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利益と愛 実写映画版『シンデレラ(2015)』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はシンデレラ(2015)です。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:王道だけど、王道じゃない


あらすじ


少女エラはやさしい両親の愛を受け、幸せな日々を過ごしてきたが、母を不治の病で失ってしまう。
やがて、貿易商を営む父が再婚し、エラ(リリー・ジェームズ)は継母(ケイト・ブランシェット)とその連れ子である姉妹ドリゼラとアナスタシアと暮らし始める。
父親が不慮の事故で命を落としたことをきっかけに、エラは継母と義理の姉妹からつらく当たられ、召使いのように扱われる毎日を送ることになる。
エラは「勇気とやさしさが魔法の力になる」という亡き母の教えを胸に、ひどい仕打ちに耐えようとするのだが……




1950年に制作された、同名アニメ映画の実写化作品です。

ディズニー
3136円
powered by yasuikamo

今回の実写映画版の特徴について多くの人があげるのは、「王道」ということでしょう。

近年のディズニー作品は『魔法にかけられて』『アナと雪の女王』『マレフィセント』など、ミュージカルシーンが唐突に入ることを茶化したり、悪役が主人公だったり、王子が役立たずだったりと、もともとのディズニーの作風とは異なる、すっげえひねくれている映画が連発されていました

しかし、この『シンデレラ』はみんなが知っているお姫様の物語そのもので、テーマはとても道徳的です。
勧善懲悪であり、夢のある魔法が登場し、ヒロインの心は美しく、王子は中身も含めてイケメンです。
いまの苦しい生活から、「やさしさと勇気」を持って運命に立ち向かうというわかりやすい物語には多くの人が共感を覚えることができるでしょう。
これはディズニーによる「原点回帰」でもあると思います。


ただし、本作には(大筋の物語以外には)王道からの「外し」がありました。
個人的に、本作はもとのアニメ版よりもはるかにおもしろく、また奥深い物語に仕上がっていたと感じました。


その理由のひとつが、悪役の描きかたです。
アニメ版の継母は完全な悪人として描かれていましたが、本作のケイト・ブランシェット演じる継母には感情移入の余地が残されています。
彼女には、「悪になってしまった」理由がほんの少しだけ描かれているのです。

そのことは、継母の初登場時のナレーションでもわかりますし、終盤でシンデレラに告げることばでもわかります。
ケイト・ブランシェット自身が「純粋に邪悪な人なんて誰ひとりいない・・・誰にでもそうなる動機や誘因があると思います」と語っているように、これは作品の大きなテーマであり、従来のおとぎ話とは一線を画すポイントです。

また、アニメ版は継母だけでなく、そのふたりの娘(ドリゼラとアナスタシア)が容姿が醜いように描かれていました(何せ、登場人物がふたりの顔を見て「ウェッ」と言うくらいですから)
しかし、本作のドリゼラとアナスタシアは「見た目は美しい」というふうに改変されています。このおかげでシンデレラの「心の美しさ」というものの説得力が生まれているのです。

本作のエンドロールで、シンデレラ役のリリー・ジェームズよりも、継母役のケイト・ブランシェットのほうが先にクレジットされていたのは驚きましたが、それは制作者たちがいかに継母が重要な役柄であるかを考えてのものに思えました。
※以下の意見をいただきました。
それは普通によくある例(クレジットの順番は役柄の重要性とは必ずしも一致しない)なのでは?もちろん、クレジットに「登場順」と書かれているような場合は別にしてです。


そのほかにも、本作には、アニメ版にはなかった描写がたくさんあります。

オープニングにある、シンデレラの両親の描写はこの映画のオリジナルです。
シンデレラが母親のことばを胸に生き続けていたこと、父親の死を知ったときのことばは、やがて重要な意味を持つようになっていきます。

王子とシンデレラが森で出会うシーンはアニメ版にはありませんでした(シンデレラと王子は舞踏会で初対面)。
それどころかアニメ版の王子は、まるで記号のように背景が見えない人物でした。こいつは結婚に興味がなく、むりやり父に舞踏会を開かされて、ドレス姿の女性の姿を見てあくびをしているようなやつですから
本作では王子が(国の利益のための)政略結婚を迫られているという設定に変えており、これがテーマの深さにも、キャラクターの魅力にもつながっています。

