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ゆる~い映画レビューがメインのブログです。最新映画の感想は↓の「新作映画レビュー」からどうぞ。

映画『ゾンビ・ガール』元カノ埋めろ!(ネタバレなし感想)

「シッチェス映画祭」ファンタスティック・セレクション2015のひとつゾンビ・ガール(原題:Burying the Ex)を観てきました。

Burying_the_Ex.jpeg

個人的お気に入り度:8/10

一言感想:やっぱり生きてる女性がいいよね!

あらすじ


ホラーショップの店員・マックス(アントン・イェルチン)は、彼女のエブリン(アシュリー・グリーン)のあまりのもエコ主義と、キレると手がつけなれなくなる性格に耐えきれなくなり、別れを決意する。
そんな矢先、エブリンは事故で死んでしまう。突然の死に傷心となったマックスだったが、アイスクリーム屋の店員・オリヴィア(アレクサンドラ・ダダリオ)と意気投合し、前向きになろうとしていた。
ところが、死んだはずのエブリンはゾンビとなって墓の中からよみがえってきて・・・




世の中にはゾンビ萌えという危篤奇特なジャンルがあるそうです。
日本はその先駆者で、『さんかれあ』『りびんぐでっど!』という女の子を萌え萌えに描くマンガも存在していました。
(ゾンビではないけど)ゲーム『ヴァンパイア』シリーズのキョンシー・レイレイにも、人は長年癒されてきました。

<死んでいてもかわいいよね!

で、本作は『ゾンビ・ガール』という超・ド直球の邦題が付けられているわけですよ。
これはきっと3次元にゾンビ萌えの文化を持ってきたにちがいない!とはぁはぁしていたけどぜんぜん違うからな!


本作の原題は「Burying the Ex(元カノ埋めろ)」。本作に出てくるゾンビの女の子は、マジで埋めたくなるほどにはた迷惑なのです。

大変ステキなのは、主人公がホラーショップの店員(ホラー映画大好き!)で、そのゾンビになる女の子がエコ大好きな現実主義者ということ。
彼女は絵空事の映画に興味はなく、菜食主義者で、ホラー好きが唸るマニアックな商品を置くアイスクリーム屋にまったく理解を示そうとはしません。
それどころか、「アホな映画ばっかり見ていないで、現実を見なさいよ」とかほざきます。
つまりは、彼女は(性格的に)グロくてチープで一部のターゲットを狙い撃ちにするゾンビ映画からはほど遠いところにいる存在なんです。

自分はアホらしいB級映画が大・大・大好きなので、もう主人公に感情移入必死。もうそんな女別れちまえ!と思わざるを得ないわけですよ(だよね?)

で、そんな彼女がゾンビになったら?
この状況を嘆く?それともその辺の人間を食おうとする?
いいえ、たとえ死んでいようが彼氏とヨリを戻そうとします(そもそもフラれていることに気づいていない)。

ゾンビ・ガール22<絵に描いたようなヤンデレ化

大好きなゾンビ(の女の子)に言い寄られるけど、ぜんぜんうれしくない!
ていうか君が死んでから、ステキな女の子に出会えたんだから、お前もうどっかいけよ!
そんな主人公の悲哀とコメディがたっぷり描かれているわけです。素晴らしいですね(笑顔)。
こう考えると主人公がクズやろうに思えるところですが、そうならないようにキチンと脚本が工夫されている(主人公がイイヤツだという描写がたっぷりある)のも好きでした。

そして、作中にはゾンビ映画愛が存分に感じられるのもいいです。
ベラ・ルゴシ主演の映画はそこかしらに画面に映るし、(腹違いの)弟が大好きな映画は『ゴア・ゴア・ガールズ(←ジャケットがすでにグロ注意)』だったし、クライマックスでは『(いちおうネタバレなのでクリック注意)』が登場するのですよ。たまんねえな。

主人公と弟が、ゾンビの知識を持って問題を解決しようとするのも大好きです。
いまでこそオタクの知識が役に立つぞ!という、『ピクセル』のような内容でもありますね。


なお、本作はひっきりなしにアクションをしたり、ゾンビがわんさかと登場するような映画ではありません。
あくまで物語の焦点となっているのは、ゾンビになった女の子ただひとりです。

これがそのまんま、(ゾンビでなくとも)はた迷惑な女の子とどうやって別れたらいいのか?を模索するストーリーになっているというのがまた素晴らしいですね。
アホ映画に思えて、意外と教訓をあたえてくれる映画なのかも。


ちなみに、本作の監督は『グレムリン』のジョー・ダンテです。68歳にもなって何を撮ってんだ。

ザック・ギャリガン
2587円
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また、B級映画に思えてキャストがじつは豪華だったりします。
主役は『スター・トレック』『ターミネーター4』のアントン・イェルチン、ゾンビ・ガール役は『トワイライト』シリーズのアシュリー・グリーン、まともな今カノ役は『パーシー・ジャクソン』シリーズのアレクサンドラ・ダダリオです。なんでこんな映画にでているんだお前ら。
ダダちゃんがかわいい、本当にかわいい(大事なことなので2回言いました)ので、きっと生きている女性がいまよりも大好きになれるでしょう(そうか?)

ゾンビガール2※彼女は生きているよ

いちおう下ネタが満載で、グロも少なからずやあるR15+指定の映画なのでそこだけはご注意を。
10月31日のハロウィーンでは、ヒューマントラストシネマ渋谷で19時から観られますよ!オススメです。

オススメレビュー(ほんの少しだけネタバレ注意)↓
<Tinker,Tailor,Soldier,Zombie : Burying The Ex(2014)>

(C)2014 BTX Nevada, LLC All Rights Reserved.

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2015-10-30 : 旧作映画紹介 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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映画『カイト/KITE』は恵まれた実写映画化だった(ネタバレなし感想)

劇場で観ていたのに、レビューのタイミングを逃してしまった映画カイト/KITEをいまさらながら紹介します(現在レンタル中です)

インディア・アイズリー
3756円
powered by yasuikamo

個人的お気に入り度:6/6

一言感想:かわいい女の子が殺し屋の時点で最高じゃないか!

