本物の宝探し 映画『瀬戸内海賊物語』ネタバレなし感想
映画ファンであれば、マイナーな映画から優れた作品を“発掘”して、いろいろな人におすすめしたくなる作品があると思います。
本日は本当に知る機会があってよかったと思えた作品『瀬戸内海賊物語』(公開:2014年)を紹介します。
個人的お気に入り度:8/10
一言感想:この時代にジュブナイル映画が観れて幸せ
あらすじ
戦国時代に存在した瀬戸内海の水軍“村上水軍”の血を引く少女・楓(柴田杏花)は蔵で1本の横笛を見つける。それは、村上家に伝わる村上水軍の埋蔵金の手掛かりとなる笛だった。
そんな折、楓の住む小豆島と本土を結ぶフェリーが路線廃止の危機に陥っていた。楓は島の窮地を救うため、仲間とともに埋蔵金を探す冒険に出発する
本作のプロットは、仲のよい少年少女が協力して宝を見つけにいくというジュブナイルものです。
楽しい冒険を主軸にして、戦いあり、少年少女らしい悩みあり、よからぬことを企む敵との攻防ありと、『グーニーズ』っぽい内容が何ともわくわくさせてくれました。
終盤には『インディー・ジョーンズ』や『宝探しアドベンチャー 謎解きバトルTORE!』を彷彿とさせる洞窟での冒険があるのだからたまりません。
さらに内容をかいつまんで言うと、
・宝の手がかりとなる地図と笛を見つけた
・だけど、よくわらかない暗号みたいなものが書いてあるぞ
・この謎を解くんだ!
・道中ではさまざまな罠が待ち受けていた! 仲間とともに危機を乗り切るんだ!
という感じ。これらがちょっとでも心の琴線に触れる方であれば、とっととレンタル店に行きましょう。
本作の舞台は小豆島なので、実際に小豆島に旅行に行った人や、『二十四の瞳』のファンであればさらにおもしろく観れるでしょう(有名なエンジェルロードも、もちろん登場します)。
この映画は冒険をする仲間たちが魅力的です。
以下に紹介してみましょう。
<楓(かえで):活発な少女で、仲間のリーダー格
<冬樹(ふゆき):イケメンかつ空手の有段者
<学(まなぶ):物知りな“ハカセ”的ポジション
<愛子(あいこ):冷たい印象を持つ少女だけど、じつは……
みんな個性的なので、映画を見ればきっと応援したくなるはず。
また、主人公(ヒロイン)に大抜擢された柴田杏花さんが死ぬほどかわいいです。
昔で言えば『時をかける少女 』の原田知世さん(演技力は柴田さんのほうがはるかに上)、最近で言えば『プリンセストヨトミ』の沢木ルカさんに通ずるボーイッシュな魅力があります。
ちなみに山寺宏一さんがナレーションを務めていたり、中村玉緒さんが主人公のおばあちゃん役で登場したりと、脇役もわりと豪華だったりします。
また、“冒険に旅立つまで”をじっくり描写してくれたこともよかったです。
生活の中で、“大人の世知辛い問題”が顔を出し、日常での登場人物の関係性を描いています。
普段から住んでいる場所でも冒険したり、さまざまな問題について悩んだりする子どもたちに、すっかり感情移入してしまいました。
世の中の子どもたちには『妖怪ウォッチ』ばっかり夢中で、どーせ映画版も大ヒットするんですから(※自分は妖怪ウォッチが嫌いなわけではありません)、自分はこの『瀬戸内海賊物語』こそ子どもに観せたいと思います。
