『ファンタスティック・フォー』4DXは「それぞれの能力の違い」「『スターゲイト』のようなワープ」「ホラー」を体感できたという話

※【前回】4DXで観た映画の感想↓
映画『進撃の巨人 後編 エンド オブ ザ ワールド』の4DX上映の演出が完璧だった件
まあこの『ファンタスティック・フォー』、4DXで観てこその映画というか、4DXのために作られたんじゃないだろうかと思うくらいに、演出が素晴らしいものだったのです。
まず何がいいって、4人の超能力者それぞれの攻撃の演出が異なること、ひいては超能力そのものを体感できるのですから。
↓以下に4人の能力者たちで、どういう4DXの演出があるか、そして+αの魅力を書いてみます。
(1)ミスター・ファンタスティック
能力:ゴム人間
演出:座席の両脇からパンチの代わりにエアーがプシュッ
リーダーであるミスター・ファンタスティックは腕と足を自由自在に変形させて攻撃する「ゴム人間」。いわばリアルな『ワンピース』のルフィです。
で、そのビヨーンビーヨンと伸びまくるパンチのシーンでは、座席からの両脇からプシュプシュとエアーが打ち込まれるため、まるでゴム人間のパンチを紙一重で回避しているかのような臨場感が味わえるのです。
(2)インヴィジブル・ウーマン
能力:透明能力とバリアー
演出:バリアーを再現する細い振動
彼女は作中で仲間を守るときにバリアーを張ります。そのとき、座席は超・細かく振動してバリアーがそこにあるかのように再現。つまりは、まるでバリアーの中にいるような感覚になるのです。
(3)ヒューマン・トーチ
能力:炎と飛行能力
演出:飛行の快感を風で再現。
ヒューマン・トーチは体に炎をまとい、空を飛ぶ能力者。そのスピードを演出するため、風の効果が仕掛けられています。
秀逸なのは、ふつうに空を飛ぶシーンと、飛びながら相手を素早く攻撃するときで、風の演出が異なっていること。
その繊細な「演出の強弱のつけ方」にも注目してほしいです。
(4)ザ・シング
能力:岩人間+怪力
演出:座席のモーション、そして・・・
ザ・シングはそのゴツゴツした見た目通り、一度足を運ぶだけで周囲が破壊されるほどの力を持っています。
興奮した彼が叫びながら地面を打ち下ろすシーンでは、下に「ドン!」と座席が落ちる。ザ・シングの重さと、そのパワフルな力を実感することが出来るというわけ。
もうひとつ、ザ・シングの終盤のアクションで感動したことがあるのだけど・・・それは若干ネタバレになるので内緒にしておきます。
そんなわけで、「それぞれの能力の違い」を体感できたことも楽しかったのですが・・・さらに映画『スターゲイト』にあるようなワープの瞬間を体感できたこともまた最高でした。
![]() | カート・ラッセル 3218円 powered by yasuikamo |
(5)ワープを体感!
演出:4DXの効果が満漢全席

本作ではワープのために巨大な装置が振動し、そして周りを破壊するほどの「衝撃」があります。
そのとき、「振動」という軽い演出のジャブから始まり、それはいつしか「大きな座席の動き」から「強い風」「スモーク」へと演出が強くなり、「ワープしたこと」を体感させてくれるのです。
ちなみに、本作『ファンタスティック・フォー』は監督がデヴィッド・クローネンバーグの影響を受けたこともあり、序盤のワープシーンは若干ホラーチックなものになっています。
これと4DXの演出が合わさるので、お化け屋敷的なよい意味での「怖さ」もあるのです。
また、ワープのシーンは中盤まで「ワームホールを通るシーン」はカットされます(いつの間にか目的地に着いているという状態)。
「おーいなんだよー。ぜんぜん『スターゲイト』にならないじゃんかよ」と思っていると、終盤でワームホールを大移動するシーンでは振動や風の何から何まで4DXの演出が大盤振る舞いになるのです。
うおおお!俺いまワープしているすげええ!な状態になるというわけ。ある意味で宇宙遊泳みたいなものです。
(6)そのほかの演出も
細いところで言うと、「実験装置」の演出もよかったです。
本作には科学的な実験装置も多数出てくるのですが、その作動シーンにも「振動」が演出されています(後のワープシーンに向けての伏線とも言えそう)
「振動」は、「発明」のワクワク感を想起させてくれるものと言えそうですね。
さらに、本作ではカーチェイスシーンもあったりします。
感動したのは、車がスピンするときに、座席もぐるりと円を描くような動きがされていたこと。
これの調整と、タイミング合わせは大変だったろうな・・・。
(7)ホラー演出も楽しめる
先ほどのワープのところでも書いたように、本作にはおよそヒーローものらしからぬホラー的なシーンがあり、作品の雰囲気もダークなものになっています。
自分はこのことにおいても、4DXで本作を観てよかったと強く思いました。
なぜなら、世にある4DX上映がされている作品のほとんどが荒唐無稽なアクション映画であり、「怖さ」を想起させるものが少ないと感じたから。
本作『ファンタスティック・フォー』において、ワープ先の惑星で起こる「ある事件」ははっきり言ってめちゃくちゃ怖いです(小さい子なら泣くレベル)。
その怖いシーンにも4DXは容赦無く襲いかかってくる・・・。おかげで大人も泣きそうになるくらいの怖さなのです。
そんなわけで、『ファンタスティック・フォー』の4DXは、異なる超能力を全身で体感したい人、ワープを体感したい人、ホラー映画を身体の隅々まで体感したい人にもオススメなのです。子どもにはちょっと怖すぎると思うけどね。
<映画『ファンタスティック・フォー』公式サイト>
(C) 2015 MARVEL & Subs. (C) 2015 Twentieth Century Fox