あらすじ


少女たちを性の奴隷として取引することが横行する近未来、両親を殺されたサワ(インディア・アイズリー)は、父の親友だった刑事アカイ(サミュエル・L・ジャクソン)に殺し屋として育てられていた。
サワは標的である組織のボスに近づいていく途中で、オブリ(カラン・マッコーリフ)という少年と出会うのだが・・・




本作の原作は18禁指定の日本製のアニメです。

1536円
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※非18禁のインターナショナルヴァージョンはアマゾンビデオでも観れます。



※原作アニメの冒頭部分。大いにグロ注意。

その世界観、少女が殺し屋として暗躍するプロット、残酷性と爽快感を併せ持ったアクション描写が日本だけでなく世界中で評価をされました。
本作のハリウッドでの実写化は、コアなアニメファンには待望のことだったと思います。


しかし・・・本作の評価は芳しくありません。いや、それどころかIMDbでは4.6点Rotten Tomatoesでは衝撃の0%です。

なぜそんなに評価が悪いのか・・・といえば、だいたいの理由が原作アニメから世界観を変えてしまったことにあると思います。

原作は『AKIRA』チックなゴミゴミした都会が舞台でしたが、映画では「少女たちが性の奴隷として売られる、荒廃した近未来」が舞台となっています。
これにより、原作の「主人公のサワが性的な奴隷になっている」という、ヒロインの「特異性」「孤独感」がなくなっています。

さらに、キーパソーンのアカイ(ヒロインの育ての親)のキャラを、原作とはまったくの別人にしています。
原作のアカイは、ヒロインの両親を殺した上に、ヒロインを性的に弄ぶというど畜生なのですが、そうした魅力(?)もなくなっています。


だけど、自分はこのふたつも肯定的に捉えたいです。

崩壊したビルが立ち並ぶという、すさんだディストピアとしてのしての魅力も十分で、低予算ながらも世界観はしっかりと構築されています。
奴隷として売られる少女たちをヒロインが助けるという、「義賊」「ヒーロー」ものとしてのおもしろさもあります。

アカイのキャラ変更も、(結末まで観れば)しっかりとした意図があります(映画の彼は「矛盾を抱えた存在」になっています)。
終盤のセリフを拾えば、彼の哀しみや苦悩も十分に感じられるのではないでしょうか。


そして本作は、性的に虐げられた女の子が、女性を性の道具としか見ていないクズ男たちをぶっ殺していくという大変素晴らしい話なのですよ。

こんな男どもは殺して当然!と『ジョン・ウィック』のように主人公を応援できるだけで、個人的にはもう満点の映画なのです(6点満点で)。


さらに、本作では原作で印象的だったシーンのほとんどを再現しています(残念ながら、だいぶ縮小して描かれたシーンも多いけど)。
世界観を変えつつも、原作へのリスペクトは存分にある。これだけで本作を嫌いになるわけがありません。


何より、インディア・アイズリーちゃん演じる殺し屋がカワイくてエロいというのが大変けしからんのです(笑顔)。
しかも彼女、戦闘力が高い反面、薬物中毒者なのでどうしても心配(感情移入)してしまうんですよね・・・「強いけどか弱い」というキャラクターもいいのです(監督が彼女を「正気を失ったケイト・モスみたいだ」と言っているのに笑いました)。


しかも(自分は吹き替え版は観ていませんが)主役ふたりの吹き替え声優が沢城みゆき小野大輔と超豪華でした。
峰不二子と空条承太郎の掛け合いが観られるのはこの『カイト』のみ(たぶん)!声優ファンはぜったいに観ましょう。


あ、言い忘れていましたけど、本作はR15+指定で残虐描写がてんこもりなのでそこだけはご注意を(むしろご褒美)。

ちなみに、『デッドコースター』『スネークフライト』のデヴィッド・エリスが本作を監督するはずでしたが、撮影地で急死(死因はいまだに不明)したたためにラルフ・ジマンが撮影を引き継ぐことになりました。
作品を観ると、確かにデヴィッド・エリス監督のエッセンスを十分に感じられる内容になっていました(おもにグロ方面で)。

デートではオススメしませんが、ひとりで観る映画としてはかなりオススメ。かわいい美少女がグロく敵をぶち殺しまくるのが観たい方はぜったいに観ましょう(笑顔)。

おすすめレビュー↓
カイト/KITE(ネタバレ)|三角絞めでつかまえて
キネマ・アイランド | 忘れゆく過去にすがって。『カイト KITE』感想。

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2015-10-29 : 旧作映画紹介 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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映画『ターボキッド』チャリ版『マッドマックス』は最高のラブストーリーだった!(ネタバレなし感想)

今日の映画感想はターボキッドです。

マンロー・チェンバーズ
3036円
powered by yasuikamo

※DVD&ブルーレイは2016年1月13日発売予定

個人的お気に入り度:10/10

一言感想:古き良きB級映画が、いまここに(大感動)

あらすじ


核戦争によって文明が崩壊した1997年。水をめぐった争いがくり広げられる世界で、少年キッドはたった1人で生き延びてきた。
ある日、キッドは謎の美少女アップルと出会うが、彼女は極悪首領ゼウスによって誘拐されてしまう。
時を同じくして、カウボーイの男は弟の仇を討つために、ゼウスのアジトに乗り込もうとしていたが・・・




ごたくはいいからさっさと観ろ!

いやあもう最高です。この作品がいかに素晴らしいかって、まずはその超低予算っぷりを語らずにはいられません。

まず、撮影場所が明らかにどこにでもありそうな荒れた土地です。
ちょっと遠出すれば誰でも撮れそうです。

主人公は「ターボライダー」というアメコミに憧れてヒーロースーツを着るのですが、まあそれが安っぽいこと

ヒーロースーツですよ<マジすか

こいつの武器がファミコンのコントローラーの「パワーグローブ」っぽかったのには、感動して泣いてしましました(泣くよね?)

パワーチャージ<ちゃっちい
パワーグローブ画像の出展はこちら

さらには秘密基地にあった操作パネルが「プラズマボール」だったりするぞ!

<簡易的なものであれば1000円ちょっとで買えます。

この溢れんばかりの低予算臭だけでも大好きにならざるを得ないでないですか!(だよね?)

