残虐+重圧なドラマ 映画『ザ・レイド GOKUDO』ネタバレなし感想+ラストの解釈
![]() | イコ・ウワイス 3756円 powered by yasuikamo |
個人的お気に入り度:7/10
一言感想:暴力って本当にイヤだなあ……(観るのは別にして)
あらすじ
ビルから生還した警官・ラマ(イコ・ウワイス)は囚人を装って刑務所に潜入し、マフィアのボスを父親に持つ男・ウチョ(アリフィン・プトラ)と出会う。
出所後、組織のメンバーとして迎えられラマは組織の情報を警察に知らせようとするのだが、ウチョは父親に対する反発と野心をつのらせて行き……
インドネシア映画『ザ・レイド』の続編です。
![]() | イコ・ウワイス 2300円 powered by yasuikamo |
前作は「警官たちがビルで格闘しまくってみんな死にまくります。おしまい」で説明できるくらいにシンプルな内容(そこが最高)だったのですが、今回はだいぶ様相が変わっています。
単純にアクションが連続するだけでなく、ドラマ部分が大幅に増量し、真面目なマフィアものへと変貌を遂げているのです。
描かれているのは、マフィアの親子の確執、父に愛されたい子の悲哀であったりします。
ギャレス・エヴァンス監督は同じことを2回やることを好まないそうですし、今回のもともとの脚本は続編ではなくオリジナル作品として使う予定だったそうなので、この作風の変更は必然と言えるものだったのではないでしょうか。
作風が変わったとはいえ、変わらない魅力もあります。
東南アジアで伝統的に行われている武術・シラットによるアクションは、ほかにはない迫力とおもしろさがありました(しかもさらにバリエーションもより豊かに)。カランビットナイフを使った闘いは最高に燃えます。
加えて、本作では敵キャラクターの個性も強まっています。
マンガでしかありえないような、「ベースボール・バットマン」と「ハンマーガール」というすっげえ強い殺し屋が登場するのです(しかもこのふたりは兄妹という設定)


ついでに、素性不明の浮浪者までもが闘いに参加します。

こいつらが血みどろの凄惨なバトルをくり広げるんですよ。はい、観たくなりましたね(洗脳)。
しかも、今回は格闘術だけでなくカーチェイスもあります。
もちろんその内容は『ワイルド・スピード』のような健全(?)なものではなく、痛そうなシーン満載、残虐なのでした。

本作は前作のラストから直接つながりがあるので、なるべくなら前作を観てから間をおかずに鑑賞したほうがいいかもしれません(こんな作品、続けて観たら疲労度が半端ないことになりそうですが)
ちなみに自分が劇場で観たのは、残虐シーンの一部がカットされているR15+指定版でした。
調べてみると、わりと重要なシーンがカットされていたので残念だったなあ……
ソフト版は「アンレイテッド」ということで、カットのなしのR18+指定版。こっちをいまから観れる人がうらやましいです。
さて、本作の欠点は……少しネタバレかもしれませんが、もう言ってしまいます。
それはヤクザに扮している遠藤憲一、松田龍平、北村一輝の活躍が少ないこと。
どなたもいい役者さんであるし、「マフィアVSジャパニーズ・ヤクザ」という要素を期待していた身としては残念としか言いようがありません。続編に期待します。
また、今回のメインキャラクターである「ウチョ」(アリフィン・プトラ)がわりと北村一輝にそっくりで、一瞬混乱してしまいました。