反面、アニメ版から省略されたのは、ネズミたち、犬のブルーノ、猫のルシファ―の取っ組み合いでした(アニメ版の3分の1くらいはこのシーン)。
これはアニメ的な画のおもしろさを追及しているので楽しいのですが、シンデレラの物語とは関係がないものです。ここを削ったのは正解でしょう(もちろん、実写化が難しいという理由もあるのでしょうが)

アニメ版でたびたび訴えられているのは「信じていれば救われる」という、ちょっと受け身にも思えるなテーマでした。
しかし、本作のシンデレラは自分から能動的に努力をするような人物であり、物語自体も「王子様を待っていればいいんだ!」ではないのです。

さらに、『アナと雪の女王』と同じく、「初対面の人にいきなり結婚を申し込むなんておかしいよね」とツッコミをいれるシーンもあるんですよね。
ひどい生活を送っているけど、いつか素敵な王子様と出会える」という「夢」の物語ではあるのですが、こうした現実的な辛辣さも忘れてはいません。


そんなわけで、この実写映画版『シンデレラ』は、王道の物語に、王道とは外れたデコレーションを施し、物語に深みを与えている秀作であると感じました。

甘々なスイートケーキかと思いきや、ちょっとビターな後味を残す、というバランスは絶妙です。
本作に「王道すぎてひねりがないね」と思っている方は、ぜひアニメ版を観てみてください。
本作の脚本がいかに練られているか、そのメッセージがいかに尊いものへと変わっているか……それがわかるはずですから。


そして、本作の魅力で語らねばならないのは、その美術の素晴らしさです。
黄金のかぼちゃの馬車や、王宮内の装飾はもちろん、多くの人が息を飲むのは「青いドレス」の美しさでしょう。


1万個以上のスワロフスキーのクリスタルを散りばめ、製作に500時間以上もかけたというドレスは、舞踏会の中でもひときわ目立つ存在です。
はじめてそのドレスが登場するシーンは、CGの装飾も相まってうっとりすることは必至。ここだけでも劇場で堪能する価値があります。


日本語吹き替え版で観たのですが、これもよかったです。
シンデレラ役の高畑充希は少し声にたどたどしさがあったものの、数少ない歌唱シーンではその存在感が際立ちます。
王子役の城田優も好演でしたし、継母役に塩田朋子というベテランを配役しています。吹き替え版が苦手という方も「二度目の鑑賞」などにおすすめします。


ちなみに、同時上映となるのは『アナと雪の女王』の続編である『エルサのサプライズ』です。
原題は『FROZEN FEVER(熱)』で、熱いんだか寒いんだかようわからんというタイトルですが、観てみるとこの原題の意味がよくわかるようになっているのがいいですね。
たった7分の短編ではありますが、あの愛すべきキャラクターに会えるというだけでもうれしいものがありました。




本作『シンデレラ』の難点は、大筋が「みんながよく知っている話」であるために、中盤まで退屈さが否めないことでしょうか。
さらに「政略結婚」などの子どもがワクワクできない(理解できない)話題もプラスされているため、夢いっぱいの素敵な物語を期待すると少し肩透かしになってしまうのかもしれません。

もうひとつ気を付けておくべきなのは、本作がミュージカル映画ではないということですね。
歌唱シーンはほとんどないので、アニメ版の楽曲や、『アナと雪の女王』のようなキャッチ―な音楽を期待するべきではありません。
そのぶんエンドロールでは、サービスとばかりに歌唱が(日本語吹き替え版では吹き替えで!)流れるので、最後まで堪能することをおすすめします。

でも欠点と言えばそれくらいです。
誰にとっても楽しめて、目の肥えた映画ファンにとっても思いもよらぬテーマ性があり、主演の女の子は美しく、王子様は理想の相手であり、夢のある物語がつむがれる……何より、悪役をただの悪人としてではなく、欠点を持つ等身大の人間として描く作風が大好きでした。

きわめて優等生的であり、全方位に渡り工夫が凝らされています。
自分はここまで出来がいいと、「人間なんて醜いんだよ!」と主張するうえに物語が破たんしている『イントゥ・ザ・ウッズ』がすごく愛おしくなってくきました(笑)。
王道の『シンデレラ』も、ひねくれまくっている『イントゥ・ザ・ウッズ』も、それぞれ別ベクトルの魅力がありますよ。
デートとでも家族とでも、大プッシュでおすすめです!