しかしそんなことはまだこの映画ではほんの序の口です。
本作の大きな見所のひとつは、『マッドマックス2』のような世界観において、ザコたちがチャリで襲ってくることですよ!

移動手段はチャリ<怖い光景
なぜか傘<なぜかを被ったジャパニーズな敵が出てきます
チャリで追いかけっこ<チャリで追いかけっこ
<こういうBMXが移動手段でした

さらには、『北斗の拳』のジャギ様みたいなのが、チャリに乗ったまま強敵として待ち構えているんですよ!

チャリに乗ったジャギ様<超かっけえ

この光景を観るだけで、嬉し涙が止まりませんでした(泣くよね?)

マッドマックス 怒りのデス・ロード』の画像と並べてみると、こんな感じになりますよ!

ひゃっはー
そのギター重い
バランスが大事
移動手段はチャリ

いやあ、比べてみてもどっちがどっちの映画かわかんないよね!(笑顔)

舞台が資源の少なくなった近未来だから、移動手段がチャリになっているというのはある意味で合理的ですよね。
『マッドマックス 怒りのデスロード』のみなさんはガソリンを無駄にしすぎだと思います。


本作の素晴らしいところはそれだけじゃないぞ!なんと言ってもヒロインが死ぬほどかわいいんだ!(力説)

かわいい4<かわいい
かわいい1<かわいい
かわいい2<かわいい
かわいい<天使?

このヒロインは、主人公のところに現れて、唐突に「友達になりましょう!」と言ってくれる、超純粋な女の子です。いきなり目の前にかわいい女の子が現れてモテモテになるという男の子の夢を叶えてくれます。
ついでに、ちょっとだけヤンデレ化して怖くなるときもあります
(ちょっとエキセントリックだけど)この子を守りたいと思わない奴は男じゃねえぞ!

そして、この彼女とウッフアハハと自転車デートができるんですよ!

チャリでデート<チャリでデート

二人乗り<この後に最高に萌えるシーンが!

えーとね、なんでしょう。結婚してください
世界の中心で、愛をさけぶ』のふたり乗りのシーンよりさらに悶絶できました。

なお、キャスト陣は無名の方が集まっていますが、悪役を演じているのはベテランのマイケル・アイアンサイド。いろいろなところで悪役として見かける彼は、本作においてもイモータン・ジョー様に負けず劣らずの悪漢の魅力を見せてくれました。


まだまだあるぞ!本作はアホらしいスプラッター描写が満載だ!
首チョンパ(血がブシュー☆)なんて序の口だ!ときには腸だって飛び出ちゃうぞ!
超悪趣味だけど、終盤では慣れちゃって大爆笑できるぞ!


※予告はグロ注意

本作は映倫さんを通していないんだけど、R15+指定が妥当でしょうね(ちなみにエロはほぼ皆無です)。


音楽も最高だ!
何に似ているかと言えば、『スネーキーモンキー 蛇拳』がもっとも近い。あの浮遊感のある音楽にノレる人もぜったいに観るべきです。



音楽を手がけたのはカナダのアーティスト・Le Matos
その素敵な楽曲の数々は、以下の記事を参考にするんだ!
<青春チャリンコゴアアクション映画「ターボキッド」のサウンドトラックを手がけたカナダのシンセウェイヴユニット「Le Matos」>


そしてストーリーも素晴らしい!

本作は主人公の成長物語+カウボーイの復讐劇+ラブストーリーが組み合わさり、そのどれもがバランスよく構築されています。

ヒロインはただ守られるだけの存在じゃなくて、しっかりと愛する男のために戦う!
主人公は女の子が苦手なヘタレな少年だったけど、やがて彼女を守るための男として成長していく!
なんて素敵なラブストーリーなんだ!

しかも物語にはとある「秘密」が隠されています
この秘密は意外な展開で驚かせるだけでなく、SF的な哲学も想起させます。
B級映画かと思いきや(そうなんだけど)、思いもよらぬ「深さ」まであるのです!

なんて・・・なんて素晴らしい大傑作なのでしょうか!。
この手のB級映画の評価が厳し目なrottentomatoesで86%というのは伊達じゃあない、ひとりでも多くの人に観て欲しい作品です。


いやーしかし、ビジュアルをいろいろと見ても、これが2015年制作の作品とはとても思えませんね。
死ぬほどわかりやすい合成でエフェクトを作っていますから。

turbo_002_large.jpg※2015年の映画です。

本作は古き良きグラインドハウスにもリスペクトを捧げた作品なのでしょう。
グロい!チープ!サービス精神満点!そんな映画をポップコーンを頬張りながらガハハと笑いながら観る!最高じゃあないか

ていうか映画の舞台が1997年の未来というのが完全に狙っていますよね。
もうもうそれ18年も前だよ!たぶん『ニューヨーク1997』も愛しているんだろうな。

ついでに、明らかに『子連れ狼』っぽいシーンもありました。

<まさかここまでリスペクトしているとは・・・

あらゆるジャンル映画へのオマージュ具合も、愛おしくて仕方がありません。


ちなみに、本作はもともと、オムニバス映画『ABC・オブ・デス』に落選した短編作品でもありました。

ナチョ・ビガロンド
1741円
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本当はお蔵入りになるはずだった作品が、こうして長編として復活した・・・まさに奇跡と呼ぶべき作品なのです。


世の中にはたくさんのB級映画がある。『ブレインデッド』『フロム・ダスク・ティル・ドーン』『ピラニア3D』・・・どれも大好きな映画だ。

だけど、本作『ターボキッド』の感動はそれを超えていたんだ!
主人公を心から応援し、女の子と恋に落ちて、アクションに熱くなる。
泣いて笑って、意外な展開に心踊り、あっという間にエンディング・・・こんなにもお金をかけていないのに、映画とはこれほどまでに心を動かすのかと、改めて感動した次第です。

そりゃあまあチャリに乗ったままのアクションが少ないとか、一部の編集がおぼつかないとか、ささいな欠点はあります。
あまりのも残虐さ、チープさに眉をひそめる人も少なからずやいるでしょう。

それでも、これはB級映画ファンならぜったいに観ないといけない作品だ!
もちろん『マッドマックス』シリーズファンにとっても最高の映画だ!
B級映画にはお金がないが、それを上回る圧倒的なアイデアとサービスを詰め込む!その魅力を体験できるのだから。

本作が観られるのは、今年はヒューマントラストシネマ渋谷名古屋の映画館シネマスコーレが10月30日(金)まで、あとは京都・立誠シネマで11月14日(土)〜11月27日(金)だ。
それがわかったら、近くに住んでいる方は見逃すんじゃないぞ!

