ふたつの愛 映画『ホビット 決戦のゆくえ』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
※あらすじから前作『竜に奪われた王国』のネタバレがあるのでご注意ください。
個人的お気に入り度:6/10
一言感想:いろいろと時間が足りなかったんだろうな……
あらすじ
王国を奪い返す旅に出発したホビットのビルボ・バギンズ(マーティン・フリーマン)一行は、竜のスマウグを目覚めさせてしまう。
スマウグが港町エスゴラスに襲いかかろうとしている中、ドワーフのトーリン(リチャード・アーミティッジ)は秘宝“アーケン石”に目がくらみ、かつての威厳を失いつつあった。
そんな折、サウロンが奇襲をしかけ、アゾグの軍も決戦の地にやってくる。ドワーフ、エルフ、人間たちの対立も始まり、かくして“5軍”の戦いが幕を開けようとしていた。
※わりと文句を言っているので、この映画が好きな方にはごめんなさい。
※コメントの意見を追記しています。毎度ありがとうございます!
『ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚にして、『ホビット』3部作の完結編です。
前作と前々作のレビューはこちら↓
<認めること 映画『ホビット 思いがけない冒険』>
<星の光の下で 映画『ホビット 竜に奪われた王国』>
さて、今回の完結編を観ていちばん最初に思ったことが上映時間が短すぎるということです。
実際に、『思いがけない冒険』が2時間50分→『竜に奪われた王国』が2時間41分→『決戦のゆくえ』が2時間25分と、どんどん短くなっていっていました。ちなみに、その2時間25分のうちエンドロールが10分を占めます。
前作と前々作でさんざん「長い」「間延びしている」とかほざいていた自分が言うことではないのは重々承知ですが、今回は細部で“描ききれていない”描写が多いと感じました。
展開のそこかしらに違和感がありますし、キャラクターの描写もあっさりしすぎています。
これは公開ギリギリになるまで作業をしていたという、制作スケジュールそのものに原因があったのでしょう。
そういえば、『るろうに剣心 伝説の最期編』も公開ギリギリまで映画を作っていたおかげで、かなり雑な作品になっていました。
※本作は元々二部構成だったものを三部構成に変更していたそうです。
映画は、公開が直前になって延期されることはそれほど多くはありません(『シャッターアイランド』やラナ&アンディ・ウォシャウスキー監督の『ジュピター』、日本では震災の影響があった『世界侵略:ロサンゼルス決戦』など)。
しかし、せっかくの完結編でこのような不満が出てしまうのであれば、少し延期してでも完成度を高めて欲しかった……と思わざるを得ませんでした。
まあ、前作の終わりかたがエグすぎたので、早めに公開せざるを得なかったのでしょうけど。
もうひとつの不満は……軽いネタバレかもしれませんがもう言ってしまいます。13人もいるドワーフのほとんどが活躍しません。

一方、活躍しまくっているのは、原作の『ホビット』に登場しないタウリエルやレゴラスです。
このふたりも好きなんですが、せっかく個性豊かなドワーフたちといっしょに旅をしていたのだから、そちらに花を持たせてやりたかった……と思う人は少なくないはずです。
また、前作からのことではありますが、おもに活躍する男性キャラクターにも不満があります。
それは“見た目”。以下を見れば、その見た目の共通点がわかると思います。



このように、イケメン+長髪率が非常に高いことになっています。
役者の顔はぜんぜん違うし、作中ではちゃんと見分けはつくのですが、パッと見ではわかりにくく「これはどっちのイケメン長髪だっけ?」と思ってしまいましたもの……(自分だけだったらごめんなさい)。
せっかくドワーフの見分けかたの図を作ってくれた方もいるのですから、やっぱり見た目が個性豊かなドワーフたちに活躍の場所を与えてほしかったですね。
あ、もうひとり長髪のキャラを忘れていました。

こいつはぜんぜんイケメンじゃないので混乱しなくてすみますが、『イントゥ・ザ・ストーム』のYouTubeバカ並にウザいキャラになっていたので面食らいました。
こいつの一連のシーンが笑えるかと言えば、ウザいだけであんまり笑えないような気がします。
……あ、ビルボは主人公とは思えないほど影が薄かったです(ドワーフたちよりはマシです)。
こうなると、いままでの『ホビット』に“長い”と文句を言っていたことが恥ずかしくなりました。
いままでは“日常”の描写の多く時間を裂いて、時間をゆっくりとかけて、登場人物の心情を丁寧に描いていました。
しかし本作は戦闘シーンばかりが続き、映画としては破綻しているとまで思えるほど雑な点が散見されました。
