マフラー推しすぎ 映画『THE LAST ナルト-NARUTO THE MOVIE-』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
個人的お気に入り度:3/10
一言感想:すべてのナルトファンに捧げていなかった
あらすじ
月が地球に異常接近し、人類は滅亡の危機を迎えていた。
そんな折、ヒナタの妹・ハナビがトネリと名乗る謎の男にさらわれてしまう。
ナルト、ヒナタ、サクラ、シカマル、サイの5人は、調査およびさらわれたハナビを救い出すため、地底空間にたどり着くのだが……
※メタメタに書いているので、この映画が好きな方、制作者のみなさんにはごめんなさい。
人気漫画『NARUTO』を原作とする“最後”の劇場アニメ作品です。
原作は2014年11月発売の『少年ジャンプ』誌上で完結を迎え、本作品は“最終話”と“その1話前”の間を補完するストーリーとなっています。
70巻以上にもおよぶ原作の長い長い物語を埋める“最後のパズルピース”を期待し、劇場に足を運ぶファンはきっと多いことでしょう。
その期待は、かなり裏切られてしまうのではないでしょうか。
本作で描かれているのは、主人公・ナルトと、恋する乙女・ヒナタの恋愛のみを描いていると言っても過言ではないのですから。
自分はあまり原作を読み込んだ人間ではないのですが、『NARUTO』には魅力的なキャラクターがいっぱいいます。
満遍なく活躍してほしい、あのキャラの出番が欲しいと願う人はきっと多いはずなのに、この映画のキャラのほとんどはナルトとヒナタの恋愛を持ち上げるためだけに存在しているようにしか思えず、キャラへの愛が乏しいように思えます。
公式ページに大々的に載っているとあるキャラの活躍はほぼ詐欺と言える少なさで、これなら出ないほうがマシだったのではないでしょうか。
さらに、「このキャラはこういうことを言わないないのでは?」「あのシーンは原作とは違うのでは?」と疑問に思うシーンがいくつも存在します。
個人的に、イルカ先生が映画の冒頭で行った“授業”の内容がかなり不愉快に感じました。
では原作うんぬんを置いておいて、一本の映画作品としてはどうか?と問われると……お世辞にも出来がよいとは思えませんでした。
本作では“世界の滅亡を回避するため、さらわれた仲間を助けにいく”という冒険と、“恋心に素直になれない”という恋愛話が同時進行しています。
この時点で、地球が滅亡しかけているのに恋愛話をしている場合かよ!というツッコミどころが生まれてしまいます。
この映画はその点をうまく解決できていませんし、脚本家はさすがにまずいと思ったのか、「緊急時にのんきに恋愛のことで悩んでいるのはひどいよね」と登場人物に言い訳をさせています。
この2つの主軸を同時並行で描くにしても、もう少しやりようがなかったのでしょうか……まあ、地球があと30分で滅亡するのに痴話喧嘩をはじめる『ガッチャマン』の50億倍はマシですが。
冒険物語としても、やたら過去の描写(回想)をしたり、位置関係がわかりにくかったり、障害が簡単に解決ししてしまったりと、煮え切りません。
バトルも“相手の弱点を突く”などの駆け引きがなく、単純な大技の応酬で終わってしまいます。
また、本作では“マフラー”というアイテムがかなりクローズアップされており、その狙いもわかるのですが……
しつこいほどマフラーが登場するうえに、それが示しているメッセージの意味を登場人物がベラベラとしゃべるので、これもまた興ざめでした。
いいところもあるんです。
画はさすがは劇場版のクオリティーと思えるほど洗練されています。
個人的に大好きだったのは、鳥獣戯画の術を使ったビジュアル。水墨画を乗り物にするシーンはかなりわくわくさせてくれました。
過去に観た「ROAD TO NINJA」でも思ったのですが、劇場版は『NARUTO』をまったく知らなくても1本の映画作品として楽しめるように作られていることが優れています。
キャラクターを知っていることを前提とした展開はそれほどなく、この映画1本で話はまとまっていますし、起承転結もしっかりあります。子どもに連れられきたお父さんお母さんも、問題なく観ることができるでしょう。
その代償として、原作で培われてきたキャラクターの“らしさ”や“関係性”が希薄になっている気もしますが……