※今回はそのおもしろさを体験してほしいので、ネタバレは書きません。さっさと劇場に行きなさい。またはDVDのレンタルを待ちなさい。

おすすめレビュー(グロあり、ほんの少しだけネタバレ注意)↓
<映画感想 - ターボ・キッド(2015) - にっきにっき>

キャストのインタビュー↓
<映画『ターボキッド』マンロー・チェンバーズ(キッド)インタビュー - YouTube>
<映画『ターボキッド』ロランス・ルブーフ(アップル)インタビュー - YouTube>
<映画『ターボキッド』マイケル・アイアンサイド(ゼウス)インタビュー - YouTube>

やけにファミコンテイストを感じると思ったら、やっぱりか!↓
<青春ディストピア映画『ターボキッド』の監督にインタビュー&特別映像 | コタク・ジャパン>

本作における秘密に関わるツイート(ネタバレになるので未見の方はクリック禁止)
<大傑作80年代風映画『ターボキッド』のヒロインの武器について>

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2015-10-26 : 旧作映画紹介 : コメント : 4 : トラックバック : 0
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シュールすぎる映画『リアル鬼ごっこ(2015)』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

遅れましたが、今日の映画感想はリアル鬼ごっこ(2015)です。


個人的お気に入り度:6/10(一般の方には0点)

一言感想:予想の斜め上だった


あらすじ


じょしこうせいがちまみれになったり、わぎりになったりします。




ゲロゲログロンチョな映画を得意とする園子温監督による、女子高生をぶっ殺しまくるゲロゲログロンチョな映画でした。R15+指定も大納得!
もう感想としては以上です

まあさすがにそれだけだと申し訳ないので、まずは原作について語りましょう。

山田 悠介
1080円
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この原作が大評判となった理由のひとつが、全方位的にケンカを売ったあたらしいにほんごでした。
たとえば「ランニング状態で足を止めた」「二人が向かった先は地元で有名なスーパーに足を踏み入れた」「記憶を全く覚えていなかった」 などなど。
ようするに頭痛が痛くなる記述のオンパレードでした。

インサイド・ヘッド』にいたムカムカの存在意義を確かめたい人、日本文学の今後を考えたい方はぜひ読んでみましょう。いや、しょっちゅう日本語を間違えているこのブログの管理人が言うことではないんだけど。
残念ながら現在出版されている文庫版ではこれらのすてきなにほんごが修正されているようなので、読むなら自費出版されたこちらの単行本がおすすめです。


そして……園子温が原作を読んでいないどころか、過去の映画版すら観ていないことが明らかとなり、その事実が軽く炎上していました。
おかげさまで、この2015年の映画版は「捕まったら殺される鬼ごっこをする」という以外に、原作との共通点が1ミリもみられない作品となっています。

これは、本気で『リアル鬼ごっこ』というインパクトの強いタイトルを使いたかっただけです。
2008年版の映画『リアル鬼ごっこ』の監督でもある柴田一成プロデューサーも「この人気の理由はやはり、ネタになる、ということが大きい。タイトルのインパクトと、捕まったら殺される鬼ごっこというコンセプトのキャッチーさがウケた」と、その「ネタ」部分だけを取り上げたコメントをしています。
さすがに原作に対して不誠実すぎます。

しかし……『リアル鬼ごっこ』が売れた理由は、その「ネタ」部分にほかならないという事実があるので、これでいいのでしょう。
原作で構築された世界観やサスペンス描写ははっきり言って稚拙だったので、この原作を切り捨てる、思い切った作品作りの姿勢も間違いではないように思えるのです(こう言うとヒドいな)。

本作の炎上具合が大したことがなかったのは、一般の方も原作のアレっぷりを認識していることと、実写映画版『進撃の巨人』の炎上具合がそれどころじゃなかったことが理由なのかもしれませんね。


また、個人的にはこの園子温監督の「原作も過去の映画版も知らない」という発言は、建前というか、炎上商法なのではないか?と疑ってしまうところがあります。
なぜなら、この園子温版『リアル鬼ごっこ』は、過去の映画作品と同じような設定があったからです。

※2008年版

2008年版の映画にあった(原作にない)とある特殊な設定が、今回の映画版にもあるというのは、偶然とは思えません。
女性の胴体がちょん切られるというショックシーンも共通していましたし、こっそり園監督は映画版を観ていたんじゃないでしょうか……推測にすぎませんが。


あ、そろそろ映画本編について語りますと、本気でヒドい仕上がりになっています。

なぜなら、本作は展開に筋が通らなすぎる不条理劇だから。
最近で言えば、さっぱり意味不明だった映画『複製された男』や、人類には早すぎた映画『極道大戦争』が近い印象です。

この映画に予備知識がない方は「女子高生が殺されまくるだけの映画」だと思うでしょう(そうなんだけど)。
だけど、その認識は甘い、甘いのです。
序盤から「え?」と思う展開になるし、終盤になるとアホらしすぎて笑うしかないという有様でした。

つまり、この映画は意味不明な展開のオンパレードなうえに、女子高生をぶっ殺しまくっているのです。最低やないか
そんなわけで本作は一般のお客さんにはまっっっっっっっったくオススメできないのでした。

こんなク◯映画のために、トリンドル玲奈さん、篠田麻里子さん、真野恵里奈さんはちゃんとした演技をしています。
一般の方の「キャストが不憫だと思う」という感想は100%正しいです。