『ホビット』という作品が持っていた、この“丁寧さ”が失われてしまったのは、やはり残念でした。
そんなわけで展開とキャラクターの描きかたには不満が多かったのですが、圧倒的な描写のファンタジーの世界、5軍が激突する(原題はThe Battle of the Five Armies)終盤の盛り上がりなどは、劇場でこそ堪能するべきものです。
自分は何となく2Dで観てしまいましたが、3Dはいままで以上に自然かつ迫力があるものになっているそうなので、ファンは3Dを選択したほうがいいでしょう。
また、言うまでもなく前作と前々作の鑑賞は必須です。
“いままでのあらすじ”なんてものも一切なく、マジで前作の終わりの続きから始まります。
前作の終盤の展開をだいぶ忘れていた自分は、けっこう物語についていくのが大変でした。
余談ですが、本作のパロディである機内マナービデオのクオリティがハンパないことになっています。
ピーター・ジャクソン監督本人や、清水直行選手や、『ロード〜』でおなじみのあの人まで出演しているんですけど……すげえな。
※『ホビット』シリーズは定番だったようです。
参考→<ニュージーランド航空、「壮大すぎる機内安全ビデオ」を公開日本サイト>
ここまでのスペクタクル、長かった旅の終わりを観ることができただけでも満足してしまうのも事実。
いままで『ホビット』を観てきた人は、迷わず劇場に向かいましょう(できれば予習をして)。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 前作『竜に奪われた王国』の内容がさらにネタバレしているのでご注意を
※以下、青文字はコメントでいただいた意見です。
〜野暮な不満点〜
まず、前作でさんざんひっぱった竜が開始10分で倒されるのは驚きました。
しょっぱなからの戦闘はスピーディーで大迫力でしたし、牢から抜け出したバルドが“息子を弓にして”黒い矢を放つという展開は納得できるものだったのですが……やっはりあっさりしていた印象はあります。
竜の死体はどうやって処理したのかなあ……
前作のラストで「僕らのせいだ」と思っていたビルボの罪の意識も、もう少し描いて欲しかったです。
そして、アゾグが召還していたはずの巨大ミミズはどこに行ったの?
3体ぐらい山から出てきて「こいつはヤバい!」と思わせておいて、その後は一切姿を見せません。
※朝になったら石になってしまうトロールの皆さんが日中に大暴れだったんですけど、日焼け止めクリームみたいなものでもあるんでしょうか。
致命的だと感じたのが、トーリンが復活するまでの展開に説得力がないこと。
勝手に内面に沈み(金塊の中に潜ったような描写になっている)、勝手に平静を取り戻したように思いました。あれほどアーケン石に固執していたはずなのに……
そういえば、ビルボに“裏切り者がいる!”と訴えていたときのトーリンは、声が変わり、何者かに取り憑かれているような描写になっていました。これもはっきりとした描写ではなく、腑に落ちません。
ドワーリンがトーリンに「王の器ではない」と諭すシーンはよかったのですけどね。
※トーリンの声が変わったのは、黄金にとりつかれる「竜の病」に堕ちたためだと思います。
ドワーフのふたりが乱闘中に抱き合うのは、スキだらけに見えてしまいました。
※そのドワーフは、トーリンといとこのダインですね。参戦と再会を喜んでの抱擁だったのでしょうか。
個人的にドワーフは豪快奔放な種族というイメージなので、場もわきまえず感情を表現するのは“らしい”かなと思いました。
トーリンが竜の病から解放され、本来の厳格で勇猛なトーリンを取り戻したという意味でも印象的なシーンでした。
茶のラダガストが助けにくるシーンが劇的でなかったのも少しもったいなかったかも……
首領のアゾグが倒されたとき、その軍の部下たちの行動や、戦況がどう変わったのかが描かれないのは残念でした。
戦いの決着がついたという明確な描写が不足していて、途中で終わったようなモヤモヤが残ります。
また、サウロンやエルロンドもただ登場しただけだけのような……ゲスト出演するなら、やっぱり活躍が見たかったです。
ドワーフたちのその後が描かれなかったのも残念です。
※これは非常に残念でした……!
原作ではトーリンはアーケン石と共に火葬されたのですが、戦死者についてもほとんど描写がなく、物足りなさを感じます。
特にトーリンはビルボたちに、キーリはタウリエルに看取られましたが…フィーリは……?
個人的には、最後にフロドにも再登場してほしかったかな。
最後にビルボのところにガンダルフがやってくるハッピーエンドも大好きなんですけどね。
※そう言えばアーケン石もどうなったのでしょう? バルドの手に渡ったまま?
