実写映画版『俺物語!!』原作マンガの再現度、完璧(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
個人的お気に入り度:8/10
一言感想:好きだ。
あらすじ
剛田猛男(鈴木亮平)は、大きな体を持ちながらも、女子にモテない高校1年生だった。
ある日、彼はしつこいナンパから助け出した女子高生の大和凛子(永野芽郁)に一目惚れするが、彼女は猛男の幼なじみであるイケメン・砂川誠(坂口健太郎)のことが好きだと思い込んでしまう。
落胆しながらも、大和と砂川の仲を取り持とうとする猛男だったが・・・。
あ、言いたいことは↑の一言感想ですべてです。
3文字ですべて語れる。もうほかのことはどうでもいいや、泣いて笑って、超胸キュン❤︎ムービーというだけでそれでOKです。
本作は、同名の人気コミックの実写映画化作品です。
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原作がいかにおもしろいかは、以下にも書いていたのでぜひお読みください(ていうか期間限定で1、2巻無料らしいから読め)↓
<これこそ真のイケメンだよ! 少女漫画「俺物語!!」レビュー>
アニメの第1話は無料で観られるよ↓
<俺物語!! [第1話無料] - ニコニコチャンネル:アニメ>
この『俺物語!!』の何が素敵って、主人公(男)の格好良さですよ!
単行本の表紙を並べただけでもそれは、わかります。








ね、格好いい(洗脳)。
2巻の表紙なんか、ぱっと見でもじっくり見ても少女マンガだとはとても思えません。
9巻の表紙の『ストリートファイター』ネタは、女子中高生がわかるはずもありません(笑)。
主人公は高校生ながら2mを超える巨体、顔はおっさんで、なおかつめっちゃいいやつ・・・「気は優しくて、力持ち」を地で行くような人物なのです。
こいつは人類に演じることは不可能だろうと思っていたら・・・やってくれましたよ、日本が誇るカメレオン俳優の鈴木亮平さんが!


あのね、なりきっているというか、もはや神が舞い降りたというほかないほど、鈴木さんはマンガの主人公を完璧にトレースしています。

彼の一挙一動どころか、ときには夕日を眺めるだけで笑いが起きるからすごい。
この手のマンガの実写化での「なりきり具合」には感動することが多いのですが、本作が抜群に衝撃的でした。
原作の主人公の再現度を期待する方、鈴木亮平さんのファンの方はぜったいに観ましょう。
そして、原作マンガの持つエッセンスを、2時間足らずの映画の中に余すことなく詰め込んでいることもすばらしい。
原作を読んだ方なら語らなくてもいいことですが、『俺物語!!』の主要登場人物は全員めっちゃいいやつなんですよ。
この映画でもそれは同じ。みんながみんないいやつらで、悪意を働く人なんてちっともいません。
それでも恋心はすれ違って、苦しい想いをすることもある・・・そんな恋愛のモキュモキュがたっぷり詰まっています。
また、原作では1巻の序盤で終わる出来事を、本作では映画のクライマックスに据えています。
おかげさまで「お前らあ"あ"あ"好き合っているんだろうがあ"あ"あ"あ"!さっさと気づけえええええ!」という少女マンガ特有の面倒くささを1時間45分間たっぷりと体験できてしまいます。
はっきり言って、そのもどかしさは胸キュンを超えてイラつくレベルです。
少女マンガを読まない方には、「少年向けハーレム(女の子に囲まれて困っちゃう)系のマンガで、超鈍感な男主人公が好かれていることにじぇんじぇん気づかない」を想像してみてください(例:ニセコイ)。めっちゃ腹立つでしょ?
しかし、イラつくレベルにしていたとしても、今回の改変はもう大正解だと肯定しまくれます。
なぜなら、原作のエピソードを織り込みつつも、もっとも大事な瞬間をクライマックスに据えて、しかも原作にないさらなる描写を加えられているのですから。
詳しくはネタバレになるので↓に書きますが、これは原作のメッセージ性も汲み取った最高のラストと言えるものでした。
原作ファンは迷わず観て欲しいです。
また、子どもにも文句なくオススメできるのが素晴らしい!
作中には性的な描写が皆無ですし、ギャグのほとんどが「主人公のキャラのおかしさ」なんですよね。
すげー運動神経を見せたり、人間ばなれした怪力を見せつけるというだけ。いい意味で短絡的でわかりやすいので、精神年齢が幼いほど(もちろん大人でも)爆笑できます(ていうかそれを再現できている鈴木亮平さんがパねえ)。
そういえば、作中のギャグもちょいちょい映画オリジナルのものが加えられています。
具体的には主人公の言動ですね。これは原作ファンにも納得の「らしさ」があって、なんとも愛おしくなってしまいました。
そして作品のメッセージ!
