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輝くオタクたち 映画『海月姫』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は海月姫です。


個人的お気に入り度:4/10

一言感想:実写にするといろいろとキツいよね……


あらすじ


アパート“天水館”では、クラゲオタクの月海(つきみ)(能年玲奈)をはじめ、濃~いオタク属性を持つ住人たちが楽しく暮らしていた。
ある日月海は、熱帯魚ショップで騒いでいるところををファッショナブルな女性に助けてもらう。
その女性は、じつは女装をしていた政治家の息子・蔵之介(菅田将暉)だということが明らかになる。月海はどうにかして蔵之介に天水館から出て行ってもらおうとするのだが……




※今年最後の更新です! また明日のお正月にお会いしましょう。
※原作の読者からいただいた意見を追記・修正しました。ありがとうございます(1月3日)

東村アキコの同名漫画を原作とした作品です。

powered by yasuikamo
<こちらで1巻まるごと試し読みできます>
今回の映画で映像化されているのは、原作漫画の5巻くらいまで→すみません、6,7巻の内容も含んでいましたテレビアニメ版もだいたいそのくらい)。
すべて忠実に再現されているわけではなく、いくつか展開をピックアップして物語が構築されている感じです。

原作のおもしろさのひとつが、共同アパートに住むオタク女子たちの面々の“濃さ”です。
今回の映画版で驚かざるを得なかったのは、そのメンバーの再現度の高さでした。

池脇 あふろ

まややさま さんごくし

ばばぞの あじあん

かれせん かれせん

いやもうなんて言うか、似ている似ていないのレベルじゃなく憑依?
見た目だけでなく、演技もまさに生き写し。とくに“まやや”を演じる太田莉菜さんは声がアニメ版とほぼ同じだったので驚きました(アニメ版の声優は岡村明美さん)。

ここまで来ると、オタク女子をがんばって演じている主役の能年玲奈さんの存在感がかすみまくります。
いや、ちゃんとオタクに見える演技と見た目だったんだけど、ほかのメンツが完璧すぎて……

女装姿を披露した菅田将暉もハマっていました。
原作のこの女装男子は「どこからどう見てもオシャレ系女子だけど、男であることを隠している」というキャラで、映画でもその設定を踏襲しています。
しかし、映画版ではどこからどう聞いても声が男のために「バレるだろ」とツッコミをいれてしまいたくもなります。
これはしかたがないですね。そもそも漫画やアニメでしか許されないようなキャラを実写で再現しただけでもチャレンジャーだと思います。
納得の女装男子のキャラを観たいのであれば、アニメ版をおすすめします(斎賀みつきさんの声がハマリすぎているので)。


で、本作の根本的な問題は漫画のハイテンションっぷりを実写で観るとキツいということだと思います。
作中に出てくるオタクキャラは全員オーバーリアクションで、ぎゃーぎゃーと叫んでうるさいです。
登場人物はとてもわかりやす~いひとり言をしゃべります。
CGや字幕での説明もバリバリ入れまくってまくっており、映画ならではの繊細な演技を楽しむ要素などは皆無です。

アニメや漫画の二次元の世界であればありえねー世界やキャラを受け入れられるのですが、生身の人間が演じる実写だと「痛い」という気持ちがどうしても先行してしまうんですよね……
本作は、豪華キャストが最大限の努力を尽くして漫画のキャラになりきったコスプレ映画と考えて相違ないと思います(そこがおもしろいところなんだけど)。
キャスト皆様には心の底から「お疲れ様です」と、ねぎらいのことばをかけたくなります。

そんな難点は「作品の特性だから」と納得できるものなのですが……さらに重大な問題になっていることがあります。
それは、いくら漫画を原作とした作品だからって、後半の展開がリアリティをシカトしすぎなことです。
しかも、映画では無理に原作からクライマックスの設定を変えてしまっています(漫画では納得できる展開でした)。

・漫画を忠実に実写化した→漫画的な雰囲気と展開が実写で観るとキツい
のであれば「しかたがない」で許容できますが、
・漫画からさらにメチャクチャな描写にした→リアリティ皆無の展開に
というのはとても容認できません。