こういう映画観ておくと、きっと映画のことが大好きになるでしょうから。
自分は本作を中野の新人監督映画祭で観たのですが、上映前の舞台挨拶に登壇した大森研一監督は「子どもが本当に楽しそうに撮影に臨んでいて、帰りたくないって言っていた子もいた」と語っていました。
作り手や出演者が幸せであるのなら、映画ファンとしてもとても気持ちがいいものです。
AKBなんとかのドキュメンタリーで堂々と少女虐待みたいなことをしていている秋なんとかプロデューサーにも言ってやりたいですね。
本作の最大の弱点は、あまりにも世の中に知られていないことでしょう。
2014年の5月に公開されていたのですが、上映館が少なめでした。
舞台挨拶で出演者の阿藤快は「配給会社にお金をかなり取られちゃうんだよね」などと宣伝と出資の苦労を語っていましたが、それでもアピールされている印象はありませんでした。
作中に村上水軍が登場するのですから、書籍「村上海賊の娘」に便乗してしまってもよかったのに……と思ってしまいました。
映画として、かなりクオリティーの高い一作です。
後半のための伏線をじっくり張り、撮影も抜群に上手く、登場人物は魅力たっぷりに描かれ、大人たちの演技に子役が負けていないのですから。
何より子どものころでしか味わえない冒険を体験できるのは、楽しくってしかたがありません。
あと最後に<ネタバレ反転>「おばあちゃんは金塊をちょろまかして40万以上もするカメラを買ったのかよ!」とツッコめることもステキ。
PS.大森研一監督は、『ライトノベルの正しい書き方』という、低予算でありながら高い評価を得た作品を撮っていました。
※参考→<映画瓦版|ライトノベルの楽しい書き方>
映画ファンであれば、こうした映画こそ応援したいものです。
おすすめ↓
大森監督の郷土愛をみた。 - ユーザーレビュー - 瀬戸内海賊物語 - 作品 - Yahoo!映画
本日は本当に知る機会があってよかったと思えた作品『瀬戸内海賊物語』(公開:2014年)を紹介します。
![]() | 柴田杏花(子役) 3082円 powered by yasuikamo |
個人的お気に入り度:8/10
一言感想:この時代にジュブナイル映画が観れて幸せ
あらすじ
戦国時代に存在した瀬戸内海の水軍“村上水軍”の血を引く少女・楓(柴田杏花)は蔵で1本の横笛を見つける。それは、村上家に伝わる村上水軍の埋蔵金の手掛かりとなる笛だった。
そんな折、楓の住む小豆島と本土を結ぶフェリーが路線廃止の危機に陥っていた。楓は島の窮地を救うため、仲間とともに埋蔵金を探す冒険に出発する
本作のプロットは、仲のよい少年少女が協力して宝を見つけにいくというジュブナイルものです。
楽しい冒険を主軸にして、戦いあり、少年少女らしい悩みあり、よからぬことを企む敵との攻防ありと、『グーニーズ』っぽい内容が何ともわくわくさせてくれました。
終盤には『インディー・ジョーンズ』や『宝探しアドベンチャー 謎解きバトルTORE!』を彷彿とさせる洞窟での冒険があるのだからたまりません。
さらに内容をかいつまんで言うと、
・宝の手がかりとなる地図と笛を見つけた
・だけど、よくわらかない暗号みたいなものが書いてあるぞ
・この謎を解くんだ!
・道中ではさまざまな罠が待ち受けていた! 仲間とともに危機を乗り切るんだ!
