リブート版『ファンタスティック・フォー』が駄作でない理由(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
※(10/15)ネタバレを追加しました。遅くなってごめんなさい。
個人的お気に入り度:7/10
一言感想:もはやヒーロー映画じゃなかった
あらすじ
少年リードは、人間をテレポートさせることを夢見ていた。
青年になったリード(マイルズ・テラー)は、親友のベン(ジェイミー・ベル)、科学者の娘のスー(ケイト・マーラ)、その義理の弟であるジョニー(マイケル・B・ジョーダン)とともに、異次元装置への開発に挑むことになる。
しかし、想定外の事故に巻き込まれてしまい、彼らは超人的パワーを宿してしまう。
本作については、まず全米での大酷評について語らなければならないでしょう。
IMDbでのスコアは10点満点中4.1点、Rotten Tomatoesでは9%と、圧倒的に低評価なのです。
その製作経緯も問題だらけ、ネガティブな情報が目白押し。とくにジョシュ・トランク監督の奇行はメディアに取りざたされました。
・撮影時荒れまくっていて住んでいた借家をめちゃくちゃにした
・主演のマイルズ・テーラーと殴り合い寸前になった。
・脚本のリライトと撮影延期を繰り返しまくり
果ては、ジョシュ監督は本作の酷評の嵐に対して「1年前にはもっと素晴らしいバージョンがあったんだけど、それが日の目を見ることはないだろう。それが現実だ」とツイートして大炎上し、それは『スター・ウォーズ』スピンオフ作品降板のきっかけになったとも言われています。
そのせいもあって、本作は興行的に大コケでした。
さらに、マーベル・コミック(原作漫画シリーズ)のサイトには本作のことが一切触れられていない、いままでノリノリで作品にカメオ出演していたスタン・リーおじいちゃんが出てこないなど、公式でもそっぽを向かれています。
※以下の意見をいただきました。
いえ!マーベルはともかく、リー御大はエンドロールでデカデカと原作者として名前を出してますし、「不振は自分がカメオ出演しなかった所為」と擁護(?)されてますし、『アベンジャーズ2』にて原作で4人が超能力を得た切欠となった「エクセルシオ(「向上せよ!」という意味のラテン語でマーベルの社訓にして御大のキメゼリフでも有りますが)計画」を呟くなど地味にプッシュされておられますよ!
そんな感じなので、本作は「映画秘宝」において映画史上最大の事故物件と言われてしまうありさまでした。
だけど・・・どうしよう、自分は本作のことが大好きでした。出来は決して悪くないと思うのです。
以下に本作の優れた点を挙げてみます。
(1)人間ドラマを深く描いた内容になっている
これが自分がいちばん気に入った要素。
びっくりしたことに、本作の主人公たちは人生がうまくいっていないダメな若者で、わりと性格も悪いのです(作中で、彼らは「Kids」と呼ばれています)
前半では彼らの精神的な幼さ、そのように人間になった理由が丹念に描かれています。
それは陰々鬱々としてすげえ暗いのですが、後半の展開へ至る伏線もふんだん、役者の演技も相まって、とても引き込まれる内容に仕上がっていました。
(2)かなり怖いホラー演出がある
ジョシュ監督自身が「デヴィッド・クローネンバーグ的に人間の肉体が変化していく場面を描きたいんだ」と言っていたとおり、作中では「これホラーだろ!」と思いたくなるシーンがあります。
ていうか、「テレポーション装置のおかげで怪物(能力者)になってしまった」というプロットが『ザ・フライ』とまったく同じです。

はい、この時点で明るく楽しいヒーローものを期待する人は素直に回れ右なのがわかりますね。
(3)能力を持ってしまった「悲哀」が描かれている
これはジョシュ監督のデビュー作にして、高い評価を得た『クロニクル』と同様です。

