映画『進撃の巨人 後編 エンド オブ ザ ワールド』の4DX上映の演出が完璧だった件
炎上マーケティングはときには作品にプラスになりますが、本作はちょっとその度合いがキツすぎてネガティブ・キャンペーンの域に達しています。
だけど声を大に出して言いたい!これだけは断言して褒めたい!
本作の4DX上映の演出は文句なしに最高であったと。

※4DXとは?(こちらのページを参照)
五感を刺激する体感型エンタテイメントシアター。スクリーン上のアクションと連動し、前後上下左右に動くモーションシートや、風や霧やフラッシュ、さらには水しぶきが飛んでくる、香りがするなどの環境効果がある。
これらの効果・演出により、4DXは映画の中の主人公が感じている感覚を体感させてくれる。
※4DXの紹介動画
劇場ではこの動画に合わせて座席が動いたり、水が噴射したりしています。
本作『進撃の巨人 エンド オブ ザ ワールド』の4DX上映で素晴らしいのは、ただ「場面と(座席が動くなどの)演出がマッチしている」ということだけではありません。
端的に言えば、演出の緩急のつけかたが完璧でした。
その内容を以下に説明したいのですが……そうすると、どうしても最低限のネタバレが避けられないところがあります。
4DXは「予期せぬ演出」だからでこそさらに楽しめるものだと思うんです。
そのため、「『進撃の巨人 エンド オブ ザ ワールド』を最高の形で観たい」と思う方は、事前情報を知ることなく、以下の上映館より観に行くことをおすすめします。
『進撃の巨人 エンド オブ ザ ワールド』4DX上映中の映画館情報
★北海道
・ユナイテッド・シネマ札幌
★東北
(宮城)
・109シネマズ富谷
★関東
(東京)
・ユナイテッド・シネマ豊州
・シネマサンシャイン平和島
(千葉)
・USシネマ木更津
・USシネマ千葉ニュータウン
(神奈川)
・小田原コロナワールド
(埼玉)
・ユナイテッド・シネマ春日部
(群馬)
・ユナイテッド・シネマ前橋
(静岡)
・シネマサンシャイン沼津
★中部
(愛知)
・中川コロナワールド
・豊川コロナワールド
・安城コロナワールド
(岐阜)
・大垣コロナワールド
★関西
(兵庫)
・アースシネマズ姫路
★中国・四国
(広島)
・福山コロナワールド
(愛媛)
・シネマサンシャインエミフルMASAKI
★九州
(福岡)
・小倉コロナワールド
※TOHOシネマズで展開しているMX4Dとは異なりますのでご注意を。比較したわけではないのでハッキリしたことは言えませんが、演出は多少なりとも異なると思います。
なお、水しぶきが飛ぶということで「びちょ濡れになってしまうのでは」と心配する方もいるかもしれませんが、実際は「服の表面が湿る」くらいの水量なのでご安心を(作品によっては差があるかもしれません)。
また、4DXでは座席に水をストップさせるボタンもついています(MX4Dにはなかった気がする)。
それでいて水の噴出自体に勢いがあるので、刺激が足りないということもないでしょう。このさじ加減と配慮は見事だと思います。
ただし、この水量でも精密機器は十分壊れる可能性があるので、ちゃんとポケットに入れておくか、ロッカーに入れておきましょう。
もうひとつ注意をしておくと、『進撃の巨人 エンド オブ ザ ワールド』が3D上映ではないということですね(「4DX2D版」となっています)。4DXを選択しても3Dメガネを渡されません。
それでも、演出の迫力のおかげで、存分に楽しめるはずです。
※4DX2Dの鑑賞料金は通常料金+1000円、4DX3D版は+1400円です。
というわけで、以下4DXの演出の説明。重ねて注意をしますが、必要最低限のネタバレがあります(核心的なものはなし)。
↓
〜「やっと動き出す」演出〜
本作のオープニングは、前作の「あらすじ」から始まり、そしてエレン(主人公)の「回想」が始まる、という内容になっています。
しかし、この間は座席は動かないし、水しぶきの演出も一切ないのです。
5分ほど続くあらすじおよび回想のときにある演出は、座席から伝わる「振動」のみです。
(あらすじで)立体機動装置で飛ぼうが、巨人から血が吹き出ようが、演出はマジで振動だけ。言ってしまえば、単調ですごくつまらない演出になっています。
※こういうあらすじのときは座席が動きません。
そして、座席がやっと動き出すのが、エレンが起き上がって、上を見るシーンなのです。
この演出をしたのは英断でしょう。
なぜなら、「回想」は人間の意識下のものであり、それに従って座席が動くなんてものはナンセンスであるからです。
主人公が「目覚めた」ことを、やっと動き出す座席で示すということは、4DXが掲げている「映画の中の主人公が感じている感覚を体感させてくれる」ことそのものです。
そして、この後に前編に負けず劣らずの阿鼻叫喚のアクションシーンが展開するのですが、そこでは座席がグワングワン動き、人間の血しぶきの代わりに水しぶきが観客にゴージャスに浴びせられまくるのです。
PG12指定ギリギリ(アウト)の超悪趣味!
