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本当の自由 映画「楽園追放 -Expelled from Paradise-」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は楽園追放 -Expelled from Paradise-です。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:あらゆるオタクが好きなもの詰め込みすぎ(歓喜)


あらすじ


西暦2400年、人類の多くはディーヴァと呼ばれる電脳空間で暮らしていた。
あるとき、ディーヴァにフロンティアセッターと名乗る者がハッキングをしかけてくる。
ディーヴァの捜査官アンジェラは、マテリアル・ボディ(生身の身体)を使って地上に降り立ち、腕利きの調査員・ディンゴとともに、事件の真相を追う。




鋼の錬金術師」の水島精二監督、「魔法少女まどか☆マギカ」の虚淵玄脚本のオリジナル劇場アニメ作品です。

釘宮理恵
6393円
powered by yasuikamo
※12月10日発売

「まどマギ」の虚淵脚本だから「どうせ人がぶしゃぶしゃ死んでいく内容なんだろうな」と思ったら、それは大きな間違いでした(ごめんなさい)。
本作は、アニメを中心として古今東西のオタクが大熱狂できる内容になっているのです

押井守作品好き
→作中では哲学的な会話シーンが盛りだくさんだよ!

・映画「マトリックス」好き
→人間が仮想(電脳)空間で過ごしている世界観が共通しているよ!

・映画「サマーウォーズ」好き
→電脳空間でバトルするところが似ているよ!

・二次元(3Dモデルだけど)美少女好き
→肉体年齢16才の少女がまったくけしからん格好で登場するよ!
<けしからん

・声優好き
→主要キャストは釘宮理恵三木眞一郎神谷浩史と超豪華だよ!

・ロボット好き
→映画「トランスフォーマー」ばりの市街地での戦闘シーンが登場するよ!

・ロードムービー好き
→凸凹コンビが旅を通じて心を通わせていく様子が描かれているよ!

・「翠星のガルガンティア」好き
→同じ虚淵脚本作品だからか、“チェインバー”に激似のキャラが登場するよ!

これらが1時間44分の上映時間のなかにたっぷりと詰め込まれているので、もうそりゃあお腹いっぱい、大満足になれるというものです。
上映劇場が全国で13館しかないのは残念ですが、上記に該当する全国のオタクたちはとっとと劇場に向かえばよろしいです。もうこれ以上何も書かなくていい勢いですね。


本作で何より感動したのは、その縦横無尽に展開するロボットアクションシーンです。
セル画ではなく全編フルCGで作られているため、“空間”を意識したスピーディーなアクションが展開するのですから、大スクリーンでこそ堪能するべき内容でしょう。

NARASAKIによるサイバーな音楽も最高にアクションシーンにハマっており、破壊音が“音楽の一部”のように思えるようにもなっています。
Rez」のような、音とシンクロするシューティングゲームをプレイしているかのような感覚を味わうことができました。

また、哲学的な考察の中には現代社会への批判が込められています
具体的な内容はネタバレになるので↓に書きますが、「楽園追放」というタイトルに密接に関係しており、また多くの人が共感できるものになっていました。

「電脳空間上で何でもありのバトルをする」という内容に留まらず、じつは現実世界でのシーンのほうが作品の主体というのもおもしろかったです。
「マトリックス」で言えば、主人公のネオが“アンダーソン”だったころのパートのほうを重視して描いているようなものです。
仮想(電脳)空間はSFでは手あかのついた設定ではありますが、本作には十分すぎるほどのオリジナリティも感じました。


難点は、専門用語がわんさか登場すること。
ちょっとあげただけでも「ディーバ(電脳空間)」やら「マテリアル・ボディ(生身の身体)」やら「ナノハザード(よくわかんないけど前時代に起きた危機らしい)」やら……これらはほとんど説明されることがないので、人によっては戸惑ってしまうでしょう。
初めに登場したキャラがいきなり5つくらいの専門用語を使いながら話し始めるのはさすがに面食らいました。

