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最高の瞬間 映画「ジャージー・ボーイズ」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

遅ればせながら、今日の映画感想はジャージー・ボーイズです。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:青春の愛おしさに溢れている


あらすじ


ニュージャージー州の貧しい町で生まれ育った4人の若者たちは、世界に名を馳せるミュージシャンになろうとしていた。
“天使の歌声”を持つフランキー・ヴァリ(ジョン・ロイド・ヤング)を筆頭に、彼らはバンド「フォー・シーズンズ」を結成する。
しかし、その栄光の裏にはとある秘密があって……




チェンジリング」「グラン・トリノ」のクリント・イーストウッド監督最新作にして、実在の音楽グループのフォー・シーズンズを題材とした作品です。

本作は同名のミュージカルを原作としていて、主演のジョン・ロイド・ヤングはミュージカル版でも主役のフランキー・ヴァリを演じていました。
フランキーを含めたフォー・シーズンズのメンバーの歌と演奏は、“吹き替え”をしていません。
彼らが奏でる楽曲の数々は、本物そのままのクオリティー。音楽が好きな人にとっては、これだけで観る価値がある作品です。
サウンドトラックは、もはや映画を観た人にとって必携でしょう。

1200円
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客を呼び込むための有名な俳優を使うのではなく、あくまで楽曲のすばらしさを追求した配役がされていることだけでも、この映画が大好きになりました。
それは「まったくの無名だった若者の成功物語」とシンクロしています。
とにかく利益優先、事務所のゴリ押しばかりの日本の映画界にも見習ってほしいものです。

あ、そうそう、キャストの中でいちばん有名なクリストファー・ウォーケンものすんごくかわいいです。
口ではなんだかんだ言いつつもフォー・シーズンズをやさしく見守っているところとか、ツンデレおじいちゃんの魅力を堪能できて幸せでした。

有名な楽曲の数々が魅力的な作品ですが、若者たちの青春ドラマとしても奥深く仕上がっています。
イーストウッド監督は「この作品をミュージカルだと思っていない。作品のテーマはあくまで4人の男の物語で、たまたま彼らが音楽を選んだだけだ」と語っています。
若者たちの栄光と挫折、彼らの欠点を含めた愛おしさを描くイーストウッド監督の“らしさ”に溢れていました。

本作はじつは本国ではあまり評判がよくなく、興行成績もいまいちぱっとしていません。
しかし、日本では大絶賛を持って迎えられており、2週連続興行成績7位と上映館数の少なさに比べれば十分なヒットをしています。
これは日本でも有名な楽曲がたくさん登場したこと、物語にある“事情”が日本人の心を捉えたからなのかもしれませんね。
「仕事と家庭の両立が難しい」なんて(世界共通ではあるだけだろうけど)日本人の多くが抱えている悩みでしょうから。

欠点は、個人的には作中の借金がらみのエピソードにやや違和感を覚えてしまったところ、主役の4人のうちMichael Lomenda(ニック・マッシ役)とErich Bergen(ボブ・ゴーディオ役)の見た目がわりと似ているための混乱してしまったことくらいです。

「ジャージー・ボーイズって誰?」と思っている人たちにとっても「え?あの曲ってこの人たちが作っていたの?」と驚ける楽しみかたがあるでしょう(自分がそうでした)。
これは、有名なアーティストが過去に作り出した、すばらしい楽曲の数々を知る機会でもあります。
老若男女を問わず、おすすめします。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓







まずは野暮な不満点から(この映画が好きな人は読み飛ばしたほうがいいかもしれません)。

〜野暮な不満点〜

個人的にあまり好きではなかったのは、トミーの借金がらみのエピソードです。
トミーはフォー・シーズンズを救うためにメンバーには秘密にしながら借金をして、プロデューサーのボブ・クリューに渡していました。
しかし、実際に借金が見つかったときには「なぜ借金をしたか」にはあまり触れられず、トミーは「生活がだらしない」ことなどを責められているのです。

トミーはフォー・シーズンズのためだけではなく、自分勝手なギャンブルをしたために借金を作ったところもあるのでしょう(プラス50万ドルの借金も作っていたし)。
トミーは若い頃は何度も刑務所に入れられる奔放な生活をしていましたし、確かに責められてしかるべきところもあると思います。