園監督は『新宿スワン』で一般向けの作品を手がけたと思ったら、すぐさまこんな映画を撮るんだもんなあ、クレイジーすぎます(褒め言葉)。

なお、園監督はヒット作『自殺サークル』でも不条理劇を手がけていました。

石橋凌
3776円
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女子高生が序盤から死にまくることや、観ていてモヤモヤする「謎」があることなど、けっこう今回の『リアル鬼ごっこ』のルーツを知ることができる作品です。

ちなみに、本作の主人公の名前は「ミツコ」で、過去の園監督作品の多くでミツコという名前の女性が登場しています
本作には『新宿スワン』と同じく「SONO SION'S FILM」というロゴがなかったのですが、ちゃんと園監督らしさを随所に感じる映画になっていました。

あと、黒い画面に真っ白な羽が落ちるのは、思い切り『ブラック・スワン』を意識しているよなあ……(これもある意味で不条理劇だし)。


さて、本作は総括すれば意味不明な不条理劇×ナンセンスなグロ映像、という評価になってしまうわけですが……自分はこの「不条理」ということがキライじゃありません。
キッチリ決まったやり取りをする日常では、暴力や不条理などは体験できません。
映画は「非日常」を提供してくれる媒体であるので、ただ不条理を突きつめて描く作品があってもいいと思うのです。
自分はデヴィッド・リンチ監督作品をはじめとした意味不明な作品が大好きなので、本作も大いに楽しむことができました。

映像で出色なのは、ドローンでの撮影が行われていること。
日本映画ではよくクレーン撮影が行われていますが、ドローン撮影はより手軽にできる上、空間の広がりや疾走感を感じられる映像をつくることができるのですね。今後はもっとドローンを利用した映画が出てくるのかもしれません。

単純に残念なのは、上映時間が85分と短いのに、間延びしたようなシーンがあったこと。
女子高生がウッフアハハと話し合っているシーンは好きなのですが、トリンドル玲奈さんが走りまくるだけの画は明らかに「引き伸ばし」っぽさを感じてしまいました。

あ、あとパンチラがこんなにうれしくない作品は初めてでした。
ビッ◯な女子高生が多いからなあ。パンチラと「恥じらい」はセットで用意すべきだと思いました(我ながら何を言っているんだろう)。

そんなわけで本作は積極的にオススメしたくないのですが、『極道大戦争』などのイカれている映画が好きな方、女子高生が死にまくるのが観たいという悪趣味な方はぜひ劇場へ。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2015-08-05 : 旧作映画紹介 : コメント : 10 : トラックバック : 0
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映画紹介動画「ヒナタカ&成宮の昔の名作映画大発掘!」第1回『狩人の夜』を作ってみました

突然ですが、映画にものすごーく詳しい方といっしょに、動画を作ってみました。

紹介する映画は狩人の夜(1955)です。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:古き良き超・変な映画


あらすじ


1930年代、大恐慌時代のウェストバージニア州。
突然田舎町に現れたニセ伝道師のハリー・パウエル(ロバート・ミッチャム)は、巧みな説教を使って未亡人のウィラ(シェリー・ウィンターズ)と結婚する。
ウィラの息子であるジョンは、亡き父から伝えられた大金を守るため、ハリーを警戒するのだが・・・






狩人の夜 人物相関図

動画だけだとわかりにくいと思うので、登場人物の相関図も作ってみました。
この関係が映画の中ではあまり説明されないのでとっつき辛いことこのうえないよ!
正直、開始数分は何の映画を観ているのかわからなかったよ!
ていうか、観終わってみても何の映画なのかよくわからないよ!(なんて映画だ)

動画内の絵は妹が描いてくれました。
あと、音がものごっつ小さい&動画のノイズがひどくてごめんなさい。マイクを買って改善しよう。


これだけ映画に詳しい成宮秋仁さんって何者?と思われた方へ。
キネマ旬報の「読者の映画評」への投稿のほか、日本で唯一のドキュメンタリー専門誌『neoneo』で映画批評家として活動している方です。
<評論の例としてこちらのページ>をご覧ください。
<Twitterはこちら>

どれだけ成宮さんが昔の映画に造詣が深いかは、以下の日本映画ベストでもだいたい察しがつくのではないでしょうか。


一方、自分の日本映画ベストはこちらです。


ちなみに成宮さんはアニメ、マンガ、特撮にも幅広く深すぎる知識を持っています。本当、何者なんですか。

※以下は関連動画や補足事項です。
一応、動画内容のネタバレもあるので、なるべく観てからどうぞ。

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2015-07-27 : 旧作映画紹介 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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老人脅迫ロードムービー 映画『0.5ミリ』ネタバレなし感想+豪華じじい紹介

キネカ大森の2本立て企画で鑑賞した、現在レンタル中の映画0.5ミリの感想です。

安藤サクラ
4656円
powered by yasuikamo

個人的お気に入り度:8/10

一言感想:ぜんぜんハートフルじゃなかった


あらすじ


介護ヘルパーの山岸サワ(安藤サクラ)は、ある日派遣先で「おじいちゃんといっしょに寝てほしい」と依頼される。
サワは添い寝するだけとの条件で引き受けるが、その日のうちに大事件に巻き込まれてしまい、職場も、住まい、もわずかな貯金でさえも失ってしまう。




いやね、この映画は安藤桃子監督自身の介護経験をもとにした作品ということで、主人公が介護を通じて成長したり人の温かみを知ったりするハートフルな作品なんだろうな~と勝手に想像していたらこんちくしょう、いい意味で死ぬほど裏切られました

端的に内容を語りますと、監督の実の妹である安藤サクラが老人たちをつぎつぎと脅迫して回るという作品と考えて問題ございません。

なぜ脅迫するかといえば、家も貯金もないプータローで、頼れる家族もいないから。
なぜ脅迫ができるかと言えば、このじじいたちはふつうに犯罪行為をしまくっているから(なんて映画だ)。
住む場所を手にいれるため(それだけではない?)のために、つぎつぎと老人の弱みを握っていく様はかなり痛快(?)なのでした。

もちろん介護に関する現状を描く真面目な要素だってあるのですが、それはあくまでも「題材」というだけで、メインに描かれるのはファンタジー気味な話(寓話)です。
いい意味で「ありえねー」展開を楽しめました。

