ヘタレなエレンの大成長 実写映画版『進撃の巨人』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
個人的お気に入り度:8/10
一言感想:これは『T2(原作漫画)』に対する『T3』だ!
あらすじ
100年以上前・・・突如人間を喰う巨人が現れ、人類は滅亡の危機に瀕していた。
生き残った者たちは巨人の侵攻を阻止すべく巨大な壁を3重に作り上げ、壁の内側で暮らしていた。
しかし、壁の中に住んでいるエレン(三浦春馬)はその巨人の伝説を信じようとはしなかった。
幼馴染のアルミン(本郷奏多)やミカサ(水原希子)はそんなエレンを心配するのだが・・・
累計発行部数4000万部、数え切れないくらいのメディアミックスを果たし、いまではその名を知らない人はいない大ヒット漫画『進撃の巨人』の、待望の実写映画化作品です。
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この実写映画において、まず何よりも知っておいてほしいことがあります。
それは、原作者・諌山創さんの発案により、映画版のキャラの描写が大きく変更されているということです。
具体的に言えば、主人公のエレンがヘタレ化しています。

漫画を読んでいる人にとっては承知の通り、エレンは敵である巨人を憎み、猪突猛進かつ強靭な精神力を持つキャラクターでした。
しかし、映画のエレンは巨人の恐ろしさを知らないばかりか、巨人の存在自体を否定しにかかかっています。
さらに劇中ではそのヘタレ性を示す出来事がたっぷり。さすがにこれはネタバレなので↓に描くことにします。
原作ファンが「こんなのエレンじゃない!」と怒るのももっともでしょう。
しかし、重ねて言いますがこれは原作者が提案した改変なのです。
なぜこのような改変が行われたか?と言えば、約3時間(2部作の映画)という短い時間で、主人公のエレンに感情移入をさせるためだと思います。
原作漫画は猪突猛進で迷いのない主人公を軸に、サブキャラクターの描写がある、という構図になっていました。
現在16巻にもなる長編で、たっぷりの尺があるので、それでも十分ドラマは成り立っているのです。
しかし、これをそのまま実写映画にしたらどうでしょうか?
主人公が強い!迷いがない!まったくブレない!
そうであったら、ちっとも主人公の成長が楽しめない、面白くないではないですか。
この「主人公をヘタレ化させる」というのは、「主人公の成長を描く」という映画において不可欠な要素を描くための英断だと思います。
この改変で自分は『ターミネーター3(T3)』を思い出しました。
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『ターミネーター3』は、戦争の起きる世界では英雄だったはずのジョン・コナーが、いざ戦争が起きなくなってしまうとその日暮らしをする労働者みたいになっていた作品でした(このジョンの描写は海外で酷評され、脚本を読んだ役者がつぎつぎに辞退したそうです)。
そして、『ターミネーター3』でジョン・コナーが戦争がなくなったためにヘタレになったように、実写映画版『進撃の巨人』のエレンも「ある凄惨な出来事」を経験しなかったためにヘタレ化しているのです。
これは、まるで原作の「IF」を体験したかのような感動がありました。
『T3』は『T2』のファンから大酷評された作品です。
だけど自分は『T3」が大好き。
自分が実写映画版『進撃の巨人』に感じたことは、それと同じです。
どちらも原作の改変を嫌う人にとっては嫌われるけど、見かたを変えれば奥深い作品になると思います。
参考↓
<ターミネーターシリーズの最高傑作がT3なのは何故か? - 破壊屋ブログ>
さらに、エレンについて大感動した描写があるのですが・・・これも大いにネタバレになるので↓に書くことにします。
原作ファンにとっては激怒もんなのかもしれないけど、個人的にはちょっと笑って、それ以上に泣きました。
そもそも、本作は原作のパラレルワールドとして、おおらかな心で観たほうがきっと楽しめると思います。
原作の舞台はドイツの街並みでしたが、映画では廃墟のような場所(軍艦島)が舞台。
キャラも、当然ながら日本人が演じています。
おかげで人気キャラの「リヴァイ」は、「この名前は日本人であるのはおかしい」という理由で未登場になりました(ついでにキャラの名字も削除されています)。

その理屈だと「エレン」「サシャ」「アルミン」「ジャン」という名前のキャラがいるのはおかしくね?とツッコミを入れたくなるところですが、脚本を担当した町山智浩さんが、「岡田あーみんという漫画家や、鉄鍋のジャンっていう料理研究家がいるからいいんだよ!」と言っているのに笑いました。
岡田あーみんはペンネームだし、ジャンは漫画の登場人物だよ!