でも、トミーが映画の冒頭で「俺がいなきゃフォー・シーズンズは終わっていた」と観客に訴えたり、「100万枚を売った男になんて言い草だ」と言ったように、トミーがいたからこそフォーシーズンズの成功があったことも事実です。
それに対するフォローがほとんどなく、単に「トミーは悪いヤツ」のまま、責められたまま終わってしまっているかのような違和感を覚えたのです。
後でゴーディが「彼にも事情があった」と言ってくれるのはうれしかったのですけどね。


〜詐欺にひっかからずにすんだから〜

そんな不満点はともかく、若い頃のフランキーが“クルマの中でウソの人殺しをされた”エピソードはうまく伏線として生かされていたと思います。

このときのフランキーは、トミーにそれが詐欺であることを教えられ、お金を奪い取られずにすみました。
その恩義があるからでこそ、フランキーはトミーを詳しく問いただそうとせず、ただただ借金を肩代わりすることを選んだのでしょう。


〜ニュージャージーという街で〜

トミーが「この街(ニュージャージー)から抜け出す方法は3つだ。軍隊に入るか、マフィアになるか、有名になるかだ。俺たちは後のふたつを選んだ」と言うのもおもしろかったですね。
この映画では登場人物が「観客に向かって」語りかけてくれるため、彼らの境遇をわかりやすくするのに一役買っています。

彼らは十分な教育も受けれていない。この街で人生を終えるのは恐ろしい。
しかし、同じくニュージャージー出身のフランク・シナトラのようになれるかもしれない。
だからでこそ、そのわずかな選択肢で成功を目指すー。その心情が表れていました。

ニックがトミーのことを「トムーチ」と呼ぶのはイタリア語っぽい呼びかた(たぶん)で、これはニュージャージーが多様な民族が住まう土地柄であり、貧しいイタリア人がたくさんいたためでもあるのでしょうね。


〜小ネタ〜

フォー・シーズンズのメンバーのひとり、ゴーディが「タモリ倶楽部」のオープニングでおなじみの「Short Shorts」を作曲していたという事実には驚きました。
しかもこのとき、ゴーディはまだ10代なんですよね。エロい楽曲なのにこのときのゴーディが童貞だったのも驚いたなあ

フォー・シーズンズがたびたび改名をくり返していて、カフェの看板からその名前をつけたのは事実だそうです。
後にプロデューサーから「ヴィヴァルディみたいな名前だな」とツッコまれるのは笑いました。「四季」は超有名ですものね。

ニックが最後に自分をリンゴ・スターのようなポジションだと語ったのはおかしいやら悲しいやら。
リンゴもビートルズから実質的には脱退していますからね。

小ネタはこちら↓が詳しいので、ぜひ参考にしてみてください。
<ジャージー・ボーイズ公開への道>


〜君の瞳に恋している〜

live Big girls don't cry」「Walk Like a Man」「Sherry」など、作中では名曲たちが披露され続けていきました。
(「My Mother's Eyes」を聞いて涙しているクリストファー・ウォーケンに激萌え)

その中で、とくに「君の瞳に恋してる(Can’t Take My Eyes Off You)」は多くの人に深い感動を与えたでしょう。

フランキーは、愛する娘・フランシーヌをドラッグにより失いました。
フランシーヌは歌手を夢見ていましたが、自分を傷つけたまま死んでしまったのです。
ゴーディはカフェで沈んでいたフランキーに出会い、「彼女のためにもがんばれ、話せてよかった」と励まします。

その後にフランキーが発表したのが、まさに「君の瞳に恋してる」だったのです。



その明るい曲調と歌詞は、死んだ者に捧げる鎮魂歌としてはふさわしくないようにも思えます。
しかし、このことこそが作品の狙いだったのでしょう。

フランキーは例えようもないほどの「愛」を歌っています。
それでいて、「I wanna hold you so much(君を強く抱きしめたい)「I need you baby(君が必要だ)」「And let me love you(愛させておくれ)」と、それがもう二度と叶わない悲しさをも歌っているかのようです。
「Trust in me when I say: OK(僕が大丈夫だと言ったときは信じてほしい)」は、まさにフランキーが娘に伝えたかったことのなのではないでしょうか。