あらすじでは巨人が何しようが、ぜんぜんそんなことなかったのに! これは否が応でも、あらすじや回想なんかじゃない、「この地獄絵図が現実のものである」と知らせてくれるもの。本当に素晴らしかったです。
〜強弱のつけかた〜
終盤では人間どうしが殴りあうというシーンがあり、そこでも風が吹いたり座席が動いたりするのですが、そのシーンの演出が弱めになっています(パンチの方向によって、顔にかかる風の演出が変わるという細かさもあり)。
※こういう人間どうしの争いでは演出は小さい。
ところが、この後にある巨人のバトルでは演出が最大限の強さになります。
※だけど巨人とのバトルでは演出が最大限になるよ!
人間→巨人にバトルが切り替わったこと、そのスケールの大きさを、演出で示しているというわけです。
〜そのほかの演出〜
そのほかにもこんな演出があります。
・背中を刺激する「バックティクラー」→巨人の咆哮シーンなどで登場
・煙と焦げる匂い→見るも無残な廃墟を演出
さらに、もうひとつクライマックスで素晴らしい演出があるんだけど、こればっかりはネタバレになるので言えない!
その演出は「すごい」「派手」ではなく、むしろ「地味」なもの。しかし、ここまで刺激の強い演出ばかりを体感してきたからこそ、感動できました。
そんなわけで、『進撃の巨人 エンド オブ ザ ワールド』の4DXは、お世辞抜きで本気でおすすめできるのです。
酷評が溢れかえっている本作ですが、きっとこの4DXだけでも満足出来るのではないでしょうか。ぜひ、選択肢のひとつにお考えください。
参考↓
バスは10分で乗り物酔いする筆者が4DX映画を実際に体験してきた話 | シネマズ by 松竹
4DXの感想まとめ。エミフルMASAKIでアベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロンを見てきました! - zurap.jp
公式サイト↓
映画『進撃の巨人』公式サイト
(C) 2015 映画「進撃の巨人」製作委員会 (C) 諫山創/講談社
今まで
・キングスマン
・マッドマックス
・アナ雪
・ベイマックス
を4DXで観ました。
上の中でだったらマッドマックスが断トツ
ベイマックス、アナ雪は激しい動きは少ないけど
演出に合わせた特殊効果がマッチ
キングスマンは思ったほど動かない
という感じでした
進撃の巨人後編は迷いますね…
ほかの作品を4DXで観たことがない、自分では比較できないので、(もし『進撃の巨人』を4DXで観たら)感想を教えていただきたいです。
そして『マッドマックス』を4DXで観ておけばよかった……。
キングスマンの4DX見れるなんて羨ましい限りです…
僕の地域だとやってないんですよねえ…見てみたいなあ
>ヒナタカさん
進撃後編についてですけど、もしかしたらヒナタカさんの気に障るような感想になるやもしれません。
ですが「『原作と違うからダメだ!』と言う訳ではない正直な感想」ですので
あくまでこんな奴もいるんだと鼻で笑っていただけたら幸いです。
前編でも書きましたが僕は前編にはそこまで悪い印象は持ってないですし
コミックも銭湯でパラ読みしてる程度です。
> ですが「『原作と違うからダメだ!』と言う訳ではない正直な感想」ですので
> あくまでこんな奴もいるんだと鼻で笑っていただけたら幸いです。
いや、ラリーBさんの歯に絹着せぬ批評こそ楽しみですよ!
本作は(よくもわるくも)語りたくなくポイントばかりです。アップは少々お待ちを。