あ、『鉄鍋のジャン』は個人的に大傑作で、主人公のジャンが料理人のくせに悪人で、勝負に勝つためなら客にマジックマッシュルームを出すことも躊躇しないという素敵な作品なので、ぜひ一度読んでみてほしいですね(脱線)。
そういえば、原作の2巻では「ミカサ」が「かつて存在していた東洋人である」ことを示す描写がありました。
映画版では、登場人物みんながミカサのような東洋人として存在している、というふうにも取れるかもしれませんね。
さて、『進撃の巨人』と言えばグロテスクな描写が不可欠だと思っている方も多いでしょう。
そこは大丈夫どころか、むしろ原作よりグロい仕上がりとなっています。
ぶっしゃぶっしゃ血が飛ぶし、手足はもんげーです。
『ベルセルク 黄金時代篇』のように「あるはずのないカメラに鮮血がビシャっと張り付く』描写もあります。
巨人が人を喰うときの「音」もヤバい。こんなキショすぎる音を作りだしただけでも尊敬します。
あとね、巨人を実写化すると最高にキモいことがわかりました。
ていうか、以下のようなきれい(?)な巨人はほんのすこししか登場しないんですよ。

むしろ作中で大活躍しているのは、腹がたるんでいるオヤジや、肥えたオバサンがそのまま巨大化したようなブツばっかりなのです。
全裸の醜いオヤジやオバサン(超リアル)が人間を喰いちぎる様子を想像してみてください。
生理的嫌悪感が半端ない、ていうかふつうに吐きそうになりました。
制作側は映倫と戦いまくってなんとか本作をPG12指定に抑えたそうですが、どこからどう見てもこのヤバさはR15+指定を超えています。
小学生が観たら一生のトラウマになること必至。家族でのご鑑賞は全力でおすすめいたしません。
でも、これこそが自分が観たかった『進撃の巨人』です。
何より、原作でも映画版でも告げられている「この世界は残酷」ということをこれ以上なく示しているから。
さらに、この残酷な描写に、主人公のエレンが何も知らないヘタレということがプラスされているんです。
つまりはボンクラ主人公を一気に地獄に突き落としているんです。
これは観客の気持ちともシンクロしています。
「どうせ日本映画だからたいしたことないよ」「原作のグロさなんか表現できるわけねーだろ」とナメきっている観客を、一気に阿鼻叫喚の地獄に落とすー。まさに本作の「巨人をナメきっている」エレンと同じではないですか!
すごい、本当にすごい。
もう何度でも言いますが、容赦のない残酷描写をしたことと、エレンのキャラ改変は本当に英断です。
演じている役者陣も本当に素晴らしかったです。
とくに出色なのは、イカレポンチなキャラ「ハンジ」を演じている石原さとみさんと、ちょっと頭のネジが飛んでいる映画オリジナルキャラ「シキシマ」を演じている長谷川博己さん、原作そのままの「アルミン」のイメージを再現した本郷奏多さんです。
それだけで本作は見応えがあるでしょう。
さらに、SEKAI NO OWARIの主題歌も予想外(←失礼)によかった!
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自分はSEKAI NO OWARIの楽曲はRPGやドラゲナイくらいしか知らなくて、バンド名に反して希望に溢れている曲を歌っている印象があまり好きではありませんでした。
だけどこの曲はとことんダーク。ポジティブなSKEAI NO OWARI(「NO WAR」がバンド名に入っている)の印象を覆すものです。
歌詞も終盤の展開とシンクロしているかのようでした。まあこの楽曲より映画本編のほうがSEKAI NO OWARIだったけど(残酷描写的な意味で)。
じつは上映時間が1時間40分を切っているというのも長所のひとつ。
余計なシーンを入れず、短い時間で観客をとことん楽しませてやろうという気概を感じました。
もちろん、手放しでは褒められないところもあります。
まずは作中であんまり作戦を立てるシーンがなく、主人公チームがバカの集まりにしか見えないこと。
あれだけ巨人の脅威を知ったシーンがあるのだから、終盤ではもっとちゃんと対策をしろとか、周りを警戒しろよとツッコミのひとつも入れたくなります。
中盤の会話パートは、短絡的でクサいセリフの応酬になってしまっています。
前後のシーンで台詞がチグハグな場面もあったし、どう見ても回収すべき伏線が放置されていたりもします。
このあたりは、原作者がアイデアを出し、町山さんや制作者一同で書き上げた脚本の「まとめ役」とされた、渡辺雄介さんがきっとステキなおしごとをされたのだろうと邪推してしまいます。
ワタベエ(愛称)のおしごとの例↓
<ガッチャマン>
<MONSTERZ モンスターズ>
<ジョーカー・ゲーム>
<ST赤と白の捜査ファイル>
ちなみに自分はワタベエの大ファンなので、これからももっとがんばってほしいですね。
※追記:実際には現場で脚本の意図を汲み取らなかったことがだいたいの原因でした(ネタバレ注意)↓
<町山智浩は実写版『進撃の巨人』をどのように評価しているのか? - 1年で365本ひたすら映画を観まくる日記>
とにかく、これはオススメです(子ども以外)。
樋口真嗣監督による「特撮」にはすさまじい迫力があるし、立体機動装置の再現度もこれで十分です。
個人的な観点を言えば、これは原作にそれほど思い入れがないほうが楽しめる作品だと思います(自分がそうでした)。
原作のファンであればあるほど、キャラが違うとか、あのシーンが省略されているとか、いくらでも文句が出てきてしまうでしょう。
だけど、この実写映画版は原作をまったく知らなくても楽しめる内容であるし、「あえて」原作を変更しているのです。
少なくとも、(前後篇ですが)1本の映画として、自分は大満足して観終えることができました。
できれば、町山智浩さんの以下のラジオを聞いてから観てからどうぞ!