という感じ。これらがちょっとでも心の琴線に触れる方であれば、とっととレンタル店に行きましょう。
本作の舞台は小豆島なので、実際に小豆島に旅行に行った人や、『二十四の瞳』のファンであればさらにおもしろく観れるでしょう(有名なエンジェルロードも、もちろん登場します)。
この映画は冒険をする仲間たちが魅力的です。
以下に紹介してみましょう。




みんな個性的なので、映画を見ればきっと応援したくなるはず。
また、主人公(ヒロイン)に大抜擢された柴田杏花さんが死ぬほどかわいいです。
昔で言えば『時をかける少女 』の原田知世さん
ちなみに山寺宏一さんがナレーションを務めていたり、中村玉緒さんが主人公のおばあちゃん役で登場したりと、脇役もわりと豪華だったりします。
また、“冒険に旅立つまで”をじっくり描写してくれたこともよかったです。
生活の中で、“大人の世知辛い問題”が顔を出し、日常での登場人物の関係性を描いています。
普段から住んでいる場所でも冒険したり、さまざまな問題について悩んだりする子どもたちに、すっかり感情移入してしまいました。
世の中の子どもたちには『妖怪ウォッチ』ばっかり夢中で、どーせ映画版も大ヒットするんですから(※自分は妖怪ウォッチが嫌いなわけではありません)、自分はこの『瀬戸内海賊物語』こそ子どもに観せたいと思います。
こういう映画観ておくと、きっと映画のことが大好きになるでしょうから。
自分は本作を中野の新人監督映画祭で観たのですが、上映前の舞台挨拶に登壇した大森研一監督は「子どもが本当に楽しそうに撮影に臨んでいて、帰りたくないって言っていた子もいた」と語っていました。
作り手や出演者が幸せであるのなら、映画ファンとしてもとても気持ちがいいものです。
本作の最大の弱点は、あまりにも世の中に知られていないことでしょう。
2014年の5月に公開されていたのですが、上映館が少なめでした。
舞台挨拶で出演者の阿藤快は「配給会社にお金をかなり取られちゃうんだよね」などと宣伝と出資の苦労を語っていましたが、それでもアピールされている印象はありませんでした。
作中に村上水軍が登場するのですから、書籍「村上海賊の娘」に便乗してしまってもよかったのに……と思ってしまいました。
映画として、かなりクオリティーの高い一作です。
後半のための伏線をじっくり張り、撮影も抜群に上手く、登場人物は魅力たっぷりに描かれ、大人たちの演技に子役が負けていないのですから。
何より子どものころでしか味わえない冒険を体験できるのは、楽しくってしかたがありません。
あと最後に<ネタバレ反転>「おばあちゃんは金塊をちょろまかして40万以上もするカメラを買ったのかよ!」とツッコめることもステキ。
PS.大森研一監督は、『ライトノベルの正しい書き方』という、低予算でありながら高い評価を得た作品を撮っていました。
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※参考→<映画瓦版|ライトノベルの楽しい書き方>
映画ファンであれば、こうした映画こそ応援したいものです。
おすすめ↓
大森監督の郷土愛をみた。 - ユーザーレビュー - 瀬戸内海賊物語 - 作品 - Yahoo!映画
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子供達に見てもらいたい映画
こんにちは。
いつも楽しみに拝見しています。二度目のコメントになりますが、HNを忘れてしまって…(^^ゞスミマセン
私もこの映画観ましたよ~♪6月上旬でしたが、同じく「夏休みの公開だったら、お子さん達にたくさん見てもらえただろうになー」と残念に思った記憶があります。
でも“かなり昔に子供だった”自分にも、とても楽しめたので、逸れはそれでよかったのかな(^^ゞ
この物語の中心を担う子役さんたちの素晴らしさは言わずもがなですが、小泉孝太郎さんの役どころも良かったです(^-^*)/
いつも楽しみに拝見しています。二度目のコメントになりますが、HNを忘れてしまって…(^^ゞスミマセン
私もこの映画観ましたよ~♪6月上旬でしたが、同じく「夏休みの公開だったら、お子さん達にたくさん見てもらえただろうになー」と残念に思った記憶があります。
でも“かなり昔に子供だった”自分にも、とても楽しめたので、逸れはそれでよかったのかな(^^ゞ
この物語の中心を担う子役さんたちの素晴らしさは言わずもがなですが、小泉孝太郎さんの役どころも良かったです(^-^*)/
2014-12-15 21:28 :
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Re: 子供達に見てもらいたい映画
> 私もこの映画観ましたよ~♪6月上旬でしたが、同じく「夏休みの公開だったら、お子さん達にたくさん見てもらえただろうになー」と残念に思った記憶があります。
> でも“かなり昔に子供だった”自分にも、とても楽しめたので、逸れはそれでよかったのかな(^^ゞ
> この物語の中心を担う子役さんたちの素晴らしさは言わずもがなですが、小泉孝太郎さんの役どころも良かったです(^-^*)/
この映画観た人がまわりにいないのでうれしいです!
おっしゃるとおり小泉さんはこういう役もできるんだ!と見直しました(何様)。
本当、夏休みに公開してほしかったですね。
2014-12-18 15:19 :
ヒナタカ URL :
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