『クロニクル』は「能力を持ってしまったがゆえの悲劇」が描かれており、本作では「能力を持ったという運命を受け入れなければならないという試練」が前面に押し出されています。
お気楽ヒーロー映画とは、一線を画す内容になっていました。
(4)世の中の「日陰者」な技術者に対して尊いメッセージが込められいる。
主人公の成長物語とこのメッセージは密接に絡み合っており、そこは確かな感動がありました。
そんなわけで、前半〜中盤は未熟な若者たちによる奥深い人間ドラマが繰り広げられているのです。
脚本もよくできていて、主人公が「イカれている(You're Insane)」と言われるシーン、中盤のレジのシーンでは「台詞で説明せずに、それとなく意味を示す」クレバーな演出もありました。
作中ではあまりのも「悲劇」に、2回ほど涙を流してしまうシーンがありました。
自分は、本作を一方的に貶めることなんてできません。
で・・・本作の何が問題なのかと言いますと、時間配分が圧倒的に間違っていることにほかなりません。
もういいや、言ってしまうと本作はヒーローの能力を手に入れるまで1時間10分くらいかかり、ヒーローとして活躍するのは終盤のたったの5分くらいです。
リブートである本作に対して、以前に作られた2005年版は、ちゃんとヒーローものとしての時間配分ができていました。

<2005年版>
(能力を手に入れるまでの)人間ドラマ:開始から15分
ヒーローとして活躍!:開始から30分
<2015年版>
人間ドラマ:開始から1時間10分
ヒーローとして活躍!:開始から1時間35分(残り5分)
両者をグラフにするとこんな感じになります。

本作が、いかにヒーローものとして致命的な構成になっているのかが、おわかりいただけたでしょうか(わかってほしい)。
それまで描写がとても丁寧だったのに、終盤になってから「巻き」が入ってバタバタと終わる感じはどうがんばっても擁護できません」
どれだけ本作が「ここで終わるのかよ!」「もうちょっとヒーローとしての活躍を見せろよ」になっているかは、以下の魂の叫びがとてもわかりやすいです。
<『ファンタスティック・フォー』感想、必見!! - Cinema A La Carte>
でも・・・終盤のバタバタ展開以外は、本当におもしろい作品なんです。
自分は本作はヒーロー映画ですらない、望まない能力(と人生)を手に入れてしまった若者たちのSF人間ドラマとして観るべき内容であると思いました。
酷評のもうひとつの理由は、「こんなん『ファンタスティック・フォー』じゃない!」という原作コミックファンの怒りもあるのでしょう。
2005年版の映画はヒューマン・トーチというキャラが「超」が付くほどのお気楽野郎で、コメディーシーンも満載でした。
反して本作ではヒューマン・トーチも含めて暗くてウジウジした連中ばかりで、コメディーシーンはほぼ皆無です。
なお、本作は一応『アルティメット・ファンタスティック・フォー』という「新シリーズ」がもとになっているのですが、ストーリーラインはほぼオリジナルになっているそうです。

こうした「原作無視」はどこでも槍玉にあげられることなのかもしれませんね。
ちょっとフォローをしておくと、人間ドラマパートにもそれなりにアクションや見栄えのあるシーンもあるので、「話ばかりで退屈」ということはそれほどありません。
4DX上映の演出はとても効果的に使われていますし、アクションは数は少なくとも大迫力に仕上がっていました。
<『ファンタスティック・フォー』4DXは「それぞれの能力の違い」「『スターゲイト』のようなワープ」「ホラー」を体感できたという話>
結論としては、本作はお気楽なヒーローものを求めている人、お子様には死ぬほど向いていない内容です。
おすすめできるのは、前述の『ザ・フライ』や『クロニクル』のほか、『アンブレイカブル』や『バットマン ビギンズ』が好きな方です。