また、物語としてもエピソードが積み重なっていくダイナミズムはあまりなく、原作のエピソードを乱立させているような印象があります。
原作では主人公と、女装男子と、その兄のエリート男子と、イケイケな地上げ屋の“四角関係”も見所になっているのですが、映画ではエピソードを繋ぎ合わせただけでドラマとしてうまくして成立していません。

画作りも逆光を正面に捉えすぎていて、ハレーションを起こしているようなものがいくつもあったのは気になりました。
SEKAI NO OWARIの劇中歌が2回も入るのもやりすぎに思えます。
このあたりは好き嫌いのレベルですね。


……まあそんな文句を言いつつも、豪華キャストが漫画のキャラになりきっているだけでも楽しい映画なんですけどね。
個人的に駄作だと思っている『20世紀少年』3部作も「原作漫画のこのキャラをこの役者が演じるのか〜」という点だけでも楽しめましたもの。

でも、漫画の映画化のクオリティが格段にあがっている近年であれば、やっぱり『るろうに剣心』『寄生獣』ほどの完成度を求めてしまいます。
映画としてのおもしろさや深みを求める方は素直に回れ右で。
原作ファン、キャストのファンには十分におすすめします。

なお、原作漫画はレディースコミックであるため、多少性的な話題や「処女」「童貞」などのワードが登場します(どぎつい下ネタはないです)。小さい子の鑑賞はご注意を。

↓以下、結末も含めてネタバレです 観賞後にご覧ください。 少しだけ漫画の展開も書いているので、未読の方はご注意を。










〜野暮な不満点〜

まあ何より納得しかねるのはファッションショーを開催すると、同じ時間に開催している政治家のパーティに誰も集まらなくなるという展開。
いや、そのりくつはおかしい(客層一致しねえだろ)。誰か論理的に説明できるのなら教えてください。
※原作では、ファッションショーはパーティ終了後の開始でした。

そもそも終盤の“天水館”でファッションショーを開催するという展開が漫画オリジナルです(自分は原作を5巻までしか読んでいないので、漫画にあったらごめんなさい)。
※天水館でのファッションショーは原作での6巻と7巻ですね。

ファッションショーのための機材はどうやって用意したんだ(会場は宣伝してから1日足らずで完成)とか、どう考えてもアパートにそんなスペースはないだろとツッコまざるを得ないですよ。
※原作では、機材は蔵之介が「財力で」業者を集めて突貫工事してました。

あ、ファッションショーにドン小西がいたのはちょっとおもしろかったです。リポーターが「なんでここにいるんですか?」と聞いていたけど、こっちのセリフだよ。
※原作者の東村アキコさんもいたそうです。

ちなみに原作漫画(5巻まで)では、弱小劇団のためにクラゲのドレスを衣装として用意してあげる→その公演をブログなどで知らせる→公演の最後にドレスを宣伝する、というちゃんとした展開でした。そのままでいいのに……

また、ファッションショーの危機である、“クラゲの衣装をよごしちゃったから、水で洗って乾かす”という展開も無理がありますね。
完璧に乾かさなくてもいいような気がしますし、アパートの隣人ひとりからあんなにたくさんのドライヤーは(6、7個は持っていた)借りられないでしょうし。
※原作では、近隣のアパートを3軒ほど廻って借りてました。

千絵子の母親がイ・ビョンホンの大ファン(原作ではペ・ヨンジュン)で、その公演のチケットであっさり天水館の権利を手放してしまうのもイヤな展開だったなあ……

何より残念だったのが、“四角関係”の問題がわりとほったらかしになっていること。
イケイケ女(片瀬那奈)が携帯でウソのベッドインの写真を撮っていたことも、エリート童貞の鯉渕修(長谷川博己)が月海にした「結婚を前提にしたおつきあいをお願いします」というプロポーズもうやむやになっています。
月海は最後に「なんだか不思議なことがまた起こりそうです!」と目をキラキラとさせていましたが、プロポーズのこと忘れていません?