そもそもバルドたちはその後どうなった? 気になるところが多すぎる……
〜ウザキャラ・アルフリドの大活躍〜
アルフリドという、どうでもいいキャラの活躍を振り返ってみましょう。
・船に乗っていた頭領に荷物の代わりに川に捨てられる
・バルドを「新しい頭領だ~」と勝手にアピール
・戦闘に巻き込まれるとコソコソ逃げる
・金貨をネコババする
・バルドに剣をもらって、「しっかり闘います!」と言う
・女装して女と子どもの中に紛れ込んでいた
・バルドに女装を見破られて、「あんたの許可なんか求めねえ!」とほざく
↓このときの自分の気持ち
( ゚д゚)、ペッ
あ、でもこいつとの対比としてバルドが家族を大事にしていることがわかる描写はよかったです(人間としての器が違いすぎ)。
〜乱闘〜
そんな不満の数々がどこかに吹っ飛ぶほど、乱戦の数々はアツかった!<一斉に矢を
<放つ!
<巨大ボウガンも登場
<巨大投石機も
<突撃
<荷台でも突撃
そして、矢を全部放ってしまったレゴラスの立ち回りの格好いいこと!<回転して
<避けつつ
<刀を
<出す!
さらに大興奮だったのが、レゴラスが崩れ落ちる橋を踏みながら登っていくシーン。重力を感じさせないアクションがステキすぎます。
そしてトーリンとアゾグの決戦!<剣VS鎖に繋がれた岩
アゾグがやたらと鎖を振り回してスキだらけかと思いきや、片手に剣を用意して守りも見せているのもいいですね。
トーリンが岩をぽいっと投げる→岩を受け取ってしまったアゾグが重みで水に沈んでいくシーンは笑いました。
※五軍の戦いは「指輪物語」にも匹敵する戦闘シーンでしたね! オークの軍勢に対して防御の構えを撮ったダインの軍勢を、飛び越えるようにして突撃したエルフ軍や、 病から解放されたトーリンと仲間たちがダインの軍勢と共にオーク軍を突き抜けるようにして突破するシーンは鳥肌が立ちました。
〜ふたりの死〜
冒険の終わりに、キーリとトーリンが亡くなります。
キーリはタウリエルに看取られました。
スランドゥイルは中盤にタウリエルに激高していましたが、ここではキーリの死を知って「これが愛ならいらない、消し去ってほしい」と苦しむ彼女に「(辛いのは)それが本当の愛だからだ」と言ってくれました。
※それまでスランドゥイルは他の人物の気持ちを酌むことなく、利己的な行動をしているようでしたが、 最後の最後でレゴラスとタウリエルの心情を察し、それぞれに言葉をかけ王らしい一面を見せました。
完全な想像なんですが本当はすごいいい人なんではないかと…そう思いたくなるシーンでした。
トーリンを看取ったのは、ビルボでした。
トーリンはビルボに「看取られて逝ける、そなたこそ真の友だ」と告げ、ビルボは逝かないでくれと懇願しますが……その願いが届くことがありませんでした。
ガンダルフはビルボの横に、何も言わずに座りました。わざとらしく、タバコを吹かせようとしながら……
ことばはなくとも、ビルボを“友だち”と想うガンダルフの気持ちが伝わるシーンでした。
ビルボはホビット荘に帰ってから、トーリンのことを「友だちだった」と呼びます。
旅の中で仲間が亡くなりったことは、とても重い事実です。
しかし、死してもなお続く男女の愛と、友情という形での愛がありました。
〜レゴラスの行くところ〜
レゴラスは、スランドゥイルにドゥーネダインに行けと、“ストライダー”の真の名を知るようにと言われます。
Striderとは、原作では馳夫(はせお)とも訳されており、『ロード・オブ・ザ・リング』のキャラクター・アラゴルンの異名です。
ここから、『ロード~』でのふたりの出会いにつながると思うと、感慨深いものがあります。
ところで、『ホビット』では“Sting”を“つらぬき丸”と訳していたのに、Striderはストライダーのままでした。
これは『ロード〜』の字幕翻訳の担当が戸田奈津子で、そっちでストライダーという名前を使っていたからなんだろうなあ……
参考↓
<指輪物語とホビットの冒険について質問致します。 - Yahoo!知恵袋>
<誤訳女王!字幕翻訳家、戸田奈津子誤訳への怒りの数々! - Naverまとめ>
〜帰郷〜
ビルボはここまで来れたのは「運がよかっただけ」と言いますが、ガンダルフは「本当にそうかね?」と返します。
そのときのビルボの後ろには、いままで旅をしてきたドワーフたちがいました。
ガンダルフはビルボと別れる前、「お前は世界の中ではちっぽけなひとりに過ぎんよ」とも言っています。
ビルボの旅が終わりを迎えることができたのは、ビルボひとりがいたからでない。
さまざまな愛おしい人々がいたから、成り立ったもの—
そう教えられているようでした。
〜The Last Goodbye〜