『アンブレイカブル』は地味で目立たない能力者の悲哀が描かれていることが、本作と一致しています。
本作はヒーロー誕生までのエピソードゼロを描いたような内容なので、『バットマン ビギンズ』のように「なぜヒーローが生まれたのか」を期待する人には、満足できる内容に仕上がっていると思うのです。
これらの作品を観たことがない人にとっても、ダークなSF人間ドラマを期待すれば、決して楽しめないということはありません。
本作は、映画ファンにとって必見作だと思います。
スクリーンからは、現場の悶着の数々、それでも努力を尽くしたスタッフの苦労が感じられまくるのです(もちろん「現場の苦労」は、「作品の評価」と切り離して考えるべきなのでしょうが)。
また、本作はまさに「俺たちの戦いはこれからだ!」なところで終わるので、ぜひ続編が観たいんです。
ジョシュ監督は間違いなく才能のある方だし、これでそのままハリウッドの黒歴史になってしまうのは、あまりにももったいないです。
願わくは、『ドラゴンボール EVOLUTION』を撮ったジェームズ・ウォン監督のように、ジョシュ監督がハリウッドで干されませんように。次回作に期待しています。
エンドロール後のおまけはないので、途中で帰っても大丈夫ですよ。
↓以下、結末も含めてネタバレです。鑑賞後にご覧ください。
〜野暮な不満点〜
まあクライマックスはヒドいですよね。
残念だったのは、主人公のリードがチームワークを主張するのに、ぜんぜんチームワークを持って戦っていたようには見えなかったこと(そもそも急な事件が起きたので、策を練る時間もなかったけど)。
実際は流れでなんとなく連携が取れていたところもあったけど、ラスボスを倒せたのはザ・シングの「正義のパンチ」1発のおかげに思えてしまう・・・これはチグハグです。
あと、ラスボスが地球を侵略するために、わざわざ異次元の星に戻るというのもムチャクチャだよね。
ブラックホールで地球まるごと吸い込めるらしいけど、お前がどうしてそんなことできるのかわからん。
あ、でもラスボスが基地内で人間の顔をグシャッとしまくるホラーシーンは大好きでした。ヒーロー映画に見えねえ。
※以下の意見をいただきました。
ビクターが救われなすぎです。「クロニクル」ぽく撮ったにしても最悪です。
彼女(スー)まで出来て見事にリア充化した白アンドリュー(リード)がスティーブ(ジョニー)にマット(ベン)らと、不遇なまま闇堕ちした黒アンドリュー(ビクター)をボッコボコにして大勝利!とか・・・。全然感動出来ません。
〜「You're Insane」は褒め言葉?〜
映画の予告編でも観られますが、主人公のリードは子どものころ、友だちになったばかりのベンに「You're Insane(君はイカレている)」と言われています。
リードはこのときテレポーション装置を発明しそうになって(装置の中にニンテンドー64があるのがおもしろい)、あたり一帯を停電させたりするんですから、そりゃあ客観的に見れば狂っています。
でも、これはベンの褒め言葉だと思うんです。
なぜなら、この直前にベンは、暴力を振るってばかりの兄に「Idiot(バカ野郎)」と言っているから。
これは「比較」なのではないでしょうか。
短絡的な考えしか持たない兄(Idiot)と、何かとんでもないことをしそうなリード(Insane)という・・・。
また、大人になってからのベンは、研究を手伝うことはもちろん、研究機関に呼び出されたリードに「ここがお前の世界だよ」と言ったり、朝っぱらからの呼び出しにもしぶしぶ応えるという、とっても「イイヤツ」なんですよね。
やっぱり、この「You're Insane」は「お前はイっちゃってるなあ」な、肯定的なものっぽいのです。
リードも「ありがとう」と答えていますしね。
〜5ドルでいいさ〜
リードはベンが岩人間になったのを見ると、全裸で逃亡しました(しかも1年間)。