最後にトリビアを。
舞踏会のシーンでは、『プリンセスと魔法のキス』、『眠れる森の美女 』、『美女と野獣』、『リトル・マーメイド』と、歴代のディズニー作品のドレスを見ることができます



こういうところで、ディズニーファンへのサービスをしているというのもうれしいですね。
また、今作の隠れミッキーは、シンデレラの家(ドアのガラス細工)にいるそうなので、これから観る人はぜひ探してみましょう。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
吹き替え版で観たので、字幕とはセリフが異なる可能性があります。また、アニメ版のネタバレに触れているところもあるのでご注意を。











~『エルサのサプライズ』(FROZEN FEVER)~

『エルサのサプライズ』のストーリーを一行で説明するなら、「アナ(妹)の誕生日をエルサ(姉)ががんばってお祝いしようとするけど、エルサが風邪を引いてしまっていた」というだけ。
原題のFEVERはそのまんま、風邪の熱のことだったんですね。

おもしろいのは、エルサがアナのためにがんばると、そのぶんくしゃみが出てしまい、小さい雪だるまがぽんぽんと生まれること。
エルサは小さい雪だるまのせいでパーティがしっちゃかめっちゃかになってしまったことに「ごめんね、パーティをめちゃくちゃにして」と謝るのだけど、アナは「めちゃくちゃになんてなっていないわ。エルサをお世話できるなんて、最高の誕生日よ」と言ってくれます。これはアナとエルサのイチャイチャっぷりを楽しむ作品ですね!(断言)

作品のメッセージは「誰かにために努力をしたことは、その誰かにとって(結果はどうあれ)最高にうれしいこと」なのでしょう。
エルサが出した小さい雪だるまが、回りまわって誕生日のサプライズ(誕生日の場所に雪だるまが集まっていた)というのは、そういうことなのだと……。

あと、追放されて山小屋で働いているハンス王子に巨大な雪玉がブチ当たるのには大笑いしました。いや、彼は悪人だけど、さすがにちょっとかわいそうじゃね? ディズニーは悪役に(文字通り)冷たい。
そういえば『ベイマックス』でもハンスの銅像がブチ壊されていましたね。


~「DRY BANANA HIPPY HAT」の意味って?~

『エルサのサプライズ』において、誕生日の幕にあった「HAPPY BIRTHDAY ANNA」という文字が、オラフによって「DRY BANANA HIPPY HAT」に代えられていました。
「乾いたバナナ、ヒッピーの帽子」って……まったく意味のないアナグラムのように思えますよね。

海外には「くり返し観てもらうように設計されたものにすぎない」と批判されているレビューもあります。
もしくは、DRY BANANAはアナへのプレゼントのフランスパン、HIPPY HATはアナのかぶっていたインディアン風の帽子を指すという説もあります。

個人的には前者であり、とくに深い意味はないのだと思います、


※以下は、『シンデレラ』の不満点を最初にを書くので、映画の不満なところなんて聞きたくないよ!という方は読み飛ばしてください。


~野暮な不満点~

『シンデレラ』でみんなが思うであろう疑問は、なんでガラスの靴だけ12時すぎても魔法が解けずに残っているの?でしょう。
かぼちゃの馬車、御者、馬、ドレスがもと戻っているのに、なぜかガラスの靴だけは魔法が継続する……もとの物語でも思っていたことですが、映画でもこの疑問は解決はできていませんね。
ただ、フェアリー・ゴッドマザーは魔法をかけるまえに「ガラスの靴は得意なのよ!」と言っており、ほかよりも魔法の効力が強かったんだと(無理やり)納得できるのはよかったです。
※以下の意見をいただきました。
ガラスの靴が最後まで残っていたのはドレスやカボチャなどは魔法をかけて変身させていたのに対し、靴だけは元履いていたのを脱いで新しく作ったからではないでしょうか?