普遍的な愛を歌っていたような有名な楽曲に新たな解釈を加え、そしてフランキーの娘への愛をこれ以上なく表した演出は、見事と言うほかありません。


〜最高の瞬間〜

1999年、“ロックの殿堂”に選ばれて、4人が集まります。
フランキーは“最高の瞬間”を「街灯の下で俺たちだけのハーモニーを奏でたとき」と語りました。
その後のエンドロールでは、まさにその最高の瞬間を見せてくれました。


日本限定公開のYouTubeのエンドロール映像です。

最高だったのは楽曲が売れた時でも、有名になったときでもない。
ただただ青春のまっただ中で自分たちだけのハーモニーを奏でていたときだった。

その彼らしか知るはずのない最高の瞬間を、観客にも味あわせてくれるこの作品はなんと贅沢なのでしょうか!
「あのころに戻る」幸せを感じさせてくれる作品でした。


↓おすすめ
『ジャージー・ボーイズ』に溢れるイーストウッド監督の音楽愛/前編 MOVIE Collection [ムビコレ]
ジョー・ペシと縁故があったとは! - ユーザーレビュー - ジャージー・ボーイズ - 作品 - Yahoo!映画
優しさあふれるストリー、心地よい音楽 - ユーザーレビュー - ジャージー・ボーイズ - 作品 - Yahoo!映画
第二十六回『ジャージー・ボーイズ』 | 映画時評|神戸映画資料館
ジャージー・ボーイズで考えるヒット曲の価値と寿命 あふれる音楽と限られた時間の狭間で・・・:JBpress(日本ビジネスプレス)

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

2014-10-12 : 旧作映画紹介 : コメント : 4 : トラックバック : 0
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非公開コメント

No title
20世紀のアメリカの若者の青春が、お爺ちゃんの懐古趣味の押し付けにならず楽しめました。
ガキでなく大人になるという事、女の子のお尻を追っかけていた頃から夫に父になるという事、楽しい事ばかりでない芸の道、喧嘩しても離れられない気持ち、どれだけ壊れても想いと努力があればやり直せる、立て直せると、現代の若者にも通じるお話でした。
今、日本はアイドルブームですけど、今が四半世紀後にこんな映画になれるかなあ・・・。

>クリストファー・ウォーケン
でも実は恐い人なんですよね。その辺も含めて大きくなった悪ガキな4人を見守る大人の魅力と度量に溢れていました。

>本作はじつは本国ではあまり評判がよくなく、
今のアメリカ人には、お爺ちゃんの懐古趣味にしか映らなかったのでしょうか。しかし日本人の琴線には触れてしまうとか複雑な思いです・・・。

>〜野暮な不満点〜
すみません。自分もちょっとトミーがジャイアン過ぎるとか思ってしまいました・・・。

>日本限定公開のエンドロール映像です。
知らなかった!これは嬉しいです!反面、アメリカの人にも観て欲しいなあ・・・
2014-10-13 03:10 : 毒親育ち URL : 編集
No title
シェリーの大ヒット時に、何と、日本の歌番組では毎日のように流れてました。
歌っていたのは、パラダイス・キングの九重由美子さんも!(知らないかな?)
私は、今まで、ズ~~っと,[4Seasons]は、黒人のコーラスグループだと思ってました。
それから、最後のHit作「君の・・・」とかなり曲想が違うのでこっちも、別のグループと思ってました。

出演しているC.ウオーケンが、チョイとしか出てませんが、良い役ですね。
マフィアの親分でありながら、母親の大好きだった極に涙を流したり、借金の清算への協力を惜しまなかったり、本当に任侠映画の良い親分の典型例?
いつもの爬虫類のような虚無的な目付きとことなり、慈父のような感じがしてます。

イーストウッドさんの一瞬でしたが見えたTVでのカメオ出演(なんと、懐かしTV西部劇 ローハイド)も、あの時代を思い起こさせました。

エンド・ロールが日本限定だなんて、もったいない!
2014-10-13 09:29 : sakura URL : 編集
Re: No title
ごめんなさい。
上映されるエンドロールは各国共通で、ネットで観れるのが日本限定という意味です。
誤解させてしまってすみませんでした。
2014-10-13 10:33 : ヒナタカ URL : 編集
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2014-10-13 18:13 : : 編集
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