(原作のことを抜きにすれば)メインの恋愛話も悪くはありません。
本作で描かれる“ぜんぜん鈍感で恋心に気づかない男子と、うまく気持ちを伝えられない女子”というのはラブコメの王道です。
恋愛までの過程は、十分に応援したくなるものに仕上がっていました。
また、自分は原作ではヒナタというキャラがいちばん大好きでした。
ヒナタは自分に自信がなくてオドオドしていて、なおかつ努力家で、ずっとナルトに片思いをしているという報われないヒロインっぽいポジションです。
そのキャラクターが、ほぼ映画の主役と言っていいほどの活躍をしているのは、やはりうれしいものでした。

本作は“すべてのNARUTOファンに捧ぐ”といういう触れ込みで、シリーズの集大成であると“思わせる”宣伝がなされていました。
だからでこそ、本作でのキャラの活躍の少なさ、なおかつ理解しがたい言動まであるのは、残念としか言いようがありません。
それでも、原作のヒナタのファンにとってはおすすめします。
本作の出来に不満がある人でも、エンドロール後のおまけを観れば少しは溜飲を下げられるかもしれないので、最後まで席に座っておきましょう。
追記:本作のノベライズ本がかなり評判がいいので、納得がいかなかった方はこちらを読むのがいいのかもしれません。
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余談:『NARUTO』も好きですが、個人的には原作者の双子の弟さんが描いている『666~サタン~』がもっと大好きだったりします。

冒険もののツボを押さえつつ、主人公の少年の目的が世界征服という素敵な設定も用意されている作品なので、ぜひ一度読んでみてほしいです。
※こちらで試し読みができます↓
<666~サタン~ 1巻>
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
〜ナルトのことをわかっていないイルカ先生〜
映画の冒頭、イルカ先生は「地球最後の日にいっしょに過ごしたい人を紙に書くんだ!」と生徒に強要させます。
現実だったら即効でモンスターペアレンツが召還されるところですが、大事な人を思いださせるという教育なのだと思って、そこは目をつぶりましょう。
問題は、両親を失っているナルトを含めてこの授業に参加をさせていることと、イルカ先生が「こらナルト、ちゃんと書け!」と怒っていることです。イルカ先生はナルトの境遇を知っているよね?
ていうかイルカ先生はナルトのいちばんの理解者であり、育ての親とも言える存在なのに、なんでこんな責めるようなことを言わせるのか、さっぱりわかりません(原作の1巻を読み返せ)。
なぜナルトも、イルカ先生を書くことを思いつかないんだよと……
せめて、この授業が「大人の間では本当に月が落ちてくることがわかっていたけれど、子どもたちには残酷な真実を教えていなかった(そのときに備えて大事な人を思いださせるようにした)」ということを示すものであればよかったのですが、映画では急に月が落ちてくることが明らかにされたような描写になっています。
この授業は、後にナルトが本当に大切な人=ヒナタを見つけるという展開への伏線なのでしょうが、失敗していたとしか思えません。
※以下の意見をいただきました。
黒板に書かれた字から、これは「六道仙人」という忍びの開祖の教えらしいです。作中では忍を目指す子ども達にとってとても重要な覚悟を教えるシーンらしいのですが、もうちょっと説明が欲しかったですね(黒板の字も一瞬しか映しませんし)初見の人にはイルカ先生が凄く嫌な先生にしか見えないと思います。
〜マフラー!マフラーが大事!〜
本作でどんだけマフラーがゴリ推しされているかを箇条書きしてみましょう。
・ヒナタはマフラーを編んでナルトにプレゼントしようとしていた
・ナルトは母のマフラーをすでに持っていて、任務中でもとても大切そうにしていた
・ヒナタが空中から落ちかけると、マフラーがロープ代わりになって助けてくれるが引き裂かれてしまう。
・ナルト「マフラーダメになっちまったな」
・ヒナタは任務中のバッグに直しかけのマフラーを入れている
・キャンプ中にマフラーを編み直すヒナタ
