誰かのヒーロー 映画「イン・ザ・ヒーロー」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
個人的お気に入り度:8/10
一言感想:「裏」の仕事はすばらしい!
あらすじ
スーツ・アクターとして活躍する本城渉(唐沢寿明)はこの世界に入って25年になる大ベテラン。
彼の夢は「顔出し」映画に出演することだったが、新人の一ノ瀬リョウ(福士蒼汰)にそのチャンスを奪われてしまう。
しかも一ノ瀬はヒーロー番組の現場をなめきっており、本城はその態度に激昂するのだが……
※いただいた意見から、少しだけ小ネタを追記しました。ありがとうございます。
唐沢寿明さんの3年ぶりの映画出演作です。
本作以上に、唐沢さんを「主役」に迎えるにふさわしい映画は、ほかにないでしょう。
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なぜなら、本作が描いているのはスーツアクターであり、唐沢さんがこれの経験者であるからです。
海外でもスタントマンという文化はありますが、このスーツアクターというのは日本独自のもので、いわゆる「特撮もの」では欠かせない存在です。
しかし、でき上がった作品でスーツアクターの顔を見ることは叶いませんし、作品を観ても「スーツアクターがいる」ことを気にしたりすることはまずないでしょう。
華やかな俳優とは違う、いわゆる「裏方」の仕事―
普段は知ることのできない、こうした「脇役」に焦点をあててくれただけでも、自分はこの映画が好きになってしまいます。
(今年には、「太秦ライムライト」という「斬られ役」を主人公にした映画も公開されていました)
物語のテーマ、メッセージはとても明確です。
なぜなら、登場人物がそのすべてを演説のように語ってくれるからです。
自分は「登場人物が自分の想いをベラベラしゃべる」ような映画は好きではないですが、この映画にはこれくらいが似合っています。
たとえ演説台詞であっても、それは主人公が若者を叱るシーンなので違和感がないですし、作品に関わる人の“熱気”が伝わってくるのです。
「失礼な態度を撮りまくる新人に対してスタッフのみんなが怒っていたこと」もうれしかったです。
作品のスタッフは、ほかのスタッフがみんなが苦心して仕事をしていることを知っているので、その仕事をないがしろにする態度を許せない、という「結束」が垣間見えるのです。
細かい描写ですが、そこを省かなかったことに自分は感動しました。
本作にある「夢」へのメッセージも優れています。
「夢をかなえるゾウ」の水野敬也さんが脚本に関わっているおかげもあり、「夢は絶対に叶う」ことばかりでなく、大きな夢が難しいことまできっちり描いており、夢に対する真摯さが伝わってきました。
吉川晃司の主題歌「Dream On」もよかった!
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その歌詞はしっかり映画の内容とシンクロしています。
作中に登場する戦隊ものの主題歌のタイトルが「誰も知らないヒーロー」で、串田アキラが歌ってくれるのもたまらないですね。
映画的な演出がこれまたいい!
伏線は気持ちよくバシっとハマっていますし、徐々に登場人物の関係性がわかっていく台詞の数々は気が利いています。
難点は上映時間が少々長め(2時間超え)で、製作者が伝えたいことがありすぎるために、後半の展開に少しもたつきを感じることでしょうか。
また、クライマックスにも細かいところながら不満があります。描写が雑というよりも、せっかく「こだわり」が崩れてしまったような印象を持ちました。
余談ですが、唐沢さんと映画の主人公との共通点はスーツアクターを生業としていたことだけに限らず、ブルース・リーの熱狂的なファンであり、自身の目標としていることにもあります。
もはやこの映画はフィクションではなく、唐沢さんの半生を綴ったドキュメンタリー映画にも見えてくるほど。
格闘技の経験があるミッキー・ロークが演じた「レスラー」の主人公が、実在の人物としか思えないほどの存在感があったことを彷彿とさせました。
これはぜひ、これから映画や特撮の現場に関わりたい若者や、子どもにも観てほしい作品です。
いや、あんまり小さい子にとっては「戦隊ヒーローが実在する」という夢を壊されてしまうかもしれません(笑)が、そのぶん、スーツの中には本当にヒーローがいることに気づけると思います。
「IN THE HERO」というタイトルは、これ以外に考えられないくらいにハマっていました。
もちろん特撮ヒーローが好きな人、アクション映画が好きな人にもぜひ劇場へ。
エンドロール後におまけがあるので、途中でお帰りなきよう。
大プッシュでオススメです!