さて、本作で特徴的なのはもうひとつ。上映時間が3時間19分あることです。タイタニック超えてんじゃねえか。

でもこれが不思議と飽きない。なぜかと言えば「つぎに安藤サクラは老人にどんなことをするんだろう?」と気になってしょうがないから。
演出は淡々としているように見えて、役者たちのほんのちょっとの「感情の揺らぎ」も見えます。
伏線は巧みに使われているので、長尺映画ならではのダイナミズムを期待をしても決して裏切られないでしょう。
さすがに終盤になると「上映時間長え・・・」という気持ちにならずを得ないところがありましたが、その気分も含めて楽しむべきです。

出演しているおじいちゃんたちがめちゃくちゃ豪華な配役だったり、音楽担当がゲーム「beatmaniaIIDX」で有名なTaQ(確かエンドロールには久保田修もクレジットされていた)であったことにも驚きました。
クラシック音楽と、落ち着いたアンビエントな楽曲が作品にとてもマッチしています。

そんなわけで、その上映時間のおかげで鑑賞のハードルがものすごく高いのですが、決して観て損はないはず。
ぼーっと「流し観」しても楽しめますし、じっくり観ても役者の演技の妙を楽しめるはず。
優れた日本映画を観たい人すべてにおすすめします。

↓以下は脅迫される豪華じじいを紹介。未見でも問題ないレベルだとは思いますが、予備知識なく観たい方はご注意を

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2015-06-02 : 旧作映画紹介 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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残虐+重圧なドラマ 映画『ザ・レイド GOKUDO』ネタバレなし感想+ラストの解釈

劇場で観ていたけど、レビューをし損ねていたザ・レイド GOKUDO(原題:THE RAID 2: BERANDAL)のソフト版が発売されたので、レビューします。

イコ・ウワイス
3756円
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個人的お気に入り度:7/10

一言感想:暴力って本当にイヤだなあ……(観るのは別にして)


あらすじ


ビルから生還した警官・ラマ(イコ・ウワイス)は囚人を装って刑務所に潜入し、マフィアのボスを父親に持つ男・ウチョ(アリフィン・プトラ)と出会う。
出所後、組織のメンバーとして迎えられラマは組織の情報を警察に知らせようとするのだが、ウチョは父親に対する反発と野心をつのらせて行き……




インドネシア映画『ザ・レイド』の続編です。

イコ・ウワイス
2300円
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前作は「警官たちがビルで格闘しまくってみんな死にまくります。おしまい」で説明できるくらいにシンプルな内容(そこが最高)だったのですが、今回はだいぶ様相が変わっています。
単純にアクションが連続するだけでなく、ドラマ部分が大幅に増量し、真面目なマフィアものへと変貌を遂げているのです。

描かれているのは、マフィアの親子の確執、父に愛されたい子の悲哀であったりします。
ギャレス・エヴァンス監督は同じことを2回やることを好まないそうですし、今回のもともとの脚本は続編ではなくオリジナル作品として使う予定だったそうなので、この作風の変更は必然と言えるものだったのではないでしょうか。

作風が変わったとはいえ、変わらない魅力もあります。
東南アジアで伝統的に行われている武術・シラットによるアクションは、ほかにはない迫力とおもしろさがありました(しかもさらにバリエーションもより豊かに)。カランビットナイフを使った闘いは最高に燃えます。

加えて、本作では敵キャラクターの個性も強まっています。
マンガでしかありえないような、「ベースボール・バットマン」と「ハンマーガール」というすっげえ強い殺し屋が登場するのです(しかもこのふたりは兄妹という設定)

バットマン<バットとボールで戦います。

はんまーもっています<二刀流……ならぬ二鎚流で戦います。

ついでに、素性不明の浮浪者までもが闘いに参加します。

浮浪者<こう見えてとっても強いよ!

こいつらが血みどろの凄惨なバトルをくり広げるんですよ。はい、観たくなりましたね(洗脳)。

しかも、今回は格闘術だけでなくカーチェイスもあります。
もちろんその内容は『ワイルド・スピード』のような健全(?)なものではなく、痛そうなシーン満載、残虐なのでした。

2015032817_26_26-映画『ザ・レイド GOKUDO』予告編 - YouTube<地面に頭をつけられそうに……

本作は前作のラストから直接つながりがあるので、なるべくなら前作を観てから間をおかずに鑑賞したほうがいいかもしれません(こんな作品、続けて観たら疲労度が半端ないことになりそうですが)

ちなみに自分が劇場で観たのは、残虐シーンの一部がカットされているR15+指定版でした。
調べてみると、わりと重要なシーンがカットされていたので残念だったなあ……
ソフト版は「アンレイテッド」ということで、カットのなしのR18+指定版。こっちをいまから観れる人がうらやましいです。


さて、本作の欠点は……少しネタバレかもしれませんが、もう言ってしまいます。
それはヤクザに扮している遠藤憲一松田龍平北村一輝の活躍が少ないこと。
どなたもいい役者さんであるし、「マフィアVSジャパニーズ・ヤクザ」という要素を期待していた身としては残念としか言いようがありません。続編に期待します。

また、今回のメインキャラクターである「ウチョ」(アリフィン・プトラ)がわりと北村一輝にそっくりで、一瞬混乱してしまいました。

2015032817_28_04-映画『ザ・レイド GOKUDO』予告編 - YouTube    2015032817_38_32-The Raid 2_ Berandal - Red Band Trailer (2015) [HD] - YouTube<違う人ですよ。

ついでに言うと、役名も「ウチョ」と「ウジョ」という紛らわしいのがあったり……まあ気になるほどではないんですが。
あと外国の役者さんがたまに日本語を話すのですが、イントネーションと発音がブロークンすぎてすげえ聞き取りにくいです。日本語字幕がほしいくらいでした。

そんなわけで不満点もそれなりですが、2時間半近くの上映時間でありながらまったく飽きることのない勢い、重圧さは一見(もちろん二見でも三見でも)の価値があります。
個人的にはザ・シンプルな前作のほうが作品としては好みだったりしますが、残虐アクションが観たい人にとっては大満足できるのではないでしょうか。オススメですよ(でも子どもは観るんじゃない)。