<町山智浩 実写版映画『進撃の巨人』を語る>
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
映画にはなかった、原作漫画2巻にあたる部分もネタバレしているのでご注意ください。
また、下ネタもあります。原作ファンの方にはごめんなさい。
※はじめに野暮な不満点を書くので、映画の欠点なんか知りたくない方は読み飛ばしてください。
〜野暮な不満点〜
ネタバレなしのところでも書きましたが、終盤は「僕たちが失敗したらそれで人類は終わる」ほどの大事な戦いなのに、チームひとりひとりが行き当たりばったりで行動しているようにしか見えません。
油断してたら後ろから掴まれる→食われるシーンも数回あったし(ちゃんと後ろも見張っとけよ!)、自分勝手に赤ちゃんの声がする方向に行ったりもしています。さすがにちょっと納得しかねます。
また、ハンジが「喋るくらいなら舌を噛め!」とチームに言って、巨人に気づかれないように音を立てないことを強要してていたのですが・・・。
その後にみんな喋りまくりだったり、ディーゼル車でゴトゴト移動したり、ミカサが平気でピアノを弾いているのはなんなんでしょう。戦場のピアニストかよ!
このハンジの台詞はないほうがいいのではないでしょうか。つーか統率力のカケラもねえな。
あと、映画オリジナルキャラのサンナギ(松尾諭さん)が巨人を投げたような描写があったけど、あれは巨人の体重が移動して、たまたまそう見えただけだよね?
※原作には巨人は見た目ほど重くなく、むしろ極端に軽いという描写がありました。
あれだけバッタバッタ仲間が死んでいったのに、アルミンに危険がおよんだときだけチーム全員で巨人の注意を逸らそうと必死になるのもイマイチ。行動が一貫していません。
そういえば、「電池で動くおもちゃが(かつて機械文明が戦争を引き起こしたため)批判対象になる」というシーンがありました。
だったら立体機動装置やディーゼル車(原作では馬)も、機械で動いているものとされるんじゃないかな?
墜落したヘリの残骸や不発弾のこともあるし、このあたりの謎は後編で明かされるのかもしれませんね。
時間が限られている映画なので、あまり◯◯のシーンがないという不満は言いたくないですが・・・立体機動装置の訓練シーンがないのも賛否ありそうですね。
原作のこのシーンでは、エレンがすっげえ格好悪くなっています。
映画ではエレンがすでにヘタレっぷりを散々見せているので、個人的には省略してもよいとは思います。
あと、けっきょく誰が爆薬泥棒をしたの?
この泥棒にヤケクソぎみで協力したのが、彼氏を殺された少女というのは納得しましたけど・・・正体が明かされずじまいで、次回作にお預けなのはモヤっとします。
〜容赦のない残酷描写〜
自分がいちばんおぞましいと感じたのは、四肢をもがれた人間の手足に、ほかの巨人たちが群がるという描写。情け容赦はまったくありません。
ほかにもドロドロした血の雨(With人間の手足)が降ってきたり、教会に籠城した人々の血が地面付近から溢れ出すというのも悪趣味。
血しぶきがゴージャス過ぎた『死霊のはらわた2』を思い出しました(こっちはギャグだけど)。<この血の量もすごいよ!