また、原作では蔵之介は月明かりの下でドレスを身にまとっていた月海を見て「心臓のバクバクがおさまらねえ!」な状態になるのですが、映画ではそこをさらっと流してしまったことが残念。
漫画では蔵之介が「月海への恋心に気づいていく」という展開がおもしろくて、ニヤニヤできるとことなのにね。


〜オタクを利用する〜

『海月姫』という作品が素敵なのは、“主人公たちが生粋のオタクでありニートの日陰者だったのだけど、そのオタクぶりがあってこそ輝き出す”こと。

月海はクラゲの知識があったおかげでクラゲドレスを作ることができましたし、千恵子(馬場園梓)は裁縫の技術があったため記事を縫うことができました。

まやや(太田莉菜)は高校時代に「殺し屋」というあだ名がつくくらいの高身長でしたが、ファッションショーではそのスレンダー体型のおかげで似合いまくっていました。

また、蔵之介(菅田将暉)も大学では自分の居場所を見つけれませんでしたが、クラゲのドレスをみんなで作ることで最高の居場所を見つけることができました。
運転手の花森(速水もこみち)はその司会業の経験をファッションショーに活かせていました。
できれば、ばんばさん(池脇千鶴)の鉄道オタクぶり、ジジ様(篠原ともえ)の枯れ専ぶりが役立つ場面もほしかったですね。

好きだったのは、フリーマーケットでみんなが協力してクラゲのぬいぐるみを縫うシーン。
漫画では千絵子と月海だけがぬいぐるみづくりをがんばっていたような描写だったんだけど、映画ではみんなが流れ作業でぬいぐるみを作るシーンが見れてよかったです。


〜ファッションの意味〜

原作では、蔵之介のこういうセリフがあります。
「残念だけど、世の中には見た目でしか評価をしない人間がいる。だから、鎧を身にまとえ!」

天水館のメンバーは皆オタクでニート、世間からの風当たりは冷たいです。
そのうえ格好がアレだったら、さらに世間から蔑まされる……これは致しかたないことでしょう。

しかし、「見た目」を着飾るファッションで「鎧」を身につけることで、世間の評価は変わるかもしれません。

これはオタクたちが「オシャレ人間」への恐怖を克服し、鎧を身にまとうことで世間に認められれていく物語。
そうすれば、素敵な女の子になることもできるのかもしれません。

おすすめ↓
原作漫画の大ファンですが、良い出来です! - ユーザーレビュー - 海月姫 - 作品 - Yahoo!映画
佐藤秀の徒然幻視録:海月姫~JeJeJeなつながり

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2014-12-31 : 映画感想 : コメント : 6 : トラックバック : 0
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非公開コメント

お節介ではありますが。
ヒロインの名前は「海月」でなく「月海」です。
2014-12-31 13:46 : URL : 編集
Re: タイトルなし
ああ、ありがとうございます。訂正します。
2014-12-31 13:52 : ヒナタカ URL : 編集
No title
天水館でのファッションショーは原作での6巻と7巻ですね。
以下、原作の内容です。

>ファッションショーを開催すると、同じ時間に開催している政治家のパーティに誰も集まらなくなるという展開。

原作では、ファッションショーはパーティ終了後の開始でした。

>ファッションショーのための機材はどうやって用意したんだ

蔵之介が「財力で」業者を集めて突貫工事してました。

>アパートの隣人ひとりからあんなにたくさんのドライヤーは(6、7個は持っていた)借りられないでしょうし……

近隣のアパートを3軒ほど廻って借りてました。

2015-01-03 09:36 : foobar URL : 編集
作者も出演!
いつも楽しみにしてます。
早速ですが、作者の東原アキコ先生も出演してます。
ドン小西の横にいた女性で服装は派手ですが地味に会話してます。
2015-01-03 11:19 : ワイナオ URL : 編集
Re: No title
foobarさん、ワイナオさん、ありがとうございます。訂正させてください。
作者は顔を知っていたのにまったく気づかなかった……
2015-01-03 18:53 : ヒナタカ URL : 編集
映画は、やはりそうなったか。と参考になりました。

しかし、映画と別のところで気になったことが…。
原作は、レディースコミックとありますが…レディースコミック…レディコミ…ではないです!
2015-03-02 07:09 : URL : 編集
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