以下、短いですがラスト手前の展開のみがネタバレ 未見の方はお控えください↓

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2015-04-10 : 旧作映画紹介 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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日本映画史に残る大傑作! 映画『シベリア超特急』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日(4月1日)は映画ファンとして観ておかなければならなかった、いままで観てこなかったことが申し訳ない大傑作映画を紹介しますよ!
そんなわけで『シベリア超特急』(製作:1996年)の感想です。

水野晴郎
4500円
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個人的お気に入り度:10/10

一言感想:これは映画ではありませんでした


あらすじ


列車の中で殺人事件が起こる。
山下奉文陸軍大将(水野晴郎)はその事件のあらましを推理、いや断定し始めるのだった。




これはすごい、すごすぎる!
自分は本作を「殺人事件が起こるミステリーもの」「主人公が事件を解決する探偵もの」だと誤認していました。
しかし蓋を開けてみればビックリ。何が起きているのかさっぱり理解できない超難解な映画だったのです。

ふつうのミステリーであれば、むごたらしい死体や殺人シーンを見せるのですが、本作はよくわからない人物がいつの間にか死んでいたと説明されたり、主人公が死体を見てもいないのに殺人事件が起きたとのたまうのです。

死体を一切見せないという斬新な演出を用いた傑作には『模倣犯』もありましたが、その6年も前に、水野監督という天才が一歩、いや数千歩は先を行っていたことに驚かされました。

主人公のやっていることは、もはや推理ではありません。断定です。
いや断定ではなく、予知能力なのかもしれません。
主人公が何かことばを発すると、数秒後にはそのことばが100%的中する出来事が起こるのですから。
もしかするとボインゴのスタンド能力を持ってしまったのかもしれません。

この時点で自分は思いました。これは映画という次元を超えた何かだと。
殺人事件の内容そのものが理解できないミステリーなんて、いままでにあったのでしょうか。
ふつうのミステリーは「誰が犯人なのか?」ということで観客の興味を引かせるのですが、この『シベリア超特急』はまず何が起きているのかを脳みそをフル回転させて考えなければいけないのです。
マルホランド・ドライブ』あたりの「難解な映画」を観たことがある人は、ぜひ本作にもチャレンジをしてみるとよいでしょう。


本作の革新的なところはそれだけではありません。

挙げなければいけないのは、主人公を演じた水野晴郎の神がかった演技力でしょう
主人公はいかなる時も感情を表に出しません。
その滑舌はザボザボしており、ひとつの単語を把握するだけでも高度なヒアリング能力が問われます。

そして臨場感抜群のセットについても触れないわけにはいけません。
舞台は大陸を横断する鉄道なのですが、作中では一切車内が揺れることがないのです。
「映画の予算不足」や「演出力不足」などではない、水野監督ならではの素晴らしき妥協がここにもっとも表れていると言っていいでしょう。

そして物語は二転三転し、急転直下の結末を迎えます
その衝撃たるや、『ユージュアル・サスペクツ』や『シックス・センス』などのどんでん返しが束になっても適わないほどでした。
これからこの映画を観る方は、ぜひラストの展開を予想してみることをおすすめします。

また、伏線の使われかたもすごすぎる!
映画の冒頭のシーンが、このように回収されるなんて誰が予想できるのでしょうか?


そして、本作のテーマは映画史上もっとも明確に描かれていると言い切っていいでしょう。
作品の根底にあるものは「戦争批判」です。
ラストシーンには水野監督のメッセージがストレートに凝縮されており、そのことばを聞いたときに自分は涙を流してしまいました。
映画を観終わった後すべての人は、水野監督がどうしても伝えたかったことを、これ以上なく理解できるはずです。


映画ファンを自称するのであれば、一度は観てほしい作品です。
観終わった後は、きっと世の中すべてのものが美しく見えて、映画が相対的にもっとおもしろいものに思えてくるはずですから。

いやぁー、映画って本当(ほんっとう)におもしろいものですね!
故・水野晴郎の映画愛を、ぜひ受け止めてみてください。

以下、作中のネタバレです↓

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2015-04-01 : 旧作映画紹介 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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無限の中で 映画『きっと、星のせいじゃない。』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

遅れましたが、今日の映画感想はきっと、星のせいじゃない。(原題:The Fault in Our Stars)です。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:生きているだけで幸せかも(それだけでもないかも)


あらすじ


ちょっと皮肉っぽい女の子・ヘイゼル(シャイリーン・ウッドリー)は甲状腺がんにかかってしまっために、毎日の薬の投与、治療を続けなければならなかった。
ある日ヘイゼルはがん患者の支援団体の集まりで、骨肉腫で足を失った男の子、オーガスタス(アンセル・エルゴート)と出会う。
ヘイゼルは憧れの小説家に会うためにアムステルダムに行くことを夢見ていたが、がんの症状が悪化し、ヘイゼルの医療チームはアムステルダム行きに難色を示すようになってしまう。
オーガスタスは何とかヘイゼルの役に立とうとするのだが……




少し前、ガラケー時代に日本では「ケータイ小説」なるものが流行りました。
その代表格(?)である『恋空』は、少女が暴行されるわ、愛しの彼(金髪)がガンになるわ、病気の苦しみがちっとも描かれないわ、考えなしに赤ちゃんを産もうとしてさらなる不幸の種を増やそうとするわで、子どもに心底読ませたくない最悪のシロモノでした。
この小説とも呼びたくないブツの主人公の初めのセリフはなんと「あ~!!超お腹減ったしっ♪♪」。いま見ても殺意を覚えます。
こんなスイーツ(笑)よりも大喜利状態になっているAmazonレビューを読んだほうがよっぽど幸せになれることは間違いありません。


さて、本作『きっと、星のせいじゃない。』は本国で大ヒットしたティーン向けの小説が原作であり、不治の病にかかるという点で、一見すると日本のくだらねえケータイ小説のように思うかもしれません。

ジョン・グリーン
1944円
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しかし、『恋空』と比べるのもおこがましい、天と地とほどとも思える違いがそこにはありました。
病気の苦しみがしっかり描かれていることはもちろん、世にあるお涙ちょうだいを皮肉るセリフがあったりもするのです。