![2015032817_38_32-The Raid 2_ Berandal - Red Band Trailer (2015) [HD] - YouTube](https://blog-imgs-76-origin.fc2.com/k/a/g/kagehinata64/20150328174021859s.jpg)
ついでに言うと、役名も「ウチョ」と「ウジョ」という紛らわしいのがあったり……まあ気になるほどではないんですが。
あと外国の役者さんがたまに日本語を話すのですが、イントネーションと発音がブロークンすぎてすげえ聞き取りにくいです。日本語字幕がほしいくらいでした。
そんなわけで不満点もそれなりですが、2時間半近くの上映時間でありながらまったく飽きることのない勢い、重圧さは一見(もちろん二見でも三見でも)の価値があります。
個人的にはザ・シンプルな前作のほうが作品としては好みだったりしますが、残虐アクションが観たい人にとっては大満足できるのではないでしょうか。オススメですよ(でも子どもは観るんじゃない)。
以下、短いですがラスト手前の展開のみがネタバレ 未見の方はお控えください↓
ラストの会談中、ウチョが周りを見渡す(カメラもそれを追う)というだけのことを長く捉えたカットがありました。
これはウチョが「ショットガンを持つか、否かを迷っていた」シーンなのでしょう。
ウチョはただただ父に認められることを欲していましたが、カラオケ店の女性店員に危害を加えようともしていた激情の男でもあります。
ここでは、その性格を抑えてショットガンを取ろうとかどうかを迷っていた……しかし、そこに主人公・ラマという「暴力」が現れたことによってけっきょくショットガンを拾い、標的を殺してしまうのです。
これは、暴力により運命を変えられた人たちの姿を描いた物語とも言えます。
ラマは妻がいるのに潜入捜査をして殺し合いの闘いに参加することを余儀なくされ、
浮浪者の格好をしていた殺し屋は15年も会っていない息子を想うも、殺し屋を続けるしかなく(しかもだまされて殺される)、
けっきょくウチョは暴力により身をほろぼし、父に認められることもなかったという……
本作は暴力を真正面から描いていながらも、意外と暴力に対して否定的な映画と言えるかもしれません。
ラストのラマの「ひと言」は、まさに「暴力なんて大嫌いだ!」という訴えそのものも思えます。
↓作品の見どころはこちらの素晴らしい記事で。残虐な画像があるので注意。
自分はこの記事を読むまで、冒頭で殺されたのが前作で活躍した主人公の兄だということに気づきませんでした……
三角絞めでもてなして ザ・レイド GOKUDO(R18+ディレクターズ・カット版、R15版)(ネタバレ)
とにかくアクションがスゲェ映画を挙げろと言われて
最初に浮かぶのがこの作品になるくらいザ・レイドにはどハマりしました。
シラットのスピーディ且つ容赦ない打撃の応酬の数々は一戦一戦気が抜けず、
勝負が決した時は凄まじい爽快感を感じる素晴らしいアクション映画だと思います。
そんなザ・レイドの続編ってことで自分は上映初日に観て参りました。
期待を裏切らない凄まじいアクションに大満足して帰ったのを覚えてます。
浮浪者にしか見えないプラコソは前作でマッド・ドッグを演じた方らしいですね。
みすぼらしい格好と髪、ヒゲでパンフレット読むまで気づきませんでした……
前作とは全く違う人情味溢れるキャラだっただけにギャップも半端ないです。
>しかも、今回は格闘術だけでなくカーチェイスもあります。
このシーンの凄まじいところはアクションもさることながらカメラワークだと思います。
①ラマの乗る車の車内を戦闘を映す←あるある
②カメラが車外に出る←まぁ分かる
③エカの運転する後続車の車内にカメラが入る←おぉすごい
④カメラが反対側に抜ける←!?