これは「人は見た目じゃなくて中身だ!」「恋する気持ちに一直線のやつは格好いいんだ!」というド・正論のもので教育上にもとてもいいのです。
小さいお子さんをお持ちの親御さんにも、ぜひいっしょに観てあげてほしいですね。
難点は、天丼(繰り返し)が多いこと。
たとえば主人公がことあるごとに「好きだ!」と心の中でつぶやくのは、原作ではヒロインに会うたびに出てくるお約束みたいなもので、アホほどに主人公の気持ちがわかるものなのですが・・・本作ではこれを「天丼ギャグ」にしてしまっているんですよね。
ギャグとしてはけっこう気が利いていておもしろいのですが、個人的にはそれはギャグではなく、主人公の大切な気持ちとして用いて欲しかったのです。
そのほかにも似たようなシーンがくりかえされるうえ、クライマックスの演出がやや冗長で、テンポの悪さを感じてしまうのも事実です。
一見似たシーンであっても、主人公たちの心境はどんどん変化しているので、そこに注目すれば飽きずに観られるのかもしれません。
あとこれだけは言っておかなければなりますまい。
予告編にあのシーンを入れたやつはどこのどいつだ!
どのシーンかは伏せておきますが、ありえねー箇所をネタバレしてんじゃねーよ!これさえなければより感動できたのに・・・
いいところと悪いところとも言えないのは、親友・砂(坂口健太郎)は原作では(主人公の行動で笑う以外は)無表情のキャラだったけど、映画ではいろいろな表情を見せていること。
原作のように無表情のキャラを実写にしてしまうと、好感を持てないキャラになってしまうかもしれないので、個人的にはいやな印象はまったくありません。
ともかくこれは、原作を読んでいても読んでいなくても、老若男女に大プッシュでおすすめ。
男子にとっても、永野芽郁ちゃんがかわいい、死ぬほどかわいい、月までブッ飛ぶほどの衝撃でかわいい(大切なことなので3回言いました)ので、キュンキュンしながら観られるでしょう。
俺物語の中の永野芽郁ちゃんが可愛くて可愛くてもう pic.twitter.com/GBcYfN6h4X
— おはし (@UkYukiti) 2015, 11月 5
槇原敬之の「No.1」はもう22年前の曲なのに、映画の内容にバッチリはまった主題歌になっているのもまたいいですね。
<槇原敬之 - No.1 - YouTube>
<歌詞はこちら>
カップルで観終わった後は、きっとお互いのことをもっと大切にしようと思えますよ。
エンドロールの最中・後にもおまけがあるよ!
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 今回は短め
〜原作になかった描写〜
※原作を読んだときの記憶がだいぶ薄れているので、ご意見を募集します。以下が原作にもあったらごめんなさい。
・映画冒頭:猛男は自分の第二ボタンを砂に渡す→砂は猛男の好きだった女の子にそれを渡す
ここから、猛男は「自分のことよりも他人の幸せを考えるいいやつ」であることがわかります。
・猛男は、ナンパ男に絡まれている大和を壁ドンで助ける
あんなやつに壁ドンされたら別の意味で胸が高鳴りますね。原作では大和は電車で痴漢をされていました。
ナンパ男が中尾明慶さんというのもよかった。クズ役が似合っていたのでもっとやればいいと思うよ。
・猛男は柔道中に「(大和が)好きだー!」と言っていたため、いつの間にかそれが投げのときの掛け声として部内で浸透していた。
ボイーズラブに思えるぞそれ。
・猛男はザッハトルテなどのお菓子の単語を聞いて「手ごねか!」「外来語か!」とか言っている。
こんな言動だけでどっかんどっかん笑いが起きるんだからずるい。
・お化け屋敷で男子勢、女子勢が全員幽霊にビビるのに、ノーリアクションの猛男
ここまでオーバーリアクションばっかり見ていたので、ツボりました。
・猛男のお母さん(鈴木砂羽)は、「母ちゃんはなんでも知っている〜」と言いながら猛男の前に現れる。
猛男が「どんなネットワークだ!PTAか!」と答えるのがいいですね。ちなみにお母さんは、大和がお店に来たから知っていたんですね。
・猛男は、後ろを歩く大和を見て、歩く歩幅をそろえる
確か原作にも似たシーンがあったと思うのですが、無言でこれをするのがいいね。
・猛男は、大和からもらった大量のおにぎりを屋上で食べ尽くす(しかも夕日になるほどに時間をかけて)
これは猛男が「勘違いしていても、愛をすべて受け入れる度量のある男」であるということを示していますね。
・お父さんは猛男といっしょに、好きな人の星座を見る。
原作では、猛男、大和、砂がいっしょに星座を観ていました。
映画のお父さんは、恋に苦しむ猛男に「みんな同じさ、お父さんも、立派なおじいちゃんも、苦しい気持ちになって、たったひとりの人を見つけるんだ」と言ってくれます。
猛男はその言葉を聞いて「みんなすげー、みんな強ーなー」と返す・・・
これは、映画館に観に来た親御さんがみんなすごい!ということを子どもに示しているシーンです。
そんな製作者のやさしさが大好きです。
ひとつだけ不満点を言うと、エンドロール後のオチの最後に、1巻の最後のナレーションがなかったこと(タイトルコールだけ)。
ここはぜひ原作を読んで補完してほしいですね。
※以下の意見をいただきました。
大和の、あの告白に至るまでの料理ノートをめくるシーン、断言します。アレで惚れない男がいますか?w
〜クライマックス〜
猛男は、砂の言葉を信じて(だまされて)お菓子のお店に行くと・・・そこで大和がどれほどに猛男のことを想って、お菓子を作っていたかを知ります。
自分の家のお惣菜屋でも、そのつぎのお菓子店でも、そのつぎも!