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
~なりたかったもの~
この映画では「なめきっている若者が本気になっていく」過程が描かれています。
それと平行して描かれるのが、主人公の本城が、この若者(一ノ瀬)を認めていく過程でした。
本城にはせっかくの「顔出し」での出演依頼が来ていたのに、急にその役は一ノ瀬変更にされてしまいます。
そいつはガムを噛みながら脚本の“読み”に来るような態度の男で、「やりたくてやっているわけじゃない」「ジャリ番の撮影じゃモチベーションが上がらない」とほざくほどに現場をなめきっていました。
本城は、脚本の読みのときに外に出されてしまい、落下するスタントのときに「顔バレ」すると撮り直しをしていたのに……
久々に会った娘に「あいつ(一ノ瀬)は役者の心構えがなっていない」と言って、「なんでお父さんがそんなこと言うの?お父さん俳優じゃないじゃん」と返されたときの本城は、とても悔しかったのではないでしょうか。
映画では明確に提言はされていませんでしたが、確実に本城は一ノ瀬に「嫉妬」していたと思うのです。
※ちなみに、娘が誕生日プレゼントに「ドン・キホーテ」の本をもらっていたのは、娘役の杉咲花さんがドラマの「ドン☆キホーテ」に出演していたためです。
しかし、本城は飲み会の席で、しっかり娘がほしがっていた一ノ瀬のサイン色紙用の道具を持ってきています。単に娘に甘いだけかもしれないけど。
しかも、一ノ瀬の「アカデミー賞を取ってスピーチをする」という夢に、「なんだよ最高の夢持ってんじゃねえか」と激励するのです。
本城はもっとも嫉妬を覚えるであろうイヤなやつの夢を、素直に応援をする……
この描写に、自分は感動しました。
~優れた映画的な演出~
この後の「ハリウッドでスピーチするんだろ」「なんだよ覚えていていたのかよ」という本城と一ノ瀬の会話のときに、「鏡」を映しいていた演出もよかったです。
本城は誰かの夢を応援する自分の姿を、しっかりと見つめていたのかもしれません。
さらに、一ノ瀬がオーディションに受かったとき、本城は玄関のドアを「そっと閉めて」います。
主題歌である「Dream On」はその「ドアを開け放とう」という歌い出しではじまりますが、ここではドアを閉める……それは本城が「こういうふうには自分はなれない」という諦めを感じていたことを示しているのかもしれません。
~チームでできる仕事~
本城は一ノ瀬に撮影現場を紹介します。
「証明部、撮影部、技術部、録音部、力を合わせて作っている。お前もスタッフさんを大事にしろ」
一ノ瀬に「でも、俺は裏方じゃなく、具体的なアクションのコツを知りたいんです」と言われると、本城はこう答えます。
「お前の気持ちもわかるけどな、アクションは受け手がいてこそ成り立つんだ。」
アクションを教えてくださいと頼む一ノ瀬には、改めてこう言います。
「アクションは個人的な競技じゃねえ。リアクションがあって初めて成立するチームプレイだ」
アクションは自身の「腕の磨き」にかかっているところもあるのでしょうが、それ以上にほかの撮影チームのことを知り、連携を取ること、作品をみんなで作っているという実感を得ることも大切なのでしょう。
~作品が大好き~
テレビゲームのモーションキャプチャーの現場を見せてくれたのもうれしかったですね。
映画、特撮、ゲーム……世の中のエンターテインメントは、こうした影で仕事をしているアクション俳優の仕事が不可欠なのです。
ゲームオタクのスタッフが「あの名作をプレイしていないなんてどんだけ人生損してんだよ!」と嘆くことも印象的でした。
そういえば本城も「ドラゴン怒りの鉄拳も知らねえのかよ!」と怒っていましたね。
プロとして作品に携わっている人は、好きな作品についても並々ならぬ想いがあるのでしょう。
~一ノ瀬の成長~
一ノ瀬は本当に腹の立つヤローで、「ちわ~っす」という挨拶をしたためベテランのスーツアクトレスからは怒られ、バイクについていた「超アップ(カメラで接近撮影する)用のブレスレット」をぞんざいに扱ったためにまた怒られています。
福士蒼汰って「仮面ライダーフォーゼ」なのに、いいのかなあ……
※以下の意見をいただきました。
> 「仮面ライダーフォーゼ」で演じた如月玄太郎はウザイ程のお節介野郎な良い奴でして・・・。これが出世作なのに、こういう作品へこんな役で出演するからこそ、福士蒼汰さんが唐沢寿明さんにも負けず劣らず特撮作品を愛し、スーツアクターへ同じ役者として敬意を持っていると感じ、ますます大好きになりました!