でも、これが意外となんとなく把握することができます。
これは作中でしっかりと世界観を築き上げているおかげでしょう。
決して専門用語で埋め立てるだけの意味不明な作品にはなっていません。

また、登場人物が己の価値観をぶつけ合うシーン(テーマを話す)シーンが多くあり、ここも好き嫌いがわかれるポイントなのかもしれません。
事実、上映時間の半分は登場人物の会話シーンと言っても過言ではありません。やっぱり押井守的だなあ……。
本作においては、さすがにもう少しだけでも、セリフでなく演出で語ってほしかったです。

主要の3人以外のキャラがまったく立っていないのも、気になる人が多いでしょう。
裏を返せば、3人に絞ることでより主要キャラに感情移入をさせてくれる作品とも言えるかもしれません。

また、こうしたオタクくさい(失礼な言いかた)アニメを見慣れていない人にはけっこうハードルが高いかもしれませんね。
たとえば、「ヒロインはなんであんなセクハラ的なスーツを着ているの?」の理由は「オタクが喜ぶから」としか言いようがないですもの。だがそこがいい


ともかく、本作は「我こそはオタク!」だと自覚する人には大プッシュでおすすめできる作品です。
ロボットアクションに「なんだこれぇぇぇすげぇぇぇ」と興奮するだけでもよし、ヒロインのツンデレボイスにハァハァするもよし、頼れるニヒルな男に惚れるのもよし、哲学的なテーマに考えを巡らせるのもよしと、あらゆる面から楽しめる要素が満載の作品なのですから。
その筋(どこ?)の人が観れば、きっと<アニメ映画ベストテン>に投票するに違いありません。

専門用語は多いですが、劇場オリジナル作品なのでまったく予備知識を必要としません。
最高のアニメを楽しむつもりで、ぜひ劇場へ。エンドロール後にもおまけがあるので、最後まで観ましょう!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓










〜ロリロリの理由〜

笑ったのが、アンジェラが手に入れる肉体がなぜ16才という設定なのか?という理由でした。
彼女はほかの捜査官に出し抜かれないように早く肉体を用意する必要があり、16才で肉体の年齢を止めざるを得なかったのです。

さらに地上で出会ったディンゴには「だからそんなにロリィなのか」と言われるし。
ちなみに「エヴァンゲリオン」の主人公たちは14才だったりするので、ロリコン度から言ったらまだまだたいしたことないと思いますよ。電脳空間でのムッチリボディのままでもよかったよね。

(疲れていていて)頬を赤めたりとかわいい彼女ですが、うどんに七味をいれておいしいと驚いているところはとくに萌えますよね。
うどんを食べるのは「ブレードランナー」ネタでしょう。


〜キャラクターの名前〜

アンジェラは、楽園から地上に降り立つ天使(エンジェル)を意味しています。
Angelaはイタリア語の女性名でもあるので、より“女性”であることが強調されているのですね。

ディンゴはオーストラリア大陸に住む野犬の名前です。
彼はまさに“野良犬”のように気ままに生きていましたね。
ネットワークを駆使して戦闘をするアンジェラが、ディンゴのアナログな捜査に乗っかるというプロットがおもしろいです。

フロンティアセッター(frontia setter)はまさに「未開拓の場所を設置する者」という意味でした。


〜ディストピアとしてのディーヴァ〜

本作が描いているのは、現代社会、とくに格差社会と競争社会への批判です。

アンジェラの暮らすディーヴァは、あらゆる快楽が体験でき、一見楽園のように思えます。
しかし、実態は成績の悪いものはディーヴァでは“凍結”され、居住権を与えられず、返り咲くことも困難になります。
アンジェラもとにかく成績をあげることに躍起になり、ディンゴはそれを「出世だけが人生の目的になっちまう、俺はそんなのごめんだね」と批判します。