主人公とは思えないほどのクズっぷりを見せつけたリードでした。
しかし、逃げた先ではこんなやりとりをしていました。
リード「10ドルで買おう」
おじさん「20ドルで買え」
リード「5ドルだ。代わりにレジをタダでなおしてやる」
これは要するに、リードは他人に対して何か施しをしたいと願っていることを示していると思うのです。
彼は施設からは逃げ出したけど、決してすべてを投げ出したわけではないのでしょう。
〜科学者は目立たない〜
リードたちは、「ニール・アームストロングは誰もが知っているが、アポロ13号を誰が作ったなんか誰も知らない」「科学者はそんなことで、バーでくだを巻くんだ」と愚痴っていました。
そんな彼らは、「自分たちが初めてのテレポーターになりたい」と思い、装置に乗り込んでしまいます。
彼らは傲慢でした。科学者(設計者)である自分が、名誉を得たいと思ったことが、あの結果につながったのです。
思えば、アポロ計画であっても失敗の繰り返しで、アポロ1号では事故が起きて宇宙飛行士が死亡していました。
宇宙飛行士が栄誉を得るのにも、搭乗のためには厳しい試練がありしますし、危険も伴います。
彼らの愚痴は、そのことを顧みていませんでした。
そもそも、リードは世の名声などを求めず、ただ人類の歴史を変えることを望んでいました。
その信念を持ち続ければ、あんなことにはならなかったのに・・・。
たとえ世間に知られていなくても、名声がなくても、科学者(設計者)は立派で、偉業を誇らしく思っていい。
そんなことを教えてくれます。
〜運命〜
この映画では、「愛する者が異形の姿になる」恐怖と、とてつもない哀しみが描かれています。
ジョニーの父が、燃え盛る息子を見たときのあの表情。
岩人間となったベンが、連れ戻したリードに「俺を見ろ。もう親友じゃない」と言ったこと。
スーが「これは能力じゃない、治すべき疾患よ」と言ったこと・・・
彼らは、敵であるドクター・ドゥームを倒しても救われません。
世間一般に彼らの活躍が知らされておらず、研究所にぽっかりとした穴が空いただけでした。
「心に穴が空いたようだ」という表現がありますが、彼の心境も同じようなものだと思います。
しかし・・・いままで軍部の言いなりになって彼らは、「条件」を告げたりしたりして、この「運命」に立ち向かっていくようでした。
(また、リードは、敵の攻撃を受けるベンのことを助けることができました)
〜ファンタスティック〜
4人がつぎつぎにチームの名前を言っていくラストシーンもとても感動的でした。
誰もがちょっと格好悪い名前を言っていく中で、リードとベンはこんなやりとりをします。
リード「車庫から、こんな広い基地へ大出世だな」
ベン「まったく、素晴らしいよ(Fanstastic)」
ベンは皮肉で「素晴らしい」と言ったに違いありません。
同時に、それも自身の「運命」を受け入れてこそのことばに思えます。
彼らはまだヒーローでなく、ふさぎこんでばかりの「病気」の状態なのかもしれません。
それでも、スーが言ったように「過去は変えれなくても、未来はわからない」のです。
やっぱり、この先の彼らのヒーローとしての活躍を見たくなりました。
↓吹き替え版とのセリフの差異について、以下の意見をいただきました。
@robosuretaroji_さんの伏せ字ツイート | fusetter(ふせったー)
これはデアデビルの話なんですが、デアデビルを叩く連中の一体何人が「真の劇場版」であるディレクターズカット版を見ているのかといつも思います。
当時、監督は若輩者であり、プロデューサーにも恵まれず、監督は力不足故に泣く泣く上に従うしかなかったそうですよ。
今はディレクターズカット版が公式であり、公開版は悪い希少枠なのに…。
レンタルでしか見ない方はディレクターズカット版の存在を知らないんでしょうかね?