> また一ノ瀬は最初嫌な奴に描かれましたが、実際に特撮作品でヒーローを演じる俳優さんは、スーツアクターさんとは変身前も後も同一人物に見えるよう、まさに二人三脚でキャラクターを作って行くそうです。
> ちなみに主題歌を歌った吉川晃司さんも仮面ライダーだったりします(カゲヒナタのレビューで唯一の仮面ライダー映画でもある「仮面ライダーW」です)本編では主人公の先代仮面ライダー、つまり師匠役で、主演のスピンオフ映画も撮られています。
> 参考→仮面ライダースカル×吉川晃司 師匠が語るライダーの魅力@ぴあ映画生活特集
> ネタバレになるので詳しく言えませんが、本作は「仮面ライダーW」本編を観てから観て欲しいです。
それでも一ノ瀬の態度は変わりませんでしたが、スーツのマスクを被ったときは「その息苦しさ」「視界の悪さ」に驚いていたようでした。
一ノ瀬はハリウッド映画の最終選考に残り、その監督が現場に来ると知ったとき、一ノ瀬はアクションを見せつけようとします。
しかし結果は「虫みたいな動き」であり、散々なものでした。
本城は、そのケチをつけたプロデューサーに「礼儀を知らない者は帰ってもらおうか」と怒ってくれました。
その後、一ノ瀬は本城の朝のジョギングの「後ろをついて」行きました。<後ろを追う一ノ瀬
これはいままで本城を軽く見ていた一ノ瀬が、本城を認め、その背中を追って「学ぶ」ことを決めたことを暗示しています。
その後の一ノ瀬は、いままでの態度がうそのように礼儀正しくなり、アクションの練習にも真摯に取り組むようになっていきました。
チャラチャラしていたように見えた一ノ瀬が、「裏」では腕立て伏せをして体を鍛えようとしていたり、弟と妹の面相を見ていたり、「007」をはじめとした映画を観て勉強していたりと「努力」をしていたのもよかったですね。
本作のテーマのひとつは「表には出てこない、裏の仕事」。一ノ瀬の影の努力も、「裏にある本当の姿」であるのでしょう。
~女性らしいスーツアクター~
冒頭で、女性の戦隊レンジャーから寺島進さんが出てきたときにはぶったまげました。
トッキュウジャーをはじめとした戦隊ものにはスーツアクトレスがいるのですが、こうして男性が演じるケースもあるのですね。<ブラジャーがお似合い。
何より感動したのは、その結婚式です。
結婚式の映像で、いままでの長年のスーツアクターとしての活躍を見せ、「女性以上に女性らしピンク」「ピンクと言えばゴローさん」と賞賛してくれるのですから。
しかも、結婚式レンジャーが乱入してくるというサプライズでは、ゴローさんは「レッド」を演じているのです。
ゴローさんは初登場時に、本城に「お前はいいよなあ、顔出せるのか。やっぱり戦隊ものと言えばレッドだからな」と嫉妬をしていました。
その夢を、結婚式という幸せな舞台で叶えてあげる……なんと素敵なはからいではありませんか!
~野暮な不満点~
気になった点もいろいろあります。
・途中で登場した偏差値の低そうなアイドル志望の女の子はどこ行ったの?