一体どんな方法で撮影してるのか気になって仕方ないです……
>ヤクザに扮している遠藤憲一、松田龍平、北村一輝の活躍が少ないこと。
三人の活躍が全くと言っていいほどなかったのは残念でしたね……
皆、インパクトのある方々だっただけにもっとバイオレンスな活躍をして欲しかったです。
予告では北村一輝氏がエスカレーターですれ違いざまに頭を撃つようなシーンがあったのでカットされたのかも知れないですね。
尺の都合もあったのかも知れないですが、なんにせよ「単なる対抗組織」程度でしか登場しなかったのは残念でした……
>イントネーションと発音がちょっとアレですげえ聞き取りにくいです。
個人的になのですが遠藤憲一氏の台詞にも字幕が欲しkゲフンゲフン……
>ちなみに自分が劇場で観たのは、残虐シーンの一部がカットされているR15+指定版でした。
R-15+指定版はストーリーのみならず、終盤のキラーマスターとの戦闘シーンがゴッソリ削られています。
修正が効かない程の流血シーンなのでカットしたのでしょうが、まさに死闘と言って差し支えない、
壮絶な戦闘シーンだっただけにカットされたのが残念でなりません……
ディスク買いましょう(迫真)
>本作は暴力を真正面から描いていながらも、意外と暴力に対して否定的な映画と言えるかもしれません。
ラマがウチョにとどめを刺したシーンはとても勝者の表情とは思えないような悲壮感がありました。
ラマには組織を潰すという目的があったとは言え、2人には友情というか、何らかの信頼関係はあったと思います。
それを裏切り、すべてに引導を渡すためにウチョを殺害せざるを得なかったラマの心境は辛いものだったに違いありません。
更にラマは前作のラストから常に暴力の真っ直中に身を置いていました。
ラマにとってはまさに「もううんざりだ」だったのでしょう。
こんな過激な映画を撮る&演じているギャレス・エヴァンス監督とイコ・ウワイス氏ですが、
こちらのインタビューでかなり可愛らしい一面を見せていてほっこりしました。
http://www.kotaku.jp/2014/11/the-raid-gokudo-interview.html
日本人キャストの出番が少ない、日本ではR-15+版しか公開されないなど不満はあれど、
今回も素晴らしいアクションに大満足することが出来ました。
既に製作が決定しているザ・レイド3に期待です!
> 浮浪者にしか見えないプラコソは前作でマッド・ドッグを演じた方らしいですね。
> みすぼらしい格好と髪、ヒゲでパンフレット読むまで気づきませんでした……
> 前作とは全く違う人情味溢れるキャラだっただけにギャップも半端ないです。
自分はリンク先のカミヤマさんのブログで知りましたが、あんなん気づかないですよ!
> >しかも、今回は格闘術だけでなくカーチェイスもあります。
> このシーンの凄まじいところはアクションもさることながらカメラワークだと思います。
> ①ラマの乗る車の車内を戦闘を映す←あるある
> ②カメラが車外に出る←まぁ分かる
> ③エカの運転する後続車の車内にカメラが入る←おぉすごい
> ④カメラが反対側に抜ける←!?
> 一体どんな方法で撮影してるのか気になって仕方ないです……
前作の上の階から下の階に降りるのも好きでしたが、これは本当にどうやって……
> 予告では北村一輝氏がエスカレーターですれ違いざまに頭を撃つようなシーンがあったのでカットされたのかも知れないですね。
そうそう、このシーン楽しみにしていたのに。
> >イントネーションと発音がちょっとアレですげえ聞き取りにくいです。
> 個人的になのですが遠藤憲一氏の台詞にも字幕が欲しkゲフンゲフン……
後で観た「シベリア超特急」よりはましでした。
> >ちなみに自分が劇場で観たのは、残虐シーンの一部がカットされているR15+指定版でした。
> R-15+指定版はストーリーのみならず、終盤のキラーマスターとの戦闘シーンがゴッソリ削られています。
> 修正が効かない程の流血シーンなのでカットしたのでしょうが、まさに死闘と言って差し支えない、
> 壮絶な戦闘シーンだっただけにカットされたのが残念でなりません……
> ディスク買いましょう(迫真)
いやあマジでもう1回みたい。
> >本作は暴力を真正面から描いていながらも、意外と暴力に対して否定的な映画と言えるかもしれません。
> ラマがウチョにとどめを刺したシーンはとても勝者の表情とは思えないような悲壮感がありました。
> ラマには組織を潰すという目的があったとは言え、2人には友情というか、何らかの信頼関係はあったと思います。
> それを裏切り、すべてに引導を渡すためにウチョを殺害せざるを得なかったラマの心境は辛いものだったに違いありません。
> 更にラマは前作のラストから常に暴力の真っ直中に身を置いていました。
> ラマにとってはまさに「もううんざりだ」だったのでしょう。
ちょっと友情みたいなものも目覚め始めていたよなあ……もう少しそこを描いてほしかったかとも思います。どちらにせよ切ない。
> こんな過激な映画を撮る&演じているギャレス・エヴァンス監督とイコ・ウワイス氏ですが、
> こちらのインタビューでかなり可愛らしい一面を見せていてほっこりしました。
> http://www.kotaku.jp/2014/11/the-raid-gokudo-interview.html
作中がかなり過酷な役だから、余計にですね。