愚痴言ってすみませんでした。
ヒナタカさんの仰る通りこれはヒーロー映画では無いですね。
「アンブレイカブル」とか「ハプニング」のようなシャマラン映画を見たような虚脱感がありました。
それでもシャマラン映画にあって本作に無いのはある種のぶっ飛び具合と言うか
「酷すぎて逆にすげぇw」な感じですかね。
逆方向にも突き抜けられていない分お話が散漫になり、「何かもう…どうでもいいや」と言う感情が5分に一回は沸き起こりました。
と言うかこれはあくまでジャンルとしてはヒーロー映画なので
シャマラン映画的な屈折した楽しみ方と言うのも僕は正直…ですかね。
悪役のドクタードゥームも折角去年「猿の惑星 新世紀」で神憑った悪逆非道ぶりを見せつけたコバを演じたトビー・ケベルなのに
何か勝手に暴れて即倒されて粉々…弱っw
アメリカ本国でこの映画がボロクソ言われてるのも納得はしました。
「退屈過ぎてキツい」だとか「つまんない」だとかそう言う感情すら許してくれませんねこの映画は。
良かったところは…寝るのには最適ですねw(すいません…)
僕の中ではエド・ウッド映画か、西尾由佳理のナレーション(滑舌悪すぎて催眠音波級)かコレってくらいです。
ただ本作の罪をジョシュ・トランク一人に押し付けるのはどうかと思うんですよ。
元々このリブート企画自体、FOXがマーベルにF4の権利、もっと言うならF4に出てくる
ドゥーム、シルバーサーファー、ギャラクタス辺りの人気キャラを返したくなくて
無理くり作ったようなリブートですし、そんな志で面白いものなんて作れるはず無いですよね。
現場で暴れたり公開前にネガティブなコメント残したりと監督復帰は正直かなり厳しいでしょうが
また「クロニクル」みたいな作品を僕も見たいので、トランク監督にはめげずに頑張って欲しいですね。
中盤までには薬の密売所でのファルコーニ戦→アーカムアサイラムでのスケアクロウ戦と
きちんとした物語の山場は作っていましたし、
最近の他ジャンルの洋画だと
主役が暴れまくるのがあまりに少ないと批判されたゴジラ(2014)だって
序盤にまさかの敵怪獣であるMUTOを登場させ
中盤までにはゴジラの咆哮を決める日本のゴジラファンへのサービスは見せていましたが
この映画はアメコミヒーローというジャンル映画の枠組み以前に
一つの映画のシナリオ構成として完成度が低いと自分は感じました。
つまり普通に駄作だと思いますね。
私の一言感想:トランク監督!「クロニクル」の撮影は終わってますよ!?
>スタン・リーおじいちゃんが出てこないなど、公式でもそっぽを向かれています。
いえ!マーベルはともかく、リー御大はエンドロールでデカデカと原作者として名前を出してますし、「不振は自分がカメオ出演しなかった所為」と擁護(?)されてますし、『アベンジャーズ2』にて原作で4人が超能力を得た切欠となった「エクセルシオ(「向上せよ!」という意味のラテン語でマーベルの社訓にして御大のキメゼリフでも有りますが)計画」を呟くなど地味にプッシュされておられますよ!
でも困った事に原作ファンとして激怒!な所も有れば、ホッコリ!な所も有って複雑な評価です。
>自分は本作のことが大好きでした。出来は決して悪くないと思うのです。
原作ファンでないヒナタカさんの感想を見て気付いたのですが、実はけっこうちゃんと「ファンタスティック・フォー」の映画である面もあります。
「スターゲイト」を引き合いに出されていますが、実は初期の原作はヒーローものと言うより冒険ものなんですから。
>ヒューマン・トーチ
キャスト発表時にこの設定改変に一番激怒しました!(「マイティ・ソー」でヘイムダルを黒人俳優が演じる事になった時も一悶着有りましたけど)時期的に、あのオバマに媚びる為に生まれたような新アルティメット・スパイダーマンも思い出しますし・・・。
>『アルティメット・ファンタスティック・フォー』
これもマーク・ミラー先生による「マーベルヒーロー クズ化シリーズ」なので、さもありなんですが・・・。
でもリードは正史の方でもクズ化が著しいです。最近はヒーローというよりマッド・サイエンティストで、「シヴィル・ウォー」の時など腐れ外道と言っても過言でない有様でした。
例1:ソーのクローンを作った上にサイボーグ化して兵器にするという非人道的を通り越すバチ当たり行為を平然とする。更にのそのクローン・ソーが暴走して三代目ゴライアスを殺害してしまったのに「あれは事故」「今度は上手く調整する」と開き直る。
例2:本作にも登場するNゾーンに超人登録法反対派ヒーローの監獄を作り、超人の拘束は困難とおよそ人道に外れた扱いをする(クスリ漬けや殺人トラップの中心に座らせる等)
例3:実はNゾーンには先住民が居て、リードの所為で彼らが「侵略を受けた!」と激怒してこちらの次元へ侵攻開始、しかし向かった先はなぜかクリー帝国とザンダー星。地球発宇宙規模の大迷惑が勃発。
あまりにクズ過ぎて読者からもソッポを向かれてしまったので、後に書かれた外伝で
・幼少期に敬愛していた叔父さんがレッド・パージに逆らって破滅に追いやられた事がトラウマとなっていた。
・罪悪感は常に感じていたが、未来予想の方程式で導き出した最善と必死に思考を停めていた。
等のフォローが書かれましたけど。
>主人公のリードは子どものころ、友だちになったばかりのベン
ここは凄く可愛くて良かったです!面倒な天才児の出来杉君と映画版のジャイアンが幼馴染みたいで!