原作漫画にあった、巨人に囲まれた状態で、兵士が拳銃に準備したことに女性が「そんなものが何の役に立つのよ!」とツッコミを入れる→兵士が拳銃を口の中に入れて自殺するというシーンがあったのもよかった(できれば朗らかな笑顔で「よし!」と言って欲しかったかな)。
あ、この映画はPG12指定です(本当かよ)。
〜ミカサを寝取られる童貞エレン(感動)〜
いやー感動しましたね。
何がってエレンが童貞らしさを見せつけるばかりか、ミカサをNTRされる(寝取られる)のですから。
<エレンのボンクラ&童貞っぷり一覧>
・エレンは仕事が長続きせず、転職を繰り返し、アルミンに「エレンは何がしたいの?」とツッコまれる
・しかも「巨人なんて本当にいるのか?ただの伝説だろ?」とナメきっている
・それどころか、不発弾を見て「俺もこれといっしょだ、みんな滅んでしまえばいいのに」とかほざく(自己中心的)
・いざ巨人が現れるとなにもできないばかりか、教会に入ってしまったがためにミカサを置き去りにしてしまう。
↓(2年後)
・エレンは調査兵団に入団。ジャンに「そういえば女を見捨てたやつがいたなあ」と言われてキレる。
・じつはミカサは生きていた。エレンは戦い続けていたミカサと再会する。
・しかし、ミカサは腹に深い傷を負っており、シキシマと同じリンゴを食べてるばかりか、肩を抱き寄せられる
・想い人をNTRされてショックを受けたエレンは外に出て「あ”あ”ー!」と叫ぶ
・エレンは同僚の女に「意外に子どもなのね」「子持ちの女はイヤ?」と言われ誘惑されるけど、思い切り引く
なんつーか、童貞どころか中二病も患っていますよね。
でも自分の心にこれは深く、深く突き刺ささりました。
「世の中をナメているボンクラ」↓
「いざ窮地に立たされるとヘタレ」↓
「好きな女をカッコイイ大人にNTR(しかもその原因を作ったのは女を助けられなかった自分自身!)」↓
「違う女性から性的に慰められるけど、童貞だからちゃんと応えられない」
なんて泣けるんだ!
少なくとも、自分は原作のエレンよりもはるかに感情移入してしまったよ!
あと、不発弾に下手くそな水着の女の絵が描かれていたのも、エレンが童貞化することの伏線だよね(ビキニ環礁を象徴しているかもしれないけど)。
エレンはこの不発弾を自分に見立てています。つまり、エレンは女を知らないので、リアルな女性の姿を想像できないっていう(笑)。
さすがワタベエ!俺たちには思いつかねえ伏線を張ってくれている!でもシビレねえし憧れねえ!(これを考えたのが町山さんだったらごめん)
これは正しい童貞のありかたです。童貞をヤリ◯ンのように書く村上春樹さんにもぜひ教えてあげたいですね。
つーか予告編で観たエレンの叫びがNTRによるものとは思わなかったよ!巨人がいる場所で叫んじゃダメだろ!(作中でもツッコまれているけど)
これはうれしい(?)不意打ちでした。これらの(性的な)描写がファンから怒られるのも理解できるけど。<叫んだ理由:ミカサを寝取られたから
※納得できる、怒っている原作ファンの意見↓
<これだけイラつく映画はなかなか無い - ユーザーレビュー - Yahoo!映画>
さらに、上に挙げたようにエレンは仕事もナメきっていたんだけど、巨人が入ってきたことによって仕事がなくなる(口減しも行われる)という描写もあります。まるでバブル期が終わって焦る学生のようです。
なんて愛おしい主人公なんだ!
エレンとジャンが「巨人に乳首があんのか!」「お前にもないかもな!」としょうもない口喧嘩をしていたのもおもしろかった。
童貞のエレンからすれば、生殖器がない巨人は憎悪の対象かもなあ。
また、ミカサとシキシマがリンゴを食べていたのは、やはり禁断の果実でしょう。それはアダムとイブが子どもをつくるという、「性」を想起させるものです。
〜エレンがヘタレた理由〜
なぜ映画版のエレンがこんな人間になったとか?と問えば、それは原作のように人殺しをしていないからです。
原作では、幼い頃のこの出来事により、エレンとミカサは運命共同体のような関係になり、ミカサはエレンの守護天使のような存在になるわけです。
また、原作では母が巨人に食われたシーンを目撃していましたが、映画のエレンは両親の死を覚えていません。
映画のエレンは「殺人」もしていなしし、「大切な人の死」も目撃していない・・・
ぬくぬくと育ったのであれば、こうなるのも仕方がないのではないでしょうか。
※原作のエレンは、子どものころに躊躇なく殺人をしていたのだから、もともとのキャラが違うのでは?という意見をいただきました。
この描写で、自分は『ホステル2』という映画を思い出しました。※18禁作品です。
劇中では殺人をしたいと願っているおじさんが、「殺人」を「初めてのセックス」と同義のように捉えるという、ゾッとする描写があります。
「人を殺したいなあ。高校生のときに童貞を捨てた同級生が、夏休みを終えて人が変わっていただろ?殺人経験もそんなもんだよ」とほざくのです。
殺人なんて、絶対してはなりません。しないほうがいいに決まっています。
だけど、殺人という出来事が、原作のエレンとミカサを強くしたことは事実です(だから、映画のミカサはヤンデレではなく、どこか弱々しい存在に変わっていました)。
映画版のエレンは、ただ性格を無理やり変えたわけではありません。
ヘタレ化の理由がしっかりありますし、それは必然だったのです。
で、映画版のエレンはミカサを寝取られて、絶望したために強くなるのです。
こう考えると本作は、(『ホステル2』のような)殺人=性的な何かを乗り越える=成長ととらえているのかなと・・・いや殺人を経て成長するなんて思いたくないですが。
あ、そういえばハンジが「こんなの初めてーーー!」と大興奮していましたね。それって処(以下自主規制)。
〜エレンの信念〜
ヘタレなエレンですが、れっきとした信念もあります。
それは「中に閉じこもって、戦わない家畜のような存在になりたくない」ということです。
エレンは、2年後にはいっぱしの兵として戦うようになります。
ジャンには「不幸を全部背負っているような態度が気に入らない」と批判をされますが・・・じつは、ジャンのほうがエレンが否定していた「家畜」でした。
ジャンは兵に対しても「どうせ寄せ集め」だと批判するばかりか、「巨人には勝てっこない」と諦めています。
だけど、エレンはそんなジャンを見て「ずっとそうしてろ!」と罵声を浴びせて、戦うのです。
足がもげても戦い、親友のアルミンを助けるために巨人の口にまで飛び込む!