女の子は「ハリウッド映画ってアメリカ映画よりすごいですよね~」とかほざいたまま、そのままアイドルとして活躍することはありませんでした。なぜこのキャラ出したよ。※この女の子を演じていたのは特命戦隊ゴーバスターズのイエロー役の小宮有紗さんでした。ファンサービス?
→小宮有紗さんが作中で演じているのは、戦隊ヒーローのピンクライダー役だったとご指摘を受けました。
・ベテランスーツアトレクスがパエリアをふるまうシーンがない。
「みんなめっちゃ元気出る言うで~」とハードルをあげたのですから、ちゃんと食べるシーンがほしかったですね。
※結婚式の帰りに一ノ瀬の家に行った時に振る舞ってはいるとご指摘を受けました。
・本城はなぜ元妻が肺炎になったにも関わらず、そこに行かなかったの?
これは元妻が「あなたのそういう映画バカなところが大嫌いよ!」と言ったことにも関わっており、本城が何よりも映画を優先したこと、それが離婚の原因になったことも示しています。
しかし、このことは映画で詳細が明かされないのでちょっとモヤッとします。
※ノベライズ版で以下のことがわかるそうです。
> 首を痛めた本城に対し、妻は引退を勧めていたものの、本城はまともに取り合わなかったこと。
> そんな中、本城が北海道へロケに行っている間に妻が病に倒れてしまい、本城が戻ってこられたのは妻の入院から数日後だったこと。
> 以上が離婚に至った理由として説明されていました。
・一ノ瀬の母親はなぜ子どもを捨てて出て行ったの?
エンドロール後には、一ノ瀬のもとに母親が会いにきたシーンがありました。
しかし、映画だけでは母親がなぜ一ノ瀬とその妹と弟を捨てたのか、なぜ父親がいないのかもわかりません。
これはかなりモヤッとしてしました。
※ノベライズ版で以下のことがわかるそうです。
> 一ノ瀬は実の父親を幼少期に亡くしており、弟と妹は母親が新しい恋人との間にもうけた子供です。
> しかしその新しい恋人はアメリカ軍人で、ある日帰国命令が出たためアメリカに帰ってしまい、母親はその後を追いかけていった、という設定になっています。
・特別出演する松方弘樹と及川光博
どっちもかなり必然性のない役柄でしたね(笑)。ミッチーが本城の元妻のデート相手として出てきたときには笑ったし、イヤなやつの役にハマっていましたが。
・クライマックスのアクションでは、CGもワイヤーアクションも使っている。
アクション映画の監督は「ワイヤーもCGも使わない、そのことに意味があるんだ!」と言い、白忍者が2階から地面に落ちるシーンを撮ろうとしていました。
しかし、セットの城にはクロマキー合成のための緑の壁がかけられていましたし、それ以外の忍者のアクションシーンでは思い切りワイヤーアクションを使っています。
なぜ監督は「地面に落ちる」という危険なシーンでのみワイヤーとCGを使うのに、それ以外で使うことをよしとするのか?それがさっぱりわからないのです。
たとえば「マッハ!」では、CGもワイヤーアクションも使わないことを首尾一貫して守っていたのに……
アクションシーンはかなり気合のはいったものであったので、かなりがっかりしてしまいました。
・エンドロール後の、監督の文句「プロデューサーもスタッフもわがまますぎる!映画は監督のものだ!」
いや……これはいらなかったんじゃないかな。今回の映画では監督のわがままのせいで危険な行為をせざるを得なかったわけだし。
まあ武正晴監督が日ごろの文句をここで言いたかっただけかもしれませんが(笑)。
※監督を演じたイ・ジュニクさんは韓国映画監督協会の現会長だそうです。
~大切な仕事~
本城の元妻が求愛を受けていた男は、IRR(内部利益率)やレバレッジ を優先し、仕事の善し悪しではなく「利益」を考えるような人間で、元妻にも「薬局のところにビルを立てたらどうですか。働かなくても収入が得られるんですよ」と提案します。
元妻はこう言います。
「薬の必要な人はどうなるんですか。それなら、私はバカでいいです。あなたは、仕事に命をかけられるのですか」
男の言っていることは、「誰かのための仕事」ではなく、自分が利益を得るための手段です。
誰かのために命をかけてスーツアクターの仕事に挑んでいる本城と、薬が必要な人のために薬局で働いている元妻との価値観とは正反対です。
このことばは、とても尊いものですよね。
株などで「楽して金を得たい」と考えている人はとても多いですが、それ以上に「誰かの仕事があるから誰かが助かっていたり、幸せになれる人がいる」と考えるべきなのかもしれません。