これは原作にないクライマックスなのです。
原作の砂は「もうめんどくさいから教えちゃっていい?」ということで、あっさり猛男と大和が好き合っているという真実を告げています。
だけど映画では、中盤に砂は「俺は猛男の気持ちを勝手に代弁することはできないけど」って言っていました。
砂は猛男が自分から気付いて告白するようにしたんです。なんていいやつなんだ!
しかも映画の本当のラストは、砂の誕生日だった!
砂の誕生日イベント自体は原作にもあったのですが、映画ではそれをラストに据えて、砂の「誰だって友だちが幸せになるのはうれしいだろ」という言葉を、そのままそっくり砂に返しています。
砂は「これ(自分の誕生日)はおまけだろ」って言っていましたが、そんなことないよ!
これは恋(幸せ)を応援する親友の物語でもあるんだから・・・原作にいなかった、猛男や大和の友だちが、そのパーティ会場にいるというのもまた素敵ですね。最高です!
おすすめ↓
俺物語!! ネタバレ(?)あり感想 この恋、応援したくなる! - きままに生きる 〜映画と旅行と、時々イヤホン〜
鈴木亮平の振り幅が凄すぎて毎回驚かされます。
永野芽郁ちゃんが可愛すぎて死にそうでした。
レディースデーで観に行ったのに女性の方々が鈴木亮平や坂口健太郎ではなく永野芽郁でキャーキャー騒ぐレアな映画でした。
「天使か?!天使なのか?!」って女子が騒いでて笑いました。
あと、クズな中尾明慶観たいなら映画ウシジマくんオススメです。なかなかのドクズです。
貴重な情報をどうも!
そういや「東京難民」でもけっこうクズでした。
<ちなみに鈴木さんはこんな役もやっています(余計な情報)
一年かけて作った。この肉体美を次の役の為に捨ててしまったかと思えば、また猛男になったり・・・クリスチャン・ベールやマシュー・マコノヒー級の役者バカ(最大級の褒め言葉のつもりです!)ですよ!!
>みんながみんないいやつらで、悪意を働く人なんてちっともいません。
「たまこまーけっと」に匹敵する人類の理想郷、いいえそれ以上かも!
個人的に人の悪口で盛り上がってる女性達が世界で一番醜い生き物としか思えず。飲食店で女子会を見るとまわれ右する程なのですが、猛男を振って砂の前で彼を貶した女の子達や凛子の友人達も悪い人に描いてないのですよね。
>はっきり言って、そのもどかしさは胸キュンを超えてイラつくレベルです。
だからこそのクライマックスが快感過ぎでした!砂の「おれが猛男の気持ちを代弁する訳にはいかないけど」も凄く良かったです。
>例:ニセコイ
話がズレますが・・・。
ジャンプで一番嫌いな漫画です。「ダブルアーツ」を描いた人の作品とは思えない。ハーレム描写などでなく、子どもに殺し屋をさせているヤクザやマフィアの世界をギャグにして、そこに居続けながら「モテモテの良い人」な主人公とヒロインに吐き気をもよおすほど・・・。
同じく平和な日常を望む子どもが犯罪組織に関わる話でも「家庭教師ヒットマンREBORN!」「べるぜバブ」はその生臭さから逃げていなかったのに・・・。
>教育上にもとてもいいのです。
日曜の午前中に観て来ました。小中学生の子が多くて嬉し恥ずかしでした・・・。世の中の女の子達は男の子の面の皮の造形ばっかり観てる訳じゃないぞ男子達!
>告編にあのシーンを入れたやつはどこのどいつだ!