これは、あれだけヘタレに見えていたエレンが、じつは確かな信念を持っており、ついに行動に起こしたことを示すものです。
そういえば、主題歌のANTI-HEROって「アンタイヒーロー」って読むんですね。
シキシマは、「本当の敵」は巨人ではなく「安全」としていました。
これを主題歌のANTIの意味を「安泰」と解釈するなら、「安全」を良しとはしないエレンの心情を逆説に表しているようです。
〜赤ちゃん〜
もうひとつゾッとしたのは、「赤ちゃん(子ども)」の描写です。
エレンと子持ちの女性(映画オリジナルキャラのヒアナ、演じているのは水崎綾女さん)は、おぞましい巨人の赤ちゃんを目にします。
一方で、女性はエレンを誘惑するとき「こんな時代に子どもが生まれても・・・」と言いながらも、「あの子のパパになってくれない?」と頼んでいます。
女性は、「こんな時代に子どもが生まれても仕方がないと思う」「おぞましい巨人の赤ちゃんを見た」という事実があるのにもかかわらず、それでも子ども(それを守る父親という存在)を欲しています。
それは理論的なものではなく、動物的な本能と言えるものでしょう。
しかもその女性も、あっさりと巨人に喰われて死んでしまう・・・。
これは確かに「残酷な世界」です。
また、教会に逃げ込んだ人々が無残にも殺されていくことも、その残酷さを示しています。
宗教や信じる心なんて全部ムダ・・・それがこの世界なのです。
〜ミカサの想い〜
前述のように「赤ちゃん」が動物的な本能が生むもの、おぞましいものと捉えられている(ように見える)一方で、赤ちゃんを大切に思う描写もあります。
ミカサは道にいた赤ちゃんを救おうとしていましたが、けっきょく助けることはできませんでした。
「他人の赤ちゃんを救う」ということは、「自身の遺伝子を後世に残す」という生物的な本能とは違うことです。
それが、人間なのでしょう。
また、ミカサの性格も、その昔に殺人を犯していないことで変わっていましたが・・・エレンを大切に思う気持ちは不変だと思います。
アルミンにエレンの死を知らされて、ゆっくり目を閉じ、目を開けるミカサは「残酷な事実を知っても、なおも戦う」意思が見えます。
だけど、ミカサは立体機動装置のガスが足りていないことに気づかないほどに動揺をしていたのです。
そして、エレンは巨人に変身し、がむしゃらに敵を倒します。
「正義」などは顧みずに、ただ大切な人を守るように。
それこそ、ANTI-HEROの歌詞のように。彼女を寝取られて暴れているように見えるのは気のせいさ!
ミカサとエレン。
原作にあったような強固な絆は、映画ではまだ見えません。
このふたりが真に絆をつくるのは、後編のことになるのでしょう。
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樋口真嗣監督インタビュー『ビジュアルは原作に忠実に撮った―だから答えは漫画にある』 | ORICON STYLE
(C) 2015 映画「進撃の巨人」製作委員会 (C) 諫山創/講談社
町山とかに義理でもあるの?