どの仕事だって、大切なものには違いありませんから。
~誰かのヒーロー~
本城は、首の骨に異常をきたしているにも関わらず、危険なアクションに挑みます。
それは、「保険」にも入らないとできないものでした。
本城がアクションをするのは、「武士道とは死ぬことと見つけたり」ということだけが理由ではありません。
本城は、自分のために挑もうとしているのかと質問した一ノ瀬に、こう切り返します。
「勘違いするな。俺は自分のためにやるんだ。俺はスーツアクターだ。ブルースにはなれねえ。でも、俺も誰かのヒーローになりてえんだ。俺がやらなきゃ誰も信じなくなるぜ。アクションには夢があるってことがよ」
最後のアクションの大立ち回りでは、本城は自分の顔をしっかりと見せました。<本気の顔
本城は自分の後輩が夢を辞めようとしていたことも知り、自分がほんとうに憧れる男にもなれないことも悟っています。
しかし、夢を実現することで、誰かの記憶に残るヒーローになることはできるのです。
最後に大けがをした本城に、元妻が「これからはずっと監視します」と言ってくれるラストにはほっとしました。
映画の最後に映し出されたのは「HERO IS BORN」ということば、そして実際に危険なスタントに挑むスーツアクターたちの姿でした。
観た後は、作品の「裏」で活躍するヒーローたちの姿を思い描きたくなる映画でした。
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基本的に「蒲田行進曲」か?
KILL-Billを、懐かしく、思い出しました。
予告を見て「微妙そうだな…」と思ってましたが実際に見てみると凄く面白くて。
久しぶりに爽快な気分で映画館を出られましたね。
まあエンドロールのアレとかワイヤーもCGも使ってるクライマックスにはがっくりしましたけども。
映画とかアクションとか、ひいてはそれに関係する仕事を本当に愛しているんだなぁと感じた映画でした。
私も本日鑑賞してきました。
今年の邦画の中では、かなりの良作だと思います。
ご指摘の通り、設定の部分などは突込みどころもいくつかありましたね。
自分は、一ノ瀬の人物設定自体に無理があったと思っています。
家庭環境の設定も、たしかにモヤッとしてました。
ただ、その点を含めても素晴らしい映画でした。
多くの人に観てもらいたいですね。
以下、[あれ?こうじゃなかったっけ?]という点を
失礼ながら指摘させていただきます。
超アップ用のカメラ
→超アップ(カメラで接近撮影する)用のブレスレットではなかったかと。
美咲(黒谷友香)が料理(パスタ)を振る舞うシーンがない
→パスタではなくパエリアだったかなと。たしかに凄そうな名前の料理で、その料理が登場することはなかったですが、結婚式の帰りに一ノ瀬の家に行った時に振る舞ってはいます。
松方弘樹とみっちー
→この点のご指摘は、たしかに野暮だと思います。特に松方さんは、松方さん役で出ているという、東映作品ならではのものかなと。
> 超アップ用のカメラ
> →超アップ(カメラで接近撮影する)用のブレスレットではなかったかと。
>
> 美咲(黒谷友香)が料理(パスタ)を振る舞うシーンがない
> →パスタではなくパエリアだったかなと。たしかに凄そうな名前の料理で、その料理が登場することはなかったですが、結婚式の帰りに一ノ瀬の家に行った時に振る舞ってはいます。
>
> 松方弘樹とみっちー
> →この点のご指摘は、たしかに野暮だと思います。特に松方さんは、松方さん役で出ているという、東映作品ならではのものかなと。
ありがとうございます。
修正させてください。
まさに唐沢さんの為の映画と言っても過言ではないかと
ただちょっと年齢が行き過ぎているような気もしますが…(^_^;)
一之瀬役の福士くんは
たしか仮面ライダーフォーゼ役でしたよね
だからこれまた適役なのではとも思ったり(ホントにジャリ番扱いしてたらヤですけど)
ライダーファンの自分にとっては
裏方さんにも思い入れがありまして
かの有名な大野剣友会やジャパンアクションクラブ(本作にもクレジットされてましたね)の人たちの本も読んでます。
一之瀬の改心ぶりがちと用意され過ぎてちと甘かったような気がしますが
ラストのアクションは
ハリウッドでも十分通用することでしょう(笑)
ただ「CGもワイヤーも使わない」と言った割にはその部分ショボかったですね(蒲田行進曲の階段落ちぐらいやるかと思ったり(^_^))
自分は元妻というか
ただの別居だけかなとも思いました。(割りと気軽に家に行ったり、娘を現場に呼んだりして)