・ナルト「マフラーって、あんなに編むのに時間がかかるもんなんだな」
・ヒナタ「ひどいお姉ちゃんだよね。妹が大変なことになっているのに、マフラーをのんきに編んでいるなんて」
・ヒナタはトネリに「マフラーを編んでくれないか」と頼まれる
・トネリはマフラーを引き裂く(2回目)
・クライマックスのナルト「マフラーを編むように、人の想いってのは時間をかけるもんなんだあああ!」
・ナルト「ああ、このマフラー?母ちゃんのマフラーで、倉庫から見つけたんだ」
↓このときの自分の気持ち
__(:3」∠)※吐血
いや、マフラーによって「人の想いの時間」を示しているのははよくわかるんです(クライマックスに叫びながら言っているし)。
でもさすがに「ひどいお姉ちゃんだよ〜」のくだりは確かにひでえよとしか言いようがないですし、さすがにマフラー推しが強すぎて胃もたれしました。
一周回って愉快だったのは、本作の敵キャラ・トネリの噛ませ犬っぷりですね。
すでにハナビをさらっているのにわざわざヒナタと結婚しようとするとか、マフラーを引き裂くとか、ヒナタを無理矢理操る(しかもすぐ元に戻る)とか、もはやナルトとヒナタがくっつくための踏み台でしかありません。
※以下の意見をいただきました。
トネリの魅力の無さも本作につまらなさに再大の要因だと思います。何もかもカンチガイして気持ち悪い暴走してるストーカーにしか見えませんでしたし・・・。 でも、今後は罪を自覚した上で孤独に生きて行く事を贖罪にすると言った彼は少し好きになれました。
〜出演時間30秒〜
宣伝では大々的に“サスケ”が登場することが臭わせていますが、本編では月の隕石を迎え撃つ大人たちのところにやってきてひと言だけ告げて即効映画から姿を消します。
セリフも予告編で聞ける以上のものはないので、サスケのファンであればあるほどがっかりしそうです。
あ、ちなみにカカシ先生は「俺のカンだ!」「俺のカンはよく当たるんだ!」と言った以外はとくに何もしていません。
ほかにもロック・リーや、車いす生活を余儀なくされているマイト・ガイにももっと活躍してほしかったんだけどな……基本的に冒険に向かった5人以外のキャラは、隕石に技を放っただけで出番終了です。
〜恋〜
ナルトがヒナタの恋心に気づく理由が“記憶の牢獄に閉じ込める罠”でヒナタの過去を見たおかげ、というのが無理やりでしたが、そこ以外は悪くなかったです。
サクラが、ナルトが自分に告白したことを「サスケへの対抗心だよね」と言ったのは、ウジウジしているナルトに踏ん切りをつけてほしいがための方便に思えました(事実はそうではないので、ナルトにも何か言ってほしかったのですが)。
ナルトのほうが、ヒナタよりも先に告白をしたのは、自分がどれだけ大切に思われたのかがわかったためでしょう。
ナルトは天涯孤独の身で、(イルカ先生以外では)家族に愛される喜びを知りません。
その人生の中では、ひどく相手を恨むこともありました。
だからでこそ、ナルトは自分のことを好きでいてくれるヒナタのことを、愛おしく思ったのではないでしょうか。
エンドロール後に観ることができたのは、ヒナタとナルトの結婚式と、ふたりに娘と息子ができて幸せな家庭を築いている日常でした。
父親のことをほとんど知らなかったナルトが、父親として幸せになったことはとてもうれしく思いました。
〜LAST?〜
そんな素敵な余韻の後、新作劇場版が公開するというというお知らせには「最後じゃないのかよ!」とビックリしてしまいましたが……
今度はナルトの息子の“ボルト”が主人公になるようです。
まあ“LAST”には“存続する”という意味もありますし、タイトルも変わりそうなのでギリギリ詐欺ではありませんよね。サスケの出演時間は詐欺だけどな。
※原作を読み込んだ方からの、とてもわかりやすい怒りの声の数々↓
二次創作ですか? - Yahoo!映画
大好きだったナルトに失望する日が来るとは - Yahoo!映画
残念の一言に尽きる。- Yahoo!映画
これをNARUTOの集大成とは呼びたくない - Yahoo!映画
NARUTOの恋愛映画 - Yahoo!映画
うずまきナルト像が崩壊した - Yahoo!映画
けど何か盛り上がらなかったですね・・・。今回のレビュー、その盛り上がらなさを実に良く現わしてくれています!