>とっても「イイヤツ」なんですよね。
自分も、原作では「口の悪いキャプテン・アメリカ」と言われる程の古き良きアメリカ人なベンが表現出来ていたと思います!
>〜科学者は目立たない〜
自分は「ハヤブサ」の映画でハヤブサの部品を作った町工場が後継者不足でヒッソリと閉鎖するシーンを思い出しました。
>彼らは、敵であるドクター・ドゥームを倒しても救われません。
一番救われていないのはビクターですよ!本作をFFを「クロニクル」ぽく撮ったにしても最悪です。
彼女(スー)まで出来て見事にリア充化した白アンドリュー(リード)がスティーブ(ジョニー)にマット(ベン)らと、不遇なまま闇堕ちした黒アンドリュー(ビクター)をボッコボコにして大勝利!とか・・・。全然感動出来ません。
やっぱり自分は前シリーズの方が好きですね。
というか、そろそろ・・・個人的に世界征服して欲しい悪役ナンバー1!な有能独裁者で、ジャパンのファンからは「吹替え声優を釘宮理恵さんにしろ!」とまで言われるツンデレ怪人なDr.ドゥーム様を実写化してくださいよ!!
リード「10ドルで買おう」
おっさん「20ドルで買え」
リード「5ドルだ。代わりにレジをタダでなおしてやる」
→レジをアッサリなおしてドヤ顔
っていうやりとりだと思ったんですけど
間違ってたらすいません(^_^;)
>
> リード「10ドルで買おう」
>
> おっさん「20ドルで買え」
>
> リード「5ドルだ。代わりにレジをタダでなおしてやる」
> →レジをアッサリなおしてドヤ顔
>
> っていうやりとりだと思ったんですけど
> 間違ってたらすいません(^_^;)
そうだったかも!直させてください
肝心の続編が赤字で厳しそうなのが非常に残念です。
この手の赤字映画は制作側の判断で打ち切られるのが定石(エラゴン、ライラだって!)ですし、どうなるのでしょうね…。
> >スタン・リーおじいちゃんが出てこないなど、公式でもそっぽを向かれています。
> いえ!マーベルはともかく、リー御大はエンドロールでデカデカと原作者として名前を出してますし、「不振は自分がカメオ出演しなかった所為」と擁護(?)されてますし、『アベンジャーズ2』にて原作で4人が超能力を得た切欠となった「エクセルシオ(「向上せよ!」という意味のラテン語でマーベルの社訓にして御大のキメゼリフでも有りますが)計画」を呟くなど地味にプッシュされておられますよ!