ゴローさんの式の際
8ミリで本城さんの首のケガが映りましたよね
それに奥さんのカットが大写しになってて(あるいはこの事故が別居?離婚?のきっかけになったのではないかと)
ラストのエンディングロール中の写真は本物のスーツアクターさんの写真なのかあえて古くさく作ったのか興味深かったです。
余談ですが(完全には未確認)
頭の弱そうなアイドルちゃん
ラストのトレーニングに混ざってませんでしたかね?(笑)
おバカアイドルさんは、ゴーバスターズのイエローやってた子だと思いますので、なぜ出したしと言われたら、サービスになるのかな??アイドルなのにドーナッツ食いまくってたのも、ゴーバスターズ設定からですね。
同様に娘にドン・キホーテ渡すのも、役者ネタのはずです。
みっちーは、配給会社のメタファーかと思いました。エニィギブンサンデーでも、金にしか興味ないオーナーのシーンが出てきましたので、あそこまで露骨にできないから、一見映画と関係無い金持ちキャラだしたのかなぁと。
自分が感心したのは、一ノ宮がロケ弁を3つ持っていったシーンですね。さらっと伏線があって、良いシーンだと思いました。
ラストは、こんなもんトニージャーしか撮れねぇよって思ったので、撮影所に向かうシーンが個人的にはクライマックスでした(笑)。この映画でも顔出さずスタントやってた人たちがヒーローですな。クレジットもっと大きくしてあげれば良かったのに。
子供番組のスーツアクターが主人公に据えられただけあって、随所に垣間見える子ども(というか、男の子)の要素が印象的でした。劇中劇に過ぎない『ドラゴンフォー』を主題歌まできっちり作っていることをはじめとして、細かい部分へのこだわりが素敵。
個人的には後半になって一ノ瀬の出番がかなり少なくなったのがちょっと残念。
本城と一ノ瀬の二人が主人公だと私は思っていたのですが、映画出演を決めたあたりから一ノ瀬は表舞台から降りて、「裏方」に回ってしまった感が。
その辺の受け取り方で印象が違ってくるような気がします。
記事内で指摘されているいくつかの疑問点についてはもやもやしたものがあったのですが、先月発売されたノベライズ版ではいくつかに説明がなされていたので、ちょっとすっきり。
・肺炎になった元妻のところへ行かなかった本城
首を痛めた本城に対し、妻は引退を勧めていたものの、本城はまともに取り合わなかったこと。
そんな中、本城が北海道へロケに行っている間に妻が病に倒れてしまい、本城が戻ってこられたのは妻の入院から数日後だったこと。
以上が離婚に至った理由として説明されていました。
・一ノ瀬の母親について
一ノ瀬は実の父親を幼少期に亡くしており、弟と妹は母親が新しい恋人との間にもうけた子供です。
しかしその新しい恋人はアメリカ軍人で、ある日帰国命令が出たためアメリカに帰ってしまい、母親はその後を追いかけていった、という設定になっています。
> 子供番組のスーツアクターが主人公に据えられただけあって、随所に垣間見える子ども(というか、男の子)の要素が印象的でした。劇中劇に過ぎない『ドラゴンフォー』を主題歌まできっちり作っていることをはじめとして、細かい部分へのこだわりが素敵。
> 個人的には後半になって一ノ瀬の出番がかなり少なくなったのがちょっと残念。
> 本城と一ノ瀬の二人が主人公だと私は思っていたのですが、映画出演を決めたあたりから一ノ瀬は表舞台から降りて、「裏方」に回ってしまった感が。
> その辺の受け取り方で印象が違ってくるような気がします。
確かに後半は一ノ瀬の活躍が少なかったですね。
> ・肺炎になった元妻のところへ行かなかった本城
> 首を痛めた本城に対し、妻は引退を勧めていたものの、本城はまともに取り合わなかったこと。
> そんな中、本城が北海道へロケに行っている間に妻が病に倒れてしまい、本城が戻ってこられたのは妻の入院から数日後だったこと。
> 以上が離婚に至った理由として説明されていました。
> ・一ノ瀬の母親について
> 一ノ瀬は実の父親を幼少期に亡くしており、弟と妹は母親が新しい恋人との間にもうけた子供です。
> しかしその新しい恋人はアメリカ軍人で、ある日帰国命令が出たためアメリカに帰ってしまい、母親はその後を追いかけていった、という設定になっています。
なるほど、ありがとうございます。
ハリウッドでもジェイソン・ステイサムさんがアカデミー賞に「スタントマン賞」を新設しようと行動してらっしゃるそうですが、邦画でもこんな作品が作られるだけ希望が持てます!