ほかにもみんなが思う「ガラスの靴を履かせなくても顔見りゃわかるだろ」とツッコミを、フェアリーゴッドマザーが「シンデレラが誰かわからなくする」魔法をかけていたことで解決していました。無理やりと言えば無理やりだけどね。
ただ、兵たちは「足の臭いパン屋のおばちゃん」までにも靴履かせなくてもいいいじゃん(体格違うだろ)。

※中盤でシンデレラが継母に話していたフランス語の意味がわかりませんでした。わかる方、ご意見をお待ちしています。
ドリゼラが「私イタリア語わからない!」と言っていましたけど、明らかにフランス語でしたよね(冒頭でもシンデレラはフランス語で貿易商の父と話していたし)

※以下の意見をいただきました。
フランス語の意味は字幕版ではしっかり出てましたよ。
うろ覚えですが、意地悪な継母達が「パリ風のア・ラ・モードよ」「この子にわかるはずないわ」というセリフに対してフランス語で「ア・ラ・モードぐらいわかるわ」でした



~愛か、利益か~

本作でくり返し提示されるのは、「ものごとに利益を求めるか、それとも愛を求めるか」ということです。

そのシーンのひとつが、父が亡くなったという知らせを使いの者が届けたときのことです。

ドリゼラとアナスタシアは「お土産はないの?」とほざき、継母も「それどころじゃないでしょ!これからどうやって生きていくのよ!」と自分のことしか考えていなさそうでした。
しかし、シンデレラは「ありがとう。あなたも大変だったわね」と使いの者を労うのです。


また、シンデレラは政略結婚を迫られていた王子に「いったい誰のための利益なの?」と聞き、「いい質問だ」と返されていました。
当の政略結婚の相手も「小さな国ねえ」とほざいており、王子は「あなたには狭すぎるようですが、いいのですか?」と皮肉を言っていました。

確かに小さな国が存続するために政略結婚をするというのは、「国」の利益からすれば間違った選択ではないのでしょう。
しかし、王子はその「利益」に「価値」がないことを知っているんですよね。
だららこそ、病床に臥せる国王に「大切なものは目の前にあります」と告げ、国王も「利益のためではなく、愛のための結婚をしろ」と言ってくれる……。

これは現代の結婚観、婚活にも通ずるメッセージですよね。
やれ年収や学歴よりも、その人のことを見ておきたいものです。
少なくとも、ドリゼラやアナスタシアのように「王子と結婚できたらいいの!考えが変わったらいやだから顔だって見ないわ!」というふうにはなりたくないものです(そりゃナレーションで「心が醜い」って言われるわ)


~実写映画ならではの描写~

アニメ版では、ネズミたちがドレスを全部作っていましたが、本作ではシンデレラがドレスを縫っているのをネズミたちが「お手伝い」するという描写に変わっています。
シンデレラの「行動」を示すシーンでもあるので、本作のほうがより好みです。

フェアリーゴッドマザーが浮浪者の格好で登場するのにはびっくりしました。ヘレナ・ボナム=カーターが似合いすぎです(←失礼すぎる発言)。
彼女が登場するのは、シンデレラが舞踏会に行けなくなり、悲しみに沈んでいるときでした。
そこでもシンデレラは、父の死を知らせた使いの者のときと同じように、自分の悲しみよりも相手のことを気遣ってミルクをプレゼントするんですよね。こういう細かい描写でシンデレラの人となりがわかるのは大好きです。

かぼちゃをハウスの中で馬車に変えてしまって、ハウスがぶっ壊れるのは映画オリジナルの描写。画的に楽しいのはいいんですが、この後ハウスのことはどう処理したんでしょうか(笑)。

12時の鐘とともにかぼちゃの馬車や馬がもとの姿に戻ってしまうのは、アニメ版よりもスペクタクルに描かれていました。
かぼちゃがギュッと収縮するシーンにあそこまでハラハラするとは……本作唯一のアクションシーンにして、見どころですね。

ノンソー・アノジー演じる大尉がいいキャラでしたね。王子とよくわかりあえている「友人」のような人物です。
彼が「王子に合わせることを禁じます」と訴える継母に、「禁じることを禁じる。何様のつもりだ?神か?聖人か?」と返したのは格好よかった!
継母が「私は母です」と主張し、シンデレラが「あなたは母ではないわ。これまでも、これからもずっと」と返すのは皮肉的です。

アニメ版のクライマックスでは、ネズミたちと犬のブルートががんばってシンデレラが幽閉されている部屋のカギを開けようとするのですが、映画版では「シンデレラの部屋の窓を開ける」という描写になっています。
その美しい「歌声」が、兵隊たちと王子を引き留めるという、実写でも無理のないシーンに昇華されていたことも大好きです。