良かった点は特撮ですかね。樋口監督は「俺がやりたかった『サンダ対ガイラ』はこうだ!」と言わんばかりの阿鼻叫喚の地獄絵図を見せてくれました。
超大型巨人の登場シーンは『キングコング対ゴジラ』でのファロ島でのキングコング登場シーンを彷彿とさせましたし
初っぱなのアンガールズ田中さん?ぽい巨人には正直チビりそうになりましたw
教会に押し込められた人々がまるでワインのブドウ絞りみたく流血するシーンも中々悪趣味で良かったですね。
あとエレン巨人は評判の良いアニメ版より個人的には好みドストライクでしたね。アレだけで後編見に行こうって気になれました。
悪かった点は…すいません脚本ですかね。邦画の前後編なので多少の引き延ばしは覚悟してましたが
時折助長に感じる会話シーンがあったのは残念でした。エレンのボンクラ化はヒナタカさん同様僕も有りな改変だなと思いましたが
ミカサのエレンに対するヤンデレ要素がやや薄れたのはちょっとなあ…と思いました。
あと敵地のど真ん中なのに勝手に隊を離れて赤ちゃん探しにいく夫婦とか
食われる寸前まで巨人に気付かない討伐隊(物見とかいたんでしょうか?)とか
いくら寄せ集めとはいえちょっと規律無さすぎだろと思いましたね。
あと例の寝取られて発狂するシーンはヒナタカさんの言葉を借りるなら流石ワタベエだな…とw
全体としては某サイトでボロカス言われるほど酷いとは思いませんでした。
まああそこはナルトthelastの時も狂信的な人らが暴れてただけなので何の参考にもならないと思いますけど。
ちなみに僕個人は進撃は銭湯でパラ読みしたくらいで大して思い入れはなく、世間で言うにわかレベルの知識です。
> 良かった点は特撮ですかね。樋口監督は「俺がやりたかった『サンダ対ガイラ』はこうだ!」と言わんばかりの阿鼻叫喚の地獄絵図を見せてくれました。
> 超大型巨人の登場シーンは『キングコング対ゴジラ』でのファロ島でのキングコング登場シーンを彷彿とさせましたし
これそのまま追記させてください!
> 教会に押し込められた人々がまるでワインのブドウ絞りみたく流血するシーンも中々悪趣味で良かったですね。
『死霊のはらわた2』や『シャイニング』を思い出しました。
あれ原作にはないですよね。すげえや。
> あとエレン巨人は評判の良いアニメ版より個人的には好みドストライクでしたね。アレだけで後編見に行こうって気になれました。
すげえかっこよかった!ほかの巨人が吐き気がするほどに醜いため、余計に。
> あと例の寝取られて発狂するシーンはヒナタカさんの言葉を借りるなら流石ワタベエだな…とw
町山さんはたまに童貞について熱く語っているので、町山さんのせいかもしれませんw
誤解を産むかもしれなので、追記はちょっとやめておきます。すみません。(決してラリーBさんの意見がいけない、ということではないので!)
もっと特撮ものを観ないといけないなあ。
おっしゃるとおり、そういう見方もありますね。
コメントを非公開の状態にしていただいているのですが、よろしければ記事に追記してもいいでしょうか。
鑑賞後の感想はとても面白かったでした
原作との相違への不満多数の意見と
自身の高評価と違いは
1998年のハリウッドゴジラを思い出します。
あれも大好きな作品でした
しかし中盤のドラマ部分のシナリオは正直安っぽすぎてゲンナリしました。
テンポも悪く、悪い邦画の見本みたいだなと。
まあ、この辺は渡辺先生の手腕じゃないかと予想してますが…。
エレンの改変は別にいいんですが、いちキャラクターとしては全然好きにはなれないのが悲しいところ。
特撮周りは頑張ってましたね。グロ表現も頑張ってて良かったです。
ドラマパート、特に台詞が正直かなり酷かったと思いますが、巨人関連の描写が素晴らしかったので総合的にはまずまず楽しめました。
終盤の巨人化エレンvs巨人軍団の血みどろステゴロは『アダム・チャップリン』を連想してなかなか愉快でした。
自分もT3(大…)好きなんですが、人とのシリーズの会話ではいつも「今の俺って正しい俺なんだろうか…」ってな感じでジレンマに苦しむ次第…(まるでT3のジョンのようですな)
T3ってそこらでボロカスに言われますが非常に堅実な映画だと思います。そしてT2の後日談として良いと思います。
最初っから最後まで絶望しかなくて、その絶望の中で初めてマッチ棒1本レベルの危うい小さな希望の火が灯されて(でも未来は不確定でもあって…、みたいなものもどこかしらに臭う)終わるという悲壮感満載なところが、未来を含めてほんと頼りない人類救済トリオを含めて私の涙腺を刺激します。
最後、これまで散々あれほど救世主の栄光にすがっていたジョンがいざ問題に直面した途端に「ああ…これもう仕方ねーんだな…」という諦めモード全開で、加えて宿命的な強制力によって救世主への道を歩まざるを得ないんだ!という働かざるを得なくなったニート的な要素が特に好きですね。
ただしT-Xに関しては対ターミネーター戦用という設定によってなんとか補完してますが(苦笑)
自分もT3を褒める時、同じように「自分、正しいんだろうか」という気持ちになりますw
悪い部分は渡辺のせい
というものの見方はいかがなものかと思いました
中国人なのはばあちゃん
> 中国人なのはばあちゃん
すみません!おっしゃるとおりでした。
修正します。
ひとつの映画としては悪く無かったと思います。
ただ、原作を読んだ者としては…
原作は、リヴァイが主人公を凌ぐほどの人気であるように、
調査兵団がある意味主役なんですよね。
映画ではそれがあっさり否定されてるし、
もしかしたら、後編でエレンたちで調査兵団復活!