ディーヴァはディストピアであり、現代社会の延長線上にあるものです。
フリーターになると正社員になることが困難だったり、いざ正社員になっても過労で倒れたり……それと同じようなことが“楽園”という場所で起きているのならば、ディンゴがそれを“戯れ言”というのももっともでしょう。


〜現実世界でこそ〜

アンジェラは、ディーヴァでは本能的欲求を超えた快楽が得られると言っていましたが、ディンゴの「骨で音を感じる」という快感に興味津々でした。

アンジェラは現実世界のことを「前時代の滅ぶべき世界」と言い、そこに住むディンゴでさえも「肉を喰って生活しなければならない世界」と表現しています。
しかし、その不自由な現実世界で、肉体があるからこそ体験できる快楽もある—これもまた、電脳空間のディーヴァがユートピアであるということを否定する事実です。


〜どちらが人間?〜

おもしろいのは、自我を持った人工知能であるフロンティアセッターが、音楽に対して「好き」という感情を持ったり、ディンゴとのセッションを「おもしろい」と定義していること。
これはプログラム上のものなのかもしれませんが、ディンゴは「人間の定義だってあいまいさ」とフロンティアセッターに告げ、アンジェラも「あなたは立派な人間よ」と言ってくれます。

ディーヴァの住人だって(もとは人間ですが)情報化されて存在しているだけです。
むしろ、論理的な考えで脅威(フロンティアセッター)を排除しようとしているディーヴァの上層部のほうが、よっぽど非人間的に思えてきます。

フロンティアセッターは残念ながら当初の目的だった、計画に賛同する人間を連れて行くことは叶いませんでしたが、これでよかったのかもしれません。
彼自身が、もう人間なのですから。
しかも、フロンティアセッターはディンゴの言う“仁義”で人を助けるやさしさをも持っているのです。


〜どちらが自由?〜

エンドロール後には、上層部の人間が「さらなるディーヴァの発展」を願う様子と、銀河の果てへと旅立ったフロンティアセッターが楽しそうに主題歌を歌うところが映し出されます。

徹底的に管理化して個人(アンジェラ)の主張が排除される楽園の住人と、広大な銀河の果てへ旅立つフロンティアセッター。
どちらが“自由”なのかは、もう疑いようがありません。


〜楽園追放〜

旧約聖書に記されたアダムとイブは、禁断の果実を食べたために楽園を追放されました。

アンジェラは地上で肉体の重さを感じて「アダムとイブの気持ちがわかる」言っていましたし、彼女は最終的にフロンティアセッターの計画に巻き込まれてディーヴァから追放されてしまっています。

しかし、彼女は楽園(ディーヴァ)から追放されたことで、“不自由”な世界に身を置くも、出世争いから解放され“自由”になったのです。

「不自由な場所でこそ、自由になれる」「一般的に定義されている楽園が、楽園とは限らない」という逆説的な結果が、この物語の主題なのでしょう。
観た後は、人それぞれが「自由な生きかた」を考えてみるのもいいのかもしれません。

おすすめ↓
水島精二監督×脚本・虚淵玄『楽園追放』インタビュー前編 「なぜ楽園なのか?を考えて欲しい」 | アニメ!アニメ!
水島精二監督×脚本・虚淵玄『楽園追放』インタビュー後編 「人の死なない話にしようね」 | アニメ!アニメ!

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

2014-11-20 : 映画感想 : コメント : 1 : トラックバック : 0
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非公開コメント

No title
アニメ評論本「Fani通」的には本当は観に行かねばならないのでしょうが、手が拡げづらい…。
せめてT・ジョイ蘇我あたりで上映してくれれば…。
2014-11-20 12:42 : シオンソルト URL : 編集
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『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
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『紙の月』
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『るろうに剣心 伝説の最期編』
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<2013年上半期公開>
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『横道世之介』
『脳男』
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<2012年下半期公開>
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『るろうに剣心』
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『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
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<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
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『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』

<2011年上半期公開>
『ブラック・スワン』
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『手塚治虫のブッダ』
『わたしを離さないで』
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<2010年公開作品>
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