※以下の意見をいただきました。
アニメだけじゃなく童話の要素も入っていて面白かったです。
お父さんに木の枝をねだったり(母が樹を植えるように言うパターンもあり、グリムだとそれらの樹からドレスが落ちてきたり、手助けをしてくれるハトが出てきます)
仙女が出てきて魔法をかけてくれるのはペロー版です。




~継母の物語~

継母は、初登場時のナレーションで「趣味のよい女性で、悲しみを美しく身にまとっていました」と告げられていました(決して悪人とは語られていません)。



終盤では、継母はシンデレラが隠していた片方のガラスの靴を見つけ、こう言いました。

「夫を失った女は再婚をしました。
女は愚かな自分の娘をつれて、幸せになろうとしていましたが、また夫が亡くなってしまいました。
こうして、女はいつまでも不幸せに暮らしましたとさ」


さらに継母は「愛はただじゃないわ!」、「(どうしてこんな仕打ちするのかと聞くシンデレラに対して)なぜかって?あなたが若くて善良だからよ!」と声を荒げます。

シンデレラは「無償の愛」を持って、使いの者や浮浪者の姿のフェアリーゴッドマザーに接していました。
王子もまた、利益よりも、「目の前にある大切なもの」にまなざしを向けていました。

しかし、継母はそうじゃありません。
夫が死んだときは「どうやって暮らしていけばいいの!」と利益のことを考えていました。
(年甲斐もなく)舞踏会に参加して王子の心を射止ようとするのも、大臣にシンデレラの情報と引き換えに王宮内での地位を得ようとするのも、利益のためです。
利益=価値=愛だと思い込んでいるんですよね。

王子と再会できたシンデレラは、そんな継母に対して、こう言います
「あなたのことを、許します」

継母は、シンデレラへの嫉妬心(若くて、心までもが美しい)から、彼女をいじめていました。
悲劇を被ったとしても、ほかの人をいじめるのではまた別の悲劇を生むだけです。
しかし、シンデレラはひどい仕打ちを受けていたとしても、仕返しなどは考えず、ただ「許す」のです。

継母は、最後に国を去り、二度と戻ってくることはありませんでした。
彼女がシンデレラのように「他人をいつくしむ心(それこそ、愛)」を持てば、こうはならなかったのかもしれません。


~ありのままの自分~

「ありのままの自分を見せる」というのは、『アナと雪の女王』でも掲げられたテーマです。
ただし、『アナ雪』が「ありのままでいいわけではなく、自分でコントロールすることも重要である」と説いていたのとは違い、本作では本当に「ありのまま」の自分を見せることの重要性を語っています。

シンデレラが、ドリゼラとアナスタシアに付けられていやだったはずのあだ名「灰かぶりのエラ(Cinderella)」を王子に名乗ったのは、彼女がもはやそうした言葉にも縛られず、ありのままの自分を見せる勇気を持つことができたからなのでしょう。

ナレーションでは、こう言っていました。
「ありのままの自分を見せることは、誰にとっても大きな冒険です」

まさに、勇気とやさしさを持って、大きな冒険に乗り出すシンデレラの物語でした。


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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2015-05-04 : 映画感想 : コメント : 11 : トラックバック : 0
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No title
フランス語の意味は字幕版ではしっかり出てましたよ。
うろ覚えですが、意地悪な継母達が「パリ風のア・ラ・モードよ」「この子にわかるはずないわ」というセリフに対してフランス語で「ア・ラ・モードぐらいわかるわ」でした
2015-05-04 21:12 : あや URL : 編集
Re: No title
> フランス語の意味は字幕版ではしっかり出てましたよ。
> うろ覚えですが、意地悪な継母達が「パリ風のア・ラ・モードよ」「この子にわかるはずないわ」というセリフに対してフランス語で「ア・ラ・モードぐらいわかるわ」でした

ありがとうございます!こういうのは字幕版ならではですね。
2015-05-04 21:25 : ヒナタカ URL : 編集
No title
幼き日の忌まわしい思い出の象徴、周囲のブランド信者の大人達に「これは良い物なのよ!」と大好きなヒーローものを取り上げられ代わりに宛がわれ、泣きながら視聴させられた退屈な教科書アニメをよくぞここまで・・・と捻くれ者の旧アンチディズニーファンも唸らざるを得ない出来でした!

