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
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<2011年下半期公開>
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