となるかもしれないけど、今のままじゃとても戦力になれなさそう。
立体起動使いこなせるのはシキシマとミカサだけ?
と、この辺も原作ファンの不満の一つだと思います。
それと、この映画は食べながら観るのはやめといたほうが…。
「駄目なとこもあるけど、良いとこもあるしそこは買ってあげよう!」と思っていました。
ですがその後のあまりと言えばあまりな見苦しい西村Pや福田裕彦氏(スピンオフドラマの音楽担当)のハリウッド批判や原作ファン批判に正直心底幻滅しました。
仮にも原作という他人の下駄を履かせてもらってる立場なのに
あろうことか公の場で「金で顔叩かれた映画でも見てろ」だの「原作厨」と某掲示板用語を平気で使って罵倒するなどとどういう神経してるんでしょう?
原作を100%リスペクトしろ!…などとはパラ読み程度の僕が言えたことではないですし言うつもりも無いですが
この無神経極まりないコメントはかつてエメリッヒがゴジラを見下す発言をかました時と同じ臭いがしました。
予算にしたって進撃より遥かに苦しい予算やスケジュールに苦しみながら
もっといいものをと苦心しながら作られた「ULTRAMAN」のような素晴らしい傑作だってあります。
自分達の落ち度をやれ予算だやれ原作ファンがと見苦しい言い訳をかます前に
自分達の作品をもっと磨いてくださいと言いたいですし、真面目にこの作品に向き合ってたスタッフ全員の顔に泥を塗ったも同然ですよ!
後編は今も見に行く予定ですが少しでも後編の公開前にこのような浅はかな考えを改めてくれる事を願ってます。
僕もこんな事を言うつもりはありませんでしたが、ゴジラをバカにされたあの時の事を思うと他人事とはどうしても思えませんでした、すいません。
レンタルで借りようかと思います
脚本家があの人なので期待しないで見れば良いですね
私も原作に何の思い入れもないので、楽しめそうです。
子供の頃から躊躇なく人を殺せたんだもの
このエレンが躊躇なく人殺しとかできねーよ
> 子供の頃から躊躇なく人を殺せたんだもの
> このエレンが躊躇なく人殺しとかできねーよ
そうですね。映画のエレンだったら、あんな行動はできないよなあ・・・
追記させてください。
自分も原作には特に思い入れはないのですが、しかし、あまり高く評価ができませんでした。
理由は、描く「世界」が狭過ぎること。奥行きが感じられない。
「閉鎖空間なんだから奥行きなんてあるはずないだろ」と言われそうですが、『メイズ・ランナー』だって閉鎖空間なのに画面の奥行きが感じられる。たぶんもっと狭いであろう『パンズ・ラビリンス』だって、画面の奥行き、広さを、これよりも感じられた。
お蔭でロケシーンとのギャップが生じてしまい、それが違和感になっていたように思いました。
> きれいな巨人
きれいなジャイアン…ト。もっときたないの。
> 戦場のピアニストかよ
思いっ切り『戦場のピアニスト』の構図ですね。
この世界観にグランドピアノは不自然かも。学ぶ機会があるとも思えない。仮に鍵盤楽器があったとしても、バンドネオンとか、せいぜいチェレスタみたいなものかなぁ…。
> 容赦のない残酷描写
(こういう事を書くと引かれそうですが)割と紛争事案に首を突っ込んでいることがら、日頃からリアルなこの手の写真や動画を目にしている私に言わせて貰えば、仰るようなホラーやサスペンス映画よりも現実に近い「画」だと思ってよいです。
(一般に、ホラーにしてもサスペンスにしても、恐怖感等を煽るためか、実際よりも大袈裟な表現だと思っています)
> ビキニ環礁を象徴しているかもしれない
むしろ、杉みき子の児童文学作品『あの坂をのぼれば』のオマージュでしょうね。
「あの坂をのぼれば海が見える」と信じて、ひたすら山を越える少年の話。
なぜかタイトルの曲が浮かんできました。(最近某アイドルが歌ってますが)
とりあえず後編を待てと言うことなんでしょうかね
原作とは違う終わりを用意しているとか…
自分は原作は流し読み程度ですが読んでおります。
改変について
皆さんの言われるような不快感は特に感じませんでしたが
スケールが小さい感はありました。箱庭的な世界。
ハンジ役の石原さんは
今回この役で新境地を開いたのでは?