確かに不治の病が物語の主軸になっているのですが、描いているのは「死んじゃって可哀想」なんて単純なものではありません。
あくまでテーマは、人の生きかたであり、愛おしさに満ちた人生そのものです。
この映画を観た後は、「生きていること」「生き続けられること」の幸せを感じることができるでしょう。

台詞は哲学的であり、病気を抱えた人はもちろん、多くの人が共感できるものになっています。
これは原作のよさと、スマートな演出や『(500)日のサマー』のスタッフが手掛けた洗練された脚本があったおかげなのでしょう。

とくに興味深かったのが、ゼノンのパラドックス(アキレスと亀)の話題。そこには、「わずかな時間しか生きられない」ということの悲しさだけでなく、希望を込めたメッセージをみることができました。


登場人物はわずか数人で、どのキャラクターも魅力たっぷりに描かれていることも大好きでした。
ダイバージェント』でも抜群の存在感であったシャイリーン・ウッドリー、イケメンなだけではなく年相応の「弱さ」を見せるアンセル・エルゴートの演技は文句のつけようがありません。
母親役にローラ・ダーン、主人公があこがれている小説家役にウィレム・デフォーと、大ベテランが抜擢されているところも見どころでしょう。

個人的には、主人公のふたりが「恋人」よりも「友だち」であった時間が長い(かのように思えた)ことも好み。
イチャイチャラブラブなリア充爆発しろではなく、同じような境遇を持ったふたりだからこその、互いを想う気持ち……そうした心情を大切にしているのです。

音楽も秀逸でしたね。

Original Soundtrack
1090円
powered by yasuikamo

誰もが知るポップスはもちろん、「ヴィヴァルディの四季の冬」を流すなど、型にはまらない選曲を楽しむことができました。


タイトルの意味についても触れておきます。

原題の『The Fault in Our Stars』は、シェイクスピアのジュリアス・シーザーの台詞「The fault, dear Brutus is not in our stars, / But in ourselves, that we are underlings.」が元ネタです。
この場合の「Star」は「運命」を意味しており、原題を直訳するのであれば「私たちの星の中の過ち」、意訳するのであれば「運命の欠陥品」となるかもしれません。
この原題は、主人公ふたりそのものを示していると言っていいでしょう。

一方、邦題は『きっと、星のせいじゃない。』という、原題とは正反対の意味に変わっています。
これは「運命のせいじゃない」「私たちが運命を変える」という、運命に抗うかのような意思の強さを感じました。

この邦題には賛否があるとは思いますが、自分は大好きです。
原作小説タイトルの『さよならを待つふたりのために』はやや受け身であるかのようなさびしさをも感じましたが、この邦題はどこかあっけらかんとしていて、主人公ふたりの性格や行動にもじつにマッチしていていました。


「死」で涙を誘うような難病もの、安っぽい恋愛話が嫌いという人にも(むしろそういう人にこそ)観てほしいと思える素晴らしい作品です。
それほど悲劇的な面ばかりが強調されているわけではなく、クスクス笑えるシーンも満載です。
きっと、すがすがしい気持ちで劇場を後にできるでしょう。

「死」そのものよりも、「もっと生きたい」という想いが強調されていることには、名作『マイ・フレンド・フォーエバー』を思い出しました。
世代を問わず、すべての人におすすめします。

↓以下、結末も含めてネタバレです。観賞後にご覧ください。

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2015-03-07 : 旧作映画紹介 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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こじれる議論とどんでん返し 動画レビュー『12人の優しい日本人』

いつもブログをご覧になっていただきありがとうございます。
今日は動画でも映画レビューをしてみるという暴挙挑戦に出てみました。

レビューした映画は『12人の優しい日本人』です。


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:“日本人らしさ”が出すぎな傑作会話劇


あらすじ


ある殺人事件の裁判のため、ごく一般の市民12人が陪審員として集められた。
被告が若くて美しいという理由により無罪に決まりかけるのだが、ただひとりだけが有罪を主張し……






とりあえず言わせてください。
超恥ずかしかった。

自分の顔を見るだけでもキツいのに、滑舌悪すぎだし……(最後のかわいい画像が動いてしまっているのもミスです、すみません)。
しかも動画内で豊川悦司をとよかわえつと呼んでしまうというね……ファンの方、ごめんなさい。
※議論でみんな嫌そうにしていたのは、日本人がどうとかではなく元ネタの『12人の怒れる男』でもそうだった!というご意見をもいただきました。その通りです……

こうしてやってみると、世のYouTuberの人はすごいなあと単純に尊敬しました。ヒカ○ンは嫌いだけど。

ちなみに動画内の絵を描いてくれたのは妹です(ブログのトップにも妹描いてくれたベイマックスの絵を載せました)。ありがとうマイシスター。

撮影場所は東京・五反田にあるコワーキングスペースVACANCY OFFICE”です。
平日では朝の9時30分から21時30分まで利用してもたったの1200円とリーズナブル、綺麗でWi-Fiも使い放題でコーヒーも無料なので、みんな行けばいいんじゃないかな(ダイレクトマーケティング)。

とにかく、動画内で紹介した『12人の優しい日本人』はおすすめの作品なのでみんな観てね。

塩見三省
2548円
powered by yasuikamo

ヘンリー・フォンダ
2290円
powered by yasuikamo


この動画がおもしろいかどうかは自分では判断しかねるので、「もっとこうしたほうがいいよ!」な、忌憚のないご意見をコメントでいただけると幸いです。BGMは入れたほうがよかったかな?

評判よかったら第2回もやります。いや、かなり楽しかったからまた来週あたり忙しくなければやります。
→忙しいうえにパソコンが壊れたからできなかったよ……動画編集ソフト買おう。

個人的にうう~んな出来だった三谷幸喜さん監督・脚本・原作の映画レビュー↓
<主君のために 映画版「清須会議」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー>

※追記 なんといまなら無料で観ることができます↓
12人の優しい日本人|無料動画 GYAO!|映画

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2015-01-10 : 旧作映画紹介 : コメント : 8 : トラックバック : 0
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剛力彩芽のゴリ押しっぷり
真のレゴムービーの日本版予告編


<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』


<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

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