いまさらですがありがとうございます!追記させてください。
> >ヒューマン・トーチ
> キャスト発表時にこの設定改変に一番激怒しました!(「マイティ・ソー」でヘイムダルを黒人俳優が演じる事になった時も一悶着有りましたけど)時期的に、あのオバマに媚びる為に生まれたような新アルティメット・スパイダーマンも思い出しますし・・・。
なぜか黒人になりましたよねえ。
> >『アルティメット・ファンタスティック・フォー』
> これもマーク・ミラー先生による「マーベルヒーロー クズ化シリーズ」なので、さもありなんですが・・・。
> でもリードは正史の方でもクズ化が著しいです。最近はヒーローというよりマッド・サイエンティストで、「シヴィル・ウォー」の時など腐れ外道と言っても過言でない有様でした。
> 例1:ソーのクローンを作った上にサイボーグ化して兵器にするという非人道的を通り越すバチ当たり行為を平然とする。更にのそのクローン・ソーが暴走して三代目ゴライアスを殺害してしまったのに「あれは事故」「今度は上手く調整する」と開き直る。
> 例2:本作にも登場するNゾーンに超人登録法反対派ヒーローの監獄を作り、超人の拘束は困難とおよそ人道に外れた扱いをする(クスリ漬けや殺人トラップの中心に座らせる等)
> 例3:実はNゾーンには先住民が居て、リードの所為で彼らが「侵略を受けた!」と激怒してこちらの次元へ侵攻開始、しかし向かった先はなぜかクリー帝国とザンダー星。地球発宇宙規模の大迷惑が勃発。
> あまりにクズ過ぎて読者からもソッポを向かれてしまったので、後に書かれた外伝で
> ・幼少期に敬愛していた叔父さんがレッド・パージに逆らって破滅に追いやられた事がトラウマとなっていた。
> ・罪悪感は常に感じていたが、未来予想の方程式で導き出した最善と必死に思考を停めていた。
> 等のフォローが書かれましたけど。
毒親育ちさんにたくさん原作の意見をいただけてうれしいです!自分も読まないとなあ。
それにしてもドクタードゥームってツンデレだったんですね。
邦訳版はどれも2000円以上と漫画本としては高価ですからね。
数年前は全く出なくて飢えていましたが、今では月に5~6冊も出るのでアメコミ読者として黄金時代ですが、別の意味で飢えてます・・・。
>ドクタードゥームってツンデレだったんですね。
日本のキャラで似たような人をあげるなら、ドラゴンボールのベジータですね。
ビクター・ヴァン・ドームのアイデンティティはとにかくライバルであるリード・リチャーズに勝つ事。科学者として発明家として、なによりヒーローと為政者の違いは有れど人に敬われる偉大な存在として、彼よりも上に行く事に血道をあげています。
そして彼は悪役ではあるのですが、その目的は「世界征服」即ち全人類に支配者として君臨し崇拝される事なので、ウルトロンのような人類抹殺を企むような凶悪の前にはヒーロー達と手を組んで立ち向かってくれる事もしばしば。マーベルヒーロー大集合な大型イベントの度に・・・
か、カンチガイしないでよね!べ、べつにアンタ(リード)のためなんかじゃないんだから!アタシの物(になる予定)な世界の危機だから、仕方なく手伝ってあげるんだからね!!
・・・こんな感じで参上してくれます。
今まで実写化でそんな彼の魅力が全く表現されていないのが残念でなりません!
雰囲気が暗いしヒーローもののわりにはその活躍が少なくて配分がおかしいとか他もろもろですし。
それでも自分ははなからヒーローものを期待して観に行ったわけではなくまたあの雰囲気も嫌いではなかったので自分の中での評価は良い方です。それに科学者の苦悩も描いてくれたのも個人的にGJと思ってましたし。
スタン・リー氏についてはこれまでの作品が基本的に明るめの雰囲気なのに比べてこの作品だと暗いから出ても悪い意味で浮いてしまうと考えて出演しなかったのかなあ、と個人的には思ってしまいます。
もっとも、氏の出演している作品をすべて網羅できてる気はしないので何とも言えませんが。
とりあえず個人的にはこれはこれでありですがそれでも05年版の方が総合的には好きだなあと。あっちの方がこっちよりヒーローものしてたと思いますし。
ドゥームもリードと比べ気の毒ですし…(とはいえ所業は許されることじゃないので制裁されて然るべきですが)。