>テレビゲームのモーションキャプチャーの現場を見せてくれたのもうれしかったですね。
CGによってスタントマンが不要になってしまうのでは?なんて一時期言われていましたが、実は需要と重要性は更に高まっているのですよね。
>福士蒼汰って「仮面ライダーフォーゼ」に出演しているのにいいのかなあ……
しかも作中で演じた如月玄太郎はウザイ程のお節介野郎な良い奴でして・・・。これが出世作なのに、こういう作品へこんな役で出演するからこそ、福士蒼汰さんが唐沢寿明さんにも負けず劣らず特撮作品を愛し、スーツアクターへ同じ役者として敬意を持っていると感じ、ますます大好きになりました!
また一ノ瀬は最初嫌な奴に描かれましたが、実際に特撮作品でヒーローを演じる俳優さんは、スーツアクターさんとは変身前も後も同一人物に見えるよう、まさに二人三脚でキャラクターを作って行くそうです。
ちなみに主題歌を歌った吉川晃司さんも仮面ライダーだったりします(カゲヒナタのレビューで唯一の仮面ライダー映画でもある「仮面ライダーW」です)本編では主人公の先代仮面ライダー、つまり師匠役で、主演のスピンオフ映画も撮られています。
>仮面ライダースカル×吉川晃司 師匠が語るライダーの魅力@ぴあ映画生活特集
ttp://cinema.pia.co.jp/special/riderskull/
ネタバレになるので詳しく言えませんが、本作は「仮面ライダーW」本編を観てから観て欲しいです。
>~野暮な不満点~
>・途中で登場した偏差値の低そうなアイドル志望の女の子はどこ行ったの?
こんな役で出演してくれるなんて、福士蒼汰さんに続いて小宮有紗さんにも好感が持てました!
>・エンドロール後の、監督の文句
この監督自体が大きく汚点でした。自分の拘りで大勢のスタッフに迷惑を掛け、巨額の損失を出し、一人の人間の命を危険に晒そうとしているというのに、まるで我儘な子どもような態度。石橋プロデューサーはかつての無礼を詫び、恥を忍んで本城に懇願していたというのに、せめて絶対に完成させヒットさせる!万一にもこの映画がお蔵入りになったり、貴方が死ぬような事になったら俺も腹を切る覚悟だ!とか言って本城を激励するシーンが欲しかったです。
>まあ武正晴監督が日ごろの文句をここで言いたかっただけかもしれませんが(笑)。
なんと、演じたイ・ジュニクさんも韓国映画監督協会の現会長だそうですね。
今度はわがままな俳優や無能なスタッフ、金の亡者で傲慢なスポンサーとその手下と化しているプロデューサーに振り回される映画監督の大変さを描いた映画を撮って欲しい・・・と思ったら、けっこうそんな作品有りそうですね・・・。
あと二時間半も有ったのに、細かい所は小説読んで!な構成も・・・(補足説明くださった皆さん有難うございます。コミックもノベルも買います!)