>本作のドリゼラとアナスタシアは「見た目は美しい」というふうに改変されています。
ここに私は違和感を覚えました。継母はケイト・ブランシェットの演技はもちろん。美人なのに心根の歪みが勿体ない・・・と感じる程でエラとの対比は「レ・ミゼラブル」のコゼットとエポニーヌを思い出して本作のスタイリストら演出陣は流石と思わせる出来でしたが、義姉達はメイクも衣装もケバケバしく、あの継母の教育の所為とは言え愚か過ぎる行動の数々は不憫さすら感じてしまいました。(本当は可愛らしい女の子に成るはずが、母親の「歪み」が我が子への教育に現れてしまった結果という母親層への教訓と見るべきなのか・・・)
余談ですが「美女と野獣」に続き、明るくなったら会場に男性が私一人!という恥ずかしさを味わいましたが、観客の女の子達にこの辺を聞いて見たくなりました。

>『エルサのサプライズ』
お子様達(全員女の子!)はこちらがメインのようでしたね。でもフェアリーゴッドマザーの魔法のシーンではこちらに負けず劣らずキャッキャと可愛らしい歓声が上がっていました。やっぱり女の子は魔法が大好きなんだなあ・・・。
(仮面ライダーも科学でなく魔法で変身する時代になりましたし・・・)

>あと、追放されて山小屋で働いているハンス王子に巨大な雪玉がブチ当たる
あの面子の今を見られて嬉しかったですが、これはどうなんでしょう。あの世界で、まだ酷い目に遭うという事は、反省しておらず悪企みで再起を図っているのでしょうか。
(暗殺未遂の前科が有る時点で今作の継母と違い極悪人ですし)

>何より、悪役をただの悪人としてではなく、欠点を持つ等身大の人間として描く作風が大好きでした。
殺人等の取り返しのつかない悪事は犯していませんし、被害者であるエラが許しているのですから、これから彼女達(義姉妹は自分の愚かさに気付いて謝罪もしています)の別天地での更生と幸福を願いたくなる程に、すてきな悪役の最後だったと思います。

>~愛か、利益か~
王子様にも物語があったのが良かったですね。苦悩するヒーローって感じで、ここが1950年版と比較して最高でした!

>「人間なんて醜いんだよ!」と主張するうえに物語が破たんしている『イントゥ・ザ・ウッズ』がすごく愛おしくなってくきました(笑)。
これと同時期に上映するとか・・・と失笑していた自分が恥ずかしいです。今ならディズニーの英断とすら思えます。
今思うと1950年版も教科書アニメだからこその良さもあったかも・・・。悪いのは私の周囲に居た。子どもも作品も見ておらず、ブランドばかり見ていた大人達ですし・・・。
(でも今は母とこの話をしても大喧嘩にしかならなそうだったり・・・)
2015-05-05 02:36 : 毒親育ち URL : 編集
No title
>本作のエンドロールで、シンデレラ役のリリー・ジェームズよりも、継母役のケイト・ブランシェットのほうが先にクレジットされていたのは驚きました

それは普通によくある例(クレジットの順番は役柄の重要性とは必ずしも一致しない)なのでは?もちろん、クレジットに「登場順」と書かれているような場合は別にしてです。
2015-05-05 07:08 : foobar URL : 編集
Re: No title
> >本作のエンドロールで、シンデレラ役のリリー・ジェームズよりも、継母役のケイト・ブランシェットのほうが先にクレジットされていたのは驚きました
>
> それは普通によくある例(クレジットの順番は役柄の重要性とは必ずしも一致しない)なのでは?もちろん、クレジットに「登場順」と書かれているような場合は別にしてです。

よくありますよね……登場人物順でないので、自分は何となく意味があると思ったのですが……追記します。
2015-05-05 08:02 : ヒナタカ URL : 編集
No title
アニメだけじゃなく童話の要素も入っていて面白かったです。
お父さんに木の枝をねだったり(母が樹を植えるように言うパターンもあり、グリムだとそれらの樹からドレスが落ちてきたり、手助けをしてくれるハトが出てきます)
仙女が出てきて魔法をかけてくれるのはペロー版です。