>主人公・ナルトと、恋する乙女・ヒナタの恋愛のみを描いている
実は序盤からこの2人推しでしたので、個人的に今回の再大の楽しみの一つでした!(サクラちゃんEND希望だった方にはごめんなさい!)
でも、イマイチでしたね。ずっと思い続けていたヒナタと、ずっと身近にいながら気付かなかったナルトとの急接近をマフラーだけでゴリ押ししないで!
>〜ナルトのことをわかっていないイルカ先生〜
黒板に書かれた字から、これは「六道仙人」という忍びの開祖の教えらしいです。作中では忍を目指す子ども達にとってとても重要な覚悟を教えるシーンらしいのですが、もうちょっと説明が欲しかったですね(黒板の字も一瞬しか映しませんし)初見の人にはイルカ先生が凄く嫌な先生にしか見えないと思います。
>敵キャラ・トネリ
こいつの魅力の無さも本作につまらなさの再大の要因だと思います。何もかもカンチガイして気持ち悪い暴走してるストーカーにしか見えませんでしたし・・・。
>彼は月で孤独に生きている可哀想な人なので、何か救いを用意してやってよ……
今年起こったおかしな事件の犯人みたいに孤独が人を歪ませるのかな・・・と思いました。
でも、今後は罪を自覚した上で孤独に生きて行く事を贖罪にすると言った彼は少し好きになれました。
>〜出演時間30秒〜
カカシ先生の「カン」はオプティマスの「幸運」と同じく、上司にしたく無いと思いました。
他にも、車椅子でも現役なガイ先生とか見たかったのと、「戦術家」であるシカマルがチームリーダーなのに殆ど肉弾戦でしか活躍していないこと、そして何よりナルトにとって二心同体の相棒「九喇嘛」が唐突に出て来て暴れだすという、まるで知性の無い怪獣のような扱いなのも大不満でした(もっと「見てらんねえぞナルト!こいつはオレに任せて嬢ちゃんの所に急げ!」とか熱いセリフを吐いたり、最後にトネリへ一撃加える所で戻って来て合体とかさぁ・・・)
総じて「キャラクターをもっと活かして!」に尽きますね・・・。
> でも、イマイチでしたね。ずっと思い続けていたヒナタと、ずっと身近にいながら気付かなかったナルトとの急接近をマフラーだけでゴリ押ししないで!