エンドロールの歌を披露したのは、『ロード・オブ・ザ・リング』でピピンを演じていたビリー・ボイドでした。
※「王の帰還」で美声を披露したピピンがエンディングテーマを担当するとは感慨深いですね。
<The Last Goodbyeの歌詞はこちら>
その歌は、ビルボが亡き友(=トーリン)に捧げているようでもあります。最高の幕引きでした。
あと、アーケン石を盗んだのがビルボだとトーリンは知っています。
>
> あと、アーケン石を盗んだのがビルボだとトーリンは知っています。
ありがとうございます。訂正します。
トーリンの声が変わったのは、私はサウロンではなく竜だと思っていました。
黄金にとりつかれる「竜の病」にトーリンもまた堕ちたのだと思ったので。
満を持してのホビット最終章でしたがやはり尺の短さとそれによるダイジェスト感は否めませんでしたね……
個人的に「指輪物語」も「ホビット」もある程度の長さは想定の範囲内だったのでちょっと物足りなさを感じました。
長尺だからこそ出来る表現の奥深さや描写の丁寧さも魅力であったので、詰め込まれてる&駆け足感も拭えません。
この辺りは元々二部構成だったものを三部構成に変更したことによる弊害でしょうか……
「王の帰還」のようにディレクターズカット版が出るのであれば観てみたいです。
>余談ですが、本作のパロディである機内マナービデオのクオリティがハンパないことになっています。
もはや定番になってるマナービデオですが今回もすごいことになってますね……
自分は前作だったか前々作のマナービデオを運良く機内で観られたのですが終わった後何故か拍手が……
Youtubeとかで字幕付きのものが観られるので良いですがDVDとかにも特典で収録して欲しいです。
(なんで清水直行選手出てるのかと思ったら野球のニュージーランド代表のコーチやってるんですね……)
>誰だったか忘れてしまったのですが、ドワーフのふたりが乱闘中に抱き合うのも違和感がありました。あれはスキだらけだったぞ。
トーリンといとこのダインですね。参戦と再会を喜んでの抱擁だったのでしょうか。
個人的にドワーフは豪快奔放な種族というイメージなので、場もわきまえず感情を表現するのは“らしい”かなと思いました。
トーリンが竜の病から解放され、本来の厳格で勇猛なトーリンを取り戻したという意味でも印象的なシーンでした。
>ドワーフたちのその後が描かれなかったのも残念です。
これは非常に残念でした……!
原作ではトーリンはアーケン石と共に火葬されたのですが、戦死者についてもほとんど描写がなく、物足りなさを感じます。
特にトーリンはビルボたちに、キーリはタウリエルに看取られましたが…フィーリは……?
そう言えばアーケン石もどうなったのでしょう?
バルドの手に渡ったまま?
そもそもバルドたちはその後どうなった?
気になるところが多すぎる……
>乱闘
五軍の戦いは「指輪物語」にも匹敵する戦闘シーンでしたね!
オークの軍勢に対して防御の構えを撮ったダインの軍勢を、飛び越えるようにして突撃したエルフ軍や、
病から解放されたトーリンと仲間たちがダインの軍勢と共にオーク軍を突き抜けるようにして突破するシーンは鳥肌が立ちました。
そしてレゴラス様(あえて様付けします)の立ち回りたるや一人だけ別作品から参戦しているかのようなかっこよさ……
「指輪物語」の頃から思っていましたがレゴラス様の戦闘能力は間違いなく作中最強ですよね……
>スランドゥイルは中盤にタウリエルに激高していましたが、ここではキーリの死を知って「これが愛ならいらない、消し去ってほしい」と苦しむ彼女に「(辛いのは)それが本当の愛だからだ」と言ってくれました。
このシーンはとても好きです。
それまでスランドゥイルは他の人物の気持ちを酌むことなく、利己的な行動をしているようでしたが、
最後の最後でレゴラスとタウリエルの心情を察し、それぞれに言葉をかけ王らしい一面を見せました。
完全な想像なんですが本当はすごいいい人なんではないかと…そう思いたくなるシーンでした。
>エンドロールの歌を披露したのは、『ロード・オブ・ザ・リング』でピピンを演じていたビリー・ボイドでした。
「王の帰還」で美声を披露したピピンがエンディングテーマを担当するとは感慨深いですね。
しかし「王の帰還」でも歌上手いなーと思っていましたがまさかテーマ曲まで担当することになるとは……
いろいろと不満点(主に尺)はありましたが西洋ファンタジー代表作の完結編と言うことでとても満足できました。
一方でもうこの世界の作品も完結してしまったと言うことにも一抹の寂しさを感じてしまいます。
これを機に、「指輪物語」三部作を観るのもまた良いかも知れませんね!