最近のディズニーの女性観は多様化する現代の価値観に合わせてか
かつて魔女だった女たちの復権や旧作のヒロインのリブートが多いですね
2015-05-05 22:05 : ひぃ URL : 編集
Re: No title
> アニメだけじゃなく童話の要素も入っていて面白かったです。
> お父さんに木の枝をねだったり(母が樹を植えるように言うパターンもあり、グリムだとそれらの樹からドレスが落ちてきたり、手助けをしてくれるハトが出てきます)
> 仙女が出てきて魔法をかけてくれるのはペロー版です。

ありがとうございます。追記させてください。
2015-05-07 10:37 : ヒナタカ URL : 編集
教えてください
観てきました。
ナレーションにあるという「ありのままの自分を見せることは、誰にとっても大きな冒険です」の台詞は、英語ではどう言っているのでしょうか、教えてください!
2015-05-07 22:19 : sigma2 URL : 編集
No title

爆笑したのは「ランヴァイル・プルグウィンギル・ゴゲリフウィルンドロブル・ランティシリオゴゴゴホ」。そりゃ駅名じゃねぇか。(でも他には誰も笑っていなかった…)


> 『エルサのサプライズ』

ハンスに巨大雪玉が当たるのはともかく、コエまみれになるという下ネタはやめて欲しかったかも…。
雪だるまがアイスケーキを食べたのを戻しても氷に変わりはないですけど、そっちは明らかにキタナイ。


> 動物たちの取っ組み合いを削ったのは正解

同意ですね。
入れてはダメ、ということはないですが、バランスをうまくしないと話がとっちらかってしまうと思います。


> 青いドレス

メインテーマ(?)になっているマザーグース(イギリス童謡)の「ラベンダーは青い」。これってシンデレラの詩だったかなぁ…と考えてしまって…。


> ガラスの靴

辻褄を合わせた設定、解釈はなかなか面白かったです。


> 利益のことを考える継母

本作の継母と、姉たちとの間には決定的な違いがあります。
どちらもシンデレラをいじめる事には違いがないのですが、じつは継母は頭はいいし行動力もある。一方で姉たちは無能だし、自ら何かをしようという気力もない。恐らく継母のほうは、シンデレラが養わずとも、いずれ生きていく術を探すか作るかするでしょうが、姉たちはその母がいなければ野垂れ死にするのが明白。
それを思うと、仮に継母の計画がうまくいったとしても、いずれ放り出されることになると思われる。
本作の姉たちには、いずれにしてもバッドな結末しか無かったように感じます。

足を切る、という、文字通り「身を切る」ことをした『イントゥ・ザ・ウッズ』版の姉と比べてもえらい違いです。

2015-05-25 15:53 : シオンソルト URL : 編集
初めまして。今更のコメントですみません。

もう解決されていたら申し訳ないですが、ガラスの靴が最後まで残っていたのはドレスやカボチャなどは魔法をかけて変身させていたのに対し、靴だけは元履いていたのを脱いで新しく作ったからではないでしょうか?

9月にBlu-rayが出るので検索していたらここに辿り着きました。的確で素敵なレビューですね。
私が思っていることとほとんど同じく感じてらっしゃって心の中でそうそう!と思いながら読んでしまいました(笑)
2015-07-14 14:52 : チロル URL : 編集
Re: タイトルなし
> もう解決されていたら申し訳ないですが、ガラスの靴が最後まで残っていたのはドレスやカボチャなどは魔法をかけて変身させていたのに対し、靴だけは元履いていたのを脱いで新しく作ったからではないでしょうか?

なるほどーありがとうございます。

> 9月にBlu-rayが出るので検索していたらここに辿り着きました。的確で素敵なレビューですね。
> 私が思っていることとほとんど同じく感じてらっしゃって心の中でそうそう!と思いながら読んでしまいました(笑)

いやーうれしい!ぜひほかの記事も読んでやってください。
2015-07-15 01:08 : ヒナタカ URL : 編集
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レビューサイト「Filmarks」の優れた点&ちょっと微妙なところ
剛力彩芽のゴリ押しっぷり
真のレゴムービーの日本版予告編


<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』

<2011年上半期公開>
『ブラック・スワン』
『八日目の蝉』
『手塚治虫のブッダ』
『わたしを離さないで』
『パラノーマル・アクティビティ2』

<2010年公開作品>
『ソウ ザ・ファイナル3D』
『リミット』

<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

守銭奴すぎるバンナムの課金ゲーム

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