まったくですよね。マフラーというアイテムはヒナタらしく?て悪くはなかったと思うのですが。
> >〜ナルトのことをわかっていないイルカ先生〜
> 黒板に書かれた字から、これは「六道仙人」という忍びの開祖の教えらしいです。作中では忍を目指す子ども達にとってとても重要な覚悟を教えるシーンらしいのですが、もうちょっと説明が欲しかったですね(黒板の字も一瞬しか映しませんし)初見の人にはイルカ先生が凄く嫌な先生にしか見えないと思います。
なるほど!追記させてください。
ですが、今回のレビューは同意しかねる部分が多くありましたので、コメントを残します。
私は概ね期待通りの出来だったと思います。
今回の映画は最初からナルトとヒナタに焦点を合わせていると言われていた上、「最後の物語は、はじめての愛」というキャッチコピーでしたので、ポスターに乗っていたキャラ以外の活躍は殆どないと思っていました。
まぁ、サスケとCMで目立っていた我愛羅については詐欺と思っても仕方ありませんが(笑)。
その中でも、サクラとサイの活躍は原作以上ではないかと思いました。
サクラは幻術タイプ、怪力、医療忍術と持っているスキルをフル活用し、ナルトとヒナタ両方の恋の相談相手にもなりました。原作ではお荷物的雰囲気だったのが、頼りがいのあるお姉さんのように成長したなと思います。
サイは第7班の一員だったのに、戦争編では特に目立った活躍の機会を与えられずにいました。途中でサスケも
一時味方側に戻って来たので、完全に蚊帳の外でした。それが、超獣戯画で戦闘・サポートの両方で活躍出来、毒のある言い回しも披露できました。更に、配布された秘伝・列の書のおまけ漫画でも、ナルトにデートの指南書を貸しています。
他にも冒頭の語り部は自来也の中の人である大塚芳忠氏でしたし、エンディングロールでネジが忘れられずに遺影として出ていたり、キャラへの愛が乏しいとは感じませんでしたね。
>問題は、両親を失っているナルトを含めてこの授業に参加をさせていることと、イルカ先生が「こらナルト、ちゃんと書け!」と怒っていることです。イルカ先生はナルトの境遇を知っているよね?
境遇を知っていようと、一人の生徒を依怙贔屓せずに授業を行ったイルカ先生に問題でも?
配った用紙を紙飛行機にして投げて遊んだ生徒を叱ったイルカ先生に教育者として何か問題でも?
イルカ先生はナルトの理解者ですが、叱るべきところではキチンと叱る立派な教師でもあります。ここで不満を抱く理由がさっぱりわかりません。
>マフラー推しについて
気持ちを落ち着けるためにマフラーを編むことはよくあることらしいです。捜索任務は真面目にやっていますし、捜索中断中の夜中ぐらいはマフラーを編むくらい自由だと思います。
トネリがマフラーを編ませたのはナルトに対する当て付けでしょう。で、自分の為のマフラーが本当はナルトへの物だったと知って引き裂いた。ここはヒナタの気持ちを引き裂いてヒナタを操り人形にしたトネリと、破れたマフラーを受け取って気持ちを受け入れたナルトとの対比になっているのではないでしょうか。
そう考えれば、マフラーは今作のキーアイテムてして十分役割を果たしていると思います。別に推しすぎとは思いませんでしたね。
>トネリについて
大筒木一族なので、カグヤが今回の映画でも絡んでくるのかと思いませんでしたが、そんなことはありませんでしたね。そこは期待外れでした。
ただ、トネリは今まで部下を従えていた劇場版NARUTOの敵キャラと違い、今回の事件を一人だけで起こしています。転生眼の力でナルトの膨大なチャクラを根こそぎ奪って倒すなど、強敵感はあったと思えます。
ヒナタとの結婚はヒナタが「白眼の姫」だからであり、自分の専有物のようにしか見ていなかったのでしょう。それは彼の先祖であるカグヤが自分の息子たちを専有物としか見做していなかったのと同じことです。因みにハナビを先にさらったのはヒナタの拒否権を失くすことと、純度の高い宗家の白眼を奪って自分の転生眼にするためです。
そして、最後にハムラの真意を知って改心した当たり、根っこの部分には良心があったのでしょう。思えば、トネリの周囲は傀儡しかいませんでした。なので、彼は善悪も学ぶことが出来ぬまま、分家の教えを妄信的に信じ、欲したものを独善的に手に入れる子供のような性格になってしまったのだと考察します。
恋愛映画によくいる噛ませ犬役だったのは確かでしょうが、私はそこまで薄い印象は受けませんでした。
>バトルも“相手の弱点を突く”などの駆け引きがなく、単純な大技の応酬で終わってしまいます。
ジャンプアニメで駆け引きをする方が珍しい気がします。
というか、今回のバトルでナルトは影分身抜きで螺旋丸を作れるようになっていたり九喇嘛を分離出来るようになっていて、成長を感じられます。
トネリとのラストバトルも、ネジ戦やペイン戦(どちらもヒナタが関係している)のオマージュがあり、メインテーマが流れた時はおおっとなりました。
やたら「君の拳は僕に届かない」と言っていたトネリが拳一発でノックアウトされたのも、皮肉が効いていました。
恋愛を主軸にした映画で、ここまでバトルシーンが出来ているのは及第点ではないでしょうか?