ほんとに日本の広告業界はこの問題を真剣に考えた方が良いと思います。
>永野芽郁ちゃん
鈴木亮平さんには流石に及びませんが、彼女の漫画から飛び出して来た大和ちゃんぶりも侮れない出来でしたね!
>・猛男は、ナンパ男に絡まれている大和を壁ドンで助ける
これも映画映えする改変だった思います!痴漢という現実的な危険人物だと小中学生くらいの女の子達には恐怖を感じてしまう子もいるでしょうし、正義感からでも猛男が暴力を振るうのを怖がる子も居るでしょう。そこでパンチの代わりに壁ドン!とは秀逸すぎる改変です!
>・猛男は柔道中に「(大和が)好きだー!」と言っていたため、いつの間にかそれが投げのときの掛け声として部内で浸透していた。
これ色んなスポーツで流行って欲しいですね。そして試合後に「おい!誰をだよ!?」と盛り上がって欲しい・・・そして爆発しろ!!(訳:幸せになれ!)
>・猛男のお母さん(鈴木砂羽)
>・お父さんは猛男といっしょに、好きな人の星座を見る。
この2人も本当に良かったです。さすが男の中の漢の親!!
あとクライマックスで大和ちゃんごひいきの店の大人達が一目見ただけで猛男が大和ちゃんの想い人だと解るのも!「大人の素適さ」を表していたと思います。
>これは恋を応援する最高の親友の物語でもあるんだから・・・
本作で一番羨ましいのは彼でした!あの二人を一番近くで見守れるなんて!!
原作は読んでなかったんですがアニメ版はチラッと見てたんで見に行く前は半信半疑でした。
ですがキャスティングはもう全員完璧ですね。特に大和役の永野芽郁ちゃん、正直に言います。可愛いっすwwww
パッと見た時はそうでもないかな…と思ってたんですけど、物語が進むに連れて
彼女の仕草、言動にどんどん引き込まれていって最終的には猛男同様「好きだぁぁぁぁぁぁ!!」ですよw
皆さん言われてますけどあの告白に至るまでの料理ノートをめくるシーン、断言します。アレで惚れない男がいますか?w
永野ちゃんはインタビュー等で「ビジュアル公開の時に評判良くなくて悔しかったので見返そうと思った」と仰ってましたが、いやいや参りました。いじらしくも本当に心が清い大和をよく演じたと思います。
「ターボキッド」のアップルも捨てがたいですが僕の現時点での今年ベストヒロインは大和ですね。
もちろん鈴木亮平氏の命削りまくりな役作りには当然頭が下がりますし、砂川役の坂口健太郎氏もどこか柔らかい雰囲気を備えていて良かったです。
あと個人的には某ドラマのファンなんで猛男の両親が出てきたとこで爆笑しちゃいましたw
すれ違いも多いけど、でもギスギス感は無く本当にいい映画を見れたと思いました。
コンプレックスに悩む人間が最後に何かを掴む、コレですよ岡田磨里さん。コレですよ心が叫びなんちゃらを作った皆さん(しつこい)
あ、僕もヒナタカさんや皆さん同様見終わった直後「ラップキスの下りがおまけなら予告で流すなよ…」と心底思いました。
「大脱出」のタンカー丸写しくらい酷い予告を見せられた気がします。
> 皆さん言われてますけどあの告白に至るまでの料理ノートをめくるシーン、断言します。アレで惚れない男がいますか?w
それもマンガになかったのに忘れていた!追記します。
> あ、僕もヒナタカさんや皆さん同様見終わった直後「ラップキスの下りがおまけなら予告で流すなよ…」と心底思いました。
> 「大脱出」のタンカー丸写しくらい酷い予告を見せられた気がします。
大脱出、アメイジング・スパイダーマン2もひどかったですよね。
あああ、もどかしいい!
鈴木さん最高!もう猛男にしか見えない!
永野芽郁ちゃんも可愛すぎる!下手するとあざとさが出てしまいそうな役なのに全然見えなくて良かった!
坂口健太郎くんは、初見あんまり砂っぽくないなーと思ってましたが、映画の中では砂川君でした。良かった!
一つだけちょっとだけ納得いかなかったところが
砂川君が「めんどくさいから教え」なかったっていうところ。
うん、脚本家の意図は分かりますし、映画版の砂川君の気持ちもわかります。
でも砂川君は一言、二人の前で「大和さんの好きな人は僕じゃないから付き合えないよ」って言うことはできるんじゃね?と思ってしまったんですよね……。
それでこじれる可能性はあるとしても、砂川君がそれを言わないのはちょっと意地悪なんじゃね?とか思って見てました。
とはいえ総合的にはとても面白かったです!
個人的に寺脇さん鈴木さん夫婦が見れてそこも良かったです!