アルミン役の彼といい
この2人のキャスティングはなかなかよかったかと。
ヒアナさんをもうちょいみたかったですね未遂でしたから…(エレンに事をすまさせて欲しかったですね)
サンナギが投げ飛ばしたのは体重移動のせいもあろうかと思いますが
たしか「巨人は見かけほど重くなく極端に軽い」という設定があったと思います。
巨人の中はがらんどうで
食した人間もほぼ消化しない(栄養にしてない)
とかいう設定もありましたね
今後活かされるのか?
赤ちゃん巨人というのは原作にありましたっけ?
巨人は元々○○が変化したもの(ネタバレなので伏せます)だったような
赤ちゃん状態で?
というのが疑問です。
超巨大巨人の正体も
わかるのでしょうか?
個人的には女型の巨人との闘いが実写で観たいです。
ちなみに
最初に出てきた
巨人がアンガールズ田中に見えてしかたない(笑)
カメオ出演じゃないですよね?
> サンナギが投げ飛ばしたのは体重移動のせいもあろうかと思いますが
> たしか「巨人は見かけほど重くなく極端に軽い」という設定があったと思います。
そのことをすっかり忘れていました!
追記させてください。
> 赤ちゃん巨人というのは原作にありましたっけ?
> 巨人は元々○○が変化したもの(ネタバレなので伏せます)だったような
それは思いましたね・・・
> ちなみに
> 最初に出てきた
> 巨人がアンガールズ田中に見えてしかたない(笑)
> カメオ出演じゃないですよね?
じゃないみたいです。後に出てきたきもい巨人のせいで自分は覚えていなかったり・・・もう一度みたい。
ネットで酷評されていた立体機動シーンは正直大画面で見るとそんなに気にならなかったかな・・・?
と思いましたが、エレンが巨人の食道を通っていくところは作り物感満載でした(笑)
逆にエレンが巨人化して敵をなぎ倒していくところは特撮の本気を見た、という感じでよくも悪くも特撮監督だなぁ、って思いましたね(笑)
というか、厚みのある音楽といいタイトルが出てくるところといいかなりゴジラを彷彿とさせる作風で、原作ファンの人が拒否反応起こすのも無理もないですね。
あと、自分もANTI-HEROはミスマッチ感がむしろ(バック映像のおかげもあってか)合ってる気がしました。
4dxでみたのですが、席は動くは水は吹くわでまさしくエンターテイメント!
原作は一応全部持っていきますが、それほど酷い改変にはみえなかったかな。
逆に、4dx でなく普通の映画館でみたら私も不満があったかも。
新人ばかりで統率力がないのは、そもそも調査兵団がなく二年間で急造した新人部隊だからムダ話も多いし、ボンクラばかりなのかな?
後編がどうなるのか、楽しみです。
>たしか「巨人は見かけほど重くなく極端に軽い」という設定があったと思います。
あくまでこれは見かけほど重くないであって、重くないわけじゃないです。
走れば地響きが鳴り響き、踏み潰されれば人間は簡単に死にます。
それを投げるって無理がありすぎる気がしますが。
比べるのは良くないかも知れませんが去年のゴジラやジュラシックワールドなどのほうが特撮に愛を感じてしまうんですよね…。
ヒナタさんはよかったと思うキャストはいますか?僕はサシャ役の桜庭ななみさんとハンジ役の石原さとみさんが良かったです。
今回は、しっかりと見ましたが、良く見れば、アホらしい映画ですね。
緊張を壊すような出演者の行動を、どうして設定したんでしょ?
そんなことよりも、この映画は「反安保」のデモ行進をしている人たちに見るのをお勧めする映画ですね。
安倍総理も、「平時に無防備で,過ごすとこうなるんです!」っていえば良いのに。
それと、なんじゃこの映画と思ったのは、砲弾を前込めする大砲。
それも、巨人の侵入側に向いていない!程の無防備さ。
壁の上にも監視者がいるのかと思ったら、いなかったんですね。
突っ込み所満載!
手塚さとみさんは、汚れ顔でもきれいでした。
>sakuraさん
言いたくは無いですが、反安保デモとこの映画を比較するのはオカド違いではないでしょうか。
あちらは集団的自衛の話であって、デモ参加者の全てが自衛それ自体を否定している訳ではなし。全否定している人もいるでしょうけれども、それは少数ではないかなぁ。
むしろそれを言うならば本作は「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の訓話でしょう。
あまり引っ張りだしたくは無いですが、原発再稼働がどうの、という話にリンクする気がしますが。