コメントのひとつひとつで、胸を打つ想いでした。
ぜひ追記させてください!
> トーリンの声が変わったのは、私はサウロンではなく竜だと思っていました。
> 黄金にとりつかれる「竜の病」にトーリンもまた堕ちたのだと思ったので。
なるほど、こちらも追記させてください。
原作未読なのですが、原作ファンの間では「あと三時間じゃ足りません!無理せず四部作にしましょう!」という声も聞こえていたのですけど・・・
>いろいろと時間が足りなかったんだろうな……
そう言われると全然スポットの当たらない旅の仲間が気になり、全体的に駆け足だったような気が・・・。そして今回のレビューでは漠然と感じていたそれを実感出来ました。
>13人もいるドワーフのほとんどが活躍しません。
エンドロールでも「旅の仲間」なのに二人纏めて紹介な人達が居て悲しくなりました。
<アルフリド
>、『イントゥ・ザ・ストーム』のYouTubeバカ並
自分も思い出しました。憎めない小悪党を狙ったのかもしれませんけど、本当に笑えないクズで、こういう奴は因果応報な最後を迎えて貰わないと教育上も良くないような・・・。
でも「殺人」をしたり、こいつの所為で誰か死んだ訳でもないんですよね(こんな所までテリーとドンクにそっくり・・・)でも、お土産付きで生き延びるとかは腑に落ちません・・・。
>しかし本作は戦闘シーンばかりが続き、映画としては破綻しているとまで思えるほど雑な点が散見されました。
合戦シーンの大迫力で雑さをゴリ押しされてしまった感があります。
>まず、前作でさんざんひっぱった竜が開始10分で倒されるのは驚きました。
でも期待通りの大暴れでしたね!(不謹慎ですみません)ジプシー・デンジャー!早く来てくれー!
>巨大ミミズはどこに行ったの?
なんでコイツら参戦させなかったんでしょうね。脳筋野蛮人なオークのイメージを覆す戦略家のアゾグ様らしくない・・・。
あと、朝になったら石になってしまうトロールの皆さんが日中に大暴れだったんですけど、日焼け止めクリームみたいなものでもあるんでしょうか。
>バルドが家族を大事にしていることがわかる描写はよかったです(人間としての器が違いすぎ)。
本作で一番「王様」というか立派なリーダーだったと思います。他の皆様も石だの首飾りだので軍隊動かしちゃって、いざ合戦になってから戦死者を見てボー然とする前に見習って・・・(オークの乱入は想定外だったでしょうけど)
毒親育ちさんの突っ込みに大笑いしましたwぜひ追記させてください。
「あれはなんだったんだ」
「あれはどうなったんだ」みたいなのがいくつも・・・
この映画で一番面白くて興奮するシーンが、冒頭の竜を弓で射るまでってのはどうなのかなと・・・
とある話を思い出さずにはいられませんでした。
ラスガレンの首飾りという話なのですが
スランドゥイルの妻、エルフの女王が存命だった頃
妻の為に相応しい首飾りをデザインして、ラスガレンの白い石と呼ばれる特別な宝石を始め沢山の貴金属類をドワーフの職人に預けて首飾りをつくらせたのですが
当時のドワーフ王スロール(トーリンのご先祖)らドワーフ側はエルフ共が支払いを十分にしなかったと主張
エルフたちは欲深さのためにドワーフ共が難癖をつけたと主張
平行線のままドワーフたちの手に首飾りは置かれたまま。
更に女王も戦場で命を落とし
ますますスランドゥイルは首飾りと白い石に執着し
それがドワーフへの援助にそっぽ向いた原因であり
妻への想いが首飾りへの執着にすり変わってしまい
愛が深かったせいで「本当の愛の証」と言える息子レゴラスに
中々向き合えなかった…という話が。
結局トーリンもスランも似た者同士だったのです