>最後に大けがをした本城
これが原因で「出演者に重傷を負わせても撮影を続行!」とかマスコミに叩かれて・・・にならないかと心配してしまいました。
でも「完成までに色々あった映画」でも紹介されていましたが、出演者が重傷を負っても撮影が続行され、公開された作品は多いそうですね。怪我をされた方も、命掛けの仕事が無駄になるような結果なんて望んでおられないでしょうし、それで良いと思います。
> >福士蒼汰って「仮面ライダーフォーゼ」に出演しているのにいいのかなあ……
> しかも作中で演じた如月玄太郎はウザイ程のお節介野郎な良い奴でして・・・。これが出世作なのに、こういう作品へこんな役で出演するからこそ、福士蒼汰さんが唐沢寿明さんにも負けず劣らず特撮作品を愛し、スーツアクターへ同じ役者として敬意を持っていると感じ、ますます大好きになりました!
> また一ノ瀬は最初嫌な奴に描かれましたが、実際に特撮作品でヒーローを演じる俳優さんは、スーツアクターさんとは変身前も後も同一人物に見えるよう、まさに二人三脚でキャラクターを作って行くそうです。
> ちなみに主題歌を歌った吉川晃司さんも仮面ライダーだったりします(カゲヒナタのレビューで唯一の仮面ライダー映画でもある「仮面ライダーW」です)本編では主人公の先代仮面ライダー、つまり師匠役で、主演のスピンオフ映画も撮られています。
> >仮面ライダースカル×吉川晃司 師匠が語るライダーの魅力@ぴあ映画生活特集
> ttp://cinema.pia.co.jp/special/riderskull/
> ネタバレになるので詳しく言えませんが、本作は「仮面ライダーW」本編を観てから観て欲しいです。
仮面ライダーではめっちゃいいやつなんですね……
彼がこの役をやるからこそ、許されるのかも。
> なんと、演じたイ・ジュニクさんも韓国映画監督協会の現会長だそうですね。
そうなんだ!いちばん言っちゃいけないような気がw
賞賛すべきとても素晴らしい映画なのはもう勿論の事ですが、
エンドロールの映像や写真は別の見せ方をして欲しかったなぁと思います。
確かに素晴らしい映像や素敵な写真だったのですが、そちらに集中してしまって、映画の題材である裏方さん達の名前に焦点が当たりにくい演出だと思いました。
そこだけはもったいなかったなぁと…
でも、この映画のお陰でこれからの映画の新しい楽しみが発見できました。
今日観てきたので、いろいろ調べていたらこの記事を発見しました。おもしろく拝見しました。
ひとつ指摘させていただきたいのですが、アイドルの女の子が小宮有紗さんと書かれていますが、小宮有紗さんが演じていたのはドラゴンフォーのピンク役の女優さんですよ。
ブルー役の方のブログにも記載されています。(http://ameblo.jp/honda-ryo/entry-11788729840.html)
> 今日観てきたので、いろいろ調べていたらこの記事を発見しました。おもしろく拝見しました。
>
> ひとつ指摘させていただきたいのですが、アイドルの女の子が小宮有紗さんと書かれていますが、小宮有紗さんが演じていたのはドラゴンフォーのピンク役の女優さんですよ。
> ブルー役の方のブログにも記載されています。(http://ameblo.jp/honda-ryo/entry-11788729840.html)
ありがとうございます。訂正します。
近年こそ女性スーツアクターが演じることが増えましたが、戦隊のピンクは伝統的には男性が演じる方が多かったように思います。
女性よりも女性らしいピンクというと、現在トッキュージャーでノア夫人を演じている蜂須賀祐一さんを思い浮かべました。蜂須賀さんは30年近くヒロインを演じてきたレジェンドとも言えるスーツアクターです。
個人的に気になったのは、テレビでヒーローのスタントをやっているHACのメンバーが、ヒーローショーにも出ていいるという描写でした。現実的にはテレビとヒーローショーの掛け持ちはスケジュール的に困難です。後楽園ゆうえんちのヒーローショーには、稀にテレビのスタントメンバーが出ていることがありましたが、それは撮休となるお正月などの特別なケースのみです。