私の結論としては、まず原作を読んでいた人向けの映画ですので、初見の方にはおススメしにくい作品です。
ですが、原作のナルトとヒナタを応援していた身としては申し分ない出来だと思います。
ただ、宣伝の仕方だけは間違いだったと思います。サスケはサプライズとして残していてもよかったと思いましたね。
最後に、タイトルのLASTは「うずまきナルトが主役である物語はこれで最後」という意味だと思っています。次回作次第ではありますが、息子のボルトが主役だとアナウンスされているのでまず間違いないでしょう。
長々と語ってしまいすみませんでした。これにて失礼します。
というのも、Twitterや2chの映画アンチスレに今映画のyahooレビューが晒されまして、ナルトとヒナタが結婚することが許せない人達(カプ厨と呼ばれています)やヒナタ嫌いを中心にして低いレビューを書くように呼びかけられ、その結果炎上したという経緯があるのです。
なんと2chでは映画が始まる何日も前から今映画アンチスレが立っているという異常な自体になっていたのです。
アンチ層が星1を入れ、それに反発したファン層が星5を入れるため、星1と5のレビューが入り乱れるという、これまた前代未聞な炎上騒ぎになりました。
他のレビューと比べてもナルトだけ投稿数が異常です。
レビューも、本人達は冷静に評価している、こちらの陣営の方が冷静で客観的なレビューが多いだの何だのと呆れたことを言い合っていましたが見る以前から先入観丸出しだったことが明白なレビューだらけで、実際に客観的な観点から映画自体の質に言及しているレビューはほぼ皆無です。
レビューの中には、明らかに思い込みで、バトルが少なかっただのキャラがあんまり出なかっただの言っているものまでありますが、バトルシーンの時間はナルト映画の中では明らかに多い方ですし、スケールが小さい事もありません。
キャラの扱いに関してもナルト映画は毎回こんなもんです。むしろナルトとサクラ以外がちょい役だった前作に比べ、またオリジナルキャラクターが中心だった他のナルト映画と比べても、多くの原作キャラが活躍の機会を貰えてると言っていいと思います。
そもそも、主要キャラ全部に焦点を合わせるなんて、キャラ数の多いナルトでは時間的に不可能なわけで、その点でも頑張っていると言っていいと思いますが、
レビューを読むと、こいつが活躍しなかっただのあいつが活躍しなかっただの、感情的なレビューが多く、見ていて頭が痛くなります。
実際に見て見れば分かりますが、見る人間の好き嫌いこそあれ、脚本はしっかり一本筋通っていてブレていないし、プロットは単純明快ながら見せ場もキッチリ抑えています。演出も音楽も作画も高い次元でまとまっています。
決して星1になるようなお粗末な出来の映画で無いことは明らかです。しかしながらyahooレビューはご覧の有り様で、人によって解釈も違うような部分をあげつらねて駄作だと言う人々が居るのは失笑ものです。
以上に挙げたように、今作に限ってはyahooレビューはアテにならないので、
参考にしない方がいいと思います。
内容が内容なので賛否両論なのは当たり前ですが、 投稿する人々が集団ヒステリーのような状態になっているので、本来ならば視聴者投稿サイトが持っているはずの客観性が全く機能していない、極めて危ない状態にあるのではないかと。
うーんまあハッキリ言って駄目な映画であるのは間違いないですね。
宇宙描写とかトネリの強さのインフレっぷりとか、あと言うまでも無いですけどチャクラ砲(笑)は何とかして欲しかったですね…
この辺の雑さでもう見る気無くすわと言う方々の気持ちも理解はできます。
でも僕個人としては去年ベスト3でした(1位はGOTG、2位はゴジラ)
何でかと言われれば本質的に描きたかったであろう恋愛描写がどうしても嫌いになれなかったと言うか
そこに焦点絞って見ると一見の価値はある映画だなとは思いました。
確かに「危機的状況なのにダラダラと…」と言うお馴染みの海猿症候群もありますけど
一応何でコイツらがそこまで惹かれ合うのかと言うプロセスは本編でやっていますよ~と言う説明は
ある程度回想シーンで上手くまとめていたなとは思いました。
また危機的状況なのに…問題もヒナタは情に流されそうになりそうなところをグッと堪え
刺し違え覚悟で敵に下りましたし
(本編見ていた人間にとってはあの瞬間ヒナタの10年越しの大願が叶ったと分かっているわけで)
ナルトはナルトで親無しで英雄となった後も腹の底にどす黒い闇を抱えていたからこそ
やっと心の底から自分を好きでいてくれた人を見つけたと思ったらあの様ですから
そりゃメンタルガタガタになりますよね。同じ事を仙崎大輔がやったら僕だって激怒すると思いますけどw
あときちんとその後で叱咤とフォロー入れてたのも良かったですね。「長いじゃねえか!」って言う人もいますけど
ナルトは本編からずっと「仲間に常に助けられてる」「意外とメンタル豆腐」と描写されてきたので
僕は逆にあそこで本編でナルトがやってきた事の結果があそこに集約されてるんだなと感じました。
まあハッキリ言っちゃえば「ナルトとヒナタの恋愛」と言う本来の規模に対して「地球~月を股にかけた大規模バトル」と言う器がでかすぎて
結果話が小さく見えたんじゃないかな…と思いますね。正直こんなデカい話にする必要どこにも無かったんですよ。
もっと小ぢんまりしたヒナタの嫁入り話で良かったのに…とは思いますね。
あくまで本編見たのが大前提、しかもナルトとヒナタに焦点絞ってる話なので
ナルト全く知らない人や他のキャラのファンからのブーイングは当然だと思いますが
駄目なポイントよりも加点ポイントの方が圧倒的に勝ってしまったので、僕はどうしてもこの映画を嫌いになれません。
エンディングは言わずもがな号泣してしまいました、やっぱ見下されてきた男が幸せを掴む瞬間は他人が見ても肩入れせざるを得ませんよ。
「NARUTO最終章」と言うよりは「うずまきナルトの最終章」として見ると違って見えるかも…と言う擁護駄文でした、すみませんw
「The last」の続編(こういうと発狂する人がいそうですが)である「BORUTO」の感想を簡単にしようかな…と思います。
結論から言うと「面白いんだけど何か引っ掛かる…」と言ったとこですか。
それも「リトルプリンス」の時みたいなぼんやりとした引っ掛かりではなく
明らかにこれは駄目だろ…と言う部分がどうしても目につきました。
良かったところはざっくり言えば戦闘ですね。これはもう見比べても明らかな通り今までのNARUTO映画でも断トツの出来でした。
本編で殆ど見られなかったナルトとサスケの共闘と言う点においてもおぉっ!となりましたし気合い入ってんなと思いましたね。
後前作「The last」ではわずか5秒?程だったサスケの出番が中心だったのも僕は良かったと思います。
原作それなり見てた身としては「あの捻くれてどうしようもなかったサスケが…(涙)」と嬉しくなりましたし
ちゃんと良い感じのオッサンになってたのも僕は好感持てました。
ですがどうしても手放しで褒められないとこがあります。根本的なストーリーです。
物語の大筋はこまっしゃくれていて努力嫌いのボンボン息子であるボルトと
かつての落ちこぼれであった火影のナルトとの愛憎半ばする親子関係なんですけど
まずそもそもナルトが忙しくて帰れない…って理由が納得できません。
火影の任務が忙しくて…って言うならまだ分かりますけど
やってることがお飾り首長なら誰でもできそうな式典出席や
あまつさえそこら辺のお婆さんの荷物持ったり店の片付けやったり
仮にもトップに座る男が何でそんな雑用に奔走してるんだ?って思いましたね。
挙げ句そんなこんなで勝手に疲れ果ててる癖に肝心の娘の誕生日にさえ影分身使う始末。
とてもかつて優しさや愛情に心の底から飢えていた男とは思えないんですよ。
最低限里の存亡に関わる事に常に苛まれて帰れない…って言うなら分かりますよ。
ところがやってる事は余りにも八方美人、余りにも家族を蔑ろにし過ぎていて
他のキャラならいざ知らずこれ本当にナルトか?って思いました。
その癖最終的にナルトが劇中目にかけてるのはボルトだけで、肝心の誕生日台無しにされた妹のヒマワリには何のフォローもなし、幾らなんでもあんまりでしょう。
また息子のボルトにしてもあからさまに町山智浩氏と宇多丸氏を意識したであろう小悪党に唆されて
昇進試験で禁止されてる小道具使って失格になるんですが
結局その事はいつの間にか無かった事にされて、世界を救った英雄として掌返したように英雄に祭り上げられると言う
そこはけじめとして一応謹慎処分で終われよ…とは思いました。※
後火影ナルト以外の四影の扱いも酷かったですね。アベンジャーズ意識したのか知らないですけど
完全に傍から見ると物凄い属国扱いに見えました。だって単に木の葉の里の問題なのに
何の疑問も抱くことなくあっさりナルト救出に出向くとかおかしいでしょ。
どんなに仲が良いと言っても他国の人間なんだからナルトと親友の我愛羅(風影)以外は少しは渋れよ!…って言いたくなりました。
こうして見るとこの2作は「スカイフォール」と「スペクター」の関係に近い気がしてきましたね。
スカイフォールが好きなほどスペクターにはえっ?ってなるし
スカイフォールふざけんな!って人ほどスペクター大好き!…になる。
僕が前作「The last」が何でそこまで好きかと言うと、単純にラブロマンスに惚れたのもありますけど
やっぱり「そもそもコイツらってどういう奴等だったっけ?」と言うキャラクターの見直しがきっちりできてた事ですね。
特に原作本編では結構やいのやいのと批判の的にされていたヒロインのサクラは
本作で改めてナルトにとってどういう存在だったのかが明確に描かれています。
実を言うとこの作品見るまで僕もサクラに余り良い印象を抱いて無かったんですが
この作品で「あぁそう言う娘だったんだね…」と長年のわだかまりが解けました。
それまで僕はサクラに対して「理由もなくイケメン追いかけてるメンヘラ女」と言うレッテルを貼ってたんですが
この作品では「一度好きになった男にはどう頑張っても諦められない芯の強い女性」と印象が変わりました。
他にもこのキャラならこうするよな、こう動くよなと言う部分においても僕はかなりの部分において納得しましたし
少なくとも「BORUTO」で感じた『魂のこもってないキャラ』は一人もいませんでした。
もちろん緩いとこもたくさんある作品ですけど、僕はどっち好き?と聞かれたら迷わず「The last」と答えますし、多分この後もずっとそうだと思います。
※ちなみにこの町山氏と宇多丸氏がモデルであろう小悪党の扱いは、この2人のファンなら多分誰が見ても激怒するであろう扱いでした。
多分町山氏にそれなりに思い入れのあるヒナタカさんとかは怒り狂う事必至だと思います。別に思い入れの無い僕ですら「ちょっと扱い